昔話の解釈ー死人の恩返し5💀

マックス・リュティ『昔話の解釈』を読む
第4章「死人の恩返し」

ちょっと間が空いてしまった。
みなさん「死人の恩返し」の内容、覚えてますか~?
忘れた人は「旅の仲間」を見直してください。こちら⇒《外国の昔話》

「死人の恩返し」の話は二つの部分に分かれています。
前半:ひどい目に遭っている死体を買い受ける話。
後半:感謝する死者の助けによって、主人公が王さまの娘を妻にする話。

以前に紹介したスイスの話では、主人公は後半で死の危険を乗り越えなくてはなりません。これには彼岸の援助者がぴったり合うと、リュティさんは言います。そして、死人がうさぎになって出てきますが、他の類話では、きつねになって出てくる例もいくつかあるそうです。動物のすがたは、援助者も救済を必要としていることを示していると言います。
うさぎは、主人公を助けた後、「わたしはうさぎになって罪を償わなければなりませんでしたが、でも今はもう救われました」といって消えていきます。

このことから、「死人の恩返し」という話は、相互救済の話だといえます。
主人公は援助者を必要とするが、援助者もまた主人公を必要とする。両者は互いに相手を頼りにしている。どちらもひとりでは自分を救うことができない。

相互救済は、「死人の恩返し」に限らず、昔話にはたびたび出てくるとリュティさんは言います。
そこで思い出すのが、グリム童話の「金の鳥」。きつねが懲りずに主人公を助けるすがたに、愛を感じますが、きつねもまた救済が必要だったんですね。

ここには人間の実際の姿が映されている、と言っても言い過ぎではあるまい。

深いなあo(*°▽°*)o

 

 

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