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語法クラス7回目

『昔話の語法』4章を講読し終えました。ヤンさん本当にありがとうございました。お疲れさまでした。今回は4章の総まとめでした。クラスは今後も続きますが、ひとまず一段落しました。

「純化と含世界性」

物語を形作る最小単位の要素(主要人物、出来事、アイテムなど)をモティーフといいます。昔話では、社会的モティーフ(喧嘩、求婚、戦い、労働…)や超越的モティーフ(山姥、化け物、妖精、魔女…)などが、ともに昔話モティーフとして物語を形成しています。

ごくこく日常的な事柄と民間信仰的な(ヨーロッパの場合は魔法的な起源を持った)出来事や登場者とを両方ひっくるめて受け入れています。

なぜ、そんなことが昔話は可能なのか?リュティさんはこの点をこたえてくれました。

昔話がこれらを受け入れる時

社会的出来事、民間信仰的起源の出来事、登場者の中身を抜き、実態は詳しく述べずに、言葉だけを残しています。例えば山姥だったら、民間伝承的な背景があります。それは、山の自然に対する畏怖や、農耕儀礼に根ざした山の神の零落(おちぶれ)というものです。昔話ではその背景には一切触れられず、「山姥がいました」と言うだけです。

この操作を「純化作用」とよんでいます。

これまで学んできた「一次元性、平面性、孤立性、抽象的様式」の表れへ移行・変容も入ります

つまり、この純化作用によって、昔話は世界のあらゆる出来事を自分の中に取りこむことができます。

含世界性の獲得です。

だから、山姥への驚きはない⇒一次元性

原始文化民族の娘小屋を認めることができる「ラプンツェル」、その説明はなく、主人公を狭い空間に閉じ込める⇒抽象的様式

「傘屋の天のぼり」傘屋がどんな仕事をしていたかは述べられない⇒孤立性、平面性」

「尻鳴りしゃもじ」では、本来の道具の機能については述べられない⇒平面性

という具合にです。

以下、リュティさんの言葉に集約されていました。

「すべての要素は純粋になり、軽く、半透明になって、容易にくみあわさって一つのアンサンブルを作り出す。そのアンサンブルの中では、人間存在のあらゆるモティーフが鳴りひびいている」

それぞれの楽器が自分のパートで役割を果たし、他を邪魔せずに調和して、一つの音楽を作り上げている、そんなアンサンブルで昔話が成り立っているんですね。

「昔話というガラス玉のなかに世界がうつっている」

そして、含世界性において、ヤンさんが小澤先生から頂いた言葉は「命の全体を語っている、子どもの成長の全体を語っている」ということ。より一層具体的で納得しました。「三匹のこぶた」みんな誰かの命を頂いて生きている。「わらしべ長者」子どもの成長には時(タイミング)がある。私はこの2つのおはなしを思い浮かべました。

世界の前にガラス玉を置いたら、昔話ができた。そんな印象を受けるリュティさんの言葉です。そして、これまでも単発でされてきた語法勉強会でもヤンさんから教わった事を少し思い出しました。昔話は、世の中の真実や普遍性、知恵や大事なことが詰まった、先人からの贈り物、人類の記憶なんですね。それは物語としては語られることでしか届けられないんだと改めて思いました。また、語法が分かると、おはなしのテーマや何が言いたいかが分かってくるので、そこに向けて語れるようになる、手を入れられるようになるとのこと。そんな嬉しいことが待っているなら学ぶしかないですね!まだまだ、迷う事、分からないことも多々あります。それが分かるようになる未来が今後きっとあります。みなさんと共に。それが楽しみです🥰

報告や感想をお届けすることにかなり難儀しました…間違いなどありましたらコメントで教えてくださいね!

「ヨーロッパの昔話 その形と本質」も合わせて読み返しましょう。byヤンさん

■宿題(〆切7/14)

①p203~p286の中で、最も印象的なフレーズを一箇所抜き出す(頁数、行数も提示)

②なぜそれを選んだのか。自分のレパートリーから具体例を示しながらその理由を説明する

今後も続けようと思う人は…③自分のレパートリーで語法分析したい話を一話、出典とともに挙げる

A4半分に収まるというくらいで

■次回は7/28㈫ 今後の進め方の見本となるような講義になる予定です

5月の語りクラス

今回のアイキャッチ画像は淡路島国営明石海峡公園のチューリップです。4月に写したものですが、ここまでの数のチューリップ畑を見たのは初めてでした!
そして伊弉諾(いざなぎ)神宮やおのころ島神社にも参拝して参りました!神話を語りで聞くのが大好きで(自分で覚えて語る予定はありませんが)一時期とっても読みやすく書かれた『古事記』にもハマっておりました。あぁ、また神話を語りで聞きたいです〜〜〜♪(そう、あなたの語りです♡)

手遊び
「ひとつたたこう」
*肩たたこう、椅子たたこうなど、自由に変えられます

語り
1.「たにしの息子」/『語りの森昔話集1』/語りの森
2.「あなのはなし」/『おはなしのろうそく4』/東京子ども図書館
3.「とめ吉のとまらぬしゃっくり」『くしゃみくしゃみ天のめぐみ』/福音館
4.「メケー・ドマ」/『語りの森昔話集1』/語りの森
5.「トリーレヴィープ」/語りの森HPこちら→

ヤンさんの語り
6.「皇帝ののみ」/『世界の民話マケドニア』より再話

今回の学びピックアップ
〈セリフのところをどう語り分けるのか〉

・まずは演じるべきお話か否かを見極める
・演じる必要が無い場合、カギ括弧部分の語り方は語り手が見ている(理解している)イメージに自然に添いながら、何よりも聞き手が誰のセリフなのかをわかるように心がけることが大事
・技術的には声色(声質)は変えず、声の高低で違いを表す
・カギ括弧部分だけでなく、その前後の文章毎で違いを表すように意識すると自然な感じになる

どんな課題も、最終的には「聞き手が主語」に行き着くヤンさんの「語りとは」の解釈はいつもブレない説得力があります。聞き手から教わるためにも、語りながら聞き手を観るためにも、とにかくまずは素直に練習してみることなのでしょうね〜

次回の語りクラスは6月9日(火)です

語法クラス第6回

雨の多いゴールデンウィークですね!さてもう一週間が経とうとしていますが、語法クラスの報告です。毎度遅くなりまして申し訳ありません。

一次元性、平面性、抽象性、孤立性…と学んできましたが、ここまでは語りの表現の問題であり、いわば単純な部分でした。ここまでをふまえて、今回からは、語法の本質的なところを学んでいきます。

「普遍的結合の可能性」

なんでしょうか?科学?哲学?見るからに難しそう!実はこれまで、勉強会でこの言葉に何度も出会っているのですが、実体がつかめないでいる語法でした。この機会に絶対に身に付けたい!と思って講座に臨みました。

「普遍的結合」は、つまり「何とでも互いに結びつくことができる」という意味なのですが、昔話の面白さのカギはここにあるなと感じました。主人公の幸福な結末に向かってストーリーが進んでいくうえで、課題や援助者や贈り物という「外的刺激」無くてはならないものです。主人公は「孤立的」であるからこそ、それらと結びつくことができますそして、そこに時間の一致(いばら姫が百年の眠りから覚めるちょうどその時に王子と出会う)、場所の一致(ヘンゼルとグレーテルがお菓子の家にたどり着く)、状況の一致(モリーたちも大男の娘たちも三人、王子も三人)のような奇跡がある…登場人物たちはその「奇跡」自体には驚いたり感動することはありません。そこで語られる昔話の奇跡性は物語を先へ進めるための装置だからです。昔話の「抽象的様式」ですが、これらは昔話ならではの面白さではありませんか!「無効力のモティーフ」の存在も今回知りましたが、ストーリーには直接影響しないのに、明らかに聴き手はそれに引き付けられるとか。こういったもののおかげで、昔話は語り継がれ、時や場所を超えて伝わってきたのだと思いました。

「普遍的結合の可能性」について、少し理解に近づけたように思います。おそらく実際に語っていく中で、実感を深められるのではないかと思います。語り手から聴き手への愛情のこもった「形式意思」の表れなのでしょうから。

昔話は主人公だけを幸せにします。脇役の幸福な結末も描かれるおはなしもありますが、ついでのような語られ方だと思います。昔読んだ少女漫画で、ハッピーエンドを迎えた主人公の背景で主人公のライバルが「どうしてこうなるの!」と嘆いて、もう一人の脇役のキャラクターに「脇役だからだよ」と言われていたのを鮮明におぼえているのですが、まさしくそういうことなんですね。語法の勉強を始めて、昔話の語り方が、創作にも生きているのを発見するようになりました。

さて、これまでは、講座の宿題は書面にして提出する形でしたが、今回はテキスト『昔話の語法』の該当の個所を読み込む(三回!)ことです。勉強会で聞いたことをしっかり思い出し、ノートを見返しながら、一回目を読み終えましたが、ちょっと考えが堂々巡りしています…次の勉強会までにきちんと整理しておきたいと思います。次回の語法クラスは、5月26日です。

 

4月の語りクラス

市役所前のつつじが、今年も綺麗に咲き誇っています。
子どものころ、友達と花の蜜を吸った懐かしい記憶がよみがえります。
ほんのり甘い春の思い出です。
さて、新年度が始まり1回目の語りクラスがありました。

👐手遊び 『ちいさなはたけ♪』👐

語りの発表前に、ヤンさんから勉強会の心構えについて一言。
「ぼーとせず、頭に映像を浮かべてください。浮かばなかったときは、その理由を考える、それが勉強です」
3月の語りクラスの報告でフルーツさんが詳しく書いてくれていますが、このクラスはおはなし会ではありません。気を引き締めて耳を傾けましょう!

語り
➀「かぜをひいたうさぎ」 『語りの森HP』→こちら
➁「花園」 『語りの森昔話集6』/語りの森
➂「春の野道で」 『語りの森昔話集3』/語りの森
➃「サルの宮殿」 『カナリア王子』/福音館書店
➄「女房の首」 『語りの森HP』→こちら

ヤンさんの語り
 「こぶたのリコション」 『語りの森昔話集4』/語りの森

発表のたびに、必ずといっていいほど挙がるのが
「このおはなしはどの学年で語れるのか?」という質問です。
今回のおはなしでは…

➀かぜをひいたうさぎ
大臣、上等の香水、ごきげんとり、という言葉は未就学児には理解できない。
親子で参加されていることが多い図書館のおはなし会では、大人に向けて語る。
大人が笑えば子どももつられて笑うときがある、
ストーリーを楽しむよりおはなしの雰囲気を楽しんでもらう。
また、同じサークルメンバーがその場にいるなら、協力してもらうとよい。

➁花園
5,6年生に語り、その反応を確認して、4年生でも語れるかを考える。

➃サルの宮殿
このおはなしは創作であり、修飾語が多い。テキストに手を入れているが、一文が長く、子どもたちにはイメージするのが難しい。

➄女房の首
怖いおはなしであり、メインのおまけ話として、学童などで語れるのでは。

自分でしっかりとテキストに向き合い、言葉を選び、情景を思い描きながらおはなしを楽しめるのはどの学年なのかーその点をしっかり考えることが大切ですね。
実際に子どもたちに語ってみてどうだったのか、ぜひ様子や感想を教えてもらえると嬉しいです。

次回語りクラスは5月12日(火)です。

最後に…
小澤敏夫先生が4月18日、老衰のためご逝去されたニュースに深い悲しみを感じています。
先生の数多くのご著書から多くを学ばせていただいています。中でも、日本の昔話の五巻本は語りやすく、私自身のレパートリーにも多く取り入れています。
長年にわたり研究を重ね、貴重な財産を残してくださった先生の思いを、これからも微力ながらつないでいきたいと思います。
ご冥福をお祈りいたします。

プライベートレッスン3月

3月のプライベートレッスンはおひとり。

「とめ吉のとまらぬしゃっくり」を語りたいんだけど、テキストにちょっと違和感があってということで、その確認でした。
出典は『くしゃみくしゃみ天のめぐみ』松岡享子作/福音館書店。

もちろん語れる作品なんだけど、やはり創作。
昔話の語りになれていると、細かなところでひっかかります。
その引っかかった部分が、耳から聞いてイメージできるかどうかを考えます。

だいじょうぶ、ちゃんと見えるということなら、そのまま覚えます。
(すると、語り手の表現力が増します。語彙が増えます)

ただし、大前提として、語り手は聞き手の聞く力を知らなくてはなりません。
今回は、ターゲットは5年生。1年生のときからずっとお付き合いのある子どもたちだということでした。
これは心丈夫です。
こちらも知っているけれど、子どもたちもおばちゃんの声や話しかたを知ってくれているからです。
去年は少し集中しづらかったとのことでしたが、子どもの成長は早いので、多分大丈夫でしょう。
細かく検討した結果、違和感のあるところもほぼそのままで語ろうということになりました。

ただし、読めばわかるけれど、耳からだと誤解が生じる部分が3か所ほどあるので、前後を入れ替えたり、文を切ったりしました。

それから、話の台本ですから、体言止めや連体止めは避けて、きちんと「大よろこびしました」まで言いたいですね。

語り手にぴったりのおはなしだと思うので、語られるのを聴くのが楽しみです。

テキストに手を入れることについて、最近がっかりするケースが結構あったのですが、今回は節度を守ってくださっていて、ほっとしました。

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昨日のホームページ更新は、《日本の昔話》「千丁木」⇒こちら。
語ってくださいね~