『昔話の語法』4章を講読し終えました。ヤンさん本当にありがとうございました。お疲れさまでした。今回は4章の総まとめでした。クラスは今後も続きますが、ひとまず一段落しました。
「純化と含世界性」
物語を形作る最小単位の要素(主要人物、出来事、アイテムなど)をモティーフといいます。昔話では、社会的モティーフ(喧嘩、求婚、戦い、労働…)や超越的モティーフ(山姥、化け物、妖精、魔女…)などが、ともに昔話モティーフとして物語を形成しています。
ごくこく日常的な事柄と民間信仰的な(ヨーロッパの場合は魔法的な起源を持った)出来事や登場者とを両方ひっくるめて受け入れています。
なぜ、そんなことが昔話は可能なのか?リュティさんはこの点をこたえてくれました。
昔話がこれらを受け入れる時
社会的出来事、民間信仰的起源の出来事、登場者の中身を抜き、実態は詳しく述べずに、言葉だけを残しています。例えば山姥だったら、民間伝承的な背景があります。それは、山の自然に対する畏怖や、農耕儀礼に根ざした山の神の零落(おちぶれ)というものです。昔話ではその背景には一切触れられず、「山姥がいました」と言うだけです。
この操作を「純化作用」とよんでいます。
これまで学んできた「一次元性、平面性、孤立性、抽象的様式」の表れへ移行・変容も入ります
つまり、この純化作用によって、昔話は世界のあらゆる出来事を自分の中に取りこむことができます。
含世界性の獲得です。
だから、山姥への驚きはない⇒一次元性
原始文化民族の娘小屋を認めることができる「ラプンツェル」、その説明はなく、主人公を狭い空間に閉じ込める⇒抽象的様式
「傘屋の天のぼり」傘屋がどんな仕事をしていたかは述べられない⇒孤立性、平面性」
「尻鳴りしゃもじ」では、本来の道具の機能については述べられない⇒平面性
という具合にです。
以下、リュティさんの言葉に集約されていました。
「すべての要素は純粋になり、軽く、半透明になって、容易にくみあわさって一つのアンサンブルを作り出す。そのアンサンブルの中では、人間存在のあらゆるモティーフが鳴りひびいている」
それぞれの楽器が自分のパートで役割を果たし、他を邪魔せずに調和して、一つの音楽を作り上げている、そんなアンサンブルで昔話が成り立っているんですね。
「昔話というガラス玉のなかに世界がうつっている」
そして、含世界性において、ヤンさんが小澤先生から頂いた言葉は「命の全体を語っている、子どもの成長の全体を語っている」ということ。より一層具体的で納得しました。「三匹のこぶた」みんな誰かの命を頂いて生きている。「わらしべ長者」子どもの成長には時(タイミング)がある。私はこの2つのおはなしを思い浮かべました。
世界の前にガラス玉を置いたら、昔話ができた。そんな印象を受けるリュティさんの言葉です。そして、これまでも単発でされてきた語法勉強会でもヤンさんから教わった事を少し思い出しました。昔話は、世の中の真実や普遍性、知恵や大事なことが詰まった、先人からの贈り物、人類の記憶なんですね。それは物語としては語られることでしか届けられないんだと改めて思いました。また、語法が分かると、おはなしのテーマや何が言いたいかが分かってくるので、そこに向けて語れるようになる、手を入れられるようになるとのこと。そんな嬉しいことが待っているなら学ぶしかないですね!まだまだ、迷う事、分からないことも多々あります。それが分かるようになる未来が今後きっとあります。みなさんと共に。それが楽しみです🥰
報告や感想をお届けすることにかなり難儀しました…間違いなどありましたらコメントで教えてくださいね!
「ヨーロッパの昔話 その形と本質」も合わせて読み返しましょう。byヤンさん
■宿題(〆切7/14)
①p203~p286の中で、最も印象的なフレーズを一箇所抜き出す(頁数、行数も提示)
②なぜそれを選んだのか。自分のレパートリーから具体例を示しながらその理由を説明する
今後も続けようと思う人は…③自分のレパートリーで語法分析したい話を一話、出典とともに挙げる
A4半分に収まるというくらいで
■次回は7/28㈫ 今後の進め方の見本となるような講義になる予定です