いつものおはなし会

 10月19日土曜日の図書館おはなし会は、久しぶりの雨☔じゅうたんコーナーに子どもたちは集まってくれているのですが、館内は先週より静かです。いつもの雨のはずですが、どこかで災害が起こっていないかなとか、大雨になって明日学校が休みになるかもとか、すぐに考えてしまうのは私にもグローバル化が身についてきたのでしょうか⁈ 久しぶりの雨に子どもたちもどことなく、そわそわしているように感じます。

 子ども10人 おとな9人

手あそび くーるぽん
おはなし 「かきねの戸」『語りの森昔話集1』村上郁/語りの森
絵本 『りんごがドスーン』多田ヒロシ/文研出版
絵本 『くじらだ!』五味太郎/岩崎書店
絵本 『ぱっくんおおかみとくいしんぼん』木村泰子/ポプラ社
絵本 『ならんでいる』五味太郎/絵本館
絵本 『おばけのてんぷら』せなけいこ/ポプラ社
手あそび さよならあんころもち

 おはなしの部屋から図書館のすみっこのじゅうたんコーナーでおはなし会をするようになって、いちばん変わったことは保護者の方が多く参加してくれるようになったことです。何やってるのかなとちょっと足を止めてくれたり、子どもと一緒にじゅうたんに上がっておはなしをきいてくれたり、親子でおはなし会を楽しんでくれています。オープンスペースのおはなし会はちょっとイベントぽく見えるのでは?と初めの頃はいろいろ思っていましたが、最近はここが「いつものおはなし会」になってきたような気がします。
「かきねの戸」も、手あそびも、懐かしめの定番絵本も、うきうきしているような、落ち着いているような、そんな間の中で子どもたちもお母さんお父さんも楽しんでいました😊なんだかおもしろい日でした😁

おはなし入門講座第一回

おはなしサークルききみみずきんからの報告です。今月から24年度「おはなし入門講座」が始まりました。(報告が、たいへん遅くなって申し訳ありません!今年は、7名の受講者の皆さんが参加してくださいました。

第1回のテーマは「おはなしってなあに?」

ききみみずきんがこの入門講座の運営を引き継いで、今回が五年目になります。毎回、語り手のスタートラインに立たれた方たちと一緒に勉強させてもらい、その度に感じるのは「初心忘るべからず」ということ。

講座初回では、「おはなしってなあに?」と題して、おはなしの成り立ち、おはなしを子どもに聞かせることの大切さ、そして子どもの本来持っている力について学びます。今年も、受講者さんと一緒に耳を傾け、「そうだ、そうだ!」と心の中で喝采しながらびっしりノートを取っていました。

まず「おはなし」がどのような形のものか学んでから、ヤンさんの語りでグリム童話の「七羽のからす」を聴きました。それから、瀬田貞二文/フェリクス・ホフマン絵『七わのからす』(福音館書店刊)を見てみます。想像力をめぐらしておはなしを聴いてから、同じおはなしの絵本を見ると、おはなしの豊かさに驚かされます。おはなしを聴いて想像していたのとは随分違いましたね。主人公の女の子の姿も、兄さんたちが水をくみに行った泉も、ガラスの山も…

受講者の皆さんに、どんな泉や山を想像していましたか?と尋ねると、またそれぞれ違った答えが返ってきます。でも、それでいいのです。間違いなんかなく、聴き手それぞれが心に描いたものが正解です。絵本では絵でイメージが固定されてしまいますが、耳で聴くおはなしにはそれはありません。初めておはなしを聴いた小学校低学年のお子さんが「絵がないのが面白かった」と言ったそうですが、おはなしには、自由に思い描ける楽しさがあります。それは絵本にもアニメにもない、誰にも邪魔されることのない、自分だけのものです。

また「七羽のからす」で女の子が自分の指を切り落とす場面になると、自分の指を握り締める子がいるそうです。その子はおはなしの中でことさらに描かれない女の子の痛みを感じ取ったのです。教育現場では「思いやりが大切」「相手の立場に立って考えよう」とよく言われますが、おはなしはまさにそれを教えられるツールだということがわかります。大人が教え諭すのではなく、子どもが本来持っている力を引き出せるのです。大昔の人びとは子どもにこうして昔話を語ることで、人としての優しさやあるべき姿を伝えてきたのでしょう。子どもにより良い生き方をして幸せになってほしいという愛情を込めて。

そうなんです、私たちがおはなしを語る行為は、単なるエンターテインメントを提供することではなくて、愛を伝えることなのです。

私はおはなしを語り始めて、想像力こそ人間が生きていく上で最も大切な力だと、思うようになりました。本当に他者の痛みや悲しみを想像できれば、相手への理解が深まり、差別も争いもなくなると思うのです。そんなとてつもなく大きな目標達成の一助になればとおはなしを語っています。そんな決意を新たにしてくれる勉強会に携われたことは本当に幸運だと思います。

入門講座のエッセンスを少しでもお伝えしたいと思って書きましたが、「ぴんと来ないな」という方はどうかこのホームページの「おはなし入門」をお読みください。「そんなことわかってるわ」というかたもぜひ!忘れていた大切なことを再認識できると思います。

入門講座第2回は「お話の選びかた」、11月5日です。受講される皆さんは、お配りした資料「おはなしのテキスト」に載っているリストから、なるべくたくさんの本を読んでいらしてくださいね。

 

10月のあったかペーチカ

朝晩と日中の気温差が激しいこの頃ですね。私はさっそく喉をやられましたが、鼻水→咳と症状がでて収まりつつあります。季節の変わり目の体調管理は気を付けたいものです。さてさて、ペーチカは9名の参加がありました。

三枚のお札『子どもに語る日本の昔話2』こぐま社

なぞの歌『日本の昔話2』おざわとしお/再話 福音館書店

ねずみ経『子どもに語る日本の昔話2』こぐま社

ジャックと豆の木『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森

まほうの鏡『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森

ジャックと豆の木『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森

みじめおばさん 語りの森HP

帽子 『世界むかし話第 11巻 インド』光吉夏弥/訳 ほるぷ出版

Mさん絵本紹介

「わにくんのだめだめプレゼント」すみくらともこ/作 みらいパブリッシング

「トドにおとどけ」大塚健太/作 かのうかりん/絵 パイインターナショナル

「かくれんぼ」尾崎玄一郎・尾崎由紀奈/作 ひさかたチャイルド

今回もおはなしを楽しむ時間になりました!簡単ですみません。どなたでも参加できますので、遊びにいらしてください。次回は11/19(火)です。

おかえりなさいませ~

 日中はまだまだ暑いですねぇ😓10月12日土曜日図書館のおはなし会は、小学校の運動会と重なっていたのでしょうか、小さなお客さんがお母さんやお父さんと一緒に集まってくれたので、じゅうたんコーナーは満員でした😄
 子ども10人 おとな11人
 
手あそび くーるぽん
おはなし 「みじめおばさん」語りの森HP
絵本 『りんごがたべたいねずみくん』なかえよしを作/上野紀子 絵/ポプラ社
絵本 『おおきなおおきなおいも』原案:市村久子/作・絵:赤羽末吉/福音館書店
絵本 『くまくんです。』村上康成/ひさかたチャイルド
絵本 『ぶどうおいしくなーれ』矢野アケミ/大日本図書
手あそび さよならあんころもち

 今週からヤンさんが復活しました❣お待ちしていました!久しぶりでちょっと緊張されていたヤンさんですが、手あそびのくーるぽんからもう楽しい!あ~ヤンさんおかえりなさい。ほんとにほんとにおはなしが聞けて嬉しかったです。
「みじめおばさん」はちょっとはやいかなと思う年中さんくらいが中心の子どもたちだったのですが、おはなし大好きさんがみんなをひっぱて、周りのお父さんお母さんもにこにこ聞いてくれていて、み~んなでおはなしを楽しむことができましたした。おはなしが楽しめると絵本もと~っても楽しくなるので、1冊ごとにどんどんと引き込まれていましたね!『おおきなおおきなおいも』があんなに楽しいって知りませんでした😄『ぶどうおいしくなーれ』で間髪入れずにツッコミ入れる年中さん、さすがです!ヤンさんの復活パーティーのようなおはなし会でしたね😊でもやはり病み上がりで終わったあとは声もかすれちゃって、おはなし会では相変わらずのいい声だったに……。どうぞお大事にしてください。

「ヘンゼルとグレーテル」語法勉強会その後その2👦👧

感想の続きです~

Mさん
わたしも『完訳グリム童話Ⅰ』(2版)を読んでみました。小峰のおはなしではかなり書き加えられていることが分かりました。
整理されているテキストでは、飢饉やぼくの白い子猫や鳩などのところもなく、ずいぶん短く再話していただいてるので、喜んで語っていました。今回それがもっと短くできることがわかったので、もう一度再話してくださるのを楽しみに待っています。
「ヘンゼルとグレーテル」を語ったとき、子どもたちはすぐおはなしに入って、よく聴いてくれます。でも前半部は暗いので、わたしはちょっとつらいのですが、お菓子の家のところからおはなしが大きく動き出します。頼りにしていた兄さんが閉じこめられ、泣いてばかりだったグレーテルが、なんと、魔女をやっつけてしまうので、子どもたちはとても喜んで聴いてくれます。
結末句で本当にねずみが走ったのかと勘違いした子どもたちの表情、楽しかったです。
ぜひ、分かりやすく語りやすく何度も語りたくなる再話をお願いします。

Yさん
わたしは小澤俊夫先生の書籍や講座で、”耳から聞くことが前提の昔話はシンプルでクリアな語り口を持っており、その語り口には「語法(語りの文法)がある”ということは一応知っていました。でも今回参加した勉強会のように、詳しく丁寧に「語法」に即した個所を示しながらテキストを見ていくことは初めての体験でした。
抽象性、一次元性、孤立性などなど。
勉強会の場だけでは理解がおよばないこともあって、後日、語りの森のホームページの「昔話の語法」のコーナーで復習をすることにしました。すると、同コーナーでは、一つ一つの「語法」の持つ意味、その効果などがたいへんわかりやすく解説されていて、私は「語法」への理解を深められただけでなく、昔話の奥深さにも触れた思いがしました。 
私は、今まで、ストーリーの展開だけにしか関心を払ってきませんでしたが、今回の勉強会で、「語法」を通してテキストを検討するという新しい見方を得た気がしています。

もうひとりのYさん
語法の勉強会では、いつも「あれもこれも語法!」とびっくりすることが多いのですが、今回は目立つ語法が意外にも少ないことに驚きました。
そして、改めて読んでみると、他のグリムの昔話とくらべて、とても叙情的で文学的な表現が使われているのだなと思いました。
そして、なにより、版を重ねる中での変遷はとても興味深かったです。研究しているかたもいるのではと、ネット検索してみたところ、「ヘンゼルとグレーテル」に関する様々な論文があることが分かりました。まだ全く読めていないのですが、昔話や童話に関心のある人なら、みな気になるのでしょう。
日本で出版される昔話絵本が、よりソフトでマイルドな表現を選びがちなのに対して、グリムの昔話は後の版だからといって、そうはならないのは、グリム兄弟の原話を尊重する態度のあらわれなのでしょうか。
ただ、実母から継母への改変は、良くなかったのではないかと思います。以降に登場する昔話の再話に影響を与えたのではないでしょうか。継子話は、昔話の定番のひとつではありますが、「血のつながらない親子はうまくいかない」という認識につながるのなら、語りにくく感じます。きっと、語り手は、このあたりのことも、うんと悩んで、自分なりの答えに近づいていくしかないのでしょうね。

Kさん
情け容赦のない母親のセリフは、語られているときは、比較的自分の感情はゆすぶられずに、ひどいお母さん程度で聞いて、ストーリーを追っていました。
ところが、一文ずつ丁寧に読んでいくと、「そうずりゃ子どもをやっかいばらいできるじゃないか」等々、お腹を痛めて生んだ母親の言葉とは思えない表現が出てきます。そして、最後で、「お母さんは亡くなっていました」めでたしめでたし・・・。
母親は類型的に(いじわるや欲張りじいさんたちのように)語られるのが合点がいかず、この話の中で母親はどのように表現すればよいか悩みました。サラリと言っても、子どもたちは「え?」と思うでしょう。母親も魔女も悪い?
あまりにも難しいお話です。(私には)

Eさん
「ヘンゼルとグレーテル」は、いちど3年生に語ったことがあるのですが、そのときは語りの森の整理されたテキストを覚えたので、今回の資料『語るためのグリム童話』には余計な部分、特に登場人物の心理描写が多いと気づかされました。
今までの語法の勉強会と大きく違った点、2版と7版の比較、勉強になりました。
以前語ったときの子どもたちの反応は、満足のいくものではありませんでした。グレーテルが自分の力で魔女をやっつけ、そこから成長する姿は、もっと元気よく語ればよかったと思いました。
来週、3年生のおはなし会に参加するので、仲間が語る「ヘンゼルとグレーテル」を聞いて、今回の勉強会で学んだ事をふり返りながら、子どもたちをいっしょに楽しみたいです。

みなさんの感想の紹介が、ずいぶん遅くなってしまいました。失礼しました。
拝読していると、おひとりおひとりの学ぶ姿勢に勇気づけられます。
ただ覚えるだけでなく、また、覚えた話をただ語るだけでなく、その話の背後にかくれているものを見つけようとすることは、とても大切だと思っています。
昔話の語法はそれを見つけるひとつの方法にすぎません。でも、とっても有効な方法だと思います。
今後も絶えることなく、語法を学んでいきたいですね。

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今日のHP更新は《外国の昔話》ロシアの「りこうなエレーナ姫」。
主人公はお姫さまではなくて、若者。
ふしぎな世界で繰り広げられるおはなし。
楽しんでください。
もし気に入ったら子どもに語ってくださいね~