みなさん、生まれて初めて子どもたちにお話を語った時のこと覚えてますか?
先輩とペアになってちょこっと語らせてもらうって経験は、ヤンにはなかったので、おはなしの選びからなにから完璧にひとりだったから、なんだかわあ~っと空飛んでるみたいな感じで終わったことを覚えています。
でね、先日、初級クラスのかたからメールをいただきました。
はじめて子どもたち対象に語ったっていう報告です。
なんか、なつかしくって、うれしかったので、紹介させていただきます。
ハロウィンのイベントで、もともとのプログラムにストーリーテリングはなかったんだけど、思い切ってやってみたんだって。
おはなしは「みじめおばさん」。死神が出てくるし、季節もハロウィンにぴったりね。
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私は子どもたちに向かっておはなしを語るのは初めてだったので、実際にやってみて、なんて楽しいんだろう! と最高な気持ちになった反面、反省点がそれはもうたくさんありました。
まず学んだのは、たくさんおはなしのストックがないと実際の状況に対応できないということでした。
イベントには絵本+「みじめおばさん」だけのつもりで挑んだのですが、全4回ある読み聞かせ時間に2回参加してくれた女の子がいて、その子に同じものばかり聞いてもらうのもなんだかなと思って、唯一即興で語れると思えた「カメのピクニック」を急遽追加で語ったりしてみました(許可なくごめんなさい。。)。
でも、年齢的なものかなと思うのですが、その場の子たちに「カメのピクニック」のオチが通じなかった…。
腑に落ちない顔で帰らせることになってしまいました。
もっと小さな子に向けたおはなしも準備していればととても反省しました。
全体的に小学校低学年~中学年の子が多く「みじめおばさん」もしっかり通じたとは言えないのですが、それでも分かりやすいポイントではニヤニヤしてくれたり「ええ~?」と声を上げてくれたりしたので、これなら「みじめおばさん」だけにしていた方がよかった…と、今冷静に振り返ると思います。
場の顔ぶれに合わせて適切な判断をする必要があるんですね。
おはなしは聞き手ありき、という入門講座でのお話が身に染みました。
「カメのピクニック」でモヤモヤして帰らせてしまったあの子が、いつか、もっと楽しめるおはなしの会に出会えることを祈りつつ、申し訳なさで胸が痛みます。
子どもに語るのって、大人に対して朗読するのとはまったく違って、責任感との勝負にもなるんですね。
大人はどんなものを聞いても、まあつまらなければつまらなかったなと思って次の楽しみを見つけてくれますが、自分で出会いを選べない子どもたちにはおはなし会で楽しい思いをして帰ってもらわなきゃいけない、それは子どものためにも、昔話のためにもだ、ということがわかってしまって、なんというか……やばい世界に足を踏み入れてしまったな(笑)と……、今さらながら実感しました。
そんな感じで2日間が終了しました。
本来は絵本読み聞かせだけのイベントだったのですが、語りにも挑戦して本当によかったです。成功したとは言えませんが、とてもいい経験でした。
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ね、子どもに語るって、めっちゃエキサイティングでしょ。
どう反応してくるか想像がつかないものね。
でも、勇気を出して第1歩を踏み出してよかったですね~
いま入門講座やってるけど、そうやって、ひとりひとりが一歩踏み出して行く、その背中を押したいと思う。
世界が変わるもん。
ヤンも、最初の一歩があった。その最初の一歩をいっしょにやろうって、言ってくれたKさんに、感謝、感謝しています~
責任感との勝負!
そうね、責任感、ヤンはとっても大切にしています。
過去から未来につなぐ媒体としての責任。
だから、おはなし会のたびに深く反省しています。
ただ、それに押しつぶされないように。
生き生きと空かけるようにすすんでいきたいな。
さてさて、「みじめおばさん」、きっと喜んでくれてたと思いますよ~
なれない場所では、子どもたちって、おとなしいものですからね。でもちゃんと反応してくれてたんだものね。
「かめのピクニック」のほうは、まずは「缶切り」が分からないとどうにもならんのよ。これを語り始めたころは、タブは一般的じゃなかったから、「かんきりをわすれたわ」って母さんガメが言ったとたんにみんな、「ええ~っ」ってのけぞったもんです。
いまは、おはなしの前に、「ねえ、みんな、かんづめ空けるときどうやって開ける?」ってとこから始める。
時代は変わりますねえ~
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きょうのおはなしひろばは、「まめとすみとわら」。
岩手県の伝承から再話したんだけど、グリム童話と同じ話です。
けど、すみとかわらとか、子ども分かるかなあ・・・
時代は変わる・・・・