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語りの森を作った魔女

今年最後のお話会

図書館のお話会で年が明け、図書館のお話会でその年が終わります。
一昨日の土曜日、最後のお話会でした。
もう冬休みに入っていて、子ども8名、おとな4名と、少なめでしたが、いつものように和やかなひとときでした。

手遊び 「かれいこやいて」
お話  「にんじん、ごぼう、だいこん」
『松谷みよ子のむかしむかし』/講談社
絵本  『じごくのそうべえ』田島征彦/童心社
絵本  『なんでやねん』中川ひろたか文/世界文化社
お話  「かきねの戸」 ババ・ヤガー語りの森 村上郁再話
絵本  『おべんとうめしあがれ』 視覚デザイン研究所
手遊び 「さよならあんころもち」

わたしは手遊びと「かきねの戸」『おべんとうめしあがれ』だけ。
あとは、ヤンの所属サークルの初級講座のメンバーがやりました。
ずいぶん慣れてきて、頼もしい限りでしたよ〜
初級講座は、おはなしを始めて5年以内の人たちの勉強会です。
って、前にも紹介しましたよね〜?

勉強会でいくら学んでも練習しても理解できないことがあります。
それは、子どもがどのようにお話を楽しむかということです。
それと、語りの場での厳しい現実です。あ、自分のふがいなさって言ったほうがいいのかなー笑
実感しないとわからない。
それで、ときどき、講師役のヤンと一緒に、図書館で子どもに語ってもらいます。実習みたいなもんです。
無責任! とか、子どもが迷惑! とかの声が聞こえてきそうー笑
大丈夫ですよ。子どもの守備範囲はめっちゃ広いです。広い心できいてくれます。
で、事後、反省会をやります。
以前、ある役者さん(だったかな?)が言ってた言葉、
「百回の練習よりも一回の本番」。
もちろん百回練習して初めて本番に臨む。
そうすると、百回の練習で分からなかったことが、一回の本番でバアッとわかる。
その話を聞いたとき、私のやってることも同じだと思いました。
「場」で成り立つ芸術(だと私は思う)は、「場」を抜きにしてはモノにならないと思います。
ヤン

三びきの子ブタ

さっき、幼稚園の5歳児のお話会に行ってきました。

20分×2クラス
手遊び  「ろうそくぱっ」
おはなし 「三びきの子ブタ」
『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子訳/福音館書店
手遊び  「ろうそくふっ」

さてさて、「三びきの子ブタ」。
12月13日のぽんちゃんのブログにもありましたね〜
子どもたちは、題名を聞いただけで「しってる〜」っていいます。
でも、たいていは改ざんされたストーリーなのですね。
きょうも、「しってる〜〜〜」で始まりました。
わたし 「ああ、そうかあ。すごいなあ。でもこれからするお話はちょっと違うかもしれんよ〜。よう聞いてね〜」

子ども 「うん!」 「し〜っ!」 「だまってぇ〜」
子どもたちは、時どき、「同じ」 とか 「違う」 とかつぶやきながら聞きはじめますが、すぐに 「とんとんとんでもないよ」 を楽しんだり、次のこぶたは食べられるんだろうかどうだろうかと息をひそめたりして聞きます。
かぶ、りんご、バター桶のモティーフは、知らない子が多いので、背筋をしゃんとして集中します。
オオカミが鍋に落っこちるところでは、やった〜って感じで喜びの声をあげます。
オオカミをぐつぐつ煮て晩ごはんに食べてしまうところは、おもしろそうにケラケラ笑います。
みんな満足して 「おしまい」 。

「みんなの知ってるのとおんなじやった?」 ときくと、「おんなじ」 という子もいますが、たいていは 「違うかった〜」
幼い子は三匹の子ブタを親や園の先生から読んでもらうのが初体験です。
子どもにとって親や先生は絶対的な存在です。
だから、たとえ改ざんされていても、その話が「正しい」 のです。当たり前です。
では、どうやったら、おはなしのおばちゃんがそれに太刀打ちできるでしょう
か?−笑

わたしの工夫をこっそり伝授いたしましょ〜

ひとつめ。
昔話にはいろいろな類話や再話があることを教えます。
って、特別なことは言わなくていいーいってもわからないー笑
わたしは、「三匹の子ブタ」は5歳児の12月にします。
それで、10月か11月に、「三枚のお札」を語ります。
「三枚のお札」には、類話・再話がいっぱい。
子どもたちは、自分の知っているストーリーと違っても、めっちゃ面白いし恐いので、「違う〜」ってそっぽ向くことは絶対ありません。
終わってから、自分の知ってる話はどんな話かを口々に教えてくれたりします。
その時を逃さず、わたし 「いやあ、お話っていろいろあるねんなあ」 としみじみ言います。すると、たいていは一緒にしみじみしてくれます。
だから、ちがう 「三匹の子ブタ」 も受け入れられるのです。
「三枚のお札」 でなくても、「カチカチ山」 や 「サルカニ合戦」 でもいいでしょうね。
類話・再話の多い話をやる。
おお〜、いかにもババ・ヤガーのサイトですね〜

ふたつめ。
「しってる〜」 って言ったら、「へえ、どんなやったっけ?」 と、尋ねます。
すると、たいていは改ざんした話を口々に言いはじめます。
ときには私も、「そうそう、オオカミがあちちって逃げていくねんね」 と話を合わせたりします。
そして、ひとしきり言わせておいて、
「それって、小さい子向きのお話やねん。みんなもう年長さんだから、本当の「三匹のコブタ」 をするね 」 といって、おもむろに語り始めます。
子どもの自尊心をくすぐる心理作戦です。でも、これ、うそじゃない。本当のことですからね。
これは、小学生でも使えますよ。
小学生は、おはなしが終わった後にこう言うと、とっても嬉しそうにします。

みっつめ。
自信を持って語ること。
「しってる〜」 「ちがう〜」 のコールが起こったら、ニタッと笑うくらいの余裕がほしいですね〜
いろいろな再話を読み比べ、テーマも言葉もこれが一番だと思うテキストを選ぶ。
ときにはテキストに手を入れる。 ときには自分で再話する。
その努力をすることで、自分の心にテキストへの信頼が生まれます。
「知ってる」 「違う」 と言われたら、
「うん、知ってるでしょう。うん、違うでしょう。でも、これから語る三匹の子ブタは、最高に面白いんだぞ」と言い切れる余裕です。
あ、いいませんよ。そんなことはね。心の中で言うんですよー笑
みなさん、再話の勉強しましょうね〜
おお〜、いかにもババ・ヤガーの……

さて、「はじめの二匹はどうなったの?」 ってきかれた経験、皆さんおありと
思います。
わたしは、「どうなったんやろねえ…」 といって、お茶を濁しますー笑
そして、子どもたちの言葉を楽しみます。
きょうも、1つのクラスできかれました。
わたし 「どうなったんやろねえ」
子ども 「オオカミを食べたから、自分が食べちゃったんや」
すごいですね。子どもが 「三匹目」 と言わずに 「自分が」 といったことに感動ですね。
〈子どもは主人公になりきって聞く〉 ってことを証明してくれましたね。
「消えたんや」
「またおなかから生まれてくるわ」
おもしろいですね〜
小学生の忘れられない名言→ 「消化した」 「うんこになった」

長くなりました。
みなさまの子ブタ体験、聞かせてくださいね〜

ヤン

もっかい!

きょうは幼稚園の4歳児。

20分×2クラス
手遊び 「ろうそくぱっ」
おはなし「かきねの戸」 ババヤガー語りの森 村上再話
おはなし「かきねの戸」
手遊び 「ろうそくふっ」

え? 書き間違え?
いえいえ。
「かきねの戸」を語って「はいおしまい」って言ったら、「もっかい!」の連呼。2クラスともね。
ほんとは「おいしいおかゆ」をしようと思ってたんですが……
「もっかい!」コールに乗せられて、もう一回やりました。
そしたら、2回目のほうが盛り上がった〜笑
で、「はいおしまい」って言ったら「もっかい!」
いえいえ、3回やる時間はありませんでしたよ。

お話会が終わって職員室で。
先生方は全員出払っておられて、ひとりでお茶をいただいていると、4歳児のAちゃんがそっと入ってきて「ひとり?」とききました。
わたし 「うん。ちょっとさびしい」
Aちゃん「お話しに来たの」
わたし 「何のお話?」
Aちゃん「おにぎり君のお話」
わたし 「へえ〜」
Aちゃん「昔むかし、あるところに、おにぎりくんがいました」
Aちゃんは、おにぎり君が転がっていって、穴に落っこちて、お化けに食べられたり、みんなに助けてもらったり、オオカミが空を飛んでったり、ず うっと話してくれました。そして、
Aちゃん「はいおしまい」
わたし 「もっかい!」
Aちゃん「もうお帰りの時間ですよ」

ヤン

授業最後のおはなし会 5年生

グリム童話の「金の鳥」は、高学年で、どうしても聞かせたいと思っている話です。
失敗してもいい、誠実に素直に勇敢に歩いていけ、諦めずに助けてくれる狐が必ずいるから。
子どもに語りながら、先生、狐になってください、私も努力をしますって、思っています。

5年生 45分×2クラス ひとりで
おはなし「金の鳥」 23分
『語るためのグリム童話』小澤俊夫監修/小峰書店
おはなし「カメの笛」 6分
『ブラジルの昔話』カメの笛の会/東京子ども図書館
おはなし「豆のつる」 8分
ババ・ヤガー語りの森 村上再話

予定では「金の鳥」と「カメの笛」の2話だったんだけど、子どもたちがもっと聞きたいって言ったので、「豆のつる」をしました。

これで、「豆のつる」は1、2、3、5、6年生にやったことになります。
1年生:わけわからずに笑ってました。
2年生:わけが分かりませんでした。
3年生:わけを説明しようとしました。
5年生:わけが分かって笑いました。
6年生:わけが分かって、それがどうした〜ん?

昔話を語ってておもしろいのは、ストーリーは簡潔だから何年生でもわかるし楽しめるけど、年齢によって受け止め方が違うこと。

ミニブックトーク 29冊 約10分
わたし「宇宙飛行士になりたい人〜?」ときいてから、毛利衛さんの伝記を紹介。
「スポーツ選手になりたい人〜?」→イチローの伝記。
「漫画家になりたい人〜?」→水木しげる、手塚治虫。
「お医者さんになりたい人〜?」→貫戸明子、ジュノー。
「科学者になりたい人〜?」→ガリレイ、ニュートン、アインシュタイン、レイチェルカーソン、ファーブル。

途中でひとりの子が、「う〜ん、お医者さんにもなりたいけど、迷ってるねん」
わたし「あ、そやね。まだまだ決められへんね」
そこで、伝記を読む意味を少し説明しました。そのうえで、
わたし「けどね、いろいろやりたいと思っても、障害になることってぜったいあるやん?」
子ども「(めちゃ真剣に)うん!」そこで、

『夢をあきらめないー全盲のランナー高橋勇市物語』
『ヘレン・ケラー』
アンネフランク、中沢啓治、キング牧師、マララ、ガンジー。
マザーテレサ、杉原千畝、ザメンホフ、……。

最後に、
「この本がぜんぶ読めるのは、この人のおかげ」と言って、グーテンベルクを紹介して、おしまい。
時間は超過しましたが、みな満足のため息をつきながら、本を抱えて教室に戻っていきました。
みんな、がんばれ〜〜

今年もあとは幼稚園と学童保育、図書館を残すのみ。
語り手のみなさん、がんばろ〜〜

ヤン

12月の屋根裏で 

さすがに師走の、しかもまだおはなし会シーズンなので、集まりは少なかったです。
でも、「明日子どもたちに語るし〜、聞いて〜」って、ご参加くださったかたも
おられました(笑)

「心臓をもたない巨人」 『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業
之日本社
「ススペチッチッ ススペランラン」 『アイヌの昔話 ひとつぶのサッチポ
ロ』萱野茂編
「ジャックと豆の木」 ババ・ヤガー語りの森 村上再話
「まめたろう」 『おはなしのろうそく』東京子ども図書館
「豆のつる」 ババ・ヤガー語りの森 村上再話

アイヌの昔話は、透明で素朴で広大で激しい空気を持っていますね。
たまに語る人はありますが、私は彼女の語りで聞くのが好きです。
いつものごとく、たくさんの新刊絵本も読んでもらいましたよ〜

  ヤン