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語りの森を作った魔女

時間の贈り物🎁

昨日、勉強会の後で、ふと思ったんだけど。

ケーキ屋で買ってきたちょっと高価なケーキと、うちの炊飯器で作ったちょっとぶさいくなケーキと、どっちがいい?
うん、ケーキ好きだから、どっちもいい。
けどね、材料買うときからお皿にのせるまで、自分の時間を使ってるかどうかってところに違いがあるね。
それが誕生日の贈り物なら、時間もいっしょに贈ってることになると思う。

あ、ケーキっていうのは例えですよ。

例えば手紙。
書いては消し、なかなか封筒に入れられない。
書いている時間。
やっぱり時間もいっしょに贈ってると思う。

アンパンマンのワッペン。
本物とはちょっとずれてるけど、子どもの上着に張り付けるとき、自分の時間もいっしょに張り付けてる。

要領よくやるべきことは確かにあるけど、タイパでうまれた時間を何に使うかで、日々の豊かさが違ってくる。

さてさて。
勉強会で、次月のエントリーをするとき、「題名といっしょにね」とお願いしています。
その理由。
1か月前に「この話をやる!」って宣言したら、その次の日から覚え始めて、もし1週間で覚えたら、残りの3週間はくりかえし練習する。
つまり、少なくとも1か月かけて育てた話を持ってきてほしいから。

数日前に覚えたばかりの話を持ってこられても、わたしは、「はあ、そうですか。覚えたんですね」としか言えない(笑)

時間をかけてがんばって、これで今の私にはせいいっぱいっていう話を持ってきてほしい。そうすれば、語りにくいところや疑問点を、いっしょに考えることができる、解決方法が見つけられると思うのです。

とくに、目の前の子どもたちに語るために選んだ話は、それが時間の贈り物であることを心に刻んでおいてほしいのです。
こんな時代だからこそ時代に逆行する大人がいることが大事。
子どもたちの中を流れる時間は、たぶんどの時代も変わらないと思うのです。

舞台のドラマも、映画も、ものすごい時間をかけて作られますよね。
もちろん、わたしたちはプロではないから、そんなに上手なものはできない。
でも、だからこそ、時間をかけて、丁寧に作り出したものを手渡したいと思うのです。

チャチャっと覚えてチャチャっと語って、それでいいっていう考え方もありだと思います。
でも私はそのスタイルは取りません。

それから、おはなしを覚えるのは難しいですね。

自分の体調や、家族の体調、環境に大きく左右されます。
でも、覚えたいと思うなら、あきらめないで。
わたしもいつかは覚えられなくなる日が来ます。
それでも、さいごまであがいていたいです。

 

 

 

しんとした想い

連休後半に、恩師が亡くなられました。
今日が告別式でした。(わたしはその時間、子どもたちにお話を語っていました)
享年97歳。

大学に入って、友人から文楽に誘われ、魅了されて、大阪公演のときは、ほぼ毎日道頓堀の朝日座に通い詰めていました。
1年生の春、「来年度、愛媛大から転勤して来はる先生、近世の近松の研究者やって!」という衝撃の情報を得たときは、きゃああ~!天にも昇る思いでした。
こんな奇跡があるんやろうか!!!
最初の授業の日の前夜には、まだ見ぬ先生を夢に見たくらいでした(笑)

先生は太宰似のすてきなかたで、演劇で鍛えたよく通る声で授業をされました。
べたべたの大阪弁で(笑)
「間(ま)の天才は藤山寛美とさだまさし」とおっしゃっていましたが、先生のお話も、めっちゃうまくて、授業は90分があっというまに過ぎました。次の週の授業が待ちきれないくらいでした。

先生は、近松歌舞伎の研究をされていました。
「一生かけても終わらへん」とおっしゃって、亡くなられる直前まで研究を続けておられました。
「大学は、調べ方を学ぶところ」だと、資料のさがし方や、原典に当たる重要性をたたきこまれました。この方法は、将来役に立つとおっしゃっていましたが、そのとおりでした。いまでも、自分の眼で見たもの、原典に当たって確かめたものこそ信用できると思っています。

わたしたちは、先生に顧問をお願いして、人形浄瑠璃愛好会を立ち上げました。愛好会は、わたしたちが卒業後も、先生が退官されるまで13年続きました。
そのあと、後輩たちがOGによる此花会(このはなかい)を立ち上げ、たびたび先生を囲んでの同窓会が行われました。

「人生は、はったりと物見高いことが大事」なんて笑いをとっておられましたが、たしかにスケールの大きさが魅力でした。でも、とてもやさしくて誠実で、厳しいかたでもあったと思います。

先生が語られた”くどき”「兄妹心中」をまた聴きたいです。
友人が、弔電を打ってくれました。
「・・・来世でもまた教えていただけると信じています。・・・」
先生の学生であったことを、心から幸せに思います。
みんな、順番にそちらへ行きますから、どうか待っていてください。

 

 

憲法おめでと~🎉

さわやかな五月晴れです。
今日は憲法記念日。
76年前の今日、憲法が施行されたんですね。
おかげで、戦争の惨禍を経験せずに生きてこられました。
いろいろな事があっても、いろいろな考えがあっても、それでも、76年ものあいだ、日本の人びとは憲法を変えずに守ってきたんですね。
ありがたいことです。

憲法の理念が必ずしも実現されているとはいえないけれど、だれもが幸せに生きるために、もっと憲法を大切にしたいです。

憲法は、わたしたちが幸せに生きるために、政治をする人たちに守ってもらわないといけないルールです。
よろしくお願いしますね。

先日、フリーのおはなし会に参加させてもらいました。
ふたを開けてみないと誰が来るか分からないおはなし会です。
そうそう、図書館のおはなし会みたいなもんね。
おばあさんが2人と、小学生1~5年生5人と、そのおかあさん。
コロナ前のような接近した(笑)おはなし会でした。
久しぶりだったのでちょっとドキドキだったんだけど、即座にコロナ前の感覚にもどっていました。

楽しかった。
これが、平和というものです。

当たり前と思っていたささやかな笑いがどんなに貴重だったか。

コロナは、ある意味自然のもたらすものだから、しかたがない。
でも、戦争は、人間が起こすものです。
いつか後悔することのないようにしなければ。

その思いで第9条を書き写しておきます。

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

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今週は久しぶりに《日本の昔話》を更新しました~
「かっぱの婿さん」語ってくださいねo(*^@^*)o

昔話の語法「三匹の子ブタ」感想で~す2

遅くなりましたが、「三匹の子ブタ」の語法勉強会の、参加されたかたからいただいた感想、つづきですo(*^@^*)o

Eさん
「三匹のこぶた」の勉強会ありがとうございました。
物理学を無視していることに全く思い言い足らず語っていました。そう言えばそうですよね、いかに一般的常識にのっている自分にびっくりでした。色々勉強になりました。

Fさん
今回も、語法を深く学ぶことができました。
・外的刺激をきっかけとして、主人公が本質なものと出会うために旅に出る。
・三回の繰り返しがクレッシェンドしていくこと。
・出来事による言葉の繰り返しと言葉の出来事の繰り返し。
・物理学を無視(危機一髪のとき)。
・抽象性の中身はいくつかが絡み合っている。=イメージがクリアになっていく。お話に入っていきやすい。
語法を勉強することで、「三匹の子ブタ」のお話がはっきりみえてきました。

*稲田浩二さんの、幼い子には動物の話から始める
子ども 「自分はちいさい弱い存在」 
昔話で “大丈夫だよ!”
*「三匹の子ブタ」弱いものが強いものに勝つ話
おおかみは抹殺しないとダメ
あなたは大丈夫と伝える話

◎以前覚えかけてそのままにしているけれど、自立していく年長さんや一年生のこもたちに語っっていきたいと思いました。

Gさん
先日の3匹のこぶたの語法勉強会ではお世話になりました。
3回の繰り返しが入れ子式になっていて、クレッシェンドになっていることも興味深かったです。
また、2番目のこぶたが作った家は、「木の家」だと思い込んでいたのですが、「ハリエニシダ」なのですね。オンラインでも質問させていただいたのですが、後で確認しますと、石井桃子再話では、「ハリエニシダ」、瀬田貞二再話では「木のえだ」となっていました。
私が幼い頃、一番初めに見た絵本には日本家屋で使用されるような木材が描かれていたので、材料は木だと思っていたのです。しかし、ハリエニシダについて調べますと、イギリスでは荒地を覆う植物として一般的によく知られ、黄色い花を咲かせる草丈2メートル程度の株のようである。日本語ではハリエニシダだが、ゴースと呼ばれ、荒地を覆う植物としてイギリス文学に登場しています。
なので、藁よりも少し丈夫な小枝、といったところなのですね。オオカミが木の家を吹き飛ばす場面で、そんなに木の家は弱いのか?オオカミの吹く力は台風以上に凄いのか、と幼少期に疑問を覚えたので、なんだか納得しました。
さまざまな気付きをいただき、ありがとうございました。
私も語れるようにしたいと思います。

みなさま、ありがとうございました!

わたしも勉強会の準備をするときや、当日みなさまにお話するときに、とってもよい復習ができています。
語法を確認することで、その話の価値を確認しているって感じです。
うまく録画できたので、おんでまんどくらぶにアップしますね。

あ、そうそう、最後の疑問や感想を言いあう中での意見交換、いつもおもしろいです。

 

 

日食🌞

きのうは、金冠皆既日食が起こる日だったって知ってた?
日本では沖縄とか和歌山の南の方とかで部分日食があっただけなんで、あんまり話題にならなかったけどね。
でも、世界で言えば、とっても珍しい、金環食と皆既食がみられる日だったそうな。
今回はインド洋から南太平洋にかけてのほんのせまい帯のような範囲。
でも、同じ場所で両方見られるわけじゃないから、どっちも見たいというのはだめみたいね。

わたし「なあ、つぎの金冠皆既日食は2031年やって」
夫「ふん。何年後や」
わたし「8年後」
夫「生きてるかな」
わたし「見に行こ」
夫「どこへ?」
わたし「ちょっと前になったらわかるやろ。ツアーかなんかで行こ。あと8年も生きたら、行ったとこで発作起きても、もう思い残すことないやろ。アフリカでもアメリカでも行こ」
夫「ベニスに死す、か」
わたし「それまで生きてなあかんで」

定年間際に病気になって、10年生存率2割といわれていま14年目の夫。
薬漬けとリハビリの日々。
コロナは恐怖。
わたしの仕事は、食事の管理。それと、免疫力を高めるための仕掛け。
夫はめっちゃ決断力のない人やけど、うまい具合にわたしは、楽しいことをぱっと思いついてぱっと実行するタイプやし。
コロナで中断してた都道府県制覇の旅行プランは、日常から離れて夫の好きな歴史と地学生物を実感するひと時になる。弥次喜多道中は免疫力超UP。

毎日NHKFM聞きながら朝の食事やら家事をやってるねんけど。
今まで音楽ばっかりやったのに、最近英語番組が5つも入るようになって、腹立ててたんよ。
わかった!
8年後は海外や!
それでFM英語になったんや~~
これを状況の一致という。
日食見たついでに何か国か回ることにしよう!

ちゃんちゃん