ヤン のすべての投稿

ヤン について

語りの森を作った魔女

1月のおはなし会2⛄⛄

1月26日(木)

いつもの他県のおはなし会に行ってきました。
きのうからJRが動かなかったから、ダメかと思ってましたが、なんとか行ってこれました。
でも運行に遅れが出て、ホームで待つあいだの寒かったこと{{{(>_<)}}}
私鉄は普通に動いてるのになんでJRは・・・?

きょうは、前半が子どもたちの語り。
語りの森昔話集から、好きな話を選んでかたるという授業です。
選んだ話の国について調べて、その発表もしていましたよ。
約1か月間、一生懸命練習を重ねて、今日は発表の日です。
保護者の方たちの前で、堂々と声を出していました。
グループごとに、子どもと保護者のかたがたとの討論もありました。
ヤンは、その間をずうっと歩いて聞かせていただきました。
おもしろかったよ~

特に印象に残ったのが、「ヘレーじいさん」について。
「わらしべ長者」の逆バージョンだね、それでほんとに幸せだったのかなと、保護者のかたが子どもに投げかけていました。
いいなあ~

後半はヤンの語り。
子どもたち、全集中で語った後だから、大丈夫かなって心配したけど、なんとか聞いてくれましたよ。

プログラム
「七羽のカラス」『おはなしのろうそく』東京子ども図書館
「小石投げの名人タオ・カム」『子どもに語るアジアの昔話2』こぐま社
「カメの笛」『ブラジルの昔話』カメの笛の会

最後に保護者のかたからのコメントがあって、子どもが幼いころは絵本を読み聞かせていたけれど、もう3年生になってそろそろ絵本は卒業。これからはおはなしを覚えてみたい、っていうことでした。
やったーO(∩_∩)O

 

「ホレばあさん」昔話の語法感想集2❄️❄️

全国的に大寒波が到来したようです。
みなさまのところは、大きな被害はありませんでしたか?
京都府南部のこの辺りは、降水量が少ないので、寒くはなっても雪が降ることはめったにありません。ところが、ゆうべ、一瞬のうちに雪が積もりました。
まだ、寒波は居座るもよう。みなさま、気を付けてくださいね。

さて、1月17日の語法勉強会の感想の続きです。
みなさま、ありがとうございました。

ひよこさん

先日は、貴重なお話ありがとうございました。
聞き心地が良いのは、色々な仕組みがあるんだなぁと改めて感じました。
先がわかっているのに何度聞いても面白い、子どもになった気分です(笑)
これからも、少しずつではありますが、勉強させて頂こうと思っております。

Dさん

ホレばあさんの語法講座、ありがとうございました。
今回の講座を受けて、おはなしと児童文学は別のもの、別の楽しみなのだということがわかりました。今頃?(笑)
長い時間をかけて語り継がれてきたおはなしは、子どもが耳で聴いて楽しめるような語法に則っている。このことをわかったつもりだったんですが、情景や心理の描写が細やかな児童文学とか小説が好きで、昔話にちょっと物足りなさを感じていました(^_^;)

でも、今回受講して、初めて語り部の昔話を聴いたときのワクワクした感じを思い出しました。近頃おはなしを聴くときも、勉強モードになってしまっていて…聴く側の気持ちになれていなかったと思います。
読んでもらう楽しさ、自分で読む楽しさ、聴く楽しさ、楽しみはいろいろ。とても当たり前のこと言っていますが、自分でちゃんとわかるのって時間がかかりますね。
スッキリしました。ありがとうございました。

Eさん

語法の勉強会に初めて参加しました。
ストーリーテリングの世界に入ってから、昔話に対して感じていた疑問や違和感などがありました。

何故主人公はいつでも美しいのか?
何故美しい者が幸せになり、醜い者は不幸せになるのか?
話が残酷過ぎないか?
等々

それが、今回の語法会ですっかり解決しました。

今までストーリーテリングの世界に、何か神聖さを感じていたのですが、それよりも、昔話は昔話の役割があって、分かりやすいこと、覚えやすいこと、聞き取りやすいこと、イメージしやすいこと、そこを突き詰めるとあの形になるのだ、ということを学びました。

昔話の残酷さについては、もっと勉強したいので、春からの講座が今から楽しみです!

Fさん

語法の勉強会、ありがとうございました。 
今まで絵本の読み聞かせとストーリーテリング、その差は何かをなんとなくでしか分かっていませんでしたが、語法のことを知ったことでそもそもの根底?成り立ち?が全く違うのだなと思いました。
たまたま脳の使い方の勉強をしているのですが、耳で聴く時と目で見る時では脳の使われる場所が違うこと。
そして耳で聴く時はそれまでの経験や語彙によって受け取り方や想像力の広がりが変わることを知り、ストーリーテリングが歴々と繋がれていることの意味を感じましたし、絵本が充実した現代の中でもこれからも繋げていきたいものだと思いました。
描写をしないことでの広がり。
スピード感。
子どもたちが、もっともっとと次を期待する眼差しが目に浮かびます。
端的でもあり、画一的とも捉えられそうな物語は、世界中で同じようで少し違うものに溢れているのを知り、大人が子どもに伝えたいことというのは国が違っても変わらないのだなと、面白く感じました。

しばらくは物語を読むたびに語法を気にすることになりそうです。
ありがとうございました。

**************

それから、前回のCさんの感想のなかで、どうして娘は家に帰ることを選んだのだろうということを指摘してくださいましたね。

ちょっと考えていて、気がついたんだけど、昔話では、彼岸へ行った主人公は必ず帰ってきますよね?
浦島太郎でも、仙人の教えでも、ヘンゼルとグレーテルでも、七羽のカラスでも、世界の果ての井戸でも、旅の仲間でも、ジャックと豆の木でも、かしこいモリーでも、竜神さまと花売りでも、さきぼそがらすの神でも、・・・
昔話にそういう大きな法則があるんじゃないかなあ?どうやろ?
「ホレばあさん」の娘も、理由はどうあれ、その大きな法則に動かされてるんじゃないかなあ。

**************

今週は、《日本の昔話》を更新しました。
青森県の「化け物と踊った話」です。
語ってくださいね~

 

 

「ホレばあさん」昔話の語法感想集1❄️

1月17日の会場での勉強会、感想文が集まりつつあるので、順次ご紹介しますね。

Aさん
限られた時間の中で盛りだくさんのことを教えて頂いて、ありがとうございました。
ホレばあさん以外のおはなしも例に上がると楽しかったです。
なるほどと思ったのは、人の性質を
登場人物に割り振って、二つ並べて見せてあるということ。
こんな類話がたくさんあるのは、世界中で好まれていて、心と行いによって人生はいろんなふうに変わるんだよと昔話を通して言ってるのかなと思いました。
そして、心の支えになるものが昔話に答えがあるということ。そういう昔話が自分にどれだけ語れるだろうかと思いながら、おはなしを選んで語っていきたいと思います。

Bさん
今まで何度か語法の勉強会に参加させていただきましたが
今回も新しい発見や納得ポイントがあって、とても興味深く
聞かせていただきました。
(単に前回のことを忘れているだけではないと思いたいですが💦)

勉強会の終わりに、昔話の残酷性について少し触れられました。
登場人物(動物)が残酷な死を遂げるお話がある昔話を
子どもたちに語るのはどうなのか、という意見について
私も考えさせられました。

自分の子どもについては、年齢的に成長していること、
また「ひょえー!こっわ!」で済ましてくれるという信頼があるので
そういったジレンマはありませんが、
残酷なお話を敬遠される方の気持ちもわかりますし、
繊細な子どもたちには配慮が必要かなと思います。

しかし昔話が単なる子どもたちのエンターテインメントというだけでなく
生きる知恵や逞しさを伝える手段として人類が受け継いできたもの。
そう思うと、死というテーマが所々に散りばめられていることは
ある意味で昔話の優しさなのかもしれないなと思いました。

なにしろ昔、あるところにいた、自分には全く関りのない知らない誰かさんのお話です。
それを聞く子どもたちは安全地帯から「死」を少しだけ見ます。
ある登場人物が途中で死んだとしても、血を見るわけでも、苦しんでいる様子を見るわけでもなく
お話は淡々と幸せに向かって続いていきます。

先生が言われた通り、人生や現実世界はもっと残酷です。
昔話という架空の世界にしっかりと守られながら
残酷さを消化する術を学ぶことができるのかもしれないですね。

ふと、先生がお知らせくださったユリ・シュルヴィッツさんの「チャンス」を思い出しました。
(まだ読んでいません!が、実は去年ホロコーストの生存者の方のお話を
直接お聞きする機会があり、こちらの本もぜひ読んでみたいと思いました。)

ユダヤ人が民族的に受け継いできた聖書のお話には
それこそ残虐な出来事が満載です。
何千年もの間、祖国をもたず、世界中で迫害を受けてきたユダヤ民族が
現在でも独自の言語と文化を保ちつつあらゆる分野で活躍しているその強さに
「残酷な出来事もあるけど最後には希望が残っているお話」の存在が
貢献してきたのかもしれないなぁ~

Cさん
ホレばあさんの語法勉強会に参加して
♡長い年月を経て残ってきたおはなしはやっぱりいいなと思いました。
♡昔話に出会うといつも楽しくてほっとする理由が語法にあると再認識。
♡他のおはなしの具体例をたくさんあげてくださるのでわかりやすいです。
♡子どもたちの反応や語りのヒントなども教えてくださるので説得力が千倍。
♡何といっても“余談”が楽しいです。
♡もういちど一次元性の世界で生きてみたいです。
♡毎日ちゃんとお掃除して食べ物をたいせつにしようと思いました。

Q.美しいむすめは、ホレばあさんの家で幸せにくらしていたのに、なんでこわいまま母がいるうちがこいしくなって帰りたいなんていうんでしょうか?ストーリーを先に進めるために、つらかったことは忘れているのでしょうか?

Cさんの疑問、わたしもそうだなあと思います。語法的にもよくわからない。
でもね、むすめが「うちが恋しくなりました」っていうと、ホレばあさんが「それはいいことだよ」っていいますね。人って、そんなものかも知れないと思います。だから、ヤンは、ホレばあさんのこのことばを心をこめて語るんです。

*************

いっき読みの2冊目、やっと書けました。
ヤンの読書日記に入れましたよ。
『小さなことばたちの辞書』
あ、小説です。
『オックスフォード英語大辞典』の編纂に関わった女性の物語。
わたしたちが使っている今の辞書は、俗語とか話し言葉とかも載せてあるのが当たり前ですよね。
でも、この作品の時代は、書物に書かれたことばだけが価値あるものだったんです。そこからはじかれた俗語や、庶民の話ことば、女性だけが使うことばなどを、主人公は集めます。
時代や、運命に翻弄されながらも、自分には何ができるのかを考える主人公。
つぎどうなるかしらと、ドキドキしながら、あっという間に読みました。
読み終えて、ことばとは何か、世の中の在り方とどうつながっていくかを考えさせられました。

 

 

1月のおはなし会⛄

1月16日(月)

幼稚園5歳児

ろうそくぱっ
おはなし「三びきの子ブタ」『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子編訳/福音館書店
おはなし「くらいくらい」
ろうそくぱっ

「三びきの子ブタ」は、みんな、「しってる~」って言ってとっても嬉しがっていましたよ。
やっぱり人気がありますね。
でも、改ざんされたほうを知ってる子が、たぶん半数はいたかな?最後、「おおかみをぐつぐつ煮て食べてしまいました」っていうと、「え~~~っ!?」
それでも、知っているのと違ってびっくりしただけで、「やったー」感は強かったです。

「くらいくらい」は、後ろのほうの男の子が、ずうっと、「こわい」っていってたんだけど、両隣の子がその子にくっついて、「こわないで」ってささやいてくれていました。そのうち笑い出して、ほっとしました。
この距離感が大事なんよね。

1月20日(金)

幼稚園3歳児

ろうそくぱっ
おはなし「にんじんとごぼうとだいこん」
ろうそくぱっ

はじめてのおはなし会O(∩_∩)O
まっさらな子どもたち。
なんか、はじめから泣いてる子とか、走り回ってる子とか。今までもそんな子はいたけど、十数人中ふたりというのは、ちょっと戸惑った。
今後の成長が楽しみです(笑)

幼稚園4歳児

ろうそくぱっ
おはなし「あなのはなし」『おはなしのろうそく』東京子ども図書館
絵本『おもち』彦坂 有紀・もりと いずみ作/福音館書店
ろうそくぱっ

『おもち』って言ったら、「もうお正月終わったよ」って言った子がいた(笑)
お正月じゃなくても、お餅食べるよ~
きなこもち、あんこもちはおなじみだけど、いそべもちは、「へ~っ」「たべたい!」って言ってましたよ。
おなかがすいちゃった~

***************

きょうのおはなしひろばは、「あわせもちとわた入れもち」
聞いてくださいね~
おもちたべた~い╰(*°▽°*)╯

 

 

 

いっき読み~🌞

世の中、戦争や感染症や経済危機や、心配事であふれてるけど、いい本もいっぱい出てる。
いい本に出逢ったら、こころからほっとする。
いっき読みした本が2冊o(*^@^*)o

『私の体験』松居直著/福音館書店 2022年
図書館で予約して、手に入ったと思ったら、もう次の予約が入ってて、読めるかなって思ったんだけど、掃除やおさんどんは後回しにして、いちにちで、いっきに読んでしまった~

安野光雅さんの挿絵がすてきなの。
安野さんの描くプーさんとかq(≧▽≦q)

あ、なかみはね、福音館の月刊誌「母の友」に連載されてたエッセイをまとめたもの。2009~2011年のぶん。

絵本の好きな人、おはなしのおばさん、ボランティア、そしてそして、子育て中の親たち、これは必読だよ。
11月に亡くなった松居直さんの遺言みたい。

私自身は、上の子妊娠中に、何気なく観てたテレビに、福音館書店の社長だった松井直さんが出演されててね。
子どもを本好きにしたかったら、赤ちゃんの時から読んであげてくださいって、おっしゃってた。
ヤンは、子どもができたら、自分とおんなじ趣味で話ができたらいいなと思ってたので、本が好きな子になってくれたらと思ってた。それで、この話聞いて、「おっ!」って思った。で、実践した~

結果、子どもより、わたしのほうが子どもの本に夢中になった(*^▽^*)

『私のことば体験』は大正15年に京都で生まれた著者が、人とことばによって育てられ成長し、戦争の時代を生きて、子どものための本屋になる過程をつづったもの。
時代を超えて、子どもにとって大切なものは変わらないと感じます。

本文から、宝石のような言葉たちをいくつか抜粋して紹介しますね。

ことばは教えるものではありませんから、読むことよりも聞くことのほうが大切です。絵本の絵を見ながら人に読んでもらうというのは、本当に力になるんです。

子どもの本の出版というのは未来志向だと思うんです。どういう人間に育つように絵本を、あるいは本を、児童文学を、子どもたちに渡していくかということ。今だけを見るのではなくて、子どもたちの気持ち、内面が、これからの時代どういうふうに育っていくべきかを、しっかりと考えて編集していかなければいけない。

とくに小学校に入る前までの子どもにとって本というのは、語り手のものだということを、覚えておいていただきたいと思います。著者を知っている読者は意外にいないけれど、読んでくれた人のことは、声や表情、手の動かし方までちゃんと覚えている。そこに意味があるんです。手渡してくれた人のこと、一生忘れないですよ。それが、本の、そしてことばの命です。

ヤンは地域の大人として子どもの育ちに関わってるけど、絵本や本だけでなくて、ストーリーテリング=語りにも同じことがいえると、何度もうなづいてしまった。
ね、お話は上手下手じゃないっていつもいってるでしょ。声の良しあしでもない。あなたであること、それが大事(❁´◡`❁)

あ、いっき読みしたもう一冊のほうは、またこんどね~

***********

きょうは、《外国の昔話》を更新しましたよ~
マケドニアの昔話「ライオンとねずみ」
語ってね~~