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語りの森を作った魔女

お正月 婆のよもやま🦉

京都府南部は天候にも恵まれておだやかな年末年始でしたO(∩_∩)O

年末恒例の餅つきは、もちつき機が壊れたので省略。今年は奥出雲のおもちをいただきました。杵つきで粘りのあるおいしいおもちを何十年ぶりかで味わいましたよ~
黒豆と、棒鱈の煮物は大晦日の前日に。あとのおせち料理は、大晦日にいつものように作りました。鯛も焼きましたよ。
新婚時代と比べてえらい手早く作れるようになったのは、どっかで手を抜いてるのかなあ(笑)

今年はやっと、息子が帰省。2晩泊まっていきました。
コロナ検査キットを2回も使って。換気扇回して。マスクをしたりしわすれたりして。そのうち、コロナ、どうでもよくなったりして。
会話が弾むって、楽しいなあ。
娘にも会いたいなあ。

今年の願いは、ひたすらコロナ退散!

コロナが収束したら、子どもたちの居場所としての図書館のおはなし会に集中したいな。
きっと、いちからの出発になるでしょうね。
これまでの常連さんは、もう大きくなっていて帰ってこないと思う。
切れた糸を結びなおすのはたいへん。
まだ体力のあるうちに再開したいなあ。
子どもたちがわたしをジャングルジムにするようなおはなし会、またやりたい(❁´◡`❁)

おはなしといえば!
60歳越えたら新しい長い話は覚えられないって先輩に言われてたんよね。
気になりながら、ほかの話に手を取られていてほっといた。いうてるまに70歳になるで~⊙﹏⊙∥
年末に暇があったから、覚えてみた。
30分の話、語ってみたら27分になったけど、おぼえた~~~

そののりで、年明けは、ロマンチックなかわいいおはなしに挑戦。
13分だけど、なにげに累積譚で、覚えにくいったらない!
A「なんと答えていいかわからず」なのか、B「なんて答えたらいいかわからず」なのか、どっちが正解やと思う?
わたしはAで語りたいのに、口はいつもBで語るのよ(っ °Д °;)っ

ヤンは結構ストイックなので、テキスト通りでないと「覚えた」って言えない、自分が許せないのよ(笑)
覚えてから練習を重ねていくうちにテキストが練れてきて、言葉が少し変わる。やっと自分のものになる。

語る場を想定しないで、お話を選び覚えるってこと、久しぶりにやりました。自分のためのお話やね。
けっこういい気分(*^▽^*)

年末年始に読んだ本は、はずれが多かった。
著者に失礼やけど、まあいろんな読者がいるということで<(_ _)>
興味のあるかた、野次馬のかたは、ヤンの読書日記へどうぞ。

今日読みだしたのが『私のことば体験』松居直/福音館書店/2022年
最初の一文からガーンってやられた。
「読んだのではなく聞いたーそれが、私のことばへの感覚を開いてくれました」
この本については、別の機会に報告しますね。
挿絵は安野光雅さん。

 

 

㊗️10年目に向けて🎍

新しい年が明けました。
みなさま、よいお年を迎えられたことを願っております。

さて、ふっと気がついてみると、ババ・ヤガーの立ち上げから10年になります。
それまでのことを振り返ってみると。。。

おはなし入門講座は今年で26年目。
たくさんの語り手が生まれ、それぞれに育っていきました。
語り手たちは、入門講座を受けた後、学びの場を求めて、さまざまな試行錯誤をしてきました。初めのころは、わたしもみなさんにアドヴァイスするだけの知識や経験が足りませんでした。だから、わたしも、外部のおはなしサークルや昔ばなし大学などに出かけて行きました。

その間一貫して考えていたことは、子どもに語ることが最強の学びになるということでした。
子どもたちから学んだのは、語りの形(語りかた)と、テキストの内にあるテーマのとらえかたです。
「子どもはかしこい」というのは、わたしの口癖です(笑)
36年間も子どもたちの洗礼を受けていると、いやでも経験値はあがります(いえ、偉ぶっているのではないですよ~)
そして、疑問もどんどん生まれてきて、それが、研究者の先生がたや書物での学びにつながりました。

そこではっきりと見えてきたのは、口承の復活という夢です。
人類が(って、大きく出たな~笑)、文字を手に入れるまでの久遠の時間の中で、生きる知恵をストーリーとして口伝えてきた、それを手放していいものか、という思いが大きくなっていきました。
子どもたちと語りを楽しんでいるとき、わたしの背中を押しているのは、子どもたちの「つぎどうなるの?」というエネルギーです。それは、永遠の過去から続いてきた人々のエネルギーでもあると感じるのです。

おはなしを選ぶのも覚えるのも語るのも、決して楽なものではないけれど、そう感じることで、自分が世界とひとつになっているという充実が生まれます。

口承を復活するためにできること。
ひとつは自分ができるだけたくさん子どもたちに語ることでした。それは、私ひとりの生活の中で完結します。
そして、ほかの語り手に、そのための学びを共有してもらうことでした。それには、小さくても学びの場が必要でした。そんなことから、ババ・ヤガーを始めたのです。
次の年には、このサイト「ストーリーテリング語りの森」を立ち上げました。だから当サイトの目的は、口承の復活です。

コロナ禍で、人との距離をとることが求められます。
肩寄せ合って聞くというこれまでの語りの場は、激減しました。
広い部屋に散らばっている子どもたちに語るのは、とても難しいです。

それでも、子どもたちは聞いてくれるし、ババ・ヤガーに集う大人たちは増えこそすれ減ることはありません。
当サイトの閲覧者は毎日200人を超えます。
なぜなんでしょう?

やはり、背中を押してくれる過去からのエネルギーを感じます。
その夢はまちがっていないよと、そっと背中を押してくれます。

今年もまた伝えるをキーワードに歩いていきたいと思います。
どうかみなさま、伴走、先導、よろしくお願いいたします。

以上、年頭に当たりましてのまじめ~なご挨拶でした(^///^)

 

 

万博記念公園⛲

えらい寒波の来た日曜日、大阪千里の万博記念公園にいってきました。
なんでそんな日に?
スケジュールの都合(*^_^*)

大阪万博は1970年のこんにちは~♬
50年なんて、あっという間やね。
太陽の塔はかつてほど大きく感じられなかったし、汚れてて、それなりに風合いが出ててよかったです。

50年ぶりの日本庭園も、植物がよく成長してて、庭園らしく変貌していました。かつては、新しく作りました!って感じやったけど。

これは、日本庭園の前のバラ園のバラ。
バラって四季咲きのがあって、ほとんど一年じゅう、なにかしら花が咲いているようです。

今回初めて訪れたのは、ソラード。
森の空中観察路っていう。
万博公園中央口から左、つまり西に15分ほど歩いていくと、自然観察学習館っていう地味な学習棟があります。そのそばに木組みの塔があって、塔のてっぺんあたりから空中にずうっと橋がくねりながら続いてるのです。
だいたい大きな木のてっぺんくらいの高さのとこを歩くのね。
鳥の目線で森を見るような感じ。
ちょっとアスレチック風だけど、あんまり恐くない。
けど、強い風がひゅうひゅう吹く中を、樹冠を歩くように進むのは、かなりきつかった(笑)
一番高いところは橋が凍ってて、すべるわーい.·´¯`(>▂<)´¯`·.

向こうに見えるのは、エキスポシティの観覧車。
ね、けっこう高いでしょ。
登ってく階段の隙間から下が見えるから、高所恐怖の人は気を付けてね。

いろんな木が茂っていて、鳥の鳴き声が聞こえてて、気持ちがよかった。
春秋だともっといいかも、また来たいなと思いました。

そして、最後の目的はみんぱく。
そう、かの村上ツーリスト企画みんぱく昔話ツアーを思い出しておくれ。

トーテムポールです。

インドネシア、バリ島の魔女ランダ。災いをもたらすので、人々はお供え物をして劇を演じて、鎮めようとするそうです。

国立民族学博物館は、何度訪れても飽きません。
今回は、コロナ前より新しくなったアジアのブースを重点的に楽しみました。
アイキャッチ画像の竜は、中国の金龍です。天井いっぱいに飛んでいて、大迫力でした~

************

もうすぐクリスマス。
ババのメンバーからいただいた讃美歌のCDを、毎晩聴かせていただいています。
師走の喧騒が遠くへ行って、心が鎮まっていきます。
今年もあと少し、せめて穏やかに年を越したいものです。

12月のおはなし会2🎄🎄

12月16日(金)

幼稚園4歳児

ロウソクぱっ
おはなし「ホットケーキ」『おはなしのろうそく』東京子ども図書館
おはなし「じいとばあ」
絵本『ならびました』五味太郎/ブロンズ新社
ロウソクぱっ

「笑ってええのかな?」と、一瞬ちゅうちょするクラスです。

さて。
いつもひとり、お部屋の中を独自に移動する子がいるんだけど、おはなしは嫌いじゃないみたいなので、いつか何とかしようと思ってたんだけどね。「ホットケーキ」が始まったとき、たまたまその子が私のすぐそばまで来たので、そっと手を取って私の膝に乗せたら、最後まで膝の上で聞いてくれました。
とちゅうで、「靴が脱げた」って床に下りたので、「もう行っちゃうかな」と思いましたが、靴をはいてまた膝に上がりました。
かわいいね~
その子は、初めて、長い話を最後まで集中して聞けました。
他の子たちも、全然違和感なく聞いてくれましたよ。

「ホットケーキ」がおわって。
わたし「みんな、長い話、よく聞けたね~」
こども「みじかかった!」
わたし「もうひとつお話しようか?」
こども「うん!」
わたし「長いのがいい?短いのがいい?」
こども「長いの嫌や」「長いのがいい」
そこで、「じいとばあ」をやりました。みんなずっこけていました。

『ならびました』を出すと、子どもたち「知ってる~」「おんなじ~」
先月読んだ『いました』を覚えてたんですね。
今回は、最初から笑って聞いてましたよ。
リクエストに応えて2回、よみました~O(∩_∩)O

幼稚園5歳児

ロウソクぱっ
おはなし「とりのみじい」『日本の昔話』小澤俊夫再話/福音館書店
おはなし「じいとばあ」
絵本『ならびました』五味太郎/ブロンズ新社
ロウソクぱっ

なんだか、ほんとに鳥を飲みこんだみたいな顔をして聞いてました(笑)
やっぱり「短い!」っていったので、「じいとばあ」をしました。
4歳児さんよりもっとずっこけてました。

『ならびました』を出すと、「『いました』の続き~」っていった子がいましたよ。さすが5歳さん、かしこいなあ。
「五味太郎」にも反応していましたよ。
劇の発表で「ももたろう」をしたので、「ごみから生まれたんか」って、納得していました。
わたしは、なんでもいいから、子どもたちに五味太郎さんの名前を覚えてほしいと思いました。
2回読んだら、2回目は子どもたちも声をそろえて読みました。
いや、そろえてじゃないな、ページをめくるのと競争で「ならびましたあ!」
楽しかった。

どちらのクラスでも、最後のごあいさつ。
わたし「よいお年を!」
子ども「?・・・・ヨイオトシオ!」

***********

きょうのおはなしひろばは「かますのいいつけ」
聞いてくださいね~
3,4年生の元気な子たちにぴったりの話です。
《外国の昔話》にテキストをアップしているので、語ってくださいねヾ(≧▽≦*)o

 

 

 

ホレばあさん❄️

久しぶりにグリム童話よもやま話です。
最近「ホレばあさん」を子どもに語る機会がありました。
「ホレばあさん」については以前にも井戸端会議で取り上げています。⇒こちら
昔話雑学でもまとめてあります。⇒こちら
合わせて見てくださいね。

KHM24「ホレばあさん」 「ホレおばさん」とも

エーレンベルク稿では37「モルモット」。似ているけれど違う話です・
初版からは24番です。そののちも内容には大きな変化はありません。

話型は、ATU480「親切な少女と不親切な少女」
まんまですね~笑
類話はたくさんあります。
ロシア「がちょうはくちょう」(『おはなしのろうそく』)
ロシア「十二の月のおくりもの」(『おはなしのろうそく』)
フランス「井戸の底の贈り物」⇒こちら
イギリス「地のはての井戸」⇒こちら
アメリカ「ものをいう卵」⇒こちら

ルース・ポティックハイマー『グリム童話の悪い少女と勇敢な少年』(紀伊国屋書店)によると、グリムの「ホレばあさん」では、美しい娘は、パンを窯から出してあげたりリンゴの木をゆすって実を落としてあげたりして親切ですし、ホレばあさんの言いつけ通りに仕事をする働き者です。だからホレばあさんから贈り物をもらうんですね。醜い娘は不親切で怠け者なので、罰を食らいます。

わたしは、パンの焼け時やリンゴの熟し時を知ることができて、ホレばあさんが雪を降らせるのを手伝うことができる娘は、自然と交わることができる力を持っていると感じています。

それはさておき、主人公が地下の世界に行って、そこの住人から宝をもらってくるっていう形、めっちゃなじみがありませんか?
おじいさんが、ねずみあなに入っていって、ねずみから宝物をもらってくるのと同じでしょ?
しかも、欲張りじいさんもいて、同じことをして失敗しますよね。
ドイツの「ホレばあさん」と日本の「おにぎりころころ」が同じ形をしているなんて、不思議ですね~

さてさて、1月17日の昔話の語法の勉強会では、この「ホレばあさん」をとりあげますよ~