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7月のプライベートレッスン

スイカの季節になりましたね。
子どもの頃はよくスイカを食べましたが、大人になると食べなくなりました。
なぜかと考えると…。
持って帰るのが重い、冷蔵庫に入れにくい、(カットしてあって)すぐに食べないといけないから(笑)
我ながら、なんて怠惰な思考かとあきれますが。

今月のプライベートレッスンの報告です(^O^)
1日目
テキストを日常語になおす
「命のろうそく」語りの森HP → こちら
”関西弁で語るとき、だらだらした印象になる場合があるので、そのようなときは場面転換の時に気分を変える。
具体的には、接続詞を入れないで、語り方でそれを分かるように語る。”
この指摘が大変参考になりました。
ほんとにそうだと思いました。
やっぱり関西弁って、だらだらしているように聞こえるんですね。
それが続くと聞いていて眠くなるかもしれません。
おはなしにメリハリをつけるためにも、場面転換の時に気分を変えたら聞き手も聞きやすいですね。
2日目
語り
「鳥になりたかったこぐまの話」『雌牛のブーコラ愛蔵版おはなしのろうそく12』東京子ども図書館
鳥になりたいと思ったこぐまがうまくいかなくて、でも最後に同じくまの友達ができるというかわいい創作の話です。
鳥になりたい、空を飛びたい、ヒーローになりたい、子どもの頃っていうのはいろいろなものにあこがれて、それになり切ったりします。
聞き手はそのような気持ちに共感してくれるんでしょうね。
実現はしないことばかりですけども、最後にはお友達ができて、うれしい終わり方です。
創作は難しいということを実感するとともに、いい話は難しくてもチャレンジしたいという語り手さんの思いを感じました。

うちの極小の庭にもセミがいてびっくりしました。
こんな間近で鳴かれたらうるさくてかないませんがな。
と、セミには申し訳ないけどもそう思ってしまいました。
まだまだ暑いですが、何とか乗り切りましょうね(^O^)/

7月の日常語クラス

今日は、海の日で、かつ祇園祭ですね。
天気予報は、猛暑でできるだけ外には出ないようにとありました。
祭り見物の方たち、大丈夫かな?

今月の日常語クラスの報告です(^O^)
語り
「わらしべ長者」『語りの森昔話集5』語りの森
テキストを日常語にする
「危機一髪」『語りの森昔話集5』語りの森
「ゆうれいのおんがえし」『子どもと家庭のための奈良の民話一』京阪奈情報教育出版
「舌切りすずめ」『日本の昔話2』福音館書店
「さるかにがっせん」『語りの森昔話集4』語りの森
ヤンさんの語り 「かも取り権兵衛」『日本の昔話2』福音館書店

この日も、数々の学びがある中で、わたしが心に残ったのは、「行くが行くが行くと」問題…。
『日本の昔話』シリーズにはこの表現が原話の通り残されています。
わたしが初めて本で読んだときは、正直「なんやこれ?!」と思いました(笑)
どう言ったらいいかわからないし、意味もよくわかりませんでした。
すぐに、遠い道のりをず~っと歩いていくという意味だと分かりましたけれども、「それならそう書けばいいんではないの?」と思っていました。
その後、原話の語り手さんの音声やビデオを見て、「おおお~~、そういうことか!」と納得しました。
原話の語り手さんが語られる「行くが行くが行くと」は文字で書いてあるのとは全く違って、何とも言えずいい味でなおかつ、その時の場面と主人公の気持ちがよくイメージできて、話が心にすーっと入ってきました。
ここだけ原話のままに残して再話したいと思われた気持ちがわかりました。
そして自分も、原話の語り手さんのように「行くがー行くがー、行くと」と語りたくなりました(笑)
この日の勉強会では、ここだけが浮いてしまうことがあることから、ヤンさんの再話では共通語の表現にしているということが出ました。
たしかに耳に快い言葉ではありますが、浮いてしまっては聞き手の集中が散ってしまいます。
それにも納得したわけです。
原話の語り手さんはそこだけ浮くことは絶対ないわけですからね。
ここは、わたしの「行くがー行くがー、行くと」を語りたいという欲求を封印すべきか、でもこの表現すきだなぁ、と押さえられない自分を感じたのでした(笑)
課題ですかね、もうちょっと時間をかけて消化します。
次回は、9月8日!
今度は語りの会になりそうです(^O^)/

第3回昔話の残酷性について

今日は七夕ですね。
ですが、天気予報は夕方から曇ってきて雨になるそうです。
今朝まで七夕であることを忘れていたのに雨と聞いてなんだかちょっと寂しい中高年のワタシって何なんだろうと思いながら、昔話の残酷性についての勉強会を報告します(^^)

野村泫先生の『昔話は残酷か』(東京子ども図書館)をテキストにして勉強してきましたが今回が最終回でした。
今回は、昔話の残酷性を心理学的にみるとどうなるかについて勉強しました。
今回も、テキスト以外の資料を用意してくださり、野村先生以外の研究者や心理学者の意見も知ることができました。
”昔話は残酷か”という問いに対して、答えは”いいえ”だとは初めからわかっていましたが、3回にわたって丁寧に解説してもらって、改めて残酷というとらえ方をする大人の倫理や、実態を抜いて語る昔話の語法や、昔話を愛のある場所で語り継いでいく必要性などを考えることができました。
わたしは、昔話を含めて物語が好きだから語りをやり続けていると思っているんですが、昔話が語り継がれてきたメッセージを理解したうえで、安心安全な場と人間関係がある状態で子どもたちに届けることが大事なんだなと確認したというか、「お前、今頃確認してるのかい!」と一人突っ込みをしなければならないくらい衝撃でした。
自分がすでにそうであったように子どもたちは昔話を聞く機会が少なくなってきていると思います。
うちの子どもたちは幸運なことにヤンさんのお話会を聞いて育ちました。
ですから、ディ〇ニーも知っているけれども、元になるグリム童話も知っていますし、いまでも印象に残っている語りがたくさんあるようです。
その一方で、生まれた時からパソコンやゲームがある世代で、小学生の時には時間制限をしていたんですが、隠れてやっていたと大人になってからカミングアウト(笑)するくらい、今でもゲーム好きです。
ゲームもいろいろ種類がありますが、子どもの話を聞いていると”それって昔話のストーリーや冒険のワクワク感とかが同じじゃない?!”と思うことがあります。
格闘ゲームとかファンタジー系とかの話を聞くと思うんです。
人は、いくつになっても昔話の中に入っているワクワク感を必要とするんだろうか、それで癒されるんだろうかなどと勉強会の終わりに感じました。
それとかっこよさ。
我が子は時々ゲームに課金しているようなんですが、強くなるためだと思っていたら「かっこよくなるための装備に課金している」そうです。
そういうのを聞くと、残酷な場面をどう語るかというのも大事ですが、もともと昔話の語法どおりに中身を抜いてあるテキストならばその通りに語るだけでいいので、それよりも話の筋や主人公が幸せに向かって課題をクリアする場面をかっこいいと思ってもらえるように語るということに力を注いだほうがいいんじゃないかなと、そんなことを思いました。

この日は、いつもの図書館ではなくて貸会場を借りたんですが、部屋のカギをもらいに行ったときに会場の担当者さんに「タイトルを見て思ったんですが、昔話は残酷だということを勉強する会なんですか?」と言われましたΣ(・□・;)
参加者は全員語り手ですから、このタイトルを見てそう思う人はいないはずです。
でも、世間一般の人というか、ふつうはそう理解するんだと気づかされました。
真逆なんですね。
そう思うと、昔話は決して残酷なのではなくて大切なメッセージがあるんだということを知る語り手という存在が、今はまれな存在になるのかなと思うとともに、語り継ぐことの重大さというか、責任というか、大変さを感じました。
わたしたちって、天然記念物並みに珍しくて貴重なんじゃない?(笑)
そんな少数派でも、語って伝えるということが大事だと思うと、なんか頑張ろうと思いました(‘◇’)ゞ

6月のプライベートレッスン

雨が降らない曇りの日、蒸し暑いです~~
湿度が高いと何もかもがうまくいかなそうな気になってしまうワタクシ。
わたしだけですか?
そうですよね、どうもすいません<m(__)m>

6月のプライベートレッスンは2話でした。
1話目
「りくでも海でもはしる船」『かぎのない箱』J.C.ボウマン文、M.ビアンコ文、瀬田貞二訳/岩波書店
これは、原話ではなくてすでに再話してある話で、なおかつ翻訳の時点でも瀬田貞二さんの文章となって完成しているものです。
ですから、これを今回どうするかといいますと、読み物としての文章を、語るために耳で聞いて分かりにくいところに少~し手を入れるという作業を勉強されました。
ですが、初級クラスでは絶対この作業はしません。
ヤンさんは、経験をある程度積まないとテキストに手を入れるということを禁じているので、中級クラスになるとその勉強ができます。
それくらい、テキストに手を入れるということを慎重に考えているということなんですね。
テキストに手を入れるときにその根拠となる語法の知識も必要ですし、安易にできないです。
だから、テキスト選びが重要なんだとつくづく感じます。

2話目
テキストを日常語になおす
「おならじいさん」『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』
回数を重ねてこられて、ほぼ完成形でテキストを持ってこられたので、すごく早く、すんなりオッケーが出ました~✌(‘ω’✌ )三✌(‘ω’)✌三( ✌’ω’)✌
すご~い!
へこきじいの話って、聞くのはすごく面白いんですけど、自分で語るのはハードルが高くて…。
「かきねの戸」を語った時、自分もこれが語れるようになったかとうれしかったんですが、へこきじいのことは考えていなくて今回「おならじいさん」を出してこられるのを知って、まだ超えられていない山がここにもあったかと気づきました(笑)
面白い話は日常語になおすともっと面白くなりますから、この話も語り手さんの日常語になおしてみるとテキストが生き生きしてくるというか、頭の中に語り手さんがすでに語っておられる声が浮かんできました。
そして、早く聞かせてもらいたいな~と思いました。
やっぱり聞くのはいいですよね~
自分のチャレンジはやっぱりもうちょっと後に伸ばしておきます(笑)

今年は梅雨入りが早かったから、早く開けるのかな?
少しでも日が差してくるとすぐに30度を超える暑さΣ(・□・;)
体調管理に気を付けて、みんな元気に頑張りましょう(^O^)/

最後の研究クラス

こんにちは。
梅雨なのに、昨日今日は中休みのようで洗濯を外に干せてうれしいのですが、とたんに30度越えの気温!
暑いです~~(;’∀’)

研究クラスの報告です。
「ヨリンデとヨリンゲル」KHM69
この話は初版から載せられています。
元は、ハインリヒ・ユング・シュティリングの自伝的小説『ヨーハン・ハインリヒ・シュティリングの生涯』(1777年)の中にある話で、昔話であるのか創作であるのかは解明されていないけれども、創作ではないかという考えが優勢なのだそうです。
グリム童話の中にはそういう出自の話もあるんですね。
話型はATU405「ヨリンデとヨリンゲル」で、類話がないそうです。
レポートでは、テキストの比較をしてくださいました。
『初版グリム童話集3』吉原高志・素子訳/白水社、『完訳グリム童話集2』高橋健二訳/小学館、『子どもに語るグリムの昔話6』こぐま社、『語るためのグリム童話4』小峰書店の4種類のテキストを比較し、実際に覚えられたのは『語るためのグリム童話』でした。
同じ話であるのに、4つを並べてみますと違う箇所があります。
文字にしたらほんの少しですが、「意味が違ってこない?」というのや、順番を変えてイメージしやすくしているところがあり、並べてみることの大切さを改めて感じました。
丁寧に比べていくとそれぞれの再話のいいところや苦心がわかります。
いい勉強になり、楽しかったです。

研究クラスは、2013年にヤンさんを講師にしてババ・ヤガーを作った時に、最初は中級クラスとして始まりました。
昔ばなし大学で知り合った仲間同士で、ヤンさんに語りについて教えてもらいたいと思ってお願いしたのが始まりです。
その時わたしは、語りの初心者とはいえず、そして若手とも言えない立ち位置で、もう少し深く突っ込んだところでダメ出ししてくれるような勉強会を望んでいました。
初級ではないという意味で、中級クラスという名前になり、レポート付きで語りをする勉強会が始まりました。
1回に語る人がはじめは5人くらいでしたが、だんだん時間が足りなくなり、レポート付きが2話とレポート無しが1話となり、最近はレポート付きが1話だけですがその代わり呪的逃走の話をみんなで読み進める企画を長いこと続けています。
『世界の民話 ひとと動物との婚姻譚』(小沢俊夫著/中央公論社)をテキストにして語法の勉強をしたのもこのクラスだったと思います。
ババ・ヤガーの勉強会の種類が増えていき、初級クラスを卒業する語り手さんが出てきたタイミングで、中級クラスという名前を譲って、研究クラスに改名しました。
この日、「10年やってきたんやな~」としみじみみんなで言ってたんですが、このクラスのおかげで〝調べる〟ということができるようになりました。
これがとっても大きい成果だと思います。
わたしは、AT番号とか、ATU番号とか、モチーフ番号とか、もう数字がたくさんあるとそれだけで拒否反応が出ていたんですが徐々に慣れ、今はもう怖くありません!
「どこからでもかかって来なさい~」(笑)
今後ですが、研究クラスのメンバーはレポートを出したいときは中級クラスで手を挙げることになりました。
中級クラスで時間を長めにもらって語りとレポート発表をすることになりました。
そして呪的逃走については、まだ読み合わせていない話はわずかだそうなので、どこかのタイミングで一度集まれば終了できる予定だそうです。
ついにあと一回でまとめができるところまで来たというので、みんなで手分けした呪的逃走話の研究も「すごいことやり遂げようとしてるん違う?!」と思います。
ほんと、楽しかったです。
研究クラスはこれで終わりますが、メンバーは、ほぼみんなが他の勉強会でこれからも一緒なので、淋しいとか悲しいとかいうことがないのがこれまたうれしいです。
ヤンさん、今までありがとうございました。
そして、これからもどうぞよろしくお願いします~~