ウーカー のすべての投稿

6月の中級クラス

いぬとにわとり 『おはなしのろうそく31』東京子ども図書館

子どもは仕返しのところを喜ぶ。犬が「なにもしません。にらむだけ、にらむだけ」「なにもしません。なでるだけ、なでるだけ」と言っているので、にわとりの仕返しのところも、同じ言葉にそろえるとよい。…それから、いぬは(たいへんおとなしくなって)、にわとりを見ても、けっしてにらんだり、なでたりしなくなりましたとさ。ヤンさんは()を抜いて語るそうです。幼児さん向けのはなしは少ないので、あえて楽しめる形に少し変えて語っているとのことでした。

三匹のくま  『語りの森昔話集4』語りの森

水墨画のように語る。名言がでました。油絵のように隙間なく色を塗って語るのではなく、水墨画のように、描かれている主要なもの以外は真っ白に語る。くまたちがどんな反応をするかに、子どもたちの興味があるので、地の文はスーッと語って、「だ~れかぼくのおかゆに~」で、そのギャップを楽しむ。地の文は白、くまたちの言葉が黒、というようにイメージをはっきりさせる。ヤンさん、ジミーさんの語りでは、中くらいのくまの声のところで子どもたちが笑うそうです。おばちゃんが頑張って中くらいの声をだしているその姿が笑えるのか?(笑)との体験談でした。

食わず女房  『子どもに語る昔話3』こぐま社

ストーリーを活かすために手を加えられている。聞き手の年齢にも合わせて言葉を変える。それでOK。女から鬼婆に正体を現したところからぐっと変わったので、恐いところは恐くできている。テーマを選ばないので、他の話とも合わせやすく、対象年齢も幅広い話。

三本の金髪を持った悪魔  『語るためのグリム童話2』小峰書店

男の子が成長して、王さまが再びやってきた場面で、夫婦の答えに対して「それは、何年前のことか?」という王さまの言葉に、聞き手が反応するので意識して、直前に間をいれる。(さあ、ここから物語が動き始めるよ~という予感を与えるかも?と個人的に思いました)道に迷って、小さな家のおばあさんとの会話、「気のどくだがねえおわかいお方、…」ここは聞き手にとって意外なこと。そして、地獄でも悪魔の母親とも会話「お気のどくだがね…」このデジャヴは現実でのおばあさんを思い出させる。でも、さすが悪魔の母親「何とかならないものか少し考えてみよう」ここで違いを意識する。そして、王さまが黄金をほしがる最後の場面、「ある川のほとりで拾ってきたんです。まだいくらでもありました。」仕返しのために嘘をついていると、聞き手に認識させる。今まで予言された運命の流れに乗ってきた主人公が、初めて自分の意志で行動する場面。自分の命を脅かしてきた王さまへ仕返しをすることを、聞き手にやった!と思わせる。

魔法のかさ  『おはなしのろうそく30』東京子ども図書館

外国のはなしの翻訳だから、語りの言葉ではなく、訳者の言葉になっている。今の子どもに語るには難しいから変える。最初、魔法のかさについての不思議なルール、説明のところをしっかりおさえる。数を数えると、3回飛び上がる場面、「ヒュー!」の直前の間は…①一瞬の驚き 初めて本当に魔法が効く②とたんに③期待(子どもに「はやっ!」て言わせたい)そんな風に間を取るのが良いのではないか。ヤンさんは語りのレパートリーにはないとのことですが、語るならどんな風にするか、思考の仕方を公開してくれました。

ヤンさん手遊び:メロンパン 語り:ミアッカどん 『イギリスとアイルランドの昔話』福音館書店

多くの学びを頂きました~。これを昇華するには10年くらいはかかると思われます。もっとかもしれません!ゆっくり、じっくり育てていきます。まだまだ、わかっていない事がわかっていない。わかりたいけどわからない。勉強会で学んだ事を、実践で体験してつかみたいです。覚えたこの話は、自分にとってどういう話なのか?が実践を通して体で感じてわかってくるとのことでした。だから、一人ひとり違う語りなんだと。楽しんで続けて、その時が来たら気づきがやってくるかな~!と、子どもたちに付き合ってもらいながら、その時を待ちたいです(^^)/

次回は9月19日㈫ zoomです

あったかペーチカ

こびとのおくりもの 『語りの森昔話集1』語りの森

若返りの水 『子どもに語る日本の昔話3』こぐま社

くいしんぼうのはなこさん 『同名絵本』福音館書店

かにかに、こそこそ 『日本の昔話2』福音館書店

食わず女房 『子どもに語る日本の昔話3』こぐま社

長い春のために 語りの森HP

弓の名人 『奈良の民話1』奈良の民話を語り継ぐ会

ソーディサルレイタス 『英語と日本語で語る フランと浩子のおはなしの本』一声社

語りが終わって、「あー、たのしい」と言葉がもれてしまうような、そんな充足感が、部屋を満たしました~。そして、語り手それぞれの、おはなしに対する思いや疑問を共有して、意見が飛び交いました。これってどうなのかな?という気持ちを、みなさんで考えて意見を出し合うことで、ヒントが得られ、また、語り手に気づきがあったりすることで、自身が納得していく事は本当に大事だと思いました。

そして、HPを見てくれていた方がお一人、遠方から参加してくれました。何年もおはなしから離れていたそうですが、久しぶりにおはなしを聞けたことを、とても喜んでおられました。会ったことのない人、遠くにいる人でも、「おはなしが好き」という同じ気持ちで繋がっているんだなと、嬉しく思いました。昔話は残酷か?その部分に触れる話が出て、その初参加の方が、「幼少期に自宅で飼っていた鶏をしめて晩御飯にする」その実体験を話してくれました。同じ空間で、心地良いおはなしの時間を過ごし、おはなしのおしゃべりをする。あっという間に時間が過ぎるんですが、語りだけでも軽く一時間超えます。勉強会やおはなし会は、語り手の聞く力や集中力も養ってくれているような気がします。楽しくて元気が出る、だから、自分のおはなしの取り組みも弾みがつきました。みなさんのそれぞれの素敵なエッセンスをすーっと取り込んで、語りの力に変えられる気がしました(^^♪

次回は7月9日㈰です

5月の中級クラス

ブレーメンの音楽隊 『語りの森昔話集4』語りの森

ホレばあさん  『語るためのグリム童話集2』小峰書店

赤ずきん  『語るためのグリム童話集2』小峰書店

ねずみの小判干し  『おはなしのろうそく26』東京子ども図書館

ふたりの友  語りの森HP

幸運の種まき 『世界の民話18イスラエル』ぎょうせい より再話

本日も多くの学びがありました!

・もし、大事な一文や外せない言葉を忘れて飛ばしてしまったら…気付いたなら、入れられそうな箇所で入れる。「…ところで、~だったのです!」

・盛り上がり場面にスピード感を持たせたい場合、速いシーンをスローで語る方法がある。(私の内心:アクション映画によくあるあれかな?あれを語りで?)

・子どもたちが、おはなしの先を分かっている顔をしているとき、「けれども…」接続詞はいらないのでは?課題、今後も考える必要がある

・赤ずきんの語り手さん:赤ずきんのテーマ・意味を調べて、心理的な解釈を知ってから、テキストを決めた。『昔話の魔力』赤ずきんが初めて親の言うことを聞かずに自分の意思を押し通す体験。失敗して、一度死ぬ。生き返り、自分でオオカミのお腹に石を詰める。赤ずきんは体験を通して学ぶ。その解釈に納得できたので、小峰書店のテキストを採用した。…最後の赤ずきんのことば(これからはもう、けっして道草をくわないことにするわ)となっている。自分で自分に言う。テキストによって違う。違和感があっては語れないので、自分で納得することは大事

・心理的な解釈は語り方で自然にでるけど、視点を変えて、聞き手がここをどういうふうに聞くか?こういう風に聞いてくれたらおもしろいな、を考える。目の前の子どもとの間合い、やり取りに、自分が想定して語り方を変える。怖がらせる場面の大事さがある。遊びの場面、かけひきの面白さ。

・ヤンさんの再話テキストはよく考えられているので、その通りに覚えたかったが難しかった。→自分のリズムがそれぞれあるので、言葉を入れてもいいし、取ってもいい。

高次元な内容で、頭がチカチカしました。一生懸命聞いていましたが、ここでの報告は少し薄まっているかもです。聞き手と一緒に作るおはなし会、まだまだ分かってないですね。分かってないことが分かっただけでも収穫です。練習や実践での意識の持っていくところを変えられるかもしれないと思い始めました。寝てても語れるくらいの練習が前提だということも腑に落ちました。今までは、本番でこけないために練習を重ねていましたが、そうではない意識でできそうです。ああ、時間が足りない。時間は作るものですね!適度に頑張ります(^^♪

あったかペーチカ

金のとさかのおんどりとひき臼 『語りの森昔話集5』語りの森

ねこのしっぽ『語りの森昔話集4』語りの森

油とり 『語りの森昔話集3』語りの森

はらぺこピエトリン 『子どもに語るイタリアの昔話』こぐま社

赤ずきん 『語るためのグリム童話2』小峰書店

はす 『語りの森HP』

幸運の種まき 『世界の民話18・イスラエル』ぎょうせい

漁師と魔人 『子どもに語るアラビアンナイト』こぐま社

金を生むねこ 『奈良の民話1』奈良の民話を語り継ぐ会

たくさんのおはなしが語られました。勉強会の前や本番前の公開練習に、嬉しい語りの場ですね。もちろん語りたいものを、いま語れるもの、心に任せて好きなものをなんでも(^^♪どっぷりおはなしの世界に入り続けるので、終わって現実に戻った時は放心状態です(笑)普段顔を合わせることが少ない人同士の交流の場ですし、会えて嬉しい~、語りが聞けて嬉しい~、という声がありました。元気と刺激を頂きました!

次回は6/8㈭です

4月の中級クラス

うちの庭師(義父)がイチゴを育てているのですが、宝石のように真っ赤な実が一つなりました。緑から赤になるその不思議さに、植物の静かな意志のようなものを感じました。4月も後半ですが、肌寒い日が続きますね。さてさて、中級クラスは…

手遊び ブラックさんとブラウンさん

わたしがテピンギー 『同名絵本』偕成社

ムズィカ 『語りの森HP』語りの森 

いばら姫 『語るためのグリム童話3』小峰書店

黄泉平坂・やまたのおろち 『語りの森HP』

ねことねずみ 『おはなしのろうそく21』東京子ども図書館

ヤンさん いぬとにわとり 『おはなしのろうそく31』東京子ども図書館

語り飛び入り参加のKさん、その軽快なお人柄の雰囲気に包まれて始まりました。ブラックさんとブラウンさん、聞きながらまねする方はとっても楽しかったです。

講評です…

ムズィカは、一緒に作る語りではなく、見てもらう語り。自分がおはなしに入って、私はこう感じる、それを見てもらうように語るとよい。

文と文で間を入れない。同じ内容の文と文の繋ぎでは句点。を読点、のように語る。間が入ると強調が生じてしまう。逆に、文の内容が変わる時に間を入れる。情景を理解してもらう間になる。

ウクライナの戦況渦にも繋がるので選んだはなしで、語り手さんは、明日、中学生に語るそうです。

いばら姫  聞き手の深い所に入るように、きちんと情景を思い描いてもらうように語る。言葉を立てることで(15歳・つむなど)、聞き手がその後を予想する。いばら姫が、古い塔のらせん階段をのぼっていく時、何かあるぞと、思わせぶりに、自分が情景を見ているように語る。王子がのぼっていく時は、時間をかけずにのぼり、ほら、あそこだ!という感じに語る。つむの説明は、前もってする。糸紡ぎについて、身振り手振りで説明をして、つむについても話す。

黄泉平坂・やまたのおろち  題名は言わずに、「日本の神話古事記から語ります」と始めようと思う、と語り手さん。神話では題名がない、それで良いとの事でした。私は、神話を語るのは難しいと感じるのですが、そこをさらっと飛び越える語り手さん、中学生に語るとのことです。(こちらも明日!)

ねことねずみ  ヤンさんがテキスト通りで語った時、子供たちの様子は「知ってるいつものおばちゃんじゃない」という感じだったそうです。借り物を語っていると。語り手さんは、言葉遊びを弱める形でテキストに手を加えられました。イメージが次から次へと速いテンポで去ってしまうので、情景を描けるようされました。累積譚のおもしろさが、伝わるテキストになったか…?語ってみて、子ども達に教えてもらう、となりました。

「その人が語る」ということが奇跡・偶然であり必然!と感じ、印象深かったです。(チャンスの影響かしら…)おはなしを選ぶ語り手の感性や傾向や好みなんか織り交ぜたとしても、とにもかくにも、そのおはなしが語りの場で子どもたちに届けられるので、「おはなし」も喜んでいるだろうな~と思わずにはいられません。大事なおはなし、楽しいおはなし、子ども達に届くように、語り手みなさんで、影響しあって勉強できることを嬉しく思いました。今日は勉強会の翌日ですので、中学のおはなし会は無事に終わったでしょうか。報告楽しみです(^^♪

次回は5/16㈫です。