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6月 日常語の語り勉強会

またまた遅くなりました。

6月6日の日常語の語り勉強会の報告をします。

<語り>

かにかに、こそこそ」『日本の昔話②』 福音館書店 小澤俊夫/再話

心地いい日常語の、ふんわりとした雰囲気で、自然におはなしがすぅ~と入ってきます。

このおはなしでは、おじいさんがかわいがっていたかにを、おばあさんが食べてしまいます。

子どもはカニやカメやザリガニなどを飼ったり育てたりしています。

けっして聞き手がかにになって聞かないように、また、かにに同情しないように、注意して語らなければいけません。

今回は何だかかにがとってもおいしそうに思えましたので、おはなしもとても面白く感じて良かったです。

 

十五夜の月」『子どもと家庭のための奈良の民話三』  村上郁/再話

この語り手さんの日常語もすご~く耳に心地よく、お声も美しく、おはなしがす~~っと心に届いてきます。

奈良の古い古い資料も調べてきちんと再話されているおはなしですので、十五夜の月や、和尚さんと小僧さんのユーモラスなかけあいが目に見えます。

美しく完成です。

 

うりひめの話」 語りの森HP 日本の昔話より

リンクこちら→https://katarinomori13.com/jfolktales.html

今回も助詞の話題が出ました。

日常語に直したとき、文章を切ったり、つなげたりすることがあります。

一つの文を二つに分けた時、助詞を元のまま使うと違和感がでることがあります。

省くのか残すのか、変えるのか・・・ひとつひとつの助詞の意味合いにも注意しましょう。

こちらのおはなしもいよいよ完成です~

 

<テキスト>

半分のにわとり」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』 村上郁/再話

本のお知らせはこちら→https://katarinomori13.com/itiba.html

共通語「鳥のむれ」の「むれ」は、日常ではあまり使いません…

(日常で使う方は「むれ」でいいのですが…(^_^;))

もう少しくだけた普段使いの感じにするとどうなりますか?

私が子どもと話すなら「めっちゃようさん鳥がおってな」かなぁ…

日常語は一人一人語り手さんごとに違います。当たり前ですね。

昔話はそうやってひとりひとりの口伝えで、ずっと昔から人から人の心へ伝わってのこされてきたんやもん。

どの助詞を選ぶのか、どの言葉を選ぶのか、どのおはなしを選ぶのか、何を伝えたいのか、どこを伝えたいのか、、、

自分の心に、そして、伝えたい子どもに、真摯に向き合う作業です。

おっと、どんどん話がそれて長くなる~~~

半分のにわとりって、子どもたちはどんなにわとりを想像するんでしょうね~

(^0^)/覗いてみたいなぁ~

完成が楽しみなおはなしです。

 

今回は4つのおはなしをじっくり取り上げていただきました。

 

梅雨だというのに雨が少ないですね。雨は好きじゃないんですけど、あまりに降らなさ過ぎても心配になります・・・

つぎは7月。よろしくお願いします~(*^_^*)

 

 

 

 

5月 日常語での語り勉強会

たいへん遅くなりました<(_ _)>

連休の谷間、5月2日に「日常語で語るための勉強会」がありましたのでご報告します。

 

語り

浦島太郎」『日本の昔話1』

 

だんだん飲み」『日本の昔話5』

 

夢の蜂」『日本の昔話1』

 

やまなしとり」『日本・中国・韓国の昔話集2』

日中韓子ども童話交流事業実行委員会企画

 

庄やん」『ナーミンのためのならのみんわ』

 

 

テキスト

かにかに、こそこそ」『日本の昔話2』

 

どろぼうがみたら、かえるになれ」『日本の昔話1』 村上郁 再話

 

とっつく、とっつく」『日本の昔話1』

 

十五夜の月」『子どもと家庭のための奈良の民話3』

 

※『日本の昔話1~5』は 福音館書店 小澤俊夫再話 です。

 

 
「浦島太郎」の亀、皆さんはどんな大きさだと思いますか?
浜で子どもたちにいじめられていた時のサイズは?

浦島太郎を乗せていく時は?

実は、実際の海亀の生態として、浜に海亀が近づくのは、

浜辺で卵からかえって、月の光がキラキラ反射する海を目がけて必死に這っていく時 → 約5センチ

約30年後、雌が浜辺に産卵に来る → 種類にもよりますが約140センチ   の2回のみ。

中くらいのサイズの時には浜に寄り付きません。

ですから、いじめられていた時は子亀(5センチ)で、

しばらくたったある日(数日後)に大きな亀が「助けてもらった亀です」ってきたら、

事実と違ってしまいます。

「大きな亀」になるためには30年の月日が必要です。数日間では無理なんですね。

子どもにウソを語りたくない・・・どうするか・・・?

「大きな」を取っちゃいましょう!!

ーーー波のあいだから、亀が顔をだして「あなたに助けられた亀です」ーーー

子どもが頭の中で、想像の世界で、海亀を浦島太郎が乗れるサイズに変化させるのは自由です!

ウソを語らなくても済みます!!う~ん、解決!!

それにしても絵本の中には、中くらいの亀がいじめられている絵の描かれた、

間違った絵本がけっこうあります。

かぶは常々もやもやしていたので、今日、言えてスッキリしました(^.^)

 

●演劇風、楽器を用いて、などなど・・・世界中に語りのスタイルはいろいろあります。

ヤン総監督が、どんな語りも否定せず尊重し、

「おもしろい、楽しい、と思えるよう、自分の引き出しを増やしましょう」

と言われていたのが印象に残りました。

聞き上手のほめ上手!!生徒はぐんぐん育ちます(*^O^*)笑

 

●日常語にする時には、助詞を抜くことを意識してみると、普段の自分のしゃべりに近づくのがよく分かります。

普段、人に話している時、助詞ってほとんど入っていませんよね?

あ、でも抜いちゃあいけない助詞もありますね。

 

今回もいろんなおはなしが聞けて、ヤン総監督からいろんなアドバイスを受けて…

 

あ!! 今回は

「煮る」のか「炊く」のか、

「茹でる」のか「湯がく」のかというお料理バトルもありましたね~!!笑

 

楽しい、実のある勉強会でした~(^_-)!

「森」つながり

ゴールデンウィーク中のみどりの日
『街なかにも「」があった?!
の案内人  三浦豊さんのヴァーチャルツアー~』
というイベントに参加してきました。
講師は  の案内人であり庭師 の 三浦豊さんです。
ちなみにここは関西某地区の、
語りのの井戸端会議』(*^▽^*)
三浦さんは、街なかで「」を探そう、ですよ!
」つながりの不思議で、興味深~いイベント、うきうきしながら出かけました~(^o^)!

まずは、第1部のトークショーです。スライドを見ながら、「街なかでを探す」ってどういうこと?のおはなしです。
三浦さんが「ぼくはの案内人です」と言えば、たいていの人は山に分入って案内する人、のようなイメージを持たれるそうです。ところが、三浦さんは街なかでも案内します。
街なかに「」なんて無いよね?
そもそも「」と「山」のちがいは?、、、そんなお話から始まって…

スライドでたくさんの写真を見せてもらいながら、ぞれぞれのの性格(!)や考え方(!!)をお聞きしているうちに、私はだんだんが人間のような気がしてきました。

(三浦さの、植物に対する愛も感じました~^_^!)
そして、街なかで、切られても抜かれても、何度でも毎年たくましく芽吹く植物に、自然にしとけばどんどん成長してとなっていく未来を想像できるようになってきました。
おや?これはどこかで聞いたことがありますよ…
が切られても元の形になろうとするチカラ!
植物の形式意志」!
そして、昔話のそうなろうとするチカラ、そうです!
昔話の形式意志」!!
共通点見つけちゃった!た・の・し~い!!

第2部は「街なかでをさがそう」ということで、外に出てワークショップです。
「ほらほら、さっき話してたエノキがありますよ」
「このサクラの赤ちゃん見て下さい!サクラは根を浅く広げて、より環境の良い場所へと移動できるんですよ」
が移動する?!おもしろい~!!
モミジさんは木陰が好きなんですよ。このモミジさんは後ろの大きなエノキさんの木陰でとても気持ち良さそうにイキイキしていますね~」
…もはやエノキさんモミジさんも人間に見えてきた…

「このアカメガシワといってのトップバッターです。が出来る時には真っ先に生えてものすごいスピードで大きくなります」

…「」業界のボルト…

 
を見る時はそれが人が植えたものか、自然に出てきたものか、を見ると楽しいですよ~。あ、このシュロはあっちにあった大きなシュロの実を食べた鳥が、ここの電線に止まってフン(タネ)を落として、芽ぶいたヤツですね。あっちのシュロとこのシュロは親子です。たぶん(^o^)」
シュロさんの家族…

 
ね~~!楽しそうでしょ~!!
も~~、他にもい~っぱい色んなお話がありましたが、書ききれませ~ん!
詳しくは三浦豊さんの著書
のみかた~街を歩こう、へ行こう~』(ミシマ社)
を読んで見て下さい~(^o^)!

身近に生えているが友達のように思えてきます!

 

あれから私は、アスファルトの隙間のや、不自然な場所に生えてるを見ては、

おぉ~生えてる、生えてる!になろうとしてるな!

君はあのの子どもやな?この電線に鳥がとまって…(^~^)
…と1人ニヤニヤしています。

そして、今まで以上に
四季があって豊な国に生まれて幸せだなぁ~って思います。

人間も自然の中で共に生きてるんだなぁ~って感じます。

 

の日に参加した、とても楽しいイベントの報告でした(^_^)

 

3月 日常語の語り勉強会

3月7日に日常語の語り勉強会がありましたので、報告させて頂きます。

気が付けば2週間がたっておりました。

知らぬ間にを開けてしまったようです・・・

大変遅くなり申し訳ありません<(_ _)>

 

今回は語り6話、テキスト2話でした。

 

語り

猫の嫁」(特別出演)『日本の昔話5』

染八ぎつね」『子どもと家庭のための奈良の民話三』京阪奈情報教育出版

洪水」『世界のメルヒェン図書館12』小澤俊夫編訳 ぎょうせい刊 村上郁再話

犬と笛」『子どもと家庭のための奈良の民話一』京阪奈情報教育出版

海のはて」『日本の昔話4』

木魂の嫁入り」『日本の昔話1』

 

テキスト

浦島太郎」『日本の昔話1』

サトリ」『日本の昔話5』

※『日本の昔話1~5』は おざわとしお再話 福音館書店 です。

 

今回もたくさんおはなしが聞けて楽しかったです。

いつも思いますが、日常語の語りはほんとにほっこりして楽しいです。

人の声っていいなぁ~って思います。

心地いいなぁ~って。

トップバッターは特別出演の方です。緊張されたことと思いますが、優しいお声でとても聞きやすいおはなしでした。

 

この日、出た話題は・・・

●語るたびに言葉が変わってしまう、というお悩みには、

言葉が安定するまで繰り返し練習あるのみで、練って練って、練って練って、もう、自分とのたたかいですよね~と、アドバイスがありました。

●「猫の嫁」・・・ごろごろー、ごろごろーと、ひき臼をひく音が聞こえました。

以前にも話題になりましたが、オノマトペは「副詞」です。
「副詞」は名詞以外を修飾する言葉です。「副詞」は修飾する言葉の直前におくと場面を想像するのに、とても分かりやすくなります。ですが今回は猫の話です。猫の話で「ごろごろー」と言えば、猫が鳴いている場面を想像してしまいます。「・・・と、ひき臼をひく音が聞こえました」と言われて、あ、猫じゃなくてひき臼の音だったのね、とイメージを瞬時にしなおさなくちゃあなりません。

ですのでここは順序を入れ替えて「ひき臼をまわす音が、ごろごろー、ごろごろーと・・」に。

私は以前にヤンさんから

「子ども(聞き手)に負担をかけさせてはいけませんよ。一度イメージしたものを壊して、新たにイメージしなおすのは、とても負担になりますよね」とお聞きして「ほんとにその通りだわ!」といたく感銘を受けたのです。ヤンさんはいつでも「子ども(聞き手)」の味方なのです。

いやぁ、日常語の報告が、私の作文みたいになってしまった・・・

ちょっと戻ります。

●主人公のやさしさなどの性格は、言葉であらわすのではなく、行動であらわす。

語法ですねぇ~

●テキストをきちんと覚えてから語る。そうすれば、スピード・間などを自在に操れるので、聞き手の要求に応えられ、聞き手に伝わりやすい。聞きやすい。結果それが、その人オリジナルの語りになる。

→テキストをしっかり覚えることは、たいへん重要ということですね。

●日常語の語りのテキストと格闘していると、自分の普段の話し言葉がなんだかよく分からなくなってきます。

→がんばって話数をふやしましょう。すると自分の好きな言葉や言い回し、自分がよく使う言葉や言い方やくせがだんだん自分でわかってきます。

 

今回もいろいろアドバイス頂き、たいへん勉強になりました。

日常語の語りは、自分(の言葉)とのたたかいでもあるし、自分の言葉だからこそ、

何を?どう?伝えたいのか?と考える時間にもなります。自分と向き合う時間にもなります。

あ、共通語の語りでもおなじですか。そうですよね。そうでした。

 

 

年度末のばたばたに加え、新年度の準備も始まり、加齢による疲れやすさ、目のかすみ、うっかり・ぼんやり(この辺りは加齢は関係なし)おまけに花粉・・・

報告が遅くなってしまったことの言い訳です。たいへん失礼いたしました<(_ _)>

10月 日常語の語り勉強会

暑かったり、寒かったり、運動会だったり、台風だったり、何だか落ち着かない今日この頃。

皆さま、いかがお過ごしですか?

10月4日に行われた 日常語の語り勉強会 の報告をさせて頂きます。

 

<語り>

つる女房」 『日本の昔話4』

海のはて」 『日本の昔話4』

 

<テキスト>

こぶ取りじいさん」 『日本の昔話3』

ちょうふく山のやまんば」 『日本の昔話3』

化けものをひと口」 『日本の昔話1』

どっこいしょ」 『日本の昔話5』

※『日本の昔話1~5』は 福音館書店/小澤俊夫再話 です。

 

今回も一つひとつじっくり時間をかけて取り上げて頂きました。

特に「擬態語」「オノマトペ」の扱いについて、ヤンさんよりいろいろとおはなしがあり、みんなで考えました。

①もともとその土地で使われていたであろうものは、それを大切に残す。

その場所・地方での独特の言い回しやリズム・音のおもしろさがあるから、長い間語り継がれてきたと思われるので、尊重し後世に伝えたい。

語感は人それぞれ違っていてとても個人的なものなので、勝手に変えてしまうことで、語られていた当時のおはなしの雰囲気、様子やニュアンスをガラリと変えてしまうおそれがある。(私たちは、文字になった時のテキストでしか分からないから)

③そういった言葉言い回しをそのまま使うことにより、自分のものにできたなら、自分の語彙を増やすことにもなる。

これらのことから、擬態語・オノマトペはできるだけ、そのまま使った方が、無難ではないか。

しかしながら、熟練の語り手が上手に変えて語り、それがおはなしにピタリとはまった場合、とても面白い!!ということもある……

私たちの勉強会ではこのテーマについて、これからもみんなで考え、勉強していきたいと思います。

 

出席された皆さま、フォローをお願い致します~(+_+;)

ヤンさん、こんな感じでいいでしょうか~?……

 

いつものように長文になるかと思いきや、意外と短くて不安になっている かぶ