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高校生に絵本📖

今年も、高校の保育の授業で、絵本の講義に行ってきましたよ~
いつもは1学期なんだけど、今年はコロナ禍の関係で2学期になりました。

昨日はレクチャーと、何冊か読んで、「読んでもらう体験」をしてもらいました。

レクチャーは、絵本とは芸術である、子どもにはホンモノを提供しなくてはならない、というところから話しました。
絵本っていうのは、物語(文学)と絵画とが一体となったもの。文学も絵画も芸術ですよね。子ども向きだからといって、いいかげんに作ってはいけないし、実際、よい絵本はたくさんありますね。

よい、子どもの文学の条件は、
1、人生を肯定的にとらえていること
2、主人公と一体となって主人公の体験を追体験できる力を持っていること
3、結末が満足できること
これが、幼い子どもの育ちにとって、よい文学の条件だと思うのね。

絵は、物語をより詳しく、豊かに、拡大し、補うものであってほしい。

そんな話をした後で読んだのが、以下の本です。
コロナ対策で机を離して座っているので、いつもの親密感がなくて寂しかったけど。それでも、幼い子と同じようなキラキラした瞳で聞いてくれましたよ。

1、『ぐりとぐら』 なかがわりえこ・おおむらゆりこ 福音館書店
2、『はらぺこあおむし』 エリック・カール作/もりひさし訳 偕成社
3、『おにぎり』 平山栄三 福音館書店
4、『かあさん、だいすき』 シャーロット・ゾロトウ文/シャーロット・ヴォーク絵/松井るり子訳/徳間書店
5、『いない いない ばあ』 松谷みよ子 童心社
6、『ばいばい』 まついのりこ 偕成社
7、『よあけ』 ユリ・シュルヴィッツ作/瀬田貞二訳 福音館書店
8、『とらっくとらっくとらっく』 渡辺茂男文/山本忠敬絵 福音館書店
9、『やさいのおなか』 きうちかつ  福音館書店
10、『もこ もこもこ』 谷川俊太郎文/元永定正絵 文研出版

来週は生徒たちがお好みの一冊を持ってきて、読んでくれます。
楽しみ~~~

 

おくりもの🎉

あのカラスウリの実だよ。
秋の贈り物。
ありがとうございました。

あの白い繊細な花がこんな実をつけるんやね。

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これはお守り。
孫への手作り。
まご「おばあちゃん、ありがとー」
わたし「それお守りよ。お守りって何か知ってる?」
まご「・・・・・・お守りしまーす」

テレビ電話ではなかなか意思の疎通が・・・(@^0^)

お守りひとつでは郵便代がもったいないので(笑)、折り紙やらなんやらといっしょに、『ちいさなヒッポ』と、飛び出す絵本の『おやゆび姫』をおくった。
娘からのメール。
家族で『ヒッポ』を読んでつぎに『おやゆび姫』を読んだ。
おやゆび姫がカエルにさらわれるとき、やっぱりグアオっていわないとだめだって話になった。

家族の笑いが何よりうれしい秋の贈り物でした~

 

 

 

秋のおすそ分け🍄

暑さ寒さも彼岸までといいますが、まだすっきりと秋やな~とはいいがたい今日この頃。
お写真をくださる読者さまから秋の花をいただきましたよ~
ほら、カラスウリの花をくださったかたです。

 

白い萩の花って、珍しいですね。
それと、秋海棠。

品のある美しさです。
ありがとうございました。
またお待ちしていますO(∩_∩)O

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よい季節になったら、窓を開け、空気の通りもよくなって、すこしできる事もふえました。
幼稚園のほかはまだお話会はありませんが、来月は高校生に絵本の講座があります。先生たちとともに、再開を喜んでいます。
ババ・ヤガーの勉強会も、初級と中級のクラスは再開です。冬場は吹きすさぶ寒風の中インフルとコロナの攻撃に耐えて集まれるかどうか、答えは出たようなものなので、この秋のチャンスにみんな、がんばって楽しもうね。

来週からはおはなし入門講座も始まります。
今年度はあたらしく、図書館サークルききみみずきんさんのお世話で開催にこぎつけました。
老体に鞭打たなくてもよいように、メンバーの皆さんが細やかに支えてくださいます。
語りは世代を越えて手渡すものですが、今の時代は、バトンを受け取ってくださる人がいなければつなぐことができません。
つぎに手渡せるのは、幸せ以外の何物でもありません。
ありがとうございます。
しかも!
今年度の受講者は赤ちゃん連れが多数を占めました。

幼稚園や小学校、図書館での語りは、ふだんおはなしに接することのない子どもたちへの贈り物です。
でも、本来、昔話は家庭や地域の中で生きていました。
親が子に語ることは、昔話を家庭に返すこと。
語りの森ホームページにテキストを載せるのも、それが目的のひとつです。
今年度の受講者のかたがた、小さい子を連れての受講も宿題もたいへんですが、私はとっても嬉しいです。
がんばってね!
ばあちゃんもがんばります。

 

 

おすすめ📖三つ編み

きょうは、コロナの夏にぼちぼちと読んだ本のなかで、深く心に残った一冊。
紹介しますね。

『三つ編み』レティシア・コロンバニ作/早川書房

主人公は、はじめは全く関りのないように見える三人の女性。
インドのスミタ、シチリアのジュリア、カナダのサラ。

スミタは不可触民、カーストのいちばん下の身分です。スミタもスミタの母も祖母も、代々、上のカーストの家々を回って、糞尿を集める仕事をしています。子どものとき初めて仕事を手伝ったときの強烈な匂いとショック。手でつかんで集めるのですから、体じゅうが匂います。
カーストは人間をきつくしばるので、スミタは一生この生活を続けなくてはなりません。
スミタは自分の娘には同じ人生を歩ませまいと、学齢期になると小学校に入学させます。不可触民が学校に行くなんて考えられない社会ですが、夫が何とかしてお金を都合して裏金として学校にわたします。

ところが、初日に、娘は、先生に教室の掃除を命じられ、娘は果敢にも拒否します。不可触民はどんなことも嫌だといえません。たたかれ傷つけられて帰って来た娘を見て、スミタは、逃げだすことを計画します。
逃避行の途中、お金がなくなって・・・

って書いてると、ぜんぶ書いちゃうね。ネタバレ(笑)

ジュリアの父親はシチリア島で、昔からのかつら製造業を営んでいます。
そこのおてんば娘ですが、高校を卒業したときに、工場をつぐことを決意します。
ところが父親が事故で重体。そのとき、ジュリアはふとしたことで父親が借金を抱えて倒産寸前だということを知ります。
自分が立て直そうと、決心。
恋人の力もあって、かつらの材料を海外からの輸入に踏み切ります。シチリアではまだだれもやっていない冒険です。まわりの人間の反対を押し切って進めます。

サラは、大きな法律事務所に勤めるバリバリのキャリアウーマン。
二度の結婚と離婚、3人の子ども。その私生活を犠牲にして、仕事一途に最高の地位に上り詰める。その直前に、がんに侵されていることが分かります。
会社という組織は非常です。
上司も同僚も顔や口では同情するのですが、一気につまはじきにされます。
生きがいをなくしたサラ。病気と闘う気力もなくします。
でも、ふとしたことから、その気になってかつらを作りに美容院に行きます。
かつらはピンキリですが、人毛のしなやかなかつらを見つけます。

ひとりひとりの人生が、リアルに描かれて、別の人生、物語なのに、ちっとも複雑ではなくつむがれていきます。
結末に向けて、彼女たちがどう関わっていくのか、ちょっとミステリアスでもあります。

人生の岐路に立った時、どれだけ自分を大切にできるか。
自分をたいせつにするってことは、人間らしく生きるってことやね。
強い女性たちがさわやかです。
脇役の男性の描き方も、女性とのかかわり方や男性としての生き方・価値観がよく見えています。

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きのうはおはなしひろば更新。
ドイツの「みじめおばさん」
なしのみの季節ですねえO(∩_∩)O

ナズナもアリも・・・🌼🐜

暑いけど、コロナ期間、時間はあるので、気になっていた本を少し読んでる。

中村桂子さんの『中村桂子ナズナもアリも人間も』
平凡社の語りおろし自伝シリーズで、のこす言葉ブックレット。2018年発行。

中村桂子さんといえば、福音館書店から『いのちのひろがり』という絵本が出てて、4年生以上で科学関係のブックトークの時に使います。まだ最近の本ですが。松岡達英絵。

そうです。バリバリの理系のかたです。生命誌の研究をされています。1936年生まれ。
日常の生活をてらいなく丁寧にしかも軽やかに過ごしてられる様子が、めっちゃかっこいい。

いま、人と人が接触するのを避け、体温を感じない関係が普通になっていきそうな気配に、とっても不安を感じてるのね。
このままではいけない。
でも、おはなしおばちゃんとして、何ができるだろうって。

この本はコロナ禍より前に出されているんだけど、こんなことが書いてあった。
現代社会は、AIに振り回されて、人間が自分で考えることを止める恐い世界に入りつつある。この方向に行ったら、人間はおしまい。機械にふり回されず幸せに生きる道を自分たちでさがそうって。
勇気が出た。

中村さんが設立に関わった生命誌研究館(ー科学のコンサートホール)っていうところが大阪府高槻市にあるんだって。
落ち着いたら行ってみたいな。
ホームページだけでも面白いから、見てね。
こちら⇒