「日記」カテゴリーアーカイブ

おはなし会雑感

そろそろ全国で学校が再開され、おそるおそる学校生活が始まっています。
去年度の学年末から積み残された学習内容をどのように消化していくか、先生方は必死の思いで対処されていることでしょう。
今年度から、英語とプログラミングの新しい学習も始まっています。
それに加えて、感染を予防するための具体的な作業と子どもたちへの生活指導があります。

今まで学習目標のひとつであった、ボランティアによるおはなし会は、優先順位としてはどのあたりにあるのでしょうか。
おそらく、今年度は授業のおはなし会のお声はかからないだろう、来年度も無理かもしれないと想像しています。

図書館は来月あたりから開館されます。
不特定多数の訪れる公共図書館では、感染予防の対策が徹底されなくてはなりません。
おはなしの部屋のおはなし会は、三密の典型です。
こちらのおはなし会も、長い目でかしこく再開の日を待たねばなりません。

これらの待つ日々は、語り手にとって長いのか短いのか。
個人にとってはどうであれ、人類が物語を紡ぎ始めてから、伝え続けてきた何万年の歳月を思うと、ほんの一瞬です。
わたしたち語り手は、口承の文化の最先端にいます。
この一瞬の休止ののち、復活させるのは、わたしたちです。

しかも、この休止は、公教育の場に限りです。
語りの本来の場、私的な場はいつまでも休むことなく続いています。
思わぬステイホームの時期に、見えてきたことがあると思います。
ただ待つのではなく、語りについて考え、学ぶ時間をもらったと、思います。
すでに一歩を踏み出している人もいるようです。

今はさかべっとうの浄土にいるのです。

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今日のレパートリーの解凍
「世界で一番やかましい音」『おはなしのろうそく10』東京子ども図書館

ロシアの昔話🍖

ロシアの昔話って、すてきだと思いませんか?
ちょっといまハマってる(❁´◡`❁)

きょうのHP更新は《外国の昔話》
ロシアの「蛙の王女」
おはなしひろばは
フランスの「プチ・ジャンとかえる」

比べてみてください。
「プチ・ジャンとかえる」は、蛙がとってもおしゃれでかわいいでしょ。
「蛙の王女」の蛙は、重々しくってキラキラしてると思わない?

ほら、キセーリの岸が出てきたよ。
みなさんはキセーリ、もうご存じですよね~( ̄︶ ̄)
忘れた人は、〈おかゆの岸のつくり方〉へどうぞ~
ババ・ヤガーが寝そべっているペーチカ、見えますか?
王子がお風呂に入れてくださいって、お願いしてますよね。長旅で疲れたんだ。

異類婚姻譚、日本の話は湿っぽい雰囲気だけど、ヨーロッパのはロマンティックな感じがするのは、私だけかな?

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今日のレパートリーの解凍
「ぼくにげちゃうよ」
同名絵本。マーガレット・ブラウン作/いわたみみ訳/ほるぷ出版
これも初期に語っていたお話です。なつかしい O(∩_∩)O

ペーチカとお風呂♨

ロシアの昔話を読んでいると、よく登場するのがペーチカ。
例の「がちょうはくちょう」にも出てきますね。
マーシャが野原に立っているペーチカに、がちょうはくちょうの行方を尋ねます。
ペーチカ。どんなものかご存じですか。

私も実物は知らないけど、子どもの時からなんとなく知っていました。

童謡のペチカ
ゆきのふるよは たのしいペチカ~
北原白秋のあの歌から、レンガ造りの暖炉を思い描いていました。

10歳ごろにロシアの昔話の挿絵で、リアルになりました。
みなさんもどうぞ。ご存じかと思いますが。

ラチョフ画「わるいがちょう」
マーシャとイヴァーヌシカが隠れています。
けっこう大きいですね。


同「かますのめいれい」
こんなふうに上に乗れるんですね。大きいです。
これを別の方向から見たのがこれ。

エメーリャを乗せたまま家の外へ飛び出していきます。めっちゃ大きい。
同じ場面をマーヴリナの絵で見てください。

大きくて力強いですね。

これがペーチカです。
料理と暖房が主な利用ですが、ベッドとしても使われていたのですね。
そして、面白いのが、お風呂利用です。

料理の後、熱くなったかまどの中に、裸になって入り、中で水をかぶって、木の枝のほうき(ヴェーニク)で体をたたきます。
ひえ~~~~
熱いやん`(*>﹏<*)′

ところで、ロシアの昔話では、旅人がお風呂に入れてもらう場面がよくあるでしょ。
ババ・ヤガーの小屋に着いて、ごちそうとお風呂を所望するとか。
ああそうそう、「がちょうはくちょう」のババ・ヤガーは、マーシャに糸つむぎをさせている間にお風呂を沸かしますね。
あのお風呂は、日本のお風呂とちがって、蒸気風呂なのです。
サウナみたいなものね。サウナより少し温度が低くって、バーニャというそうです。
で、白樺の木の枝とかで作ったヴェーニクで体を打つ。

ロシア人社会全体に知られているように、寒い長旅の後で熱い蒸し風呂に入るのはじつにすばらしい。これもロシア人社会全体に知られていることだが、ロシアには日曜日や大きな祭日の前夜に蒸気浴をし、下着を取り替えるという、古くから伝わる、りっぱな習俗がある。
『悪魔には2本蝋燭を立てよ』齋藤君子著/三弥井書店より

はい、ペーチカは、バーニャ代わりにも使われてたんですね~

このバーニャ、現代でも人気だそうで、ロシアに旅行する際は体験するとよいそうです。
こんどいっしょにいきまひょか~

 

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今日のレパートリーの解凍
「いぬとにわとり」石井桃子作
きのうの続き。完成!

おもちホイコラショ📕

きのうの「いばらひめ」の語法、いかがでしたか?
勉強会に比べて、どの説明も短かったでしょ。
緑字とか太字のキーワードは、カリキュラムに戻れば、詳しい説明があります。分かりにくい時はそっちへ飛んでください。
カリキュラムでさがすのが面倒なら、「検索」をかけてください。内容がかなり広がるはずです。

そうね、ざっと読むんじゃなくて、机に座ってじっくり調べながら読むといいと思います。

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今日のレパートリーの解凍
「いぬとにわとり」石井桃子作
手書きで、出典が不明。いまは『おはなしのろうそく31』に入ってます。
1987年だから、おはなしを始めた年に覚えてるわ。当時は出典なんて意識なかったんやねえ。
調べたら、1968年に福音館から絵本で出ていました。でも、私が見たのは絵本ではなかった +_+
もうずいぶん長いこと語っていません。
創作なので、言葉をきっちり戻そうと思ったら、7回やって、まだ駄目でした。
おばあさんの「これ、おまえ、にわとりになにかしたのかね」と「おまえ、いったい、にわとりになにをしたのさ」と「こら、おまえ、なにをしたんだよ」が、言い分けられない~(笑)
あしたもがんばります。
図書館は6月2日開館予定だけど、おはなし会はまだ始まりません。始まったら、「いぬとにわとり」やろうっと!

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おっと、忘れてはいけない。
新刊『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』
でましたあ!
みなさま、読んでください、語ってください(/≧▽≦)/
子どもさんに読んでもらってください(/≧▽≦)/

書籍案内へどうぞ (o゚v゚)ノ

まにあわず😁

今日のレパートリーの解凍
「いばらひめ」『語るためのグリム童話3』小澤俊夫監訳/小峰書店

きょうは「いばらひめ」についてここに書こうと思ったんだけど、考えてるうちに、語法的に分析したくなってきたの。ほら、語法の勉強会もなくなったでしょ。
「いばらひめ」は記念すべき第1回の語法勉強会でやったのね。だから、忘れてる人とか、その頃はまだ全然知らなかった人とかいらっしゃいますでしょ?
それで、書き始めたんだけど、終わらなかったㄟ(≧◇≦)ㄏ
あした、《昔話の語法》のページにUPします。

うちの猫の額

さんしょ


ほたるぶくろ