マックス・リュティ『昔話の解釈』を読む
第4章「死人の恩返し」
ノルウェーの昔話「旅の仲間」について、リュティさんは、非現実的なことと日常的な事を混ぜ合わせる昔話の傾向をよく示していると言います。
たとえば、最初に主人公がやってきた国では、道という道がまっすぐ直線的にのびいて、曲がるということがない。
道があるのは日常なんだけど、この道が、鋭い直線性と無限定性を持っているという点においてメルヘンランドの原像とも言えます。
若者が夢に見たお姫さまは、ミルクのように白くて血のように赤くて、計り知れないほどのお金持ち。
お姫さまを夢に見ることは日常的にあっても、ここまで極端なお姫さまは、やはり、メルヘンの住人ですね。極端性と無限定性を持ちます。
氷の柱も、ガラスのように透き通った昔話の世界によく合います。
この話の類話に、アンデルセンの「旅の道づれ」があります。
アンデルセンは、フェーン島で語られている話を聞いて再話したそうです。
主人公はヨハネスといって、父親が亡くなった夜に「長いりっぱな髪の上に金の冠をのせた美しい娘」の夢を見ます。そして、その娘を探して旅に出るのです。
次回は、このアンデルセンの再話を読んで、ノルウェーの「旅の仲間」と比較していきます。
アンデルセンの類話は、『アンデルセン童話集1』大畑末吉訳/岩波文庫にあります。興味のある人は読んでみてね~
はい、おしまい。
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昨日の朝、起きたら雪が降ってた。
ほんとに久しぶりにちょこっと積もりました。
雪の少ない地方でずっと暮らしているので、ぱっと視界が明るくなってウキウキします。
雪国の人には申し訳ないのですが・・・
一昨日は日本の昔話「たからげた」をアップしました。
語ってくださいね~