今日、ひと息で読んじゃった本の紹介o(*°▽°*)o
『神さまの貨物』
ジャン・クロード・グランベール作/河野万里子訳/ポプラ社/2020年刊
昔話風に始まる物語。
ある森に貧しいきこりの夫婦がいました。ふたりには子どもが無く、おかみさんは寂しい思いをしていました。おかみさんは、どうか子どもをお授けくださいと、いつも神さまにお祈りしていました。
あるとき、森のはずれに線路が敷かれ、貨車が走るようになりました。うわさでは、何かよいものが運ばれているとのことでした。おかみさんは、毎日線路のわきに立って、自分にもよい物をくれないかと願っていました。
ある日、ひとりの男が、布にまかれた貨物をひとつ、おかみさんに向かって投げました。
おかみさんは、走って行って拾い上げ、包みを広げました。その美しい上等のショールにくるまれていたのは、赤ん坊でした。おかみさんは狂喜しました。
ところが、夫のきこりは、それは「人でなしの子どもだ」といって、捨てさせようとします。
じつは、その貨物列車には、ナチスの強制収容所に運ばれる人々が着の身着のままで詰め込まれていたのです。そのための列車でした。ユダヤ人、障がい者、女、子ども、老人。
おかみさんがひろった子どもは、ひとりの男が、我が子を生き延びさせるために窓から投げ捨てたのでした。
物語は、限界状況の中、子どもをめぐって繰り広げられる、愛の物語です。
おかみさんの「人でなしだって、人だ」という言葉が、心に響きました。
作者ジャン・クロード・グランベールは、フランスの有名な劇作家です。
『神さまの貨物』は、アニメ化される予定だそうです。楽しみです。
*************
今日のホームページ更新は《外国の昔話》
オランダの昔話で「勇敢な娘」
こわ~くておもしろ~いおはなし。
めっちゃ勇敢な少女の話です。