年度が変わろうとしています。
この一年は、コロナ禍で混迷の年でした。
全国の図書館や学校等々でのおはなし会も、中止になったり、再開するか否かで、みんなが、たいへん頭を痛めた年でした。
おはなしおばさんは、ボランティアなので、おはなし会の有無は、依頼主の判断にお任せするほかありません。
けれども、新しい年度にむけて、言いたいことはあります。
子どもたちにとって、読書ボランティアとの生(なま)の関りが、いかに大切かを、依頼主のみなさんで、あらためて確認してほしいということです。
おはなし会は、夜の会食とちがって、十分な感染対策をとることができます。その気持ちを強く持てば、実施できると思うのです。次善策としてのオンラインもあります。
2001年に『子どもの読書活動の推進に関する法律」が施行されたころから、全国各地のボランティアによるおはなし会も活発になりました。
ヤンもその流れの中で、子どもたちにおはなしを語る機会に恵まれてきました。
この法律は、今でも生きています。
けれども、例えば学校の場合は、指導要領の改訂が10年にいちどあって、授業のおはなし会の有無は、それにも左右されます。
今年度は、小学校で新しい指導要領が実施される年でもありました。新しい指導要領では、英語や道徳やプログラミングなどの授業時間が大幅に増えて、現場の工夫が求められます。そのなかで読書活動をどう工夫するか、おはなし会をどう位置付けるか、先生方に任されているのです。たいへんな苦労だと思います。
そこへこのコロナ禍です。
もう一度言います。
子どもたちの育ちにとって、読書ボランティアとの生(なま)の関りが、いかに大切か。
さて、語り手の皆さん。
どんな状況の中でも、自分にできる精一杯のことをして、語りの文化をつないでいきましょう。
口伝えによる伝承はほとんど途絶えてしまいましたが、わたしたち現代の語り手がいます。
語りは、時を越えて世界じゅうの人々からいただいた贈り物です。わたしたちが途絶えさせてはなりません。
さてさて、それで、わたしには何ができるかな?
わくわくしながら考えます。
新しい春です。