日別アーカイブ: 2021年3月12日

3月初級講座報告

う~めにうぐいす たけのこすいせん おひさまかがやくさんじょのじょ♪   (ヤンさん)肌寒い日もありますが、あちらこちららで春の訪れを感じられますね。

1.貧乏神『日本の昔話2』こぐま社

覚えるのに必死でしたが、どうにかできた。練習量がもっといると感じた、普段使わない言葉が覚えにくかった、とのことでした。

ヤンさん…ストーリーが分かった、途中何かとあってもうまく切り抜けて、最後までおはなしを届けられていた。終盤が弱くなっていたのは、練習量に違いがあるから。終盤の練習量もそれ以前と同じにすると良い。おはなしの面白さは表現できていた。普段使わない言葉も自分の言葉にすることは大事。それは自分の言葉・語彙を増やすという事になる。また、思わず出ていた言葉「あ!」と言ってたところあったでしょ。おはなしの世界が自分で見えていると、テキストにない自分の生きた言葉がふと出てくることがあって、その時がとてもいいもの

2.竹の子童子『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』語りの森

自分の中でイメージが途切れる事があったが、なんとか語れた、早口になってしまった、練習量がもっといる、竹の子童子と三吉のかけあいのところを覚えるのに苦戦した、とのことでした。

ヤンさん…語りの場をもっと広げると良い。違う場で、違う子どもに、2回語る。そうすることで、はなしに奥行きがでる。イメージすることが慣れになる。覚えにくいところは、きちっと覚える努力はして、語る時はどんと語る。また、竹の子童子の人物像を考えてみると良い。手のひらに乗るような小さなこどもの姿だが、「世界の事は何でも知っている」「1234才だ」「願い事を叶えてやる」などといっていて、背伸びをしているような様子、男の子が偉そうにしている様子。性格付けをする。また、早口は良いけど、大事な言葉はちゃんと立てること。「さんちゃん」名前を呼んでいることが分かるように。「おれは天人だ」→「おれは 天人だ」 直前に一瞬の間をおく。声の出し方など、語り手の竹の子童子で良いと思う。

3.がちょうはくちょう『おはなしのろうそく27』東京子ども図書館

こちら私。HPを活用したり、ロシアの他の昔話を聞いたり、聞きなれない物・言葉の表情を知る事でイメージ作りをして、納得させた。調子よく早口になりつつ、大事な所は聞かせるようになんとか努力した。

ヤンさん…スピード感で語る話。子供に引っ張られて早くなる。それは聞き手に合わせていることになる。また、ペーチカが立っていました→ありました ペーチカを人の名前だと勘違いするのでかえる。何かと聞かれたらパンを焼くかまどだと分かればよい程度の説明をする。語る前に、ババ・ヤガーとがちょうはくちょうの説明をしておくとよい。

4.とんびになりたい『日本の昔話5 ねずみのもちつき』おざわとしお・再話

奇想天外でおもしろく、落語だと思い魅力を感じた。今回時間をかけて練習したが、自然におはなしの世界が動くような時間が心地よかった。一方で、おはなしの世界に入りきる難しさを感じる。目線が泳ぎ集中できない。楽しんで発語するのは難しい。

ヤンさん…集中しきれないのは、いつ、だれにするかという本番の場がないからかな。集中して、どれだけ言葉を自分のものにするか。このクラスを本番にすると決めたら、集中力が出てくる。(ここでは言い忘れたそうですが、おはなしを始めて5年は語ってはいけないというグループもある、この場はおはなしを提供する本番と考えて練習すること。@日常語クラス)やはり語る場がいる。私は3回繰り返し語るという練習をしている。(小学校での語りはだいたい3クラス)3回繰り返しても飽きない、3回繰り返す体力。本番の形を練習に取り入れる。

5.にんじんとごぼうとだいこん『語りの森昔話集4 おもちホイコラショ』語りの森

日常語入門クラスで語ったおはなし、日常語クラスは目から鱗だった。やりたいと感じていた納得する語りかもしれないと思っていたので、理想の語りに近づくと楽しみにしていた。しかし、言葉や語尾を変えていき、私の言葉になったと思いきや、見直すとまた変えたくなる。変えてみて、見直すとまた変えたくなる。ヤンさんには「変わってくるところを大事にしてみて」と言われた。日常語で語ることで、自分の言葉になってしっくりきた、とのことでした。言葉を立てるについて、意味が分からないかもしれない言葉を言うとき、例えばもらい湯はどんな風に言ったらよいか?

ヤンさん…重要な言葉でないときは立てずにさらっと言う。そのうち分かるだろうという事で流す。聞かれたら教える。また、日常語で語るという事は、よりリアルに表現できて、細かいところまでイメージできるということ。自分は普段どんな言葉を使っているかという事を考えることになる。決め手としては、自分が聞いていて快感があるかどうか。それは、聞き手が気持ちよくなる言葉でもある。

6.6ぴきのうさぎ『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』語りの森

繰り返し動物の名前がたくさん出てくる、少しずつ言葉も違う。教えがはっきりしているが、語るのは難しい。

ヤンさん…語るスピード感が大事になる。…かもしか→ぞう→くま→うま→とら、この逆の順番を間違えないように。間違えると子供たちが違う!と言ってくれる(笑)ライオンが「おまえたち、誰から聞いたんだね」と聞いて、「とらです」「うまです」「くまです」「ぞうです」「かもしかです」とみんなが口々に言う。ここも子供が笑うところ。最後の「ただのうわさで動くものではない」という教えはただの付足し。また、言葉がそろっていない所は意味がある。そう思って考えてみると覚えられる。

ヤンさん語り ギーギードア  おはなしはたのしい たなかやすこ

今回は受講料値上げについてのジミーさんからのお話があり、ババ・ヤガー立ち上げの頃のお話、ヤンさんの努力、ジミーさん自身の思いなどを聞かせてもらいました。語り手を増やす、再話して眠っているおはなしに光を当てる、子どもたちに語る、おはなしを広めるというみなさんの活動。おはなしに出会って、こうしてヤンさんという講師から学べることは、ヤンさんや関わるみなさんのおかげであり、本当に恵まれた環境なんだという事を改めて捉え直しました。自分はどうして語りをしたいのか、何のために語るのか、自分の中にあるその原動力は何かを見つめる機会を頂きました。おはなし という、先人・自然からの贈り物は、言葉による普遍的な永遠なるもの。時間・空間を飛び越える、想像による認識。人類が存在する限りなくならない恩送り、心と体の栄養だと思うのですが、おおげさでしょうかね~?!おはなしは聞くのも語るのも、本当に幸せな気持ちになるということです。さあさあ、求める者は見出すよ♪

次回は4月13日(火)です。