今月のプライベートレッスンは再話の再検討だったので、その次の日の本当に久しぶりに行われた再話クラスと一緒に報告させていただきます。
プライベートレッスン
「スウォファムの行商人」の再話の再検討
原話『MORE ENGLISH FAIRY TALES』J.JACOBS
参考『イギリス民話集Ⅱヤラリー・ブラウン』木村俊夫他訳 同朋舎
再話クラス
『妙好人傳』の講読
再話検討
「『わけしり』と『しあわせ』」
原話『世界の昔ばなし・22ドイツ語圏の昔ばなし三人兄弟と巨人』寺岡寿子訳 小峰書店
「海はどうして青いのか(海の青いいわれ)」
原話『中国山地の昔話』稲田浩二他編 三省堂
再話クラスの『妙好人傳』の講読について説明しますね。
これは、もとは天保十三年(1842年)に出版された聖人伝で、たくさんの聖人について書いてある本です。
その中の1話が、今回この話を選ばれた方の地元の話で、子どものころご家族から直接聞いたこともあるそうです。
『妙好人傳』は、江戸時代の本なので古文の授業で習った文章に近く、そのままでは(少なくともわたしは完全に)読めません。そこでみんなで購読をしてまず意味をつかみ、次回の勉強会で再話検討をしようということでした。
話の中には地元の神社が出てきます。話にまつわるお祭りもあったそうで、地元の古い話を今読める形に再話して残しておきたい、地元の子どもたちに聞いてほしいということで、この話を再話出来たらいいなと思ったそうです。
そういう選び方も素敵だなと思いました。
そのあとは、2話の再話検討をしました。
プライベートレッスンも含めて、3話の再話検討をして、両日とも出たポイントが、呼称の統一です。
結論を言いますと、呼称は聞き手のために統一すること!となります。
たとえすぐに「ああ、あっちの人のことね」と分かるとしても、その一瞬でも聞き手を離れさせてはいけない、迷わせてはいけない、集中を途切れさせてはいけないということです。
どうしても話の流れから呼称を変える必要があるときだけ変えます。
例えば、お姫さまが王子様と結婚してお妃さまになるときです。
結婚したのにずーっとお姫さまのままだとおかしいですね。
聞き手も「あれ、結婚したらお妃さまちがうの?」と思ったとしたらどうでしょうか?
一瞬話から離れてしまいますね。
この一瞬がいらない一瞬で、いらないというより邪魔な一瞬ですね。
聞き手を引き付けておくのはとても大事、一瞬でも離すまいぞという気合で語りましょう。
だから、テキストは大事ですね。
再話クラスはコロナが始まってからずっとお休みでした。
その間に、再話の入門講座があり、そこから再話クラスに進んでくださった方がたと今回初めていっしょになりました。
人数が増えて、より活発な議論ができそうでうれしい限りです!(^^)!
ジミーさん
さっそくに報告をありがとうございます!
おはなしを語るとき、聞き手第一で語りますよね。
そのためには、テキストも聞き手第一でなくてはならないのは明白ですね。
だから、再話するときは、聞き手の立場に立ちます。
聞いて分かりやすく語る、っていって思い出すのがリュティ理論ですね。
いつも、語法は愛だっていっているのはここなんですよ。
再話にこそ、語法の理論を使います。
自分の好みとか、自分が覚えやすいようにとか、自分の口が語りやすいようにとかではなくて、子どもが物語にのめりこみやすいようにテキストを整えるのが再話の基本です。
みなさん語り手なんだから、聞き手への愛でもって再話すればいいだけのことね。難しくないですよ~
ヤンさん、さっそくコメントありがとうございます。
難しくないですよ~~って、難しいと思いますよ。
語り手としての経験がものをいうんでしょうね。
やっている年数というよりも、濃さであると感じます。
語法は愛だというのも、再話に取り込めるようになるのに四苦八苦しております(笑)
難しいと思っているということが、まだまだなんでしょうね。