風がはこんだ物語🐎

ジル・ルイス文/ジョー・ウィーヴァ―絵/さくまゆみこ訳/あすなろ書房

世界じゅうにたくさんの難民たちがいる。
平和の祭典であるオリンピックでもそれを思い知らされました。

この絵本に描かれているのは、故障してしまったボートで海を漂う人たち。
幼い子ども二人を抱きかかえている夫婦。
小さな白い犬を抱いた老人。
おとなになりかけの暗い影を顔にやどした二人の若者。
そして、胸に長いケースをかかえた、主人公の少年。
たまたま同じボートにのりあわせただけの、おたがいに見知らぬ人たちです。

戦争や紛争のために、日常を追われて逃げて来た人たちです。
ひとりひとりがその日常をぽつりぽつり語ります。

主人公の少年は、ケースを開けてヴァイオリンを取り出します。
そして、弾きながら、スーホの白馬の物語を語ります。
それは、自由の物語。

11月に赤羽末吉の勉強会をするんだけど、これは、その準備をしていて見つけた絵本なんです。
モンゴルの昔話「スーホの白い馬」の、がっつり深い解釈とでもいうのかしら。

8月15日、敗戦の日に、戦争はぜったい嫌!とのメッセージとして紹介しました。

 

1 thought on “風がはこんだ物語🐎

  1. 児童書の中にも、現実問題をがっつり正面から取り上げている本があるんだと知りました。
    日本に生まれてきたということは、幸せだけれどもそれだけで済ましていてはいけないということを知らされる気持ちです。
    ご紹介ありがとうございました。

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