
ジミーさんに紹介していただいて読んでみた。
『ひどい民話を語る会』
京極夏彦・多田克己・村上健司・黒史郎
角川書店 2022年
妖怪好きの上記の四人がひどい民話について語ってる対談(?)です。
ヤンは、日本昔話集成や日本昔話通観を毎日読んでいる身としては、知っている話がバンバン出て来ておもしろかったです。
「ひどい」民話といっているのは、いわゆる話型を持った昔話とはズレた話で、昔話が、きちんとした構造を持っているのに対して、ゆる~い、ある意味不完全な構造の話(これを民話と、この本では呼んでいます)。そのなかでも、下ネタの話が次々出て来ます。
ここで紹介されている話は、ヤンはほぼ再話に使っていませんね(笑)
「くさかった」くらいかな?
わざわざ次に伝えたいと思わなかったので。
京極夏彦さんは、「おわりに」で、これらのひどい民話は、ただのウケ狙いで、いろり端の一夜限りのその場しのぎの、アドリブだらけの、口がすべっちゃっただけの、適当な与太話だったのかもしれないといいます。
そして、そんなどうでもいいものが後世に伝えられるなんて素晴らしいと。
ヤンは、それらを再話はしていないけれど、資料として読むことで、かつてのいろり端の濃厚な空気を感じることができて楽しいと思っています。
おはなしってそうやよな~って思うのです。
昔話資料を読まなくても、この本を読めば、どんな「ひどい民話」があるか分かりますので、ぜひ読んでみてください。そして、興味があれば、1冊でも2冊でも原資料を手に取ってみてください。
語りの現場の臨場感に浸ることができます。
ヤンは、そんな語りの場をゆる~く追求したいなと思っています。
ツクツクホーシの声が、涙が出るほどうれしい今日この頃。
早く秋になれ~~~~
 
		
図書館でたまたまこの本を見つけて、借りました。
あたりかはずれかわからなかったのですが、まえがきを読んでこれはあたりかもしれないと思い読み始めました。
面白くてためになる本でした。
ヤンさんに紹介した…というのはおこがましくて、もしや、ヤンさんが図書館にリクエストしておいてもらった本かなと思ったので聞いてみたのでした。
語りの参考にはならないけど(笑)、発見のある本でした。
よく知ってる話の類話には、下ネタの話のほうが多いとか。
面白いから、皆さんも是非!
ジミーさん、ほんと、読んでみないとあたりかどうかが分からないもんですね。しかも、ふだん勉強として読むのは、著者が昔話研究者の場合が多いし。でも、今回、口承の話ってのは、王道はないのかもしれないと思えました。語り手と聞き手で作っていくファンタジーの世界、という性格が、口承にはあるのかなあ。