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語りの森を作った魔女

秋の一日🍂

ようやく夏が終わり、やってくる冬に追いつかれないうちに、秋の空気を楽しみに出かけました。
奈良県の天理市。
まずは天理大学の参考館。
足がもつならば山の辺の道を歩きたいと思って、天理駅を出発。
アーケードの通りを抜けて、天理教の大きな建物のところで曲がってすこしいくと、ありました。
天理大学が所蔵している民族学の文物の博物館です。

参考館は、世界各地の資料を通して、それぞれの地域に住む人々の生活や歴史を知り、お互いの心を理解するミュージアムですとホームページに書かれています。
大すきな国立民族学博物館のミニ版でした。

そぞろに歩きながら、世界各地の文化を感じ取ることができます。
なかでも、機織りの展示をさがして歩くととってもおもしろかったです。
布を作る方法が、どの民族にも共通しているのはなぜなんでしょう。また、少しずつ違っているのもおもしろい。そして、出来上がった布の模様も違っていて、知っている人には、ぱっと見るだけで、これはどの民俗だってわかるんだと思います。わたしはアイヌの模様ならわかるけど。

3階の特別展では、正岡子規と夏目漱石と森鴎外の自筆展をやっていました。
子規の学習帳とか、漱石の「吾輩は猫である」「坊ちゃん」とか、鴎外の「渋江袖斎」とか、なんかすごいお宝が拝めました!
子規と漱石はとってもきれいな字でした。子規は女性的。鴎外は、ちょっと雑やね。
めがけて来たのではないのに、とってもお得でした。

天理大学のあたりは布留遺跡という旧石器からの巨大な遺跡が広がっているそうです。ロマンやね~
で、その発掘された土器や刀、埴輪とかも展示してありました。

天理大学の学食で遅いお昼を食べてから(とんかつ定食ね)、石上神社へ。

手水舎のところににわとりがコケコケ鳴いていて、そこから山へ入って行くと山の辺の道です。
とても歩きたかったんだけど、参考館の中を歩き回ったので、すっかり疲れてしまって、帰ることにしました。

がんばってリハビリして、あちこち歩けるようになりたいです。

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今日のHP更新は、《外国の昔話》「ごろごろ川の鍛冶屋」
主人公が悪魔や死神を出しぬく話に、いまハマっておりますo(*^@^*)o

10月のおはなし会🌰

10月20日(月)

こども園
4歳児 1クラスずつ2回

ろうそくぱっ
おはなし「ひなどりとねこ」『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業之日本社
おはなし「くらいくらい4」『語りの森昔話集』村上再話
おはなし「長いはなし」未詳
ろうそくぱっ

どちらのクラスとも、とってもウマが合って楽しいのですが、今回も笑いが止まらないおはなし会になりました。
「ひなどりとねこ」では、お母さんどりの反応を、とってもよろこんでいました。「ああ、あるある」という感じかな。
ひなどりのくしゃみは、もちろん、ひなどりになって聞いていた子どもたち、いっしょにくしゃみをしていましたよ。
「えらくもったいぶって、とても得意そうに出て来ましたよ」というと、何人かの子どもたちは、肩をそびやかして歩く様子を再現してくれていました。
あんな幼い子でも「もったいぶる」「得意そうに」の意味が分かるんですね。新しい言葉を獲得した瞬間だったのかな。

10月22日(水)
こども園5歳児 一クラスずつ2回

ろうそくぱっ
おはなし「鳥のみじさ」『日本の昔話3』おざわとしお再話/福音館書店
おはなし「くらいくらい」『語りの森昔話集4』村上再話
ろうそくぱっ

お行儀よく聞くクラスと、自由自在のクラスの雰囲気のちがいが、時のたつにつれて、どんどん大きくなってきています。
語り手としては、どちらのタイプであってもそれに応じた語りをしたいと思っています。本音は自由な雰囲気のクラスがやりやすいんだけど。でも、お行儀良い方がやりやすい語り手もいるでしょうね。
どんな雰囲気でも受け入れることが、子ども自身を受け入れることになると思うし、それは子どもにとってとっても大切な経験だと思うのです。

そんなわけで、1つ目のクラスでは、とってもまじめにほほ笑んで聞いてくれました。
ふたつ目のクラスでは、「あやちゅうちゅう」のたんびに笑い転げて聞いてくれました。

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今日のおはなし広場の更新は「山のこびと」
ちょっと長いけれど、好きな話です。
聞いてね~

語りの森総会に向けて😁😁😁

なんで「総会」っていうかというとね、語りの森は、いくつかのグループで活動してるから、全員で顔を合わせることがなかったのよ。それで、全員が交流する機会として年1回、語りの会をする。
コロナで途切れていたけど、やっと開催します╰(*°▽°*)╯

語りの森のメンバーに限らず、ひろくおおぜいの人で楽しみたいと思って、今年から「みんなで楽しむおはなし会」って名前にしました。

大人のためのおはなし会や、土曜日の図書館のおはなし会を通じて、おとなも語りを求めているっていう手ごたえを感じています。それで、「みんなで楽しむ~」です。日曜日なので、子どもも来てくれるかもしれません。

事務的な準備もちゃくちゃくと進めていますが、一番大事なのは、もちろん、おはなしの準備です。
今回は、各地の貧乏神の昔話を楽しみます。
語り手の皆さんが、たくさんのおはなしの中からえりすぐりの貧乏神を語ってくれます。楽しみです!

語りたいけどまだおはなしが決まらない人も、大丈夫です。貧乏神は短い話ばかりだから、すぐに覚えられます。
ホームページの《昔話雑学》に貧乏神のテキストを1ダース集めていますから、のぞいてみてくださいねO(∩_∩)O
こちら⇒
語りの森メンバーでないけど、語りたい人は、お問い合わせからエントリーしてくださいね。こちら⇒

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今日のホームページ更新は《日本の昔話》。
笑い話の「ちゃくりかきふ」です。
語ってくださいね~

 

どこへ行きたいんだろう🚶‍♀️

古い雑誌を取り寄せました。
『季刊民話』民話と文学の会
その創刊号で、1974年12月1日発行。
全96ページの薄っぺらな冊子です。
編集後記に、創刊号を作るために、奥丹後、会津、出羽とよく旅をしたと書かれています。民話の雑誌は足でかせいで作らねばならないとも。
その旅で見つけた語り手は、その土地でおそらく一生を終える人たち。その語りは、その土地の言葉で、その土地独自の物語。

生成AIで動画まで作れる時代に、このような雑誌が保存され市民の目に提供されるとは、ほんに、図書館は宝箱だと思う。

この雑誌に掲載されている話のいくつかは、これから再話して語ってみようと思いますが、今回は、松戸市にある幼稚園の先生のエッセイについて書きます。
「おむすびとパンツ」という題の文章です。

先生はいつも園の子どもたちに昔話を語っているようです。
あるとき、「おむすびころりん」を語りました。
「むかし、あるところにおじいさんとおばあさんが・・・」と語り始めると、子どもが、「知ってる!桃太郎だ」といいました。
これって、今でもよく経験しますね。ヤンなんかしょっちゅうです(笑)
そのとき、先生は、なにくわぬ顔で先を続けました。すると、子どもが首をかしげます。先生は、「始まりは桃太郎と似ているけれど、違う話だよ」と説明を入れます。

ね、説明を入れるんですよ!

おじいさんは、おむすびをひとつずつねずみの穴に入れていきます。ぜんぶ入れ終わったとき、先生は子どもたちに相談するんですって!
「もう何もいれるものがなくなった」って。すると子どもが、
「まだあるよ、パンツが残っている」
先生は、
「パンツもころりんすっとんとん」と語る。そして、「あーあ、もうなんにもない」というと、子どもが、
「あるよ、おじいさん入っちゃいな」
先生は、
「それじゃあ、目をつむって、えい!おじいさんは、穴の中に飛びこみました」

そうやってストーリーは、あるべき道を進んで行くのです。

この先生は、子どもの反応を見ながら、手ぬぐいや着物などを穴の中に投げこんでいくそうです。子どもと語り手とが一体となって話をつくりあげていく。
この場面が、子どもたちがいちばん熱中して聞き入って来るそうです。

うーん、まいった!

子どもと一体になる語りは、ヤンも目指しているけれど、その方法はとっても難しくて、いつも試行錯誤。
まずはテキストに書かれた言葉にとらわれずに、話の魂を理解して自分の心に取り込むこと。そこではじめて言葉は自在に働くし、聞き手の気持ちと一体になれる、と思う。

先生は、子どもにとって民話だけがすべてではないとしながらも、こういいます。

「わたしが話している昔話を子どもたちが大きくなったその日に、自分の子どもたちに語って聞かせてやれる日があればと思いつつ、ひとつでも多くの昔話を自分のものとして知り、子どもに面白く語れる人になりたいと願っています」

がんばります。
すてきな先達に会えました!


子どもの柴刈りの写真(季刊民話)

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昨日はおはなしひろばを更新。
「おおかみサラマル」聞いてくださいね~

さてさて、毎日バタバタしていて既読スルーしていた井戸端会議のみなさんの記事をじっくり読み返さなくては~

 

9月のおはなし会🌞

まだまだ酷暑のなか、子ども園にいって来ました。

9月18日(木)
4歳児 2クラス2回

ろうそくぱっ
おはなし「ギーギードア」『おはなしは楽しい』たなかやすこ
おはなし「じいとばあ」『山城和束の昔話』より村上再話
ろうそくぱっ

「ギーギードア」はツボがあちこちに散らばってるんだけど、このクラスは2クラスとも、「ぎーぎーぎー」に食いついてきましたね。
でもクラスによって色が違ってて、1クラスでは、いっしょにさけぶ、もう1クラスではひっくりかえる。
それから、「うううん、ちっともこわくない」のあと、「うそや」「ほんまはこわいねん」って小声でつぶやく。この小声でつぶやくのが、ヤンは、めっちゃ可愛くて好きです。

もう4歳児は、おまけなしでは許してくれなくなりました~

9月19日(金)
5歳児 2クラス2回

ろうそくぱっ
おはなし「はんてんをなくしたヒョウ」『大きいゾウと小さいゾウ』アニタ・ヒューエット作/大日本図書
絵本『どうぶつしりとりえほん』薮内正幸/岩崎書店
ろうそくぱっ

ううむ。
わたし「人間は、黄色いペンキでへいを塗っているところでした」
子ども「はんてんも塗る!」

いや、べつに、子どもたち他所でこの話を聞いたわけではなかったんですよ。
どちらのクラスでも、そういったんです。
こんなに早くに落ちをすっぱ抜かれた語り手は、おろおろするしかありませんでした(っ °Д °;)っ
子どもは、答えが分かってるのにずうっとストーリーを聞いてなくちゃならないし。
子ども「なんか、長かった・・・」

ごめん・・・

ひょうのパニックをできるだけおもしろく語ったんだけどね・・
やっぱり子どもは描写よりストーリーで聞くんですね。

次回は、がっつり聞ける話を持っていきます!!!