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語りの森を作った魔女

語りの森総会に向けて😁😁😁

なんで「総会」っていうかというとね、語りの森は、いくつかのグループで活動してるから、全員で顔を合わせることがなかったのよ。それで、全員が交流する機会として年1回、語りの会をする。
コロナで途切れていたけど、やっと開催します╰(*°▽°*)╯

語りの森のメンバーに限らず、ひろくおおぜいの人で楽しみたいと思って、今年から「みんなで楽しむおはなし会」って名前にしました。

大人のためのおはなし会や、土曜日の図書館のおはなし会を通じて、おとなも語りを求めているっていう手ごたえを感じています。それで、「みんなで楽しむ~」です。日曜日なので、子どもも来てくれるかもしれません。

事務的な準備もちゃくちゃくと進めていますが、一番大事なのは、もちろん、おはなしの準備です。
今回は、各地の貧乏神の昔話を楽しみます。
語り手の皆さんが、たくさんのおはなしの中からえりすぐりの貧乏神を語ってくれます。楽しみです!

語りたいけどまだおはなしが決まらない人も、大丈夫です。貧乏神は短い話ばかりだから、すぐに覚えられます。
ホームページの《昔話雑学》に貧乏神のテキストを1ダース集めていますから、のぞいてみてくださいねO(∩_∩)O
こちら⇒
語りの森メンバーでないけど、語りたい人は、お問い合わせからエントリーしてくださいね。こちら⇒

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今日のホームページ更新は《日本の昔話》。
笑い話の「ちゃくりかきふ」です。
語ってくださいね~

 

どこへ行きたいんだろう🚶‍♀️

古い雑誌を取り寄せました。
『季刊民話』民話と文学の会
その創刊号で、1974年12月1日発行。
全96ページの薄っぺらな冊子です。
編集後記に、創刊号を作るために、奥丹後、会津、出羽とよく旅をしたと書かれています。民話の雑誌は足でかせいで作らねばならないとも。
その旅で見つけた語り手は、その土地でおそらく一生を終える人たち。その語りは、その土地の言葉で、その土地独自の物語。

生成AIで動画まで作れる時代に、このような雑誌が保存され市民の目に提供されるとは、ほんに、図書館は宝箱だと思う。

この雑誌に掲載されている話のいくつかは、これから再話して語ってみようと思いますが、今回は、松戸市にある幼稚園の先生のエッセイについて書きます。
「おむすびとパンツ」という題の文章です。

先生はいつも園の子どもたちに昔話を語っているようです。
あるとき、「おむすびころりん」を語りました。
「むかし、あるところにおじいさんとおばあさんが・・・」と語り始めると、子どもが、「知ってる!桃太郎だ」といいました。
これって、今でもよく経験しますね。ヤンなんかしょっちゅうです(笑)
そのとき、先生は、なにくわぬ顔で先を続けました。すると、子どもが首をかしげます。先生は、「始まりは桃太郎と似ているけれど、違う話だよ」と説明を入れます。

ね、説明を入れるんですよ!

おじいさんは、おむすびをひとつずつねずみの穴に入れていきます。ぜんぶ入れ終わったとき、先生は子どもたちに相談するんですって!
「もう何もいれるものがなくなった」って。すると子どもが、
「まだあるよ、パンツが残っている」
先生は、
「パンツもころりんすっとんとん」と語る。そして、「あーあ、もうなんにもない」というと、子どもが、
「あるよ、おじいさん入っちゃいな」
先生は、
「それじゃあ、目をつむって、えい!おじいさんは、穴の中に飛びこみました」

そうやってストーリーは、あるべき道を進んで行くのです。

この先生は、子どもの反応を見ながら、手ぬぐいや着物などを穴の中に投げこんでいくそうです。子どもと語り手とが一体となって話をつくりあげていく。
この場面が、子どもたちがいちばん熱中して聞き入って来るそうです。

うーん、まいった!

子どもと一体になる語りは、ヤンも目指しているけれど、その方法はとっても難しくて、いつも試行錯誤。
まずはテキストに書かれた言葉にとらわれずに、話の魂を理解して自分の心に取り込むこと。そこではじめて言葉は自在に働くし、聞き手の気持ちと一体になれる、と思う。

先生は、子どもにとって民話だけがすべてではないとしながらも、こういいます。

「わたしが話している昔話を子どもたちが大きくなったその日に、自分の子どもたちに語って聞かせてやれる日があればと思いつつ、ひとつでも多くの昔話を自分のものとして知り、子どもに面白く語れる人になりたいと願っています」

がんばります。
すてきな先達に会えました!


子どもの柴刈りの写真(季刊民話)

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昨日はおはなしひろばを更新。
「おおかみサラマル」聞いてくださいね~

さてさて、毎日バタバタしていて既読スルーしていた井戸端会議のみなさんの記事をじっくり読み返さなくては~

 

9月のおはなし会🌞

まだまだ酷暑のなか、子ども園にいって来ました。

9月18日(木)
4歳児 2クラス2回

ろうそくぱっ
おはなし「ギーギードア」『おはなしは楽しい』たなかやすこ
おはなし「じいとばあ」『山城和束の昔話』より村上再話
ろうそくぱっ

「ギーギードア」はツボがあちこちに散らばってるんだけど、このクラスは2クラスとも、「ぎーぎーぎー」に食いついてきましたね。
でもクラスによって色が違ってて、1クラスでは、いっしょにさけぶ、もう1クラスではひっくりかえる。
それから、「うううん、ちっともこわくない」のあと、「うそや」「ほんまはこわいねん」って小声でつぶやく。この小声でつぶやくのが、ヤンは、めっちゃ可愛くて好きです。

もう4歳児は、おまけなしでは許してくれなくなりました~

9月19日(金)
5歳児 2クラス2回

ろうそくぱっ
おはなし「はんてんをなくしたヒョウ」『大きいゾウと小さいゾウ』アニタ・ヒューエット作/大日本図書
絵本『どうぶつしりとりえほん』薮内正幸/岩崎書店
ろうそくぱっ

ううむ。
わたし「人間は、黄色いペンキでへいを塗っているところでした」
子ども「はんてんも塗る!」

いや、べつに、子どもたち他所でこの話を聞いたわけではなかったんですよ。
どちらのクラスでも、そういったんです。
こんなに早くに落ちをすっぱ抜かれた語り手は、おろおろするしかありませんでした(っ °Д °;)っ
子どもは、答えが分かってるのにずうっとストーリーを聞いてなくちゃならないし。
子ども「なんか、長かった・・・」

ごめん・・・

ひょうのパニックをできるだけおもしろく語ったんだけどね・・
やっぱり子どもは描写よりストーリーで聞くんですね。

次回は、がっつり聞ける話を持っていきます!!!

 

 

こんな本📖

 

ジミーさんに紹介していただいて読んでみた。
『ひどい民話を語る会』
京極夏彦・多田克己・村上健司・黒史郎
角川書店 2022年

妖怪好きの上記の四人がひどい民話について語ってる対談(?)です。

ヤンは、日本昔話集成や日本昔話通観を毎日読んでいる身としては、知っている話がバンバン出て来ておもしろかったです。

「ひどい」民話といっているのは、いわゆる話型を持った昔話とはズレた話で、昔話が、きちんとした構造を持っているのに対して、ゆる~い、ある意味不完全な構造の話(これを民話と、この本では呼んでいます)。そのなかでも、下ネタの話が次々出て来ます。

ここで紹介されている話は、ヤンはほぼ再話に使っていませんね(笑)
「くさかった」くらいかな?
わざわざ次に伝えたいと思わなかったので。

京極夏彦さんは、「おわりに」で、これらのひどい民話は、ただのウケ狙いで、いろり端の一夜限りのその場しのぎの、アドリブだらけの、口がすべっちゃっただけの、適当な与太話だったのかもしれないといいます。
そして、そんなどうでもいいものが後世に伝えられるなんて素晴らしいと。

ヤンは、それらを再話はしていないけれど、資料として読むことで、かつてのいろり端の濃厚な空気を感じることができて楽しいと思っています。
おはなしってそうやよな~って思うのです。

昔話資料を読まなくても、この本を読めば、どんな「ひどい民話」があるか分かりますので、ぜひ読んでみてください。そして、興味があれば、1冊でも2冊でも原資料を手に取ってみてください。
語りの現場の臨場感に浸ることができます。

ヤンは、そんな語りの場をゆる~く追求したいなと思っています。

ツクツクホーシの声が、涙が出るほどうれしい今日この頃。
早く秋になれ~~~~

 

 

再話クラスいったんの終了🦉

秋の気配はあるのですが、気温がどうしようもなく夏ですね(⊙x⊙;)

あついなか、再話勉強会がありました。

原話は岩波文庫の『スペイン民話集』から、「熊のファニート」です。
当番のYさんは、できる限りたくさんの類話を読んで、できるだけ完成度の高い原話をさがされました。
それでも、欠けた部分がたくさんあって、それをどう処理するかが悩みでした。

再話では、原話選びがいちばん大切です。
そのためには、ふだんから、原話にできる昔話資料をたくさん読んでたのしむこと。
ヤンは、毎日少しずつ資料を読んでいます。10分か20分くらい、お茶しながら読みます。
読んでると、こんな話を考えるなんて、人間って、おもしろいなあと思います。そして、その話をだれかに伝えたくなって、付箋を貼って、順番に再話していきます。

再話の方法は、ここではいちいち説明できません。
その気があれば、《外国の昔話》《日本の昔話》には各話テキストの末尾に原話資料を明記していますので、それと再話テキストをつきあわせれば、ヤンがどんなふうにしているか分かります。
どの言葉をどの順番に声にすれば、聞き手に情景が見えるかに心を砕いています。
基本は、昔話の語法の知識と、子どもに語る経験です。

ババ・ヤガーでは、2015年から再話の勉強会をひらいてきました。
とちゅう中断があって、新規メンバーも加えて続けてきましたが、それも昨日でいったん終わりました。
みなさんが、再話はおもしろいなあと思ってくださっていたら幸いです。
あとは、ご自分で、ぼちぼち、途切れることなく続けていってくださいね。