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語りの森を作った魔女

昔話の語法勉強会の感想から2😄😄

🙋‍♀️感想
昔話の性別役割分担(おばあさんは川へ洗濯に、などの)や、結末で、お姫さまと結婚することが主人公の幸せになることに、引っかかりを感じることがあって・・・

👨‍🎓そうですよねえ。
社会的に求められる性別役割(ジェンダー)と昔話について、研究されている学者さんは確かにおられますが、まだまだ新しい分野かなと思います。だから、わたしたち、研究の成果を参考にすることはできない。つまり、語り手が自分で考えないといけないってことやね。

たとえばね。
男性は外で働き、女性は家事をするのが当たり前の社会だとして。子どもに「おばあさんは山へ柴刈りに、おじいさんは川へ洗濯に行きました」って語ったら、子どもは間違いなく、「なんで?」「どうして?」って尋ねると思う。特別の事だって感じると思うのね。
でもね、その子の父親が主夫で、母親が外で働いている場合、「おばあさんは山へ柴刈りに、おじいさんは川へ洗濯に行きました」って語ってもぜんぜん疑問に思わないと思う。ね?

つまり、その昔話が語られたときの社会や家族のありかたが、そのまま、そのお話に反映されている。
そして、口承がほとんど途絶えている現代、わたしたちが読むのは、資料に残っているひと昔もふた昔も前の昔話。グリム童話なら200年も昔やね。
そうすると、いまは、それが語られた時とは世の中のありかたがずいぶん変わってきているから、「納得できないなあ」って思うことは当然出て来るよね。特に今、ジェンダーの問題は大きく変わろうとしている、というか、変えていかなければという潮流がある。

問題は、それをどう納得するかよね。

ただ、わたしが思うのはね、役割分担も、お姫さまと結婚して幸せになるのも、それは、そのお話のテーマではないということなの。
そういう舞台設定だけれども、伝えたいテーマは、知恵を出せとか、親切であれとか、誠実であれとか、いつの時代にも普遍的な価値なんよね。そこに性差はない。
だから、女は貞淑であれとか、男だから勇敢に戦えとかというテーマでなければ、わたしは、抵抗なく語れるかな。

けど、おじいさんは山へ行くもので、おばあさんは川で洗たくするものでって、ステレオタイプというか、子どもに繰り返し語って刷り込んでしまうと怖いなとは思う。

うん。この感想を書いてくださったかた、ありがとう。💕
昔話資料を読むとき、ジェンダーがかくされていないか、心にとめておきますね。

お姫さまや王子さまとの結婚については、昔話の語法や聞き手の子どもの表情で納得できる部分があります。
お姫さまや王子さまは極端な存在です。子どもは、たいてい異性に憧れます。その極端な結末が結婚です。
たとえそれがこころの異性であってもです。自分が男になって聞くか、女になって聞くか、聞き手の自由ですからね。

どちらにしても、納得できないから語れないと思わないで、納得できないから解決できるかどうか語ってみようという好奇心も大事かな。子どもはどんなふうに聞くだろう、自分の認識はどんなふうに変化するだろう、ってね。わたしは、よっぽど納得できない場合以外は、そんな感じでチャレンジしています。🏹

むつかしいねえ。
けど、おもしろいねえ🤗

昔話の語法勉強会の感想から1😄

2月26日の勉強会のときに、みなさんに感想を書いていただきました🖊🖋🖍
ありがとうございました。
みなさんからのコメントを励みにして、これからもがんばってやっていきたいと思います💗

その感想の中に、語法とは直接関係ないんだけど、昔話について、疑問や考えなどを書いてくださったかたがたがありました。
知っている範囲でお答えしたいのと、私自身の考えも言ってみたいので、何回かに分けて井戸端会議の話題にあげていきますね🌈

この日は、「おおかみと七匹の子やぎ」を取り上げました。詳しくはジミーさんの報告を見てくださいね。
この時の資料は、小澤俊夫先生の『語るためのグリム童話』(小峰書店刊)をテキストにしました。
『語るためのグリム童話』は、グリム童話の2版をもとに7版のよいところを取り入れたものです。
それで、昔話の語法を学ぶために、2版と7版を比較して、7版にはあるが2版にはない部分と2版にはなくて7版から取り入れた部分をみなさんに見てもらうことにしました。
そのため、まずは、エーレンベルク稿から7版まであるんだよということを説明しました。

👩感想
グリム兄弟が、たくさんの物語を集めていった過程(どんな人たちから、いつ頃から語られていたお話なのか)など、グリム童話にも興味が深まりました。

🕵️‍♀️グリム童話に関してはたくさんの研究があって、文献がいっぱいありますが、わたしは昔ばなし大学でまなんだので、やっぱり小澤先生のご本が、詳しく、基本的で、また分かり易いように思います。
おすすめ本で~す。
1、『グリム童話の誕生ー聞くメルヒェンから読むメルヒェンへ』朝日選書
2、『グリム童話考ー「白雪姫」をめぐって』講談社学術文庫
3、『グリム童話集200歳ー日本昔話との比較』小澤昔ばなし研究所刊
とくに1と2は、グリム童話の成立だけでなくて、今回の勉強会でちょこっとやった【版の比較】が詳しく説明されていて、おもしろいです。

以上👩‍🎓

そうそう、今後の語法勉強会の希望話を、おふたり、書いてくださってましたね。
「鉄のハンス」は長いから、次回は「馬方やまんば」にしま~す👹🐴

 

中学校2年生最後のおはなし会👩‍🎓

中学校では、この一年、一年生と二年生で「酋長カイレ」を聞いてもらいました。
合計10回語ったことになるかな。

この話の力は、以前の井戸端会議にも書いたし、キリリさんも書いてくださってるので、いまさらくりかえしません(笑)
で、きょうは、語りのあとの本の紹介(ミニブックトーク)で何を話したかを、ご紹介します。
語り口調で~😊

今聞いてもらった「酋長カイレ」は、南米のコロンビアに伝わってる昔話ね。
今までみんなが聞いたり読んだりしてきた昔話は、日本やヨーロッパの話が多かったと思うの。
「酋長カイレ」、ちょっと雰囲気が違うかったでしょ。
こんな話もあるんやね。

わたしが、中学生の頃好きだったのは、シャーロック・ホームズとか、アルセーヌ・ルパンとか。
あ、ちょうど「赤毛のアン」が次々翻訳されてた頃やったから、次の巻が出るのをめっちゃ楽しみにしてたな。

でね、昔話はきらいやったの。
だって、みんなおんなじやん?

けどね、大人になってから、昔話って、すごいなって思うようになったの。
なんでかって言ったらね・・・

世界じゅうのどの民族もみんな昔話を伝えてきてるのね。
何百年も、千年も、二千年も。
でもね、いまわたしが語った話、もうみんなの前から消えてるでしょ?
声やもんね。形がないもの。
本とか形があったら伝えられるけど。形がないものを伝えるって、すごくない?

でね、いまみんなの目の前から「酋長カイレ」は消えたけど、心の中にイメージが残ってない?
残っててほしいなと思うんやけどね(笑)
それを今度はみんながだれかに話す、するとその人の心の中に何かが残る。するとその人が・・・ってぐあいに。
そうやって、心から心へ、伝えてきたのね。

どの民族も、そうやって、魂とか目に見えない文化とかを伝えてきたのね。
人間って、すごいなあ。

しかも、その人たちって、特別の偉い人じゃなくって、みんなわたしたちと同じ普通の人なのよ。
すごいでしょ。
だから、昔話ってすごいと思うの。

それでね、たくさん残ってる資料の中から、わたしが「いいなあ」って思った昔話を、いまみんなが読める形に再話して、30話集めて本にしたの。
「酋長カイレ」は、この『ねむりねっこ』の中に入っています。
ここの図書館にあるから、他の話も読んでみてね。

これからみんな、いろんなジャンルの本を読んでほしいなと思います。
そうやって、自分の好みを広げていってね。

一年間、つき合ってくださって、どうもありがとう。
ほな、終わります。

今回もやっぱりちょっとウルウルしてる男の子や、しゃきっと顔をあげて聞いている女の子たちが、わたしのおしゃべりにしきりにうなずいてくれていました。
こういうおしゃべりができるのは、やっぱり中学生だからでしょうね。
小学生では、こうはいかない。
さて、来年度、この人たちに何を語ろうかと、ちょっとわくわくしています。

春のにおい💐

きのう今日と、京都府南部は雨模様。
花粉、ちょっと鎮まる。
外出中、思い切って、マスクを外した。
うお💕 春のにおい。
雨でうるおった土のにおい。
ぬれた木や草のにおい。
あ~ じんちょうげのにおいだぁ

卒業式の季節
慣れた制服のにおい。
幼稚園かばんのにおい。

夕暮れどきの台所のにおい。
あ~ おいしいものが食べたくなった。

雪のおはなし会⛄

2月13日(水)
2年生 授業 一クラスずつ二回
おはなし「ホレばあさん」『語るためのグリム童話』小澤俊夫監訳/小峰書店
おはなし「つるの恩返し」語りの森HP(仲間)
ブックトーク「雪」

ブックトークを25分と、長めに取りました。
ふだんは短時間でたくさんの本を紹介するので、駆け足です。が、今回は、雪を楽しむことをテーマにじっくりやってみました。
まあ、これが本来のブックトークですが。
とりあげた本をあげておきますね。
☆はぜんぶ読んだ本。@は、絵を見ながらかいつまんで紹介。

ふたつのストーリーテリングで雪をイメージした後、こんどは視覚でも楽しみます。
☆『ゆきのひ』エズラ=ジャック・キーツ作/木島始訳/偕成社
@『だるまちゃんとうさぎちゃん』加古里子作/福音館書店
@『ゆきのひのホネホネさん』にしむらあつこ作/福音館書店
わたしたちの土地ではこんなに雪が積もることがないので、雪の日の遊びの面白さを本の中で実感してみたわけです。

つぎは、雪で家をつくる、写真絵本です。
@『「イグルー」をつくる』ウーリ・ステルツァー文・千葉茂樹訳/あすなろ書房
大好評でした。ほぼ全ページをいっしょに見ました。

つぎは、初めての雪。
@『リスとはじめての雪』ゼバスティアン・メッシェンモーザー作/松永美穂訳/コンセル
これは、大笑いでしたね。作者のユーモアに拍手!
@『ゆき』ユリ・シュルヴィッツ作/さくまゆみこ訳/あすなろ書房
@『ゆき!ゆき!ゆき!』オリヴィエ・ダンレイ作/たなかまや訳/評論社

雪を体験したい。少しでいいからふってこないかなと期待が高まったところで、科学絵本に移ります。
☆『きらきら』谷川俊太郎文/吉田六郎写真/アリス館
雪の結晶への好奇心をくすぐっておくと、案の定・・・
@『雪の結晶ノート』マーク・カッシーノ、ジョン・ネルソン作/千葉茂樹訳/あすなろ書房
こんな本が読みたかった!!!って言った男の子がいましたよ。

@『雪の写真家ベントレー』ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン作/メアリー・アゼアリアン絵/千葉茂樹訳/BL出版
@『水の本』ピエール・マリ・バラ作/手塚千史訳/岳陽舎
@『お天気の本』パスカル・ド・ブルゴアン作/手塚千史訳/岳陽舎
水の3つの状態を、「水蒸気、水、氷」と、ちゃんと言い当てた子がいました!賢いなあ。
@『水のぼうけん』アーサー・ドロス作/神鳥統夫訳/リブリオ出版
@『水のたび』ジョアンナ・コール文/ブルース・ディーギン絵/藤田千枝訳/岩波書店

結局、この冬、雪はほとんど降っていません。
本の中だけでも、楽しんでくれているかな。
教室に一カ月置いて帰りました。