ヤン のすべての投稿

ヤン について

語りの森を作った魔女

またまたおはなし会の報告 🎂

まだまだ続く、おはなし会シーズン\(^o^)/

ー月曜日ー
小学5年生 1クラスずつ2回 授業
おはなし 「金の鳥」 『語るためのグリム童話』小澤俊夫編訳/小峰書店
おはなし 「ありとこおろぎ」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上郁再話/語りの森
ブックトーク 「伝記」
子どもに向けての伝記文学は、5年生で読むのが年齢的にいちばんいいというのが、児童文学や国語教育での常識なのね。さまざまの人間の人生を知ることで、自分の将来を考える。だから、「伝記」がテーマの時に「金の鳥」を語るの。何度失敗しても主人公を助けるきつねの存在を知ってほしいなと思って。恐れずに夢を見つけてほしいって思うので。
『ファーブル』を紹介しながら、「虫の好きな子いる?」って尋ねたら、男の子が2、3人手を挙げた。「私の息子は、この学校の卒業生だけど、やっぱり虫が好きでね、いま、仕事にしているよ」っていったら、ぱあっと顔が輝いた(笑)

幼稚園5歳児 1クラスずつ2回
てあそび 「ろうそくぱ」
おはなし 「三枚のお札」
てあそび 「ろうそくぱ」
ぜったいにはずさない「三枚のお札」。
これが聞けるようになったら、あとは卒園に向けて一直線~笑
この日は焼き芋の日で、お相伴にあずかりました。
やっぱり枯葉で焼いたおいもは最高🙌

ー火曜日ー
中学3年生
詩 「すてきなひとりぼっち」 同名詩集/谷川俊太郎/童話屋
おはなし 「ボタンインコ」 『ムギと王さま』ファージョン/岩波少年文庫
創作だからね、途中までは、「ふう~ん」って感じで聞いてるんだけどね、創作、しかも短編は、最後の落ちが命なのね。ほら、オーヘンリーの「最後の一葉」とか、そうでしょ。「ボタンインコ」もそう。そういう短編小説をたぶん初めて体験する子が結構いると思うの。
しーんと、でも余裕を持って聞いていた子たちが、「濃いピンクの運勢」ではっとするのね。急にうるっと来る。
よしよし、な、小説、おもしろいやろ。と、ほくそ笑むヤンでした。

ー水曜日ー
学童保育
おはなし 「うりこひめ」 『おはなしのろうそく』東京子ども図書館
おはなし 「カメの笛」 『ブラジルの昔話』カメの笛の会
絵本 『たまらんちゃん』つぼいじゅり/金の星社
絵本 『へろへろおじさん』佐々木マキ/福音館書店
わたし「うりこひめをします。」
子ども「知ってる~。前に聞いたあ~」
わたし(心の中でーいや?そんなはずはない。こっちにはデータがある)
終わってから、「知ってた?」
「ううん。知らんかった~}
「カメの笛」、これも絶対に外さないおはなし(笑)
終わってからもずうっと、フィンフィンフィン🎵

ー金曜日ー
小学校4年生 1クラスずつ2回 授業
1クラス目
おはなし 「まほうの鏡」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
おはなし 「きつねの玉のとりあい」『日本の昔話1』小澤俊夫再話/福音館書店
おはなし 「おおかみときつね」『語るためのグリム童話』小澤俊夫監訳/小峰書店
手遊びじゃんけん「どんぐりころちゃん」
おはなし 「九尾のきつね」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
ブックトーク「新美南吉」
2クラス目
手遊びじゃんけん「どんぐりころちゃん」
おはなし 「まほうの鏡」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
おはなし 「おおかみときつね」『語るためのグリム童話』小澤俊夫監訳/小峰書店
おはなし 「きつねの玉のとりあい」『日本の昔話1』小澤俊夫再話/福音館書店
おはなし 「九尾のきつね」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
ブックトーク 「新美南吉」
あ~、おもしろかった~🎊
ノッた、ノッた~🙌
聞き手同士と語り手と担任の先生とが一体になっておはなしの世界を旅したような充実感でしたね~
こういう日があると、いろんな苦労も吹き飛ぶね!
ふたつのプログラム、すこ~し、違うでしょ。
ヤンがもともと用意したのは1クラス目のプログラム。
でもやってみたら、「おおかみときつね」の結末でおおかみが殴り殺されるところでね、子どもたちの反応が「そこまでやらんでもええのに、かわいそう」だったのね。もちろんこれはわたしの語りかたがダメだったんだけど、この素直なクラスには、きっとこの狐のような経験をした子がいないって気がついたの。それで、次のクラスでは、さきに「おおかみときつね」をして、「きつねの玉のとりあい」でお口直ししてもらったの。これ、正解だった。
それから、じゃんけんの位置が違うでしょ(笑)
2クラス目はとっても早くおはなしの部屋に入ってきてたの。さっと、いつでも始められる態勢になったのね。すごいね、自分たちで自主的にだよ。で、担任の先生がなかなか来ない。いきなりひとりの女子が、「じゃんけんしょ~」って。
で、「どんぐりころちゃん」を4回やって(笑)、5回目でやっと先生がチョキを出しながら入ってこられた~笑
ヤンはおはなしひとつ終わるたびに、「続けてやっても聞ける?」って尋ねたんだけど、🙆だって。で、連続で4話語った。
1時間をひとりでやる楽しさを堪能しました。

お話はいつ完成するのか?

長いことやっていると、おはなしを始めたころに覚えたおはなしたちも、まだ現役でプログラムに登場します。
たとえば、さっき子どもたちに語ってきた「うりこひめ」。先週図書館で語った「三枚のお札」。
そのおはなしたちは、語るたびに新鮮です。

それは、聞き手が違うから。そして、私が人として成長し続けているから。
おはなしは、人間の魂と関わるもの、人の心の深いところと関わるものです。

30年前と今とで、わたしは人として、ちっとも変っていないものを持っているし、ずいぶん変化進化したと感じる部分もあります。そのどちらにも、おはなしは深くかかわってきます。
おはなしは、まるでチャイナマーブルのように、バウムクーヘンのように、層をなして成長していきます。
あ、木の年輪ですね。

もう語らなくなったおはなしもたくさんあります。それらは地面に堆積して肥料となり、他のおはなしの栄養になります。
現役のおはなしは、いま250話ほどあります。
250本ではまだ森とは言えませんね。林です。
この林はまだまだ大きくなるはずです。植えたい木がいっぱいありますから。

そして、一本一本が成長します。太く、高く。

みなさん、これでこのおはなしは完成したって思うこと、ありませんか?
そう思ったとたん、テクニックに堕してしまって、その木はそれ以上大きくなれません。

おはなしを上手に語ろうと思わないこと。
上手なわたしを見て!といっても、だれもそんなもの見たくもありません。
子どもたちはおはなしの世界を見たいのです。

なんのためにおはなしを語るのか。
その根本をつかんでいないなら、いくら「上手」でも、語り手失格です。
子どもの前に立ってはいけません。

精進している限り、おはなしは完成しません。

なんでいまさらこんなこと書いてるんや~?
はい、もの想う晩秋です。

今週のおはなし会 🍰

ひーふー、ひーふー
せっきのはらいもふるかいちゃんぽん

ー月曜日ー
小学1年生 朝学習
おはなし「こぶとりじい」 『日本の昔話』小澤俊夫再話/福音館書店
おはなし「ギーギードア」 『おはなしはたのしい』たなかやすこ
珍しく先生がいらっしゃらなかったのですが、じょうずに聞いてくれましたよ。
ただ、みんながノってきて笑うと、だれかがいきなり「しずかにしてください!」って叫ぶの(笑)
それがうるさかった(笑)

ー木曜日ー
小学3年生 1クラスずつ2回 授業
おはなし 「金剛山のとら」 語りの森HP《外国の昔話》村上郁再話
おはなし 「まぬけなトッケビ」 『おはなしのろうそく30』東京子ども図書館 (仲間)
おはなし 「おはなしかめさん」 『朝鮮の民話』瀬川拓男/偕成社
ブックトーク 「世界の昔話」
国語で「さんねん峠」を習うので、世界の昔話がテーマです。すべて朝鮮半島の昔話を語りました。
韓国も北朝鮮も、知っている子が結構いました。お隣の国だからね。

ー金曜日ー
小学3年生 1クラスずつ2回 授業
おはなし 「金剛山のとら」 語りの森HP《外国の昔話》村上郁再話
おはなし 「まぬけなトッケビ」 『おはなしのろうそく30』東京子ども図書館 (仲間)
おはなし 「おはなしかめさん」 『朝鮮の民話』瀬川拓男/偕成社
ブックトーク 「世界の昔話」
きのうののこりの2クラスです。
クラスによって雰囲気がガラッと違うのが、おもしろいです。
一クラスでは、めっちゃノリのいい女子が4人、かぶりつきで聞いていて、「やっぱり」とか「ええ~っ」とかいちいち相槌を打ってくれるのです。最後に本の紹介をするとき、「これが楽しみやねん!」っていってくれて、とっても嬉しかった。ほめじょうずやね~(笑)
「金剛山のとら」は、どのクラスも集中、というより緊張して聞いてくれました。恐いわけではないんだろうけど。わたしにとってもちょっと毛色の変わった話なので、子どもたちの反応が興味深かったです。去年よりもっと喜んでくれました。語りの森昔話集の第2巻に入れます。

昔話絵本 📗

昔話は、たいていの大人が知っている(と思っている)し、売れば創作物よりよく売れて当たりはずれがないし、ものすご~くたくさんの昔話絵本が出ていますよね。
350円で買えるくるくる回る棚に並んでいるのとか、いかにものアニメ調のとか、いかにものかっわい~、スリスリしたくなるようなこぶたちゃんのとか。
大人は、子どもが喜ぶから買うんだけれど、みなさんは、いったいどんなものを選んでいますか?

たとえば「三匹のこぶた」。
テレビの人形劇になってたり、ディズニーのアニメになってたりする影響かなあ、ストーリーの異なる「三匹のこぶた」絵本がどれだけたくさん出版されていることか!
いぜん、がらがらどんで調べたのね。で、「三匹のこぶた大会」って銘打っておはなし会もしたのよ。
それからもう6年もたったので、きっとみんな忘れちゃってるだろうな。

ところで、去年、市立図書館の絵本の読み聞かせ入門講座のあとに「絵本の会」っていう絵本サークルが生まれたの。
で、来年2月に、そこの主催で「昔話絵本を考える」という勉強会をすることになった。
ヤンが講師です。
これって、難しいテーマなんだけど、現状を放っておくわけにはいかんよねって、司書さんとも言ってたの。で、やろうと思った。

「三匹のこぶた」だけじゃなくて、いろいろな昔話絵本を実際に見ながら、どこがダメなのか、なぜダメなのかを考えてみたいと思います。
みなさま、お誘いあわせの上、ぜひお越しください。いっしょに考えましょう~

日時は、2017年2月1日(木)10じ~11:30
募集要項ができたら、ホームページにもUPします! 🐷

30周年 

いやぁ、人気歌手でもないのに、はずかしいのですがね。
まあ自分のホームページやし、自分のオメデトウやしね。
あのね、さっき息子から電話があってね。気付いたのですよ。おはなし始めて30年目だと。
あ、電話はいつものように野暮用、お金の話やったけど(笑)

30年前のちょうど今頃、息子におっぱい飲ませながらおはなし入門講座を受けていたの。
こんなに長く続けるとは思わなかった。
そのころ、市内では語る場が皆無だったのね。
それで、受講生たちでサークル作って、まず語りの場を作るところから始めたの。
そう、わたしたち、パイオニアだった(笑)

最初は地域文庫、次に図書館分館。
ほんと、その頃は子どもたち、聞いてくれなくてねえ(笑)
分館なんか、子どもがだれも聞きに来てくれなくて、わが子だけっていう日々が続いたなあ(笑)
その頃の仲間でまだおはなしを続けている人はひとりだけだけど、わたしにとっては特別の存在ですね。

え?
子どもが来ないって、諦めたかって?
いえいえ、月1回を月2回に増やし、それでもだめだから毎週に増やしたの。
そうすると、土曜日の午後に図書館に行けば必ずお話をしてくれるって浸透してね、少しずつ来る子が増えていった。
語り手も、回数が増えるとその分経験を積むわけで、だんだん慣れていったんだと思う。どんな話をどう語れば聞いてくれるかわかってくるの。
教えてもらうにも先生はいないし、先輩さえもいなかった。
そう、わたしたちはパイオニアだった!
若かったなあ~
まだ30代前半だった、信じられる?

いまでは、中央図書館ができ分館もふたつになり、3館ともおはなし会をしている。
幼稚園、小学校、学童保育。子どものいるところでは、たいていおはなし会がある。
「市内のすべての子どもにおはなしを!」ってひそかにささやかな決意を秘めてがんばったんだけど、もくろみ通りにいったぞ(笑)
たくさんの子どもたちと幸せな時間が過ごせた。
たくさんの良い出会いがあった。
だれに、何に、感謝していいかわからないほど感謝の思いでいっぱい 
いままでありがとう。これからもよろしく。

30年後、たぶん私はこの世にいないだろうけど、今年入門した人が、30周年を迎えてくれていたら、うれしいな。
それが何よりのご褒美かも。
いや、「おれは三段目を上っている、ピエトリン・ピエトルッチョ!」って叫びながら、入れ歯を飛ばしているかもしれない 

お~い、Kさ~ん。
わたしたち、30周年だよ~