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ヤン について

語りの森を作った魔女

お話の勉強会 🐌

講評するって、難しいんですよ。

いっちばん大事なのは、講評する人間は自分の好みで相手の語りを聴いてはいけないってことね。
自分がいちばん、というか、相手より上って思うと、自分を基準にしてしまうのね。
だから、選びも、声も、語りかたも、無意識に好き嫌いで判断してしまう。
それはとっても不遜なことなの。

そんな講師や先輩が必ずいうこと。
1、どうしてその話を選んだの?
2、以前、ほかの人が語ったのを聞いたときは、~~~だった。

わたし、若いころ、これでけっこう惑わされてね。迷って迷って(笑)
仲間にも悩んだ人もいるし。まああっけらかんと、ふう~んてやり過ごした仲間もいたけど(笑)

で、じきに開き直ってね。こんなふうに考えるようになった。
1、好きやからに決まってるやん。ほっといて。失礼な!
2、そんなん私、聞いてへんから知らんがな。再現できるんやったらやってみて。

だから、わたしは、こんな講評はしない。
もちろん、中級講座では、同じ話で違う再話や類話はなかったか、どうしてそのテキストにしたのかを説明してもらいますけどね。「ちゃんと他のテキストも見てから選んだんやろね。安易に飛びついてないやろね」ということね。ちゃんと調べる努力をしてから選びましょうということです。

初級講座はね、ふふふ、楽しいのよ。
とにかく語り手としての最初の話を聞いてますからね。おぎゃ~って生まれたときの。
途中からの人でもね、ピカピカの話を聞かせてもらってるから。
その人たちが、一話、一話、と成長するのを見るのが、ほんっとに楽しい。
語り手が100人いれば100の語り。
声の出し方や話し癖も、自分で気づきながらそれを味(個性)にしていく。

日常語講座は、もちろん、あなたの語りを追求しましょうって方向で、アドヴァイスします。
答えはあなたの中にある。

それでも、たった一つだけ、自分の中にきびしい基準を作っています。
「見えること」です。
わたしは聴くとき、じっと「見る」ことに集中しています。顔とちゃうよ(笑)
語り手が描き出す世界を、です。
その世界がぼやけるとき、そこはこうすれば見えるんじゃないかな、と思うことをアドヴァイスします。
それもその人の語りの中で、こうすれば、なんです。私ならこう語る、は、めったにいわない。
だから、相手によって言うてることが違うやんってよく言われます。
でも、せんじつめれば同じことを言っているわけです。

ババ・ヤガーでは講師のヤンがいて勉強するけどね、それ以外の勉強会では、みなさん、どんな感じかな?
おすすめは、お互いのいいところを言い合う会にすること。
10人いたとして、それぞれがよくない所を教えあったら、その人は10個の欠点をなおさなくてはいけない。ああしんど。
いいところを教えあったら、このままでいいってところが10個もある。次もがんばろうって思わない?

子どもたちに善意で奉仕している者同士、気持ちよく、楽しく、きびしく、成長したいですね。

『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』反響は・・・🐭?

みなさま。
『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』、語ってくださってますか~?
え? 気が早いって?
そうですね、出版してまだ2カ月にならない。
どうやってそんな短期間で覚えるねんって?

でも、覚えやすくないですか?
「覚えやすい」だけがじまんの再話・・・
いやいや、そんなに卑下しなくってもいいだろう。
聴きやすい、はずです。
子どもの反応はどうですか?

語りやすい、はずです。
くせのない、ストレートだけど柔らかい文体を目指しているので、素直に語れば伝わるはずです。
接続語は最小限だから、間(ま)は、語るあなたが決めればいい。
それが難しいって?
いやいや、それこそがその話を自分のものにするってことなのですよ。
これは、初心者でもベテランでも同じです。
心情表現も最小限だから、あなたの気持ちで語ればいい。
説明的な個所も極力省いているので、先へ先へと語っていける。
情景描写も必要最小限、キラッと入れているだけなので、自由に想像できるはず。

と、まあ自画自賛(笑)

じつは、すでに語ってくださっているかたたちがいて、それを聞かせていただくのがうれしくて仕方がないのです。
わが子をたいせつに育ててもらっているって思いがするのです。
100人いれば100の語りがあるように、わたしはひとつ再話しただけなのに、たくさんの子どもになって、手を振ってくれているような、そんな気持ちです。

それから、ホームページを通じてお求めくださっているたくさんのかたがた、ありがとうございます。
手に取ってくださって、いかがでしたか?
満足してくださったら嬉しいのですが。
北は秋田や山形から、南は九州まで、全国のかたが連絡くださっています。

さらに精進して、おもしろいと思っていただける再話をめざします。
感想や批判もいただけると嬉しいです。

PS.
何がうれしいって、子どもたちが「え~~~っ! おばちゃん作者なん!」ていったとき。
わたし「いや、作者ではなくってね。昔話っていうのはね、もごもごもご(照れ笑い)」

おはなし会ご報告 💧

このサイトは、おはなしのサイトであった。
けっして勉強ばっかりしているわけではない。
みな日々子どもの集まるところへ出かけてはおはなしを語っているのだ。
頭でっかちであってはいけない。

ほんで、報告ね。

🌷4月🌷

幼稚園 4歳児
🎵ろうそくぱ
おいしいおかゆ 「おはなしのろうそく」東京子ども図書館
🎵ろうそくぱ

幼稚園 5歳児
🎵ろうそくぱ
さんびきのくま 村上再話 ホームページ
🎵ろうそくぱ

小学1年生
さんびきのくま 村上再話 ホームページ
だんまりくらべ 村上再話 ホームページ

学童保育
かえるの上方見物 『日本の昔話』小澤俊夫再話/福音館書店(仲間)
ひなどりとねこ 『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業之日本社
絵本3冊

🎏5月🎏

幼稚園 5歳
🎵ろうそくぱ
うりひめのはなし 「おはなしのろうそく」
🎵ろうそくぱ

小学1年生
さんびきのくま 村上再話 ホームページ
だんまりくらべ 村上再話 ホームページ

小学3年生
金剛山のとら 村上再話 未公開
屋根がチーズでできた家 『子どもに語る北欧の昔話』こぐま社(仲間)
こびとのおくりもの 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上再話
お話の大好きな王さま 『山の上の火』渡辺茂男訳/岩波書店
📖ブックトーク「身近な自然」

小学4年生
ルンペルシュティルツヒェン『語るためのグリム童話』小峰書店
金剛山のとら 村上再話 未公開
うそつきくらべ  『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上再話
📖ブックトークあまんきみこの本

学童保育
竹の子童子(仲間) 村上再話 ホームページ
うりひめのはなし 「おはなしのろうそく」

図書館の毎週のおはなし会は、省略~

さていよいよ来週から7月上旬にかけてほぼ毎日おはなし会が続きます。
吸血鬼のように子どものエネルギーを吸いとってやるう。

ええと、話変わって、12月に語りの森忘年会せえへん?
ほら、総会の時に、またやりたいってみんな言ってたやん?
交流語りの会で年忘れ。どない?

忙しいときに限って、さらなる行事を考えてしまうヤンであった。

新緑を求めて 🌳

滋賀県余呉町の菅並へ行ってきました。
美しい静かな山里です。

山里らしく栃餅と山椒が産品です。下の写真は栃の花。

洞寿院の六体地蔵さま。お顔がいいでしょ。禅宗の道場です。

静かな里のなかの道を歩いていたら、見つけました。
これもお地蔵さまです。
真新しいお花が供えてありました。

丹生川です。
カッパが棲んでいそうです。

菅並からバスでJR木之本駅にもどりました。
1時間に一本の電車を待つあいだ、北國街道をすこし歩きました。

ちょっと命の洗濯をしました。
いつか木之本に引っ越して来ようねって夫と話しました。

高校生と絵本 📖

毎年この時期に、高校へ絵本読み聞かせの授業に行きます。
最近の高校は、カリキュラムがバラエティに富んでいて、普通科でも保育選択授業というのがあるのです。
保育園への実習も充実していて、専門的に学んでいます。

きょうは、全5コマのうちの最初の日。
事前アンケートで、子どものころどのくらい読み聞かせをしてもらったかを尋ねています。今年のクラスは、あまり記憶がない生徒が多かったですね。
そこでまずは読んでもらう体験をしてもらいます。私が読むのね。

『ぐりとぐら』なかがわりえこ・おおむらゆりこ/福音館書店

これは覚えている人が、まあありましたね。定番ですから。
でもほぼ全員が目を光らせて聴いていました。
「幼児は、「おしまい」って言ったら、「もっかい」っていうから、もう一回読みます。また「もっかい」って言ったら、また読む。子どもは、このお鍋のふたを開ける場面を待ちかまえてるのね。その期待にちゃんと応えてあげるの」
このコメントだけで、高校生は深い目をします。

『はらぺこあおむし』エリック・カール/偕成社

これは、かなり笑顔が出ましたね。
そう、高校生は初めてのおばちゃんにはなかなか心を開かないのです(笑)
「このあなのところ、たいていぼろぼろになるよ。食べるのって、子どもはとっても興味を持つ。生きるための本能ですね。
このさなぎからちょうちょになるところ、いいでしょ。子育て中のお母さんとかは、ここでほろっとしたりする。しんどいことが多いからね。で、自分はさなぎだって。わが子もさなぎだって。でも、こんなにきれいなチョウになる」
うなづく生徒もいます。
それから、「そのばんあおむしはおなかがいたくてなきました」のところ、本を近づけて、左下の青虫の顔を見せます。
「かわいい~」
やっと声が出ます(笑)

『よあけ』ユリ・シュルヴィッツ/福音館書店

このあたりでは、生徒たち、実習のことなんか忘れて聞き入ります。
「しぶいでしょ。で、きれいでしょ。こんな静けさを小さな子が体験するの。すごいでしょ。こうなったらもう、大人も子どももないですね。いいものはいい。だれにもつうじるのです。見開きから裏表紙まで、ぜんぶ見せてあげてね。これ全体が作品だからね」

後半は、赤ちゃん絵本。
『いないいないばあ』松谷みよ子/童心社
『ばいばい』まついのりこ/偕成社
『おにぎり』平山栄三/福音館書店

「子どもは何度も何度も読んでくれとせがみます。おとなはそれに応える。けどね、「ばいばい」「こんにちは」ばっかり、ほんとだったら読むの嫌になると思いませんか?でも、読むのです。それが、愛情。絵本は、子どもが読んでくれる人の愛情を確かめるためのものでもあるんです」

今年のクラスは、私のコメントを、どんどんノートに書き込んでいました。
かきかきしてる生徒たちを見て、心の中で「あんたら、ババ・ヤガーのおばちゃんか!?」って、ひとりで突っ込み入れてましたね(笑)
生徒が熱心だったら、教える方も熱が入る。
だから、50分の授業があっという間に終わりました。楽しかったですよ。

来週からの4コマは、いよいよ生徒が選んできた本を読んでの発表です。毎年、これが楽しみなのです。
どんな本が出てくるか!