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語りの森を作った魔女

蒜山高原  スイトン編

img_0675蒜山高原には、お化けがいます。
お化けって、どこにでもいますねえ。
蒜山のお化けは、どこからともなくスイーッとあらわれて、トンって立つんですって。
で、名前がスイトン。
べつになんにも悪いことはしなさそうなのですが、恐いですね。

みんなでしゃべってたら、スイーッと来てトン。
あ、・・・こわくない!

 

さて、蒜山盆地のimg_0694ほとんどの見どころは、今回までにもう見終わってたんだけど、まだ行ってなかったのが、蒜山郷土博物館。
行ってきましたよ。

6世紀ごろにつくられた四ツ塚古墳群の埋蔵品とか復元したものとかが展示してありました。
今年が、発掘されて100年になるんだって。
それで、10~11月は講演会とかがあるそうです。

博物館に隣接して古代体験の森があって、竪穴式住居が復元してありました。写真は、竪穴式住居ね。

 

博物館の周りの風景をご紹介しましょう。img_0697
はるかに加茂神社の鳥居が見えま~す。
旭川の土手のススキ。はるかに続きます。
旭川は蒜山高原に源流があり、中国勝山を通って瀬戸内海に流れていきます。

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牛と馬を祀る神様です。中央の木の向こう側に小さな祠があって、その右横に石造りの牛がいます。img_0701
ずいぶん古い像です。
村の人たちは、今も季節のお祭りをしているそうです。

あしたの日記は、コミュニティーバスの旅です。

ヤン


蒜山高原 アケビ編

暑い夏を乗り越えて、痛いけがを引きずって、ようやく秋の休暇をとってきました。

蒜山高原は岡山県。ひるぜんと読みます。
鳥取県との境、真庭市にあります。まにわと読みます。
真庭市は、昔話がたくさん残っているところです。
いつか再話してご紹介します。

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左が皆ガ山で、右が蒜山三座。
いつもなら、レンタサイクルで高原を走り回るんだけど、今年は恐くって乗れなかった~
ペダルこぐたびに右ひざがキクってなるねん。
え~ん。
休暇村の窓から見ると、下蒜山のさらに右から太陽がのぼる。壮観。

 

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皆ガ山の南山麓に、山ぶどう狩りのできるぶどう畑があって、すっぱいけど野趣あふれるぶどうが、谷間になっててね、それをめがけていったんだけど、ぶどう狩り体験は前日に終了してました。

今年は早く終わったんだって。
がっかり。

 

 

 

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でも、アケビをとりましたよ~
あまくって、おいしかった。

え?アケビ、笑ってるって・・・?
えへ、へへへへ

アケビってね、おばあさんのおしりなのよ。
おじいさんが山へ行ったら、どこかから「とっつこうか~、ひっつこうか~」って聞こえてきたの。
「とっつきたきゃとっつけ」って言ったら、背中に小判がべた~ってくっついた。
おばあさんがまねしてね、やっぱり山行って、「とっつきたきゃとっつけ」っていったら、馬のうんこやら松脂やらがくっついた。
おじいさんが溶かしてとってやろうと思って、いろりの火でおばあさんの背中をあぶったら、おばあさん、もえちゃって、灰の中に、おしりだけがのこったの。

おじいさん、おばあさんのおしりを風呂敷に包んで旅に出た(なんでやろね)。
夜になって泊めてもらおうとしたけど、「おばあさんのおしりとふたり連れ」って言ったら、「おじいさんひとりなら泊めてやろう」っていわれて、こまっちゃった。
三軒目もだめだったし、おじいさん、おばあさんのおしりを河原に埋めて隠したの。そして、ひとりで泊めてもらった。
でも、おばあさんのおしりがかわいそうでね、朝早く河原に行って掘り出そうとしたら、アケビが生えててね、実がおばあさんのおしりにそっくりだったんだって。

おしまい。

この話、岡山県の昔話をいっぱい集めた立石憲利さんが語ってられたのを聞いたことがあって、覚えたのよ~

旅の続きはまた明日~!

ヤン

 

 

 

 

あと50cm

手前で曲がればよかったのだ。
後悔したときにはすでに目の前に電信柱が迫っていた。

なぜいつものようにリンリンと鳴らしてゆっくり右に曲がらなかったのか。
記憶がない。

ぶつかる、と思った瞬間からの記憶はスローモーションで残っている。

ブレーキをかけた。
首ががくんとゆれた。
お、頭って重たいんや。
これは、このまま倒れたほうが賢明だ。

スキーの要領で、左にこけた。
しかし、下は雪ではない。
舗装道路は、硬い。

痛くはない。
が、なぜか起きあがれない。
横たわっていると、むこうから、工事のお兄ちゃんがふたり、走ってきてくれた。

「だいじょうぶですか」
「あ、ありがとうございます。だ、だいじょうぶ・・・」
「送りましょか。家どこですか」
「すぐそこです。だいじょぶです」
むりやり起きた。

ありがたいことだ。
そして、ほんとにだいじょうぶだと思ったのだ。
このまま図書館のおはなし会に行こうと思ったのだ。
が、からだががくがくふるえはじめた。

なんでや~!

けっきょく病院で時間外治療した。
先生「軽傷ですね」
わたし「あ、軽傷ですか」

むち打ちは軽くすみ、左半身の擦り傷と打撲ですんだ。
けど、三日たった今日、あっちもこっちも痛い痛い。

とつぜん、おはなし会を代わってくださった、おらふさんジミーさん、ありがとうございました。
われらがらがらどんは不滅です。

あ~あ、気をつけよう。

ヤン

 

2学期だ!

8月26日が始業式。

さっそく28日からおはなし会がはじまりました。
子ども「わあ、きたきた~」
わたし「え~?なんやて~?」
再会を喜んでくれる子どもたちの顔がまぶしい。
支援学級は少人数なので、絵本を読んで、そこからあれこれと話が弾む。楽しい!

きょうは、1年生。
「腰折れすずめ」
「ギーギードア」
吸い取り紙のように言葉を吸い取って、イメージしたものを素直に顔に表してくれる。
「悪う~」
「ばちがあたったんやな」
「ベッド、どんだけ大きいねん」

まだまだ暑い。
でも、暑さをぶっ飛ばす子どものエネルギー。

学校は楽しいよ。
友達と遊ぶのは楽しいよ。
お話は楽しいよ。
と願いつつ、2学期だ~

夏風邪ひいたヤン
あかんヤン

ふしぎなオルガン

生まれて初めて語りを聞いたのは30年近く前。
ストーリーテリングがどんなものか、松岡享子さんの本では知っていたのですが、聴いたのはその時が初めてでした。

「ふしぎなオルガン」
リヒャルト・レアンダーの創作童話です。

先生のすんだ美しい声を聴きながら、情景と心情がまざまざと心に浮かびました。
最後の場面では、美しいステンドグラスの教会いっぱいに、オルガンの音が鳴り響きました。

そのときの先生の講座が、語りを始める入口でした。
わたしは、いつかきっと、あんなふうに「ふしぎなオルガン」を語ろうと思いました。

先生に語ることの喜びを教えていただき、ずっと走ってきました。

おはなしで出会った人とは深くわかりあえると信じて、でも、そんなことはないのだということも、人から教えられました。
人生の半分近く語りつづけて、つらいこともいろいろありました。
それでも、子どもに語ることは、何よりも幸せでした。
先生と出会わなければ、この幸せはありませんでした。

先生、ありがとうございました。

最後に聞いた先生のおはなしは「じろはったん」でした。
関西弁がうれしかったです。

今、私の目指すところは、口承の復活です。
そんな話も、いつか聞いて頂けるような気がしていました。
風樹の悲しみ。

「ふしぎなオルガン」は何度か挑戦しましたが、まだ語れません。
もうあきらめて、いつか、雲の上で、もう一度聞かせていただける日を楽しみに待ちます。

先生、わたし、おはなしを続けますね。
ありがとうございました。

合掌