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語りの森を作った魔女

1月のおはなし会🎍1

1月15日(月)
こども園4歳さん

ろうそくぱっ
おはなし「おおかみと七匹の子やぎ」『語るためのグリム童話1』小澤俊夫監訳/小峰書店
絵本『ならんでならんで』
ろうそくぱっ

なんだかとってもおりこうちゃんで聞いてくれました。
なんだかって(笑)、失礼やね。
ぐんぐん成長しています。

こども園5歳さん

ろうそくぱっ
おはなし「がちょうはくちょう」『おはなしのろうそく』東京子ども図書館
絵本『ならんでならんで』
ろうそくぱっ

子ども「なが~い」
子ども「みじか~い」
わたし「(心の中で)どっちやねん」
子ども「ながいけどみじかい!」
ようわからんけど面白かったみたいです(笑)
来月が最後のお話会です。何をしようか迷い中~

 

 

あっという間の・・・🐐🐐🐐🐐🐐🐐🐐

コロナで休止していた図書館のおはなし会が、昨年7月に再開して半年がたちました。
コロナ前の常連さんたちがみな成長して大きくなったからもう来てくれないし、いちからの出発です。
静かなお話の部屋ではなく、フロアの隅の開放された場所でやっています。
こらもう、定着するまで3年はかかるなと覚悟して始めました。
特にストーリーテリングは、大人も子どもも「これなんや?」状態から始まりました。

でね、まだ3年たちませんが、なんとか常連さんができてくれました。
そして、終了後の胃痛は最近やっと治まって、土曜日がちょっと楽しみになって来ました(^///^)

いつもはおらふさんが書いてくれる報告ですが、今日は、ヤンが書きます。

1月13日(土)
図書館のおはなし会。
30分があっという間に終わりました。くたっ・・

プログラム
手遊び おもちやいて
おはなし 「おおかみと七匹の子ヤギ」『語るためのグリム童話1』小澤俊夫監訳/小峰書店
絵本 『すしん』たなかひかる/ポプラ社
絵本 『じかんだよー』さいとうしのぶ/白泉社
絵本 『ぼくびょうきじゃないよ』角野栄子文/垂石眞子絵/福音館書店
手遊び さよならあんころもち

参加
子ども15人 大人8人

子ども「おおかみだって家族がいるんだから、悲しいと思う」
わお~。ヤンは何も答えられなかった!
七匹の子ヤギが終わって絵本に移ろうとしたときに、こそっと言ってくれました。
たぶん6歳の男の子。
少し離れた窓の所で向こう向いたりしてたから聞いてないのかなと思ってたんだけどね。聞いてた。めっちゃ聞いてた╰(*°▽°*)╯
想像力と繊細な気遣いに、うれしくなりました。
このことをずっと心のどこかにしまっておいてほしいな。

あ、だから悪者のオオカミを殺さないようにストーリーを変えるといい、というのではないですよ。
変えずにそのままオオカミが死んじゃったからこそ、この子はそういう感想を持ったわけだからね。
「オオカミがかわいそう」は、大人が言ってはいけない。大人は、「もうオオカミは現れないから大丈夫だ」って、子どもを安心させないといけない。で、その安心の中で、子どもは「でもオオカミかわいそう」と思ってもいいということです。思わなくてもいいしね。

その証拠に、オオカミが部屋に飛びこんできたとき、両耳をぐっとふさいでいた女の子がいました。やっぱり6歳くらいの子。
恐かったんだ。
オオカミが死んでよかったね。
恐さに耐える力を物語の中で育てるのが、わたしたち大人の仕事です。

さてさて
わたしがひとこと話すたびに、同じことを2歳の孫に大きな声で繰り返すおばあちゃんやら、「知ってる!」って顔で先を教えてくれる子どもやらを相手に、こけつまろびつのオオカミと七匹の子ヤギでした~

わたし「入ってきたのは・・」
子ども「オオカミ!」
わたし「そう、オオカミでした」
子ども「時計の中に隠れるねん」
わたし「待って!順番や!」

おはなし会で読んだ本は、そのまま借りて帰れるようにしてるのね。
きょうも、3冊ともなくなりました。
『すしん』は、3人で取り合いになって、じゃんけんしてもらった。
負けた子がひっくり返って泣いていた。
うん、面白い本やけど、そこまで面白かったんや~
ヤンは『ぼくびょうきじゃないよ』が好きです(*^▽^*)

 

 

 

絵画展のテレビ📺

テレビ見てたらね、美術の先生が、ダ・ビンチのモナ・リザの絵とピカソの女の人の絵を並べて、生徒役の人たちに違いを説明してたの。

モナ・リザは、写実的。
ピカソのその絵はキュビズム。だから、抽象的。

でね、共通点は何かって、先生、質問した。
みんな分からなかったのね。それで、先生が答えを言った。
わたしは、どっちも美しいって思ったんだけど、答えはそんないいかげんなものじゃなかった。
答え=どちらもリアリティを追求している。

おおお!
そうだったのか!
そうだそうだ~!

小説は写実的。
昔話は抽象的。
共通点は?

そう、どちらも、よい作品にはリアリティがある。

小説はリアリティがなければ、嘘くさい三文小説になるし、昔話はリアリティがなければ、子どもは聞かない。

ほら、子どもは最小限の言葉から想像を大きくふくらませて昔話の世界を生きるでしょ。
「おしまい」って、世界から出てきたとき、子ども、「それほんま?」って聞くよね。
そう、リアリティがあるってことね。

だから、語りもリアリティを追求すればいいんだ。
そんなテキストに再話したいって思ったo(*^@^*)o
なんでも勉強になるね。

いつ何が起きてもおかしくない世の中。
今できる精いっぱいのことをしよう。

 

 

八月の御所グラウンド📖

児童文学じゃないんだけど、若い人の心もつかむかなと思って紹介します。

『八月の御所グラウンド』万城目学/文藝春秋 2023年

「十二月の都大路上下(カケ)ル」は、京都で行われる高校女子駅伝のひとコマ。短編です。
主人公はどうしようもない方向音痴で、しかもいきなりピンチヒッターで走ることになる。
なぜか途中から新選組の一団がいっしょに走る。時間の重層は、万城目学の真骨頂ですね。

それは、「八月の御所グラウンド」で顕著で、こちらではそれがストーリーと関わって、ミステリアスに読者を引っ張っていきます。

どちらの作品も京都市内が舞台なので、よく知っている土地ばかり出てきます。8月の京都の地獄のような暑さの描写もめっちゃリアリティがあります。

「八月の御所グラウンド」は、謎解きを、笑いながら楽しんでいるうちに、ラスト、もう泣けてきてどうしようもなかった。

どうでもいい話をたくさんしよう。

ネタバレになるから書けないけど、ほんと、読みやすいし、感動的だし、読んでみて!

****************

きょうは、《奈良の民話》はおやすみで、《おはなしひろば》の更新。
「福の神はくさったさくらんぼの中に」
夢の話です。

 

弱いものこそ幸せに👶👧👦

新しい年が明けました。
京都府南部は、快晴とはなりませんでしたが、暖かな元日をむかえました。
みなさまのところは、どのようなお正月をお過ごしですか。

1月1日は初詣。
いつもの地域の神社にお参りに行ったら、まあ~、鳥居の外まで参拝者の列。
足の神さまだけお参りしておみくじ引いて帰って来ました。

本年もよろしくお願いいたします。
子どもたちが幸せだって思える世の中になりますように。

と、ここまで書いたところで、地震!!
家族3人、テーブルの下に避難。
阪神淡路のときよりは揺れは小さかったけれど同じくらい長く続いた。
こわかった。
震源は能登半島。震度7。津波警報。
まだ被害の状況は分からないけれど、夜になるし、みなさま、どうぞご無事でいてください。

自然災害は恐ろしい。
でも、止めることのできる人間の起こす災害はもっと不気味で怖ろしい。

年の始めに想います。

わたし、戦争を止めることはできないし。
自ら命を絶つ子の数には涙するしかないけど。

心がふっと軽く明るくなるようなおはなしを、子どもたちに届けたい。
つらいときふと思い出して励まされるような、おはなしを届けたい。
それならできるかもしれない、と思います。

勉強して、
考えて、
練習して、
考えて、
また練習して、
考えて、
勉強して。
なんの才能もなくても、努力することは、わたしにだってできます。

自信はなくても、勇気を出して今のせいいっぱいで差し出す。
かならず受け止めてくれるかといえば、外れることのほうが多いけどね。
努力を積み重ねていけば、いつか伝わるから。
子どもは賢いから。

愚直に、
誠実に、
また1年、歩いて行こうと思います。
いっしょに歩いてくだされば光栄です。

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1月ホームページは、毎日《奈良の民話》を1話、UPします。こちら⇒
奈良教育大学の竹原威滋先生の依頼で奈良に残っている昔話や伝説をひたすら再話したのはもう十数年前になります。計145話。
同時に語り手の養成講座も数年にわたりお引き受けしました。
奈良の民話を、語り手の普段使いの言葉(=日常語)で語るプロジェクトです。
この経験で、口承について再話について、実践的に知ることができました。
再話は、書籍として残りましたが、本来は語るべきものです。
講座での語り手たちは、もちろん、いまも語ってくださっています。
が、再話テキストは我が子のようなものです。自分で語り伝えたい気持ちが強くなりました。
そこでその語りの場として、語りの森HPをつかおうと思った次第です。
本で読んでくださっている方も、ぜひ耳を傾けてくださいね(^///^)