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語りの森を作った魔女

最後の語り部📚

『最後の語り部』ドナ・バーバ・ヒグエラ著/杉田七重訳/東京創元社

翻訳が今年の4月に出たばかりの本です。

とにかく感動。
とちゅう何度も涙があふれた。
読み終わってしばらく動けなかった。

題名を見たときは、歴史とか過去の物語かと思ったのね。
ところがそうじゃなくて、舞台は2061年から始まる。主人公は380年の時間を未来に向かって旅する。
そう、SFなのです。

ハレー彗星が地球に激突する。どうやっても避けられない。地球滅亡の運命。そこで人類は、限られた人を選んで、宇宙船を打ち上げる。
人間の住める星を目指して、せめて人類の子孫が生き残るために。

選ばれた人はポッドと呼ばれるカプセルに入れられて眠り続ける。眠っているあいだに、特別の能力が、脳にインプットされる。
ポッドに眠る選ばれた人の世話をするため、世話人たちも乗り込む。世話人たちは380年の間、世代交代しながら宇宙船の中で人生を送る。

主人公は12歳の少女ペトラ。
両親と弟ともにポッドで眠るために宇宙船に乗り込む。
ペトラは、植物学に関する、人類のすべての知識を脳にインプットされる予定。
ペトラ自身は、植物学者じゃなくて語り部になりたいんだけどね。だから、人類のすべての物語をインプットしてほしいの。

新しい惑星で、語り部になって、地球の物語とその先の自分たちの物語を人々に語りたいって思ってる。
ペトラのおばあちゃんは、伝承の語り手で、ペトラは子どものときから語りを聞き続けてきた。

そのおばあちゃんの語りの場面が、いいのよ~
伝承とは何かという作者の考え方も、すてき。

ペトラは380年後にポッドから出されるんだけど・・
眠っているあいだに・・・

びっくりする事件が次から次と息つく暇もない。
読んでのお楽しみ╰(*°▽°*)╯

ああ、人は、物語がなければ、ほんとの人間にはなれないんだ。

 

 

 

じいちゃんばあちゃんもとうさんかあさんもみんな一緒に🌞

9月2日(土)
図書館のおはなし会(*^▽^*)
子ども8人 大人8人

プログラム
じゃんけん ちーちゃんぱーちゃん
おはなし「カメの笛」『ブラジルの昔話』カメの笛の会
絵本『みず、ちゃぽん』新井洋行作/童心社
絵本『なにをたべたかわかる?』長新太/絵本館
絵本『みんなうんち』五味太郎/福音館書店
絵本『ちいさいじどうしゃ』ロイス・レンスキー作/渡辺茂男訳/福音館書店
手遊び さよならあんころもち

今日は、ちょっと年齢が低かった。
「カメの笛」って、やっぱり小さい子にはストーリーについてくるのが難しいのね。
頭の上に「???」が浮かんでる小さな子どもたちに、「わかってくれえ~」って念じながら一生懸命語ったんだけど。ほんと、語りのいい勉強になります(笑)
でも、大人の方たちからはひそかな笑いが聞こえてて、ま、よかったかな。

子どもの親だけでなく、ご自分が聞きたいと思って周りの椅子に腰かけて聞いてくださっていた年配のかたが何人かいてはりました。
楽しんでくださってたんだけど、カメがヒョウの骨を拾うところは、まゆをひそめた人たちがいました。
これって、ほっといたらあかんなって思ったので、
「これは、ブラジルの子どもたちに伝わっている昔話で、弱いものが強い者に勝つ話なんです」って、言わずもがなの一言を言ってしまった。

でね、その一言を言ったとたん、語り手としてのわたしの気持ちがね、その場の全員に向かって開いたの~~
これ、囲炉裏端のおはなし会やん。
そのあと絵本を読んでるとき、子どもと一緒にお父さんまで、笑ったりなんじゃかんじゃ言うてはりました。

オープンなのって、いい╰(*°▽°*)╯

今日は、読んだ4冊の本、てんでにぜんぶ借りていってくれました。
うれしい!

けじめ😊

ようやく9月の声を聞いたけど、ぜんっぜん夏は終わらない。
つくつくほーしもこおろぎすずむしも鳴きだしたけど、ぜんっぜん涼しくならない。
なんで(⊙x⊙;)

ヤンは8月に一個歳をとるんですよね。
一個歳とるごとに先のことを考える、っていう年代に差し掛かっております。
8月はババ・ヤガーの勉強会がお休みでした。だいたいが暑さが苦手なのでね、お休み。
そのあいだに、一個歳をとって、がく然として、考えた。
体力集中力が衰えても一番やりたいことをやるにはどうしたらいいか。

答え
勉強会の運営をやめる。
あ、運営って、日取りを決めたり会場を確保したりそれを会員に伝えたり、会費を集めたり支出したり、出欠連絡に対応したりなど、会を維持存続させるためのもろもろの仕事ね。

え、なんで?って(っ °Д °;)っ

子どもに語ること、再話すること、このふたつが、わたしのやりたいことのすべてで、もうこれだけをやっていたい!
わがままかね?
再話は、資料を読んで見つけた話を多くの人に伝えることやから、子どもに語ることと同じ意味が、わたしにはあるのね。
許されるなら、最後まで、伝承する者として生きていきたいなと思ってる。

もちろん、培ってきたスキルを後輩につたえることは全然嫌じゃない、お役に立ててもらえればうれしい。
だから、たのまれれば、可能な限り講師やアドヴァイザーとして勉強会に出向きたいです。
どんな遠くでも行くよ~

ただ、勉強会やおはなし会の運営は、もう卒業させてもらってもいいかな。
エネルギーのある次の世代に任せたいと思うのよ。
ヤン、もう十分やってきたからね。

ほんと、年を取るとね、今までやって来てたあれもこれもはできなくなるのよ。
みんな、覚えておいた方がいいよ。

ババ・ヤガーの運営は、ジミーさんとふたりでやっています。
いま、どんなふうにフェードアウトしようか、ふたりで考えています。

どんなグループでも、世代交代って難しい課題だと思います。
次の世代が気持ちよく、時代にあった活動をしてくれるように、先輩世代はでしゃばらず、でも的確なサポートをしたいですね。
そして、若い世代の人たち、先輩を上手に使ってやってくださいね。

 

 

フリスビーおばさんとニムの家ねずみ

『こどもとしょかん』の夏号に紹介されていて、あれれ、読んでないぞと思って、読みましたo(*^@^*)o

ロバート・C・オブライエン作/越智道雄訳/冨山房1979年刊

44年前の刊行だけれど、テーマも設定も全然古くない。
現代人の陥っている危険をねずみたちの物語で警告しています。

借り物の人工物で便利な生活を手に入れたねずみたち。
といっても、そこに至るまではけっして平坦な道ではなく、危険や苦労や努力や工夫を重ねて、自分たちの文明世界を作り上げます。
けれども、同時に、借り物ではなく、自然と共存する生き方こそ本当の幸せではないかと、気づきます。

不安はあっても、行くべき道を求めて別天地へ旅立つねずみたちに、希望が見えます。

童話館から再版されています。

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毎日暑くて青息吐息、体力の減退にめっちゃ滅入っている日々ですが、読書で何とか乗り切っておりますです。
みなさまも、夏の疲れが出ませんように!

こんなに暑くても🍉

図書館に行けば人がいます。
図書館に来る人は、老いも若きも、本の好きな人たちです。
同好の士です。
ちょっとほっとします。

きょうは図書館のおはなし会

子ども7人、大人5人(だったと思う~笑)

てあそび「メロンパン」
おはなし「瓜こひめこ」『おはなしのろうそく12』東京子ども図書館
絵本『なつやすみ』麻生知子作/福音館書店
絵本『わゴムはどれくらいのびるかしら』マイク・サーラー 文・ジェリー・ジョイナー絵・きしだ えりこ 訳/ほるぷ出版
絵本『アボカド・ベイビー』ジョン・バーニンガム作/青山南訳/ほるぷ出版
絵本『10ぱんだ』岩合日出子文/岩合光昭写真/福音館書店
てあそび「さよならあんころもち」

『なつやすみ』は今年出版されたばかりです。
いとこ一家が泊まりに来て、夏の一日を過ごします。
みんなでプールに行って、お昼ご飯はそうめんと巻きずしと天ぷら、昼寝、おやつのスイカ、浴衣を着ておまつりへ。打ち上げ花火。
何十年昔と変わらない風景が細かい絵で描かれます。
おはなし会の後、借りて帰った子がいましたよ。

はやく涼しくなあれ!