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語りの森を作った魔女

日本一長い路線バスその2🚌🚌

9時15分、いよいよ大和八木駅発車です。
路線バスといっても、さすが距離が長いので、観光バスのような乗り心地の良いバスです。
最終地点新宮まで行く人は、わたしたち含めて8人だけ。
途中での乗り降りもあるけど、めっちゃ少なくて、がらがらです。採算とれるのかな?

十津川沿いを、バスはひた走ります。
狭い急カーブもなんのその。だいたいが十津川って、紀伊山地を曲がりくねって流れてるのね。その川と山のあいだにへばりつくように集落がある。その集落のためにこのバスは走っているのです。

かわいいラッピングでしょ~

とちゅうに谷瀬(たにぜ)のつり橋があります。
長さ297メートル高さ54メートル!
これが揺れるのよ~~~~
が、しかし、今回はメンテナンス中で渡れませんでした。
前回は子どもが3歳と5歳で、5歳は平気でチャチャと渡ったんだけど、3歳と私は渡れへんかった。3歳は父親に肩車してもらったんだけど、かえって高くなって怖かったんと違うかな。
バスの休憩は20分。急いでいけば行って帰ってこられます。

写真上部の黒っぽい四角いのは「工事中で渡れません」って書いてあるの。


これは、十津川温泉のお湯を売っているスタンド。
そばに足湯なんかもあります・

十津川温泉、湯の峰温泉、川湯温泉と、バスは温泉地をめぐります。
ひなびた風情のある温泉地です。
ゆうるりと湯治に行きたいです。

もうそろそろ6時間以上乗ってるのに、なかなか山から出ません。
どんどん下ってるんだけどね。
気が付くとまた上ってたりして。
つぎは「新宮高校前」って表示があるのに、まだまだ山の中をぐんぐん走ります。
なんか不安になってきてねぇ
運転手さん、きつねにだまされてるんちゃう???

16時20分。30分遅れで新宮に到着。

電車の発車まで時間があったので、浮島の森に行きました。
ここは池に島が浮いているのです。水の上に浮かんでるの。
池の上に泥炭が浮かんでて、そこに植物が育って森になっているという不思議な地形。
泥炭はサロベツでは見たんだけど、こんな温かい地では珍しいんだって。
「おいの」という娘がへびにつかまってへびの穴に引きこまれるっていう伝説があるそうです。

きょうはここまで。
あしたは那智勝浦町の宇久井の宿です。

 

 

日本一長い路線バス🚌

日本一長い路線バスに乗ってきました。
奈良交通の八木新宮線です。
路線バスだから、ふつうに生活のために使われているバスですが、始発から終点まで約7時間!

朝出発のバスに乗るので、大和八木で前泊した。
どうせ泊まるんならと、前日は大和八木を楽しむことにした。
昼食は、耳成駅から徒歩15分のJAまほろばキッチンのビュッフェ。といえば、思い出す方も多いだろう。あれは何年前だったか、がらがらどんの遠足で行きましたね~
えっと、調べたら7年前でしたね。がらがらどんツアー「奈良の民話を語る会」。
あのときは、昼食後、今井町を散策して、おはなし会もしたんですね。
今井町町内交流センター花甍っていう県指定の文化財になっているふる~い建物で語りの会をやった。
『子どもと家庭のための奈良の民話』所収の話をほぼ全員が語りました。
総勢24名で楽しかったな~

おっとっと、今回は、今井町まで足の延ばさずに、駅ちかの八木町を散策しました。
ここも古い町並みが残っています。
これは、江戸時代の旅籠(はたご)。ほら、水戸黄門とか時代劇に出てくる宿。

この向かいに、同じような旅籠をリノベーションした八木札ノ辻(ふだのつじ)交流館っていうのがあって、見学できます。
江戸時代の旅籠は、1階が宿泊受付したり旅人が足を洗ったり、主人や使用人の部屋があって、旅人は2階で泊まるのね。
畳敷きの雰囲気のある部屋が並んでて、そこ、貸してもらえるのよ~
橿原市に申し込んだらいいんだって。特に定員はなくて、3部屋合わせて午前なら880円、午後なら1460円、安い!
へっへっへ。コロナが収まったら、おはなし会ようよ!

札ノ辻の近くにあった芭蕉の句碑。

草臥(くたび)れて
宿かる頃や
藤の花

きょうはここまで。

 

 

11月のおはなし会🍁

11月25日(金)

幼稚園4歳児

ロウソクぱっ
おはなし「おおかみと七匹の子ヤギ」
絵本『ならびました』五味太郎
ロウソクぱっ

わたし「おおかみと・・・」
子ども「こやぎ!」
知らないお話をしてほしいという生意気な子たちがムードメーカーです。
ハラハラドキドキしているくせに、要所要所で「ほらな!」「しってるわ」という顔をします。
こういう時は、語りにくいです。
『ならびました』は、最後の3場面ほどでやっと意味が分かったようです。遊べばいいんだとね。
それで、もう一回初めから読みました。今度は最初から笑ってくれましたよ~

幼稚園5歳児

ロウソクぱっ
おはなし「三枚のおふだ」
絵本『こねてのばして』ヨシタケシンスケ
ロウソクぱっ

4歳児よりむしろ幼い雰囲気の子たちです。
「三枚のおふだ」も知ってる話なんだけど、いちいちびっくりしながら聞いてくれました。
今までで一番長い話。

帰るときは、ハイタッチ。
コロナ前と少しも変わりません。
子どもはいつでもお客様が大好きです。

***********

きょうのおはなしひろばは長野県の「ろくじぞうさま」。
笠地蔵の話です。
今日はとっても寒くて、北海道とかは雪が降ったというので、これを紹介しました。
聞いてくださいね~

『チャンス』ユリ・シュルヴィッツ📕

絵本『よあけ』の作者ユリ・シュルヴィッツの自伝がでました。
幼いころから14歳までの暮らしがつづられています。

『チャンス はてしない戦争をのがれて』ユリ・シュルヴィッツ著/原田勝訳/小学館/2022.10.03
児童文学です。

ユリ(本書では元の発音に近いウリ)はユダヤ人で、ポーランドのワルシャワに生まれました。
4歳の時に第二次世界大戦が勃発しました。
副題が「はてしない戦争をのがれて」と訳されていますが、「war」ではなくて「holocaust」です。
ホロコーストとは、ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺のことです。
両親は、幼いユリを連れてソビエト連邦へ脱出します。その危険な逃避行の苦しみは尋常ではありませんでした。

書名の「チャンス」という語には、「好機」「可能性」という意味のほかに「偶然」という意味があります。
ユリと両親が戦争を生き延び、ユリが画家になったことは、「偶然」の重なりによるものという意味です。
どのような「偶然」なのか、ぜひ読んでみてください。
人生って「偶然」の連続でできているのかもしれないと感じます。

本書の随所に、のちのシュルヴィッツを彷彿とさせるエピソードがあります。
ちょっとだけ紹介しますね。

何日も食べるものがなくて飢えに苦しんでいた幼いユリを支えてくれたもの。
ひとつは、お母さんが物語を語ってくれたことでした。
ギリシア神話、おとぎ話、お母さんが見聞きした話、映画のストーリー・・・

(引用)
こうした物語には、ぼくをどこか遠いところへはこび、知らない人たちの人生を味わわせてくれる力があった。おかげで、ぼくの想像力はかきたてられ、今も変わらない物語への愛情と、物語がもつ力への信頼をはぐくむきっかけとなった。(p140)

もうひとつ、ユリに空腹をわすれさせてくれるものが、絵を描くことでした。
食べるものがないくらいだから、まともな絵筆や紙はありません。それで、焦げた木片を使って、木の皮や枯葉に描き、花びらや葉をつぶして絵の具の代わりにしました。地面に棒で絵を描くこともありましたが、空腹で、体力がついていきませんでした。

(引用)
そのうちに、指で空中に絵を描けばつかれずにすむとわかった。通りかかった人には、頭がおかしくなってしまったように見えただろう。でも、ぼくは気にせず、せっせと指を動かした。・・・
それにもつかれると、ぼくは部屋に引っ込んで休んだ。土間に横になっているときは、今度は目をとじ、頭の中で絵を想像した。
それが木の葉の上でも、想像の中だとしても、絵を描くことはただの気晴らしじゃなかった。
ぼくにとっては、いつでも帰れる家のようなものだった。(p146)

引用が長くなりました。
シュルヴィッツのあの美しい輪郭と色が、こんな幼児体験を経て生まれてきたのだと考えると、涙がでます。

戦争が終わって、一家はふるさとのポーランドに帰ってきますが、ユダヤ人であるということで、差別を受けます。ふるさとも安住の地ではなく、親族を頼ってフランスに行きますが、そこでも長くは暮らしませんでした。
そのころ、ユリは14歳。難しい年頃です。
親友が欲しかったのに、得ることができなかったので、それならばと、友を作らず孤立します。そして、彼の真の友となったのは、『三銃士』の作者アレクサンドル・デュマであり、ポール・ファベルでした。どんどん冒険物語にのめりこみます。
そして、決して彼を裏切ることのない忠実な友、それは、絵でした。絵のおかげで、寂しがる暇などありませんでした。

春になったら、シュルヴィッツを読む会をしたいな。
お気に入りの絵本を持ち寄って、語り合いたいと思いました。

 

 

半そでで💉

もういっこ、終わった~
図書館の絵本入門講座が終了しました~

受講されたかたから学ぶことが多かった年でした。
とういうか、高校の講座でもそうだったけど、コメントされた言葉から触発されて感じることが多かったと言えばいいのかな。
絵本を読むことの意味を深く感じ取った年でした。コロナの経験も影響してるのかなと思います。
充実した1か月が終わりました。ありがたいことです。

さてさて、年末にかけては、ババの定期の勉強会とおはなし会、がんばります。
へっへっへ、うまくいけば、落語会と、温泉と、民博も。
と、遊ぶために、きょう、コロナワクチン接種に行ってきました~
オミクロン対応のやつね。

下に半そでを着て行ったら、お医者さまがほめてくださいました。
お医者さま「半そで、ありがとうございます」
わたし「いえいえ、こちらこそありがとうございます」

皆さん、予防接種は半そでで行きましょう~。ほめてもろたら嬉しいよ。