ヤン のすべての投稿

ヤン について

語りの森を作った魔女

昔話の解釈ー昔話に登場する人と物🦄

雨が降ってます。
おそろしいほどたくさん降ってます。
そろそろ日が暮れます。
早めに対策しましょう。

**********

マックス・リュティ『昔話の解釈』を読む。
第7章 昔話に登場する人と物

「昔話」って聞くと、どんな人物を思い浮かべますか?

おじいさん。おばあさん。庄屋の娘。貧しい若者。・・・・
って、これはとっても日本的ですね
民族によってさまざま、特徴が異なると思います。

リュティさんは、グリム童話をはじめ、ヨーロッパの昔話の研究者なので、あくまでもヨーロッパを対象にしています。すると...
王子、王女、王、妃、豚飼い男、がちょう番の女。・・・
が、真っ先にうかんでくると、リュティさんはいいます。

王子、王女、王、妃は、今では、日本の子どもたちも同じかもしれないですね。

この人物たちは理想像であり導きの星だと、リュティさんは言います。

人はだれでも、他人の中に「完璧な模範的人間」を求めているし、それどころか、自分自身の中に、それを求めているというのです。
「完璧な模範的人間」であることの証として、その人物は美しい姿をして現れます。
もちろん、「白雪姫」のおきさきのように、美しい人物が悪いことをすることはあるけれども、それは例外です。「美しい娘」というとき、その娘は心も美しいことが期待されています。

王子と王女、・・・といったような昔話を特徴づけている光り輝く人や物は、聞く人、読む人の心に「高貴なもの、王者のようなもの、太陽のようなものが誰の人生にも可能である」、それどころか、「人間は王者のような生き方を目指している」という期待を呼び覚ますものである。

たしかに、グリム童話や、ロシアやヨーロッパの昔話を読むとき、そういった高揚感はあります。
生き方を深く考えさせ、感じさせてくれます。

日本の昔話にも、同じことが言えるでしょうか?
これ、純粋な疑問です。
みなさんは、どう思いますか?

*********

今日のおはなしひろばは、インドネシアの昔話。
いたずら者の暴れん坊の話です。
悪いことをするんだけれど、笑い飛ばすエネルギーにあふれています。
いつもいつも良い人でなくてもいいのです。

 

 

そらみたことか🌈

あら、いえいえ。腹を立てているわけではありません(。・ω・。)
小冊子の名前です。

『そらみたことか~いろいろな気象光学現象』
長谷川熊三著/大阪市立科学館/2012年刊

気象光学現象って、なんじゃらほい。
太陽などの光が、空中の小さな水滴や氷の結晶にあたって、反射したり屈折したりして見える現象のこと。
典型的なのが、虹(にじ)

この冊子は大阪市立科学館の学芸員の長谷川さんが、みずから撮った写真で説明してくれています。子どもにもわかるようにね。

この本を手に入れてから、けっこう空を見上げて探すんだけど、全然見つからない。
どんな現象があるかっていうとね。

環水平アーク 空に帯のようにたなびく虹色が見える。
環天頂アーク 空の高いところに、虹の逆向きのが見える。
幻日(げんじつ) 太陽の右とか左とかに、虹のかけらのようなものが見える。
暈(かさ) 太陽の回りとか月の回りにかさをかぶったように見える。
タンジェントアーク 暈の上下だけ見えるとか、楕円形に見えたりするとき、そう呼ぶんだって。
彩雲(さいうん) 雲が虹色に色づいて見える。
光環(こうかん) 満月の頃、月の前を薄雲が通るとき、月の回りに見える少し色の付いた小さな輪。これは見たことがある!
光輪(こうりん) 太陽の反対側に見える小さな円い虹のような輪。飛行機が離陸して雲を突き抜けたときとかに見えるんだって。その輪の真ん中に飛行機が映って見えることもある。太陽と逆のほうに霧があると、自分のかげが見える、ブロッケン現象ね。写真でしか見たことないけど。その周りの輪のこと。

こちら、長谷川熊三さんのHP。⇒
夏休みの自由研究のヒントもありますよ~

断捨離の前に読んだんだけど。やっぱり、捨てるのもったいないなあ。

*********

きょうの更新は《日本の昔話》
昔話じゃなくて神話なんだけど、「海幸山幸」
『古事記』から再話しました~
1300年前の異類婚姻譚(●’◡’●)

 

 

断捨離その後🌻

ギリシャはきのう、最高気温47度を超えた所があったんだって
それで山が燃えて、大火災が発生してるんだって。
47度だよ!!!

ここ京都府南部もあつい。朝から33度もある。ギリシャよりは涼しい。
が、物が考えられない(;´д`)ゞ

それで、断捨離の続きをした。

雑誌を捨てよう(>’-‘<)
それが間違いのもとだった。
手が止まった。
いや、最初から動かなかった。
芸術新潮、こどもとしょかん、みんぱく・・・
読み始めたら止まらない。

しゃあないなあ。
一冊ずつしっかり読んでから捨てることにするか。

それで、雑誌は置いといて、美術館と博物館のカタログを捨てることにした。
あかん、もっと手が止まる。

こっちも一冊ずつ読んでから捨てるとしよう。

捨てる前に、井戸端会議にちょこっと記録しておこう。
みなさま、お付き合いくださいね。
あ、いや、暑いし、付き合っていただかなくてもけっこうですけど。

断捨離は、ジャンルを変えることにした。
花器とか衣類とか、押し入れやら物置きをあさることにする。

本は一番時間がかかるから、最後ね。

けっきょく、きょうは、クラシック関連の雑誌を捨てた。

 

 

昔話の解釈ー偽の花嫁と本当の花嫁、けもの息子とけもの婿10👸🤴

さてさて、きょうで第6章が終わります。
前回、ひとりぼっちで孤立しているからこそ、本質的なものに到達できる、それは、人生の真実であって、たんなる願望や希望ではない、ということでしたね。
それを信じていれば、たいていのことは乗り越えられる、その勇気を与えられると思います。
だから、わたしは、子どもたちに昔話を語りたいのです。子どもたちこそが昔話を必要としていると思うのです。
みなさん、お話を覚えるのって大変だけど、この暑さの中で練習するのも大変だけど、語りの場を見つけるのも大変だけど、かしこく、がんばろ~

はい、リュティさんです。
この章のまとめの部分。

偽の花嫁の話、けもの婿(息子)の話を見てきて、共通する大きなテーマは外見と実際です。
がちょう番の娘の外見の中に、お姫さまが隠れています。白クマの毛皮の中に王さまが隠れています。
象徴としてです。
この外見と実際っていうテーマは、ほかのあらゆる昔話を貫いていると、リュティさんは言います。

この大テーマに悪は善に至りうるという比較的小さなテーマが組み込まれてます。
苦しみは、幸せに至るための道の起伏にすぎません。

もうひとつの小テーマは、悪の自滅です。

もうひとつ小テーマがあります。人間は役の担い手であるということです。
王女が女中の役を演じる・女中は花嫁の役を横取りする・王子はけものの役を演じるなどなど。

この章で考察した話たちは、リュティさんの言葉によると、心を王者のように発展させ、高き存在に至らしめるよう呼びかけているのである。

わたしは、これを自分事としてとらえたいです。文字を持たない庶民が伝えてきたのは、ストーリーの背後にある自尊の心、人としての誇りなのです。
そして、それを、今を生きる子どもたちに伝えたいo(*°▽°*)o

ところで、マックス・リュティ『昔話の解釈』とは別に、異類との結婚の話、つまり異類婚姻譚(いるいこんいんたん)について、参考になる本を紹介します。
『昔話のコスモロジー~ひとと動物との婚姻譚』小澤俊夫著/講談社学術文庫

これは、小澤俊夫先生が、日本と世界の異類婚姻譚を比較研究された本です。考え方の基本はリュティさんと変わりません。ただ、ほんとにたくさんの昔話を比較して詳しく説明してあるので、とっても興味深いです。
ちょっと文明論のようでもあります。
ぜひ読んでみてくださいね。

え?ここで報告?
いやいや、自分で読んでおくれ(笑)

次回は第7章昔話に登場する人と物です。

**********

きのうのおはなしひろばはインドの昔話「村のおばあさん」
心があたたかくなるお話(o゜▽゜)o☆

 

 

7月のおはなし会3🎋🎋🎋

お隣の市へ大人のおはなし会に呼ばれて行ってきました。
コロナ下で、少人数感染対策は厳重に、でも勇敢に語りの会を開催された主催のかたがたに感謝します。

プログラム
レクチャー「語りの愉しみ」
「腰折れ雀」
「三匹の名付け親」
「美しいユーラリ」
「きつね女房」
「危機一髪」

ヤンは、レクチャーと後半の3話の語りです。
ヤンの3話は、#女の力でまとめました(笑)

「腰折れ雀」は瀬田貞二再話を語り手の普段使いの言葉で語られました。やわらかくって心地よかったです。
「三匹の名付け親」はジミーさんです。会話の掛け合いのおもしろさ、味がありますね。これは大人向きのおもしろさです。

「美しいユーラリ」「危機一髪」は、最近再話した大好きな話で、『語りの森昔話集5ももたろう』に入れますので、楽しみにしていてくださいね。
「美しいユーラリ」は、ヨーロッパ的なモティーフがつぎつぎとつながっていて、長くても飽きが来ない話です。語りやすい話でもあります。同系統の話でも、グリムは重厚ですが、フランスの話は明るく軽快です。
それに対して、インドの昔話「危機一髪」は微妙に演じると面白い話で、間(ま)で生きる話でしょう。けっこう難しくて、練習に時間がかかりました。
「きつね女房」は『日本の昔話2』小澤俊夫再話/福音館書店を、日常語で語りました。

レクチャー「語りの愉しみ」
依頼があったときはいい気候だったので、はいはいと軽く引き受けたんだけど。みんなが睡眠不足の今日この頃、とってもクーラーのきいた気持ちのいい会場で、さて何をどう話すと、お互い眠らずに済むか~~~と、なやみました(笑)
おはなし会のサブタイトルは「今ひとたびの空想の世界へ」
でね、「空想の世界」といっても、本だっていいわけですよね。絵本だって、アニメだって映画だって、とっても技術が向上してて、素晴らしい空想の世界を描いてくれる。そこでなぜ語りなのかという、ありふれた話をしました。
ひとりの語り手がひとつの話を選び、そらで言えるまで覚え、よく表現するために練習する。その努力と時間に値打ちがあって、ひとりの人間を通してじかに伝える物語であること、それが語りの魅力だってこと。
コロナで人と会えない日々が続き、じかに語れない日々が続き、人が人に語ることの重要性に気付いたというようなことを話しましたよ。

さて、次のおはなし会は、9月の幼稚園。
コロナが収まっていてほしい◑﹏◐

****************

けもの婿の「白くま王ワレモン」「へび婿入り」、続けて更新したので読んでくださいね~

それから、昔話の語法オンライン勉強会は「がちょう番の娘」です。8月24日ですよ~
「がちょう番の娘」は対面でやる予定はありません。オンラインだけね。
なんでかっていったら、5月に対面でできなかった「白雪姫」を10月26日にやることになったからね。いそがしい。
暑いけどがんばって勉強しましょうね。《お問い合わせ・リンク集》のページから申し込めます。お待ちしていますヾ(^▽^*)))