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語りの森を作った魔女

認知革命😮

なんだそれ???ってφ(* ̄0 ̄)
うん。
7万年前から3万年前にかけて、わたしたちホモ・サピエンスは、新しい思考と意思疎通の方法を生み出した。これを「認知革命」という。
この新しい認知能力によって、ホモ・サピエンスは、アフリカ大陸を離れ、海を渡り、地球全体に広がっていった。ネアンデルタール人や他の人類を滅ぼし、船、ランプ、弓矢、針を発明し、芸術や宗教を生み出した。

いやいや、すごいね。
図書館から、リクエストしてた本が、郵送で届いたの。ありがたいねえ(´艸`)
『サピエンス全史上・下』ユヴァル・ノア・ハラリ著/河出書房新社/2016年
著者は今を時めく歴史学者。まだ若いのよ。1976年生まれって書いてある。

引用するね。
伝説や神話、神々、宗教は、認知革命に伴って初めて現れた。それまでも、「気をつけろ!ライオンだ!」といえる動物(猿とか、ゾウとか、鯨とかね)や人類種は多くいた。だが、ホモ・サピエンスは認知革命のおかげで、「ライオンは我が部族の守護霊だ」と言う能力を獲得した。虚構、すなわち架空の事物について語るこの能力こそが、サピエンスの言語の特徴として異彩を放っている。

そう言われればそうかもしれないと思うね。
おはなしやなんやといって楽しんでるのは、脳がそんなふうに変化したから。認知革命のおかげなんや。というか、それが私たちホモサピエンスがほかの動物とちがうところなのね。

え?それがどうしたって?
べつに。
面白いなと思って。
聞いてほしかっただけヾ(≧▽≦*)o

今日は月曜日、《外国の昔話》を更新。
リニューアルが終わって、再話にいそしんでいます。

みなさんからは、新しいお話を覚えてますってメッセージをちらほらいただいてます。
わたしも、新しい話に挑戦しなくっちゃ。

あ、そうそう、閉塞感漂う今日この頃ですが、もうちょっとしたら、みなさんに嬉しいお知らせができると思いますo(*^@^*)o

明日はグリム童話について書きますね。

写真は、ミカンの花。

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今日のレパートリーの解凍
「うりこひめこ」『おはなしのろうそく』東京子ども図書館

 

日曜日🎵

毎日同じ日だと曜日がわからなくなってしまうので、日曜日は、おっやすみ~(^^♪
変な理由(*^_^*)

新聞に、政府が言ってる「新しい生活様式」が並べてあったね。
え~~~!って思わなかった?
「新しい」なの?
「臨時」じゃないの?
絶対無理!

コロナから解放されたら一番やりたいことは、子どもとハイタッチして、お話会する事なのに。
間隔開けて、マスクして、なんて、無理!
だいたいスキンシップなしで、子ども、どうやって育つんだろう。
子どもだけじゃないよね。
ロボットに24時間介護してもらいたいと思う?

人間、そんなふうにできてないと思う。
もし新しい生活様式が定着するなら、生きている意味がわからない。
人間らしく生きるために、いま、辛抱してるんだから(⓿_⓿)

グリム童話「がちょう番の娘」👸

グリム童話の中でも、とっても大人な話って勝手に思っています(✿◡‿◡)

KHM89「がちょう番の娘」

この話は、ドロテア・フィーマンが語った話。
グリムさんは、初版の第1巻を出した後、フィーマンおばさんに出会います。そして、素晴らしい語り手だと喜んで、初版第2巻から採用しました。「三本の金髪を持った悪魔」「六人男世界をのし歩く」「三枚の鳥の羽」などです。
グリムは、7版まで文章を改訂しましたね。でも、このフィーマンおばさんの話だけは、ずっとそのままだったんだって。それほど彼女の語りをかってたんですね。

ヤンにとっては、この話、けっこう難しい。好きな話なのに、ちゃんと子どもに届かない感じ。
それで、この機会に改めて考えてみます。

呪文に焦点を当てます。

1回目:血のしずく
娘が腰元の言いなりになったとき。
母親からお守りとしてもらった、白い布についている母親の血が、言うのね。
娘は自己主張ができなかった。それが、全ての不幸のもとになったんやね。
自己主張できなかったのは、体は母親から離れていても、心はまだ自立できてなかったから。

2回目:ファラダの首
娘ががちょう番に身を落とされたとき。
母親からもらった馬が、腰元によって殺される。その首を門にかけてもらって、語りかけると、首が応える。
不幸の真っただ中。
ファラダの首を門にかけさせるという行動に出る。ちょっと成長している。

3回目:娘自身
キュルトヒェンが娘の金髪を抜こうとしたとき。
風を吹かせてキュルトヒェンの行動を制する。
これって、自分の意志で、自分の力を使ってるよね。で、それを王さまが発見することで、娘は救われる。

そう考えると、娘が母親から自立していく過程が、呪文にあらわされているといえる。
でね、よ~く考えると、この娘、血と会話ができる。馬の首とも会話ができる。風を自由に操ることができる。
これは、昔話の一次元性の表れでもあるけれど、血と馬の首を生命の象徴、風を自然と考えると、そういうものと交流できる力が娘にはあった。

主人公=聞き手。

子どもはそういう本質的なものを持っていて、それに支えられながら、自分自身の力で、人生の様々な試練にぶつかっていかなくてはならない。そうやって、成長する。

お~、テーマがはっきりしてきたね(*^▽^*)

ここで、リュティ先生の登場。
口をきく血のしずくとか口をきく馬の首とかは、昔話の中では魔法でも何でもない、物語の要素にすぎない(ほら、一次元性ね)。けれども、意味を支える役割を果たしている。血のしずくと馬を失うことで、娘は自分の力の一部を失ってしまう。窮乏と成熟の時が始まる。

引用しますね。
この窮乏を描いたところが、一番印象の深い部分である。それだけに大詰めの転換がいっそう人の心を軽くし、喜ばせる。(娘が王女の服装に戻ることで)外見が破れ、人間が本質的なものへの道を見出す。これが、昔話が聞き手に描いて見せる発展の筋道である。その底には、現実の世界においてもそういうことが起こってほしい、という希望が潜んでいる。昔話は導きの星である。

すごいね、「昔話は導きの星」だって。

最後の腰元に厳罰が下されるところ。
昔話の孤立性のところで「自己への判決」として勉強しましたね。

心理学的には、こう説明されています。
(腰元は、)邪悪だからこそ残酷な刑罰を思いつくのである。外から科されたものではない。そこに込められたメッセージは、悪い意図は悪者自身を破滅させる、ということである。
ー『昔話の魔力』ブルーノ・ベッテルハイム著/評論社

ベッテルハイムは、こんなふうにも言います。
悪者は、自分ではない他のだれかになろうということしか思いつかない。一方、がちょう番の娘は、真に自分自身であることは、他人であるふりをするよりずっと難しい、だがそれだけが、自律性を身につけ、自分の運命を変える道なのだということを、学んだのだ

今日は、ちょっと重かったね~(●’◡’●)

おわびに、がちょう番の娘の銅像を紹介しようヽ(✿゚▽゚)ノ
15年前に撮った写真。

ゲッティンゲンの市庁舎の前の広場に、泉があって、そこにがちょう番の娘が立ってるの。
ゲッティンゲン大学の学生さんが学位をとったときにキスする習わしが今でもあるんだって。

これは、ゲッティンゲンの小学校の近くにあるプレート。
かつてナチスが本を焼いたことを示す焚書の碑です。
ハイネの「本を殺すことは人を殺すこと」と書いてある。

『オットーウベローデグリム童話全挿絵集』古今社より「がちょう番の娘」

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今日のレパートリーの解凍
「アナンシと五」『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業之日本社

 

 

グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」🍞🍕🍪

私のレパートリーで、一番新しいのが「ヘンゼルとグレーテル」
3月の学童保育のおはなし会が、コロナ自粛に突入する直前のおはなし会なんだけど、そのときのプログラムが「ヘンゼルとグレーテル」。

「ヘンゼルとグレーテル」は、前から語りたかった。
というのは、もう10年位前になるかなあ、おはなし好きの男の子が、授業のお話会でね、
わたし「最初のお話は、」
男子「ヘンゼルとグレーテル!!!」
っていったの。
その子、学童のおはなし会でも、「ヘンゼルとグレーテル!!!」
よっぽど聞きたかったんやろうね。
「じゃあ、今度やろうね」って言って、テキスト捜したんだけど、長い。単語が難しい。絵本ではやりたくない。
結局、約束を破ってしまった(;´д`)
それで、ずっと心から離れなかったのです。

何度もテキストを見ててね、冒頭の「飢饉」で引っかかってしまった。
子どもには説明しないとわからないし、かといって、ストーリーにとって、説明しないといけないほどの重要な意味はないように思えるのね。

去年、何気なく2版を見たら、「飢饉」がない!
「食べるものがないほど貧しい」きこり、というだけ!!!
え~~~!
ほんなら、「飢饉」って、グリムさんが後で付け足したんや!

で、テキストに手を入れることにした。

KHM15「ヘンゼルとグレーテル」
あらすじは皆さんご存じですね。
不安な人はお家にある完訳本を読んでみて。こぐま社にもあります。絵本はだめよ。

エーレンベルク稿では、11番で、題名が「兄と妹」でした。
初版以降、15番「ヘンゼルとグレーテル」

グリムさん、題名を「ヘンゼルとグレーテル」にしてよかったね。世界中の子どもたちが知ってるもん。題名をつけるのって大事だね。

1、母親。
エーレンベルク稿・初版・2版:実母
7版:継母
3版~7版の間に、継母に変えた。(資料がないので、いつ変えたのかは未確認)
ほら、また継母問題。
グリムさんは、実母が子どもを捨てるなんて道徳的、倫理的に問題があると考えたのかもしれない。
でも、現代の私たちにとって、むしろ継母にするほうが問題がある。偏見を植え付けるって意味でね。
それと、実母でも子どもを捨てる。社会的、心理的、両方の面で現実として受け止めなくてはいけないと思う。

2、歌
「ポリポリ、ポリポリ、ポーリポリ わたしのおうちをかじっているのはだれだい」
この魔女の歌というか会話文は、エーレンベルク稿からすでにあります。
「風だよ、風だよ。天の子だよ」
子どもたちの答え。これは、2版から入っています。
『グリム童話を読む事典』によると、1813年1月15日にドルトヒェン・ヴィルトが伝えた歌だって。詳細な経緯がわかってるんですねヽ(✿゚▽゚)ノ

3、帰宅方法
なにせ、3日間も迷子になってお菓子の家についたんですからね。どうやって帰ったのか。
エーレンベルク稿・初版:家に帰る道を見つけてちゃっちゃと帰った。まあ、昔話だから、それでもいいんだけど(笑)
2版以降:白いアヒルの背中に乗せてもらって川をわたった。川っていったら、異界との境界でしょ。白いアヒル、意味ありげですよね。

この3点に注目して、テキストに手を入れました。
16分で語れます。
秘密基地に入れてあるから、ババの人でほしい人はどうぞ。

この話は、グレーテルの成長の話だって、小澤先生がおっしゃっていました。
親の話を盗み聞いては泣き、森に捨てられては泣き、魔女に捕まえられては泣きしていたグレーテル。泣き虫のグレーテルが、魔女をかまどに押し込んで焼き殺してしまうって。

そうですね~
最後の川をわたる場面では、ヘンゼルに指示を出すほど。完全にリーダーシップをとっています。魔女を独力でやっつけたことが自信になったんでしょうね。
ヘンゼルが小屋に閉じ込められて何もできなくなった時から、グレーテルは、自分で考え始めたんじゃないかしら。
人生ではあり得ることですね。
子どもが成長する途中で、危機はあるけど、危機をチャンスにすればいいんだ。

うん。いい話だ(❁´◡`❁)

『オットーウベローデグリム童話全挿絵集』古今社より「ヘンゼルとグレーテル」

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今日のレパートリーの解凍
「にんじんとごぼうとだいこん」『日本・中国・韓国の昔ばなし集』(日中韓こども童話交流事業実行委員会)

 

 

昔話の語法勉強会🖊

お元気ですか~(*^-^*)
今日は黄砂がひどいそうだけど、心なしか比叡山が煙ってます。

今日は残念なお知らせです。
6月に予定していた第12回昔話の語法勉強会を延期します。

もし図書館が6月に再開されても、三密の企画は避けないといけないと思っています。
おはなし会とか、勉強会は、慎重に出口を見極めようと思う。

現在のところ、京都・大阪は非常事態宣言が解除されていないし、やがて宣言解除になっても、自粛が解除されるわけではない。
ババ・ヤガーとしては、図書館の開館後、自粛が解除されてからも、しばらくは様子を見るつもりです。
さびしいけど、がまんしようね。

オンライン勉強会やりませんかってご意見もいただいていますが、ババの全員がネット環境が整うわけではないので、やめときます。

仕事と教育は、オンライン、必要だと思います。
無理にでも環境を整えて、例えば子どもの教育を受ける権利を守らないといけないって思います。それでも欠点はあると思うけどね。
それから、お友達や趣味のサークルもまた、新しい方法としていいかもしれないと思います。あと、オンライン里帰りとか。
ヤンはほぼ毎日孫とオンラインお話会です。保育園に行けてないからね
でも、ババはどれとも性質が違うのね。

みんなの中には、オンラインでやるだけの体力気力が残ってない毎日を過ごしている人もいると思う。

お話は、不要不急だと思わない。
人生にとって必要だし、今この時にこそぴったりの話があると思うのね。
だから、みなさん、身近な人にお話を語ってください。
幼稚園や学校、図書館のお話会だけがお話の場じゃない。
本来、お話、昔話は個人的なもの。各家庭にあったんだからね。

大きな声で練習したら、いやでも在宅の家族に聞こえるでしょ(笑)

練習が無理な人でも、ホームページのスマホ向けリニューアルも完了したし、勉強もやりやすくなったでしょ?
ボ~っと眺めてるだけでも何か自分のものになると思う。
井戸端会議も、できるだけ毎日がんばっていこうと思っています。
リクエストがあれば、言ってくださると、ありがたいです。
ネタが切れるので(笑)

でね、各自が頑張って、しんぼうして、勉強会が再開したら、めっちゃうれしいと思わない?
ハグしようね~
ハグができるまで、しんぼうしようね~

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今日のレパートリーの解凍
「ミアッカどん」『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子編訳

おはなしひろばのお話でテキストが欲しい人、言ってくださいね~