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10月度 初級クラス

日に日に気温が下がり、日中と朝晩の寒暖差が大きくなってきましたね(>_<)先日三男が体調を崩し休日診療所に行ってきたのですが、息子の前の患者さんはインフルエンザでした・・・今年の流行は早そうですね。予防注射を受けにいかねば、と思っている今日この頃です。

さて、10月度初級クラスの報告です。今回もまずは手遊び「どんぐりころちゃん♬」をしてからの発表でした。

①古屋のもる  『子どもに語る日本の昔話1』/こぐま社

初級クラスでの初・語りでした!こぐま社の方言の強いテキストですが、Oさんは長崎出身で、このおはなしの熊本の方言に近いそうです。聞いていて違和感なく、自分の言葉として語っているように感じました。高学年のおまけにいいそうです。

②森の王  『語りの森3 しんぺいとうざ』/語りの森

発表まで時間があったそうで、「練習しすぎて疲れた」とのコメントがありました。私は毎回ギリギリですので、こんな風に言ってみたいと思いました。きっちり覚えられていると心に余裕があったかでしょうか、落ち着いた素敵な語りでした。

3人兄弟の末っ子が成功するおはなしです。魔法をかけられ、高い塔に閉じ込められていたぎょろめ目のおじいちゃん(森の王)をジャックが助けます。ジャックは森の王にかけられていた魔法を解き、自由の身にしてくれたお礼に願い事の叶う指輪をもらいます。森の近くにお城があり、王様はお城のそばの深い洞穴から黄金の袋を取ってきたものを、末の娘と結婚させるというおふれを出します。3人の息子が挑戦し、ジャックだけが指輪の力で成功します。しかし、ジャックは自分が成功した若者だとは言わず、家に帰ってしまいます。王さまは家来に若者を探させ、ジャックを見つけ出し、お姫様と結婚するというおはなしです。

それから、以前初級クラスで発表してくれた「ホットケーキ」を子ども達の前で語った報告もしてくれました。オジサンポジサンやメンドリペンドリなどの言葉遊びは楽しんでくれたそうですが、最後のホットケーキがブタに食べられてしまった場面、一部の子どもは残念そうだったと感じたそうです。

この点について、ブタが出てきて鼻の上にホットケーキをのせたところからの語り方に注意するといいそうです。今までとは違うぞ、と聞き手に意識させる語り方が必要で、そうすると、最後は笑って、子ども達も結末に満足するそうです。

③三びきの子ぶた  『イギリスとアイルランドの昔話』/福音館書店

以前から語りたいと思っていたそうですが、難しいイメージがあり避けていたそうです。その気持ち、よく分かります!「三びきの子ぶた」は小さい子ども達に一番語られているおはなしの一つではないでしょうか?何度聞いても楽しいですし、私も覚えたいと思いますが・・・未だ挑戦できていません。

練習中は子どもがいないので、間の取り方が分からなかったそうです。言葉を十分に覚えれば、本番では子どもに任せておはなしを進めればいいそうです。    タイトルを言った時点で子ども達は「知ってるー!」と言ってくるでしょう。しかし、絵本やアニメで知っていることが多く、後半の3番目の子ぶたとおおかみとのやり取りを知らないことが多いので、気にせず語ればいいそうです。

前半の1回目(1人目)=失敗(おおかみに食べられる)、2回目=失敗、3回目=成功、後半は3回ともおおかみをだますことに成功しますね。上手くだましてやったぞ!と子ども達に感じてもらえることを意識して語りましょう。そうすると、最後におおかみを食べてしまった場面では「やったー!」と大いに喜ぶそうです。

①「めぶた →お母さんブタ」②「はりえにしだ →はりえにしだと言う木の枝」③「3時 →お昼の3時」と言い換えたほうがいいでしょう。③は子ども達が朝の3時と勘違いすることがあるからです。

④屋根がチーズでできた家  『子どもに語る北欧の昔話』/こぐま社

ジェニィが語ったのですが、接続詞がとても多く、覚えにくかったです。無くてもストーリーが分かる接続詞は、語るときに省いてもいいそうです。接続詞の代わりに「間」をとればいいときもあります。

昔話はその場面に2人の登場人物しかいないことが多い、よって、耳で聞いて分かりやすい。しかし、このおはなしは ①兄さん②妹③トロル女 と3人の登場人物がいて、しかも、2人とも子どもです。テキストでは、「〇〇」と妹が言いました。と書かれていますが、妹が「〇〇」と言いました。と変えると誰が言っているかすぐに分かります。聞き手に分かりやすくするために、演じるのではなく、テキストを変更したほうがよいとアドバイスをもらいました。

⑤三枚のお札  『おはなしのろうそく5』/東京子ども図書館

こわくて面白いおはなしの代表格ですね。途中でストーリーが止まることのないよう、一気に語れるよう心がけたそうです。

1年生に語る予定で、説明したほうがよい言葉として             「つうら →顔」「かなひばし →そのものの説明ではなく、長さを理解してもらうことが重要であり、手で30㎝ぐらいをジェスチャーするとよい」そうです。

このおはなしも子どもに語って初めて完成するおはなしです。また報告をお待ちしています。

⑥まほう使いの弟子  『語りの森3 しんぺいとうざ』/語りの森

練習しているうちに、自分の言葉に変わってしまったのが反省点だそうです。

後半の息子とまほう使いとの変身ごっこ、馬(馬喰)→鯉(かます)→つばめ(のすり)→指輪(手回し琴ひき)→麻の実(めんどり)→きつね、と次から次へと変身するのが楽しいですね~アドバイスとして、早くなりすぎず、きっちりとイメージできるように語りましょう。

このおはなしは中学生用に再話されたそうです。ヤンさんが中学1年から3年に語られているそうですが、中学生になると仮にその言葉の意味が分からなくても、ストーリーでおおよその意味を理解するので、説明は不要だそうです。以前「馬喰」の意味を説明したら、嫌がられたエピソードを話してくれました。

≪ヤンさんの語り≫ いばら姫  『語るためのグリム童話3』/小峰書店

このおはなしは、姫が15歳にときにつむに刺され、100年の眠りにつきますが、つむの先がとがっていることを理解しなければなりません。つむの説明の仕方を絵(イラスト)ありバージョンと、絵なしバージョンでレクチャーしてくれました。ヤンさんが語る前に絵を見せるのは、このおはなしだけだそうです。

今回のクラスで、Uさんが「ホットケーキ」の報告をしてくれましたが、とても勉強になりました。子どもに語るときが本番であり、今後も皆さんの報告が聞きたいと強く思いました。

9月度 初級クラス

ババ様方が次々と勉強会を報告をされている中、遅れてすみません。7月度に洗濯機が潰れた我が家ですが、パソコンもダメになってしまい(><)、新に購入しました。そろそろヤバイかもと思っていたので、バックアップはしていましたが、、、壊れ年の1年です(泣)

さて、夏休みが終わり、初級クラスも2学期が始まりました~まずは手遊びから。

「子どもと子どもがけんかして♪ 薬屋さんが止めたけど♪ なかなかなかなか止まらない♪ 人たちゃ笑う♪ 親たちゃ怒る♪ プンプンプン♬」

①はらぺこピエトリン  『子どもに語るイタリアの昔話』/こぐま社

「間」が命のおはなしです。テキストが求める間と語り手が仕掛ける間がありますが、このおはなしは後者、聞き手が求める間が必要であり、子どもに語ってしか取れません。何度も語って、育つおはなしです。本番で最適な間をとるためには、テキストが寝ても言えるぐらい、しっかりと覚えたうえで、子どもたちの表情や気持ちを見極めなければいけません。

これは私が語ったのですが、以前から覚えたいと思っていたおはなしの一つで、ようやくチャレンジしました。覚えているときも楽しく、バッボルコの迫りくる恐怖、特にドアを開けた瞬間にバッボルコの大きな口があり、ピエトリンが飛び込んでしまう場面がお気に入りです。語り手がおはなしを楽しみ、イメージすることは重要ですが、子ども自身が自分のイメージで楽しむこと大切なのです。そのためには語り手は一歩引いて、冷静に語らなければいけませんが、私は興奮気味に早口で語ってしまいました。

②おおかみと七ひきの子やぎ  『語るためのグリム童話1』/小峰書店

以前、こぐま社のテキストで覚えて発表されたのですが、テキストを見直され、今回再発表されました。

おおかみが子やぎ達の家にやってくる3回の繰り返しは、言葉を変えて言っているので、声を変えて演じる必要はありません。また、子やぎ達が隠れる場面は、聞き手がしっかりイメージできるようにしましょう。おおかみが迫ってくる中、必死に場所を探して隠れるのですから、淡々と語らないようにとのアドバイスでした。

細かな点では、テキストでは「ところがおおかみは子やぎたちをみんな見つけだし、次つぎに飲みこんでしまいました」となっていますが、七匹目の子やぎは食べられていませんので、みんなという言葉を削除したほうがいいでしょう。

また、「お母さんやぎははさみでおなかを切りひらきました」の文で、はさみが抜けてしまったのですが、子やぎが家に取りに帰っており、抜けてはいけない単語ですので、気を付けましょう。

③ホットケーキ  『おはなしのろうそく18』/東京子ども図書館

間の取り方が分からないので、ゆっくり丁寧に語ることを意識されたそうです。このおはなしも間が重要であり、何度も子ども達の前で語ってみましょう。

④ブレーメンの音楽隊  『村上郁 再話』

日曜のがらがらどんで一度発表され、その時に年老いた動物達を元気よく語りすぎたと思い、今回は年寄りを意識されました。このおはなしは年老いた動物達がブレーメンで一旗揚げようと奮起しますね。年老いた動物達が主人公でも、このおはなしはお年寄り向けでなく、子どもが聞いて喜ぶおはなしですので、元気よく語ればいいでしょう。

⑤三枚のお札  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

練習不足が原因か、後半は接続語の後の「、」で間ができてしまっていました。終わりの1/3は特に盛り上がる場面で、次はどうなる?と子ども達は気になるので、特に気を付けましょう。

⑥クルミわりのケイト  『おはなしのろうそく10』/東京子ども図書館

久々のSさんの語りでした。このおはなしを選んだ理由が、長いおはなしにチャレンジしたかったのもあるし、登場人物の名前「アン」と「ケイト」が覚えやすかったからだそうです。おはなしを選ぶ理由は人それぞれですね~

最後の場面は「病気の王子」ではなく、「病気だった王子」でなければいけません。間違えてしまっても問題のない言葉もありますが、最後は王子の病気は治っていなければいけませんので、言い間違えないようにしましょう。

⑦トーレ・ッペの幽霊  『語りの森昔話集3』/語りの森

かさかさにひからびてミイラになった幽霊、トーレ・エッペを上手く演じながら、語られていました。高学年のおまけのおはなしとしていいそうです。

ヤンさんの語り  ものをいう卵  『語りの森HP』

ヤンさんもブログで報告されていますが、先日年長さんに語られたそうです。幼稚園の担任の先生が「集中して聞いていた」とコメントするぐらい、子ども達はおはなしの世界に入っていたそうです。

このおはなしは、HPの外国の昔話に掲載されています。母親は悪いローズばかりを可愛がり、ブランシにはつらい仕事をさせます。ブランシが井戸へ水汲みに行ったとき、一人のおばあさんに会い、おばあさんの言う通りにしたブランシは最後にダイヤモンドや馬車などを手に入れ、母親を喜ばせます。母親はローズにも行かせますが、おばあさんの言うことを聞かず、蛇やかえるなどを手に入れ、母親に家の中に入れてもらえなかった、というおはなしです。

親は兄弟、姉妹平等に接しようと心がけていると思いますが、子ども自身はどこかしら「お兄ちゃん、お姉ちゃん(弟、妹)ばかり可愛がっている」という思いがあるものでしょうか。子どもが親から認められたいと思っている年齢(小学校低学年ぐらいまで)にぴったりのおはなしと説明がありました。

「ノート式~」の勉強をする時間はありませんでした(残念)

次回初級クラスは10月8日(火)です。『ノート式~』の「おはなしの覚え方」(P23)を読んできてください。

6月度 初級クラス

ババの皆様はおはなし会シーズン真っ最中でしょうか?子ども達から思った通りの反応があったときは達成感があり、次のおはなし会も「さあ、やるぞー!」と楽しみになりますが、上手くいかなかったときは、次を語るときにいつもより緊張してしまします。でも、語りの力を信じ、子どもの心に響くおはなしを届けたいです。

先月のクラスで長いおはなしにも積極的にチャレンジしましょう、と話に出たのですが、早速語ってくれました~遅くなりましたが、報告です。

①金の子牛  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

初めて長い本格昔話にチャレンジされましたが、練習のときに集中力を保つのが難しかったそうです。長いおはなしは言葉をしっかり覚えれば、短いおはなしのように間を考えたりする必要もなく、ストーリーで十分楽しんでもらえます。長くなると最後まで通して語るのにも時間がかかりますが、練習回数は減らさず頑張りましょう。

ヤンさんの再話は耳で聞いて分かりやすいように、3回の繰り返しはできるだけ同じ言葉でそろえているそうです。それでも違う言葉を使っているときは、「何故変えているか?」文脈を読み込み、考えて欲しいそうです。そうすると、間違えることもなくなるでしょう。

語り方のアドバイスとしては、三つのひじかけいすでビロード+銀+金とありますが、「銀」と「金」を聞き間違えないよう、言葉を立ててはっきり語るようにしましょう。

先日の総会で、かぶさんがこのおはなしを小学5年生に語られ、特に女の子がとても集中して聞いてくれた、と言われていましたよ。ぜひ、子どもの前で語ってくださいね!

②カンチルとワニ  『語りの森昔話集3 しんぺいとうざ』/語りの森

小学5年生のおはなし会で「三本の金髪のある悪魔」のおまけに語る予定です。「三本の金髪~」は王さまが黄金を手に入れるために、川を渡し守に渡してもらう場面で終わるので、「カンチルとワニ」も川を渡るという意味で重なり、組合せが良くないかも?と思っていました。しかし、「三本の金髪~」が渡る川は「三途の川」であり、カンチルが渡る川とは意味が全く違い、また描かれる風景も違うので問題ないとのことでした。

プログラムの組み方・・・本当に難しいです。先日のヤンさんのブログ(6月4日参照)に1年生の初めてのおはなし会に「動物昔話&食べられるおはなし」で統一した理由を詳しく書いてくれていましたが、とても勉強になりました。

③クルミわりのケイト  『おはなしのろうそく10』/東京子ども図書館

初めて10分以上のおはなしを発表してくれました。最後まで覚えてから、自分の弱い場面を繰り返し練習されたそうで、覚えていくうちに、どんどんこのおはなしが好きになり、楽しくなったそうです。

このおはなしは、ある王さまにアンという娘があり、アンが14歳のときにお妃に先立たれ、ケイトという娘を連れた二度目のお妃を迎えます。継母はアンの美しさを妬み、鳥飼のばあさんに頼み、アンの頭を羊の頭に変えてもらいます。

継子と実子の仲が悪いおはなしは沢山ありますが、このおはなしは二人が本当の姉妹のように仲良くなり、二人で幸せを探す旅にでます。病気で死にかけの王子のいるお城に泊めてもらうのですが、勇気あるケイトの働きで、アンが救われ、病気の王子も元気になり、二人とも王子と結婚するという幸せな結末です。

病気の王子が小鳥を一口食べるにつれ元気になる3回の繰り返しは、徐々に元気になるイメージをもって、嬉しそうに語るといいでしょう。

④ひとり、ふたり、さんにんの子ども  『おはなしのろうそく26』/東京子ども図書館

昨年末に出産された3男くんを抱っこひもの中で抱いたまま、語ってくれました。我が子をイメージしながら練習したそうですが、お母さんの愛情が感じられる、素敵な語りでした。

不特定多数の子どもが参加する図書館などのおはなし会では、下の年齢に合わせたおはなしを語るほうがいいそうですが、我が子に語る場合は、聞きなれた母の声ですので、上の子どもの年齢に合わせてもいいそうです。

「一つ、二つ、三つ」「一本、二本、三本」「一軒、二軒、三軒」などの3回の繰り返しは、子ども達と一緒に言うつもりで、リズムも楽しみながら語ってみましょう。

⑤文福茶釜  『子どもに語る 日本の昔話2』/こぐま社

方言があるテキストで、お母さんたぬきの口調がおっさん(笑)のように感じてしまうことを気にされていましたが、雰囲気のある語りで楽しかったです。

⑥だんまりくらべ  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

小さい子どもに語るときに「七つ(ななつ)」が分かるのかな?と質問がありました。図書館のおはなし会では、ヤンさんは手遊び「パン屋に五つのメロンパン♪」をして、一つ~十までを子ども達と数えてみてから語ることもあるそうです。

「間」が命のおはなしですが、子どもとの「間の取り方」はパネルシアターで勉強することもできるそうです。

次回はいつも通り、7月9日(火)中央図書館 集会室です。

その前に語法の勉強会ですね~「馬方やまんば」は「聞き手の成長段階」を考えると高学年がいいとお聞きしました。お休みなしで超多忙&股関節まで痛められているヤンさんには申し訳ありませんが、しっかり勉強して、子ども達に語りたいです。

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5月度 初級クラス

他の方も書かれていますが、10連休は長かったですね~私はご飯を作っては片付けの繰り返しでうんざりでした・・・子ども達も宿題が多めに出ており、3連休ぐらいがちょうどいいとぼやいていました。

さて、長い連休で初級の皆さんは練習する時間があったのでしょう(^^)完成度の高い楽しいおはなしが沢山きけ、今月も楽しい勉強会となりました♪

では、報告です。

①ものをいう卵  『語りの森HP』/村上郁 再話

以前、句読点でとぎれることを指摘され、その点に注意しながら語られました。

おばあさんの家でブランシにお米を渡す場面、

それから、おばあさんは、ブランシにお米をひとつぶわたして、「これをすり鉢に入れてすりこ木でついてごらん」といいました。ブランシがとつぶのお米をすり鉢に入れてすり木でつくと、たちまち、すり鉢はお米でいっぱいになりました。

修飾語がある場合、どの言葉が重要なのかを理解して語らなければいけません。一回目はブランシの目に見えたもの「お米」が大切であり、二回目は「ひとつぶ」がいっぱいになったことが重要ですので、「ひとつぶ」を立てて言う必要がありますね。

また、「やがて」「そして」「それから」など、接続詞は目で見る(読む)ためにあり、語るときは間でかえることができます。ですので、接続詞は強調せず、その後の文を丁寧に語りましょう。

②魚と指輪  『子どもに語るイギリスの昔話』/こぐま社

昨年12月の入門講座に発表されてから、約半年間あたためられ、今回の発表となりました。指輪の言い方が変わるので覚えにくかったそうですが、途切れることもなく、2回目の発表とは思えないほど、素敵な語りでした。

③地主の頭は何斤か  『子どもに語る中国の昔話』/こぐま社

まずはじめに、「斤」が中国の重さの単位であることを説明してくれました。

二人の兄弟がよそより多くお金を払うという大地主の家で働くのですが、1年経つと難題を出され、解けなければお金を払わないと言われます。先に兄が働きにいきますが、問題が解けず、無一文で家に帰らされます。翌年に弟がいき、見事地主をやりこめ、兄の働いた分までもらって帰るという痛快なおはなしです。

ヤンさんから、「このおはなしの姿(『ノート式~』P32参照)は何でしょう?」と質問がありましたが、私達が答えることができず・・・これは社会的地位の低い人が知恵を使って、高い人をまかす「笑い話」です。それを理解して語ると、地主の言い方も変わってくる、とのアドバイスでした。

④米山薬師  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

2回目の発表で、怖く語ることを意識されました。

声を低く、ゆっくり語るほうが恐怖感が出てきます。茶屋のおばあさんの言葉「あんなところへ行くと、帰ってこられなくなるぞ。~」はもう少し怖く語るほうがいいでしょう。逆に次郎が穴の中に葉を入れ、火をつける場面はもう事件が解決した後のことですので、軽く語ればいいそうです。

⑤鳥のみじいさん  『日本の昔話3』/福音館書店

1年生の初めての授業のおはなし会に語ろうと覚えました。「じさ/ばさ」は口になじまないので、「じいさん/ばあさん」に変えました。

「みたこともないきれいな小鳥が、ぷあぷあぷあーと飛んできて、」の文で一番重要な言葉は、小鳥です。を立てて言うように意識しましょう。また、じいさんがあくびをする場面は「ふああ」と言うのではなく、実際にあくびをするといいそうです。

鳥がじいさんの腹の中へ飛びこむ場面、「そのとたん、鳥がぷあぷあぷあーと飛んできて、じいさんの腹の中へとびこんでしまいました」とありますが、口からじいさんの腹の中へと「口から」を付け足すと、小さい子ども達はよりイメージがしやすくなるでしょう。

最後の「それからというもの、じいさんは毎日、へその羽をひっぱっては、町じゅう、うたって歩きました。」とありますが、歌っているのは腹の中の鳥です。この書き方だとじいさんが歌っているようにもとれるので、ヤンさんは「うたって」を省いているそうです。

⑥めしを食わないみいさん  『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』/語りの森

1年生から6年生までの子ども達が入り混じった場で語るそうです。1年生には分かりづらい言葉が出てくるが、その場で上手く説明ができるか心配されていました。

「蛇(じゃ)」→「へび」、「梁」→「天井」と言葉を言い換えて語ればいいそうです。「五升めし」はたくさんということが分かればいいのですが、「炊飯器10個分」と説明すれば、分かるかなと言われていました。本番でも説明するなら、入れながら練習をしたそうがよさそうですね。

よめさんがにぎりめしを頭の口の中へ入れるときの「しっとんしっとん」や、よめさんが鬼になって追いかけてくるときの「ブーンブーン」などの擬態語はイメージをしっかり持ち、聞き手に恐怖感をあたえましょう。

⑦ハープをひくハチとネズミとゴキブリ  『子どもに語るアイルランドの昔話』/こぐま社

若者がおっかさんと二人きりで暮らしていますが、悪天候で食べるものに困り、おっかさんに頼まれて若者が牛を売りにいきます。しかし、市場にいた男とつまらないものと取りかえてしまうという、「ジャックと豆の木」と同じ導入です(若者の名前もジャックです)。しかし、手に入れたハープ、ハチ、ネズミ、ゴキブリの音楽と踊りで、7年間一度も笑ったことのないお姫さまを笑わせ、最後は結婚し、幸せを得ます。

ハチが小さい小さいハープをひき、ネズミとゴキブリが、後ろ足で立って、ハープに合わせて踊る姿、想像するだけで楽しいですね。

若者が牛を売りに行く3回の繰り返し、お姫さまを笑わせる3回の繰り返し、テキストは少しずつ言い方が違っており、覚えにくかったそうです。子ども達にとって3回の繰り返しは分かっていても、予想していたことが当たって楽しいものですが、言葉が出てこない間や言い直しは、おはなしから離れてしまいます。

長いおはなしは構成を十分に理解し、体力も気力も必要です。これは長いおはなしでなければ経験できませんので、無理とは決めつけず、初級の皆さんもどんどんチャレンジしましょう!

☆ヤンさんによる語り  だんごころりん  『語りの森HP』/村上郁 再話

次回初級クラスは6月11日、中央図書館・会議室(集会室前の狭い方のお部屋)です。その前に来週火曜の 語りの森 総会でお会いしましょう。

4月度 初級クラス

今年の桜は遅咲きだったおかげか?!、雨が降っても全ては散っていませんね。桜を見ているだけで癒されます。

さて、4月度の初級クラスは「祇園の夜桜、ぱっと咲いた~♪祇園の夜桜、ちょっと咲いた~♪、祇園の夜桜、ぐっと咲いた~♪」の手遊びで始まりました。

今月の語り

①矢のくさり  『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』/語りの森

語る前に「アメリカインディアンのおはなし」と一言添えるとよいでしょう。皮の服にやまあらしの針で飾ってある靴下、お葬式のときに聞こえてくるたいこや顔を黒くぬった村人達など、インディアンならではの独特の生活が描かれているからです。

おばあさんが口に手を当てると食べ物が出てくる場面を力んで語ってしまいました。この後に重要な援助者からの贈り物が描かれますので、その前はさらっと語りましょう。

②みるなのくら  『日本の昔話1』/福音館書店 

語り方がおはなしにぴったりで、完成度の高い語りでした。一の蔵から十一の蔵まで、子どもならどんな景色を想像するのでしょう。「四の蔵 花見」や「七の蔵 七夕さま」はイメージしやすいでしょうか?!「九の蔵 大嵐」や「十の蔵 刈り入れ」は難しいかなと思ったり・・・ぜひ子どもに語ってくださいね。

③あなのはなし  『おはなしのろうそく2』/東京子ども図書館

間が命のおはなしですね。間の取り方は聞き手の年齢や経験によって違うでしょう。練習しているときは、間はとれません。子ども達の前で語って初めて間ができますので、練習のときには自分で「ここで間をとろう」とは考えず、一気に語りましょう。

緊迫感が始まる後半、オオカミがやってくる場面。動物たちが小屋のどこに隠れるか、そしてオオカミが口をあけてパクリと食べてしまいますが、どんな風に飲む込むのか、しっかりイメージしましょう。すると同じ言い方ではなく、一つ一つ違ったものになるはずですよ。

④かめのピクニック  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

入門講座を終えられ、初めて語られました。「父さんがめと(間)、母さんがめと(間)、息子のかめです。」初めは誰もが経験しがちですが、句読点は読むためのものですので、この1文は間をいれずに一気に語りましょう。

練習しているときに、同じところでばかり間違えるので、今日の発表のときもその箇所にくると力んでしまい、必要のない間をとってしまったとの反省でした。

「そうそう」と思い切りうなづいてしまいました。間違えたらいけないと思うと、余計に力が入ってしまいますよね。どうすればいいか?「その部分だけを繰り返し練習するのみ」とのことでした。

⑤三匹のこぶた  『イギリスとアイルランドの昔話』/福音館書店

3番目の子ぶたは「おおかみをうまくだましてやったぞ!」という気持ちを持って語るとよいでしょう。でもわざとらしくはならないように。

⑥手なし娘  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

はじめに衝撃的な導入が書かれています。新しい母親が娘を憎み、父親に山で殺してくるように頼みます。しかし、父親は殺すことができず、両手を切って、そのまま山にのこして家に帰ってしまいます。手を切られたところでは、聞き手が「はっ」と思うように、短いですが丁寧に語ることが大切です。

⑦田の久  『子どもに語る日本の昔話1』/こぐま社

旅役者の意味を理解できない場合があるので、「旅回りで芝居をして稼いでおった」と言い換えるといいでしょう、とのアドバイスでした。

「うわばみ」の説明、Kさんはタイトルを言う前に説明したのですが、最初ではなく、おはなしの中で出てきたときに「へび」と一言添えるだけでいいそうです。

こぐま社の特徴、会話文と字の文に方言と共通語が混ざって書かれており、覚えにくかったそうです。私も福音館書店の日本の昔話が覚えやすく、語りやすいです。

☆ヤンさんによる語り  六匹のうさぎ  『語りの森昔話集1』/語りの森

語りの後、ノート式から「おはなしの選び方」の勉強をしました。やはり一番大切なことは、「自分が好きなこと」。読んでみて「こんなおはなしがあるよ」と思わず他の人に言いたくなるようなおはなしを選びましょう。本にも書かれていますが、対象年齢の書かれたテキスト本や先輩から勧められたおはなしは、あくまで目安にしましょう。

私は息子が3人いますので、どうしても女の子のおはなしより、男の子の成長物語が好きな傾向にあります。同じようなおはなしばかりに偏ってしまうのでは?と思いますが、それでいいそうです。おはなし会は一人ではなく、複数でしますので、それでプログラムを考えればいいそうです。

5月度のクラスでは続きの「2、聞き手の視点からの選び方のポイント」を勉強しますので、読んできてくださいね。

さて、ついに「語りの総会」の抽選が終わりましたね。私は一昨年に語ったので、関係ないとたかをくくっていたのですが・・・見事に当たってしましました。あ~緊張しますね。どんな素敵なおはなしが聞けるか、そして昔話集3にはどんなおはなしが集録されているのか、今から待ち遠しいです!