ジミー のすべての投稿

いわさきちひろ 絵本の講座📚

すっかり秋です。
朝晩寒くなりました。
いろんな秋のある中で、今日はいわさきちひろの絵本の講座がありました(*^-^*)              

絵本の会さんが主宰される勉強会で、講師はヤンさんです。
最初は参加者がおはなし会形式にすわり、ヤンさんがいわさきちひろの紙芝居と絵本を読んでもらいました。
いつもながら、じっくりと絵本を読んでもらうのっていうのは楽しいものですね!
自分で読んでいたとしても、誰かに読んでもらうのとは全く違います。
自分で読むときも、じっくり目を通そうと反省しました。
ところで、いわさきちひろの絵が世に出た第1作目は紙芝居だったんです。
わたし、知りませんでした~。
というか、いわさきちひろについてまったく知識ないんですけどね。
(堂々と言いますが…)
以前、うちに『おふろでちゃぷちゃぷ』と『母さんはおるす』があったんです。
わたしが買ったのではなくて、なぜかあったわけです。
どちらも作者はいわさきちひろではないんですが、とってもかわいい絵なんですが、あまりにも内容が違うんで「どういう人?」とずっと思ってました。
それに、きれいでかわいい絵ですが、中に「ドキッ!」とするほど淋しそうな子どもの絵があるので、少々暗いイメージを抱いていました。
今回の勉強会で、資料の年表を丁寧にたどってもらって、いわさきちひろの生涯を超短縮でなぞっていくと分かるところがありました。
分かるというのはおこがましいですが、淋しいのではなくて、やっぱり子供への目が暖かい人なんだなと思いました。
資料にあった、松居直さんの文章の〝感じる絵本〟という言葉で、何かが分かった気がしました。
輪郭線がなくて分かれ目がオーバーラップしているような絵は、描いてある事物よりも先に目の奥で何かのイメージを先に作るような気がします。
そして、淡い色のイメージではありますが、かなりカラフルです。
色があふれている感じがします。
見た途端に一気に目を通り抜けて頭の奥でイメージを作るようだなと思いました。
いわさきちひろさんの足跡を知ると、ほんとに好きになりました。
いったい今まで、なんで二の足を踏んでいたんだろうと損した気持ちです。

最後にうれしい情報も教えてもらいました(*^-^*)
京都駅で作品展があります。
「生誕100年いわさきちひろ、絵描きです。」
2018.11.16~12.25
美術館「駅」KYOTO
詳しくは → こちら
グッズも充実しているようです!
(買い物は外せません)
知っていたのに改めて好きになったいわさきちひろ!
まだ興奮気味です!!

10月のがらがらどん⛅

すっかり秋ですね。
先日、秋のさわやかなお天気の日曜にがらがらどんがありました。
でも、いつもより参加者が少なかったです。
きっと、「みんな、ボール持って公園に行ってるんやで」とかいいながら、こじんまりとしたがらがらどんになりました。

「ホットケーキ」『おはなしのろうそく18』東京子ども図書館
「め牛のブーコラ」語りの森HP → こちら
「ちょうふく山のやまんば」 『日本の昔話3』福音館書店
「こぶたのリコション」 (『フランスの昔話』アシル・ミリアン他著 新倉朗子訳 大修館書店)より、再話
絵本の紹介

「こぶたのリコション」は、フランス版の「3びきのこぶた」ですが、まったく同じではありません。
こちらも面白いし、納得して、かつ、いい話です。
その点では「3びきのこぶた」と同じだと思いました。
リコションというのがぶたの名前です。
リコション!
ああ、フランス的な名前です!!
言うときは、鼻にかけて、リコショ~~ンっていう感じでしょうか(笑)
そんなことはどうでもいいですね。
少人数で、くだけた一日だったもので、ついつい乗ってしまいました。

「人数少ないから、なんかしゃべっとくことないか?」
という発言により、くだけた雰囲気になったように思いますが、そんな中でもがらがらどんはただ、しゃべって食べて飲んでいるだけではありません。
決定!「創作モノ大会」!!
来年の4月に久々にがらがらどんの大会シリーズをします。
あまり聞いたことのない創作の物語をみんなに語ってもらおうよ という大会をします。
いまからおはなしを選んで覚える人のために予告していますので、みなさんよろしくお願いします。
エントリーはまだ先ですから、ゆっくりご用意くださいませ。
ではまた来月<(_ _)>

ハンス=イェルク・ウター先生<講演会>

昔話の類話を調べるときに必要な分類番号と言えばATU番号。
ATU番号が分かったら、内容を調べるのには『国際昔話話型カタログ』が必要です。
その『国際昔話話型カタログ』を出されたウター先生の講演会がありました。
そうです、来日されたのです。
ATUの〝U〟は、ウター先生の〝U〟!
値段が高いので当然私は持っていませんが、雲の上の先生が間近で見られるというチャンスに、ミーハー気分で行ってきました。

講演会タイトルは<ヨーロッパの医療と口承文芸 ―霊薬、魔法、奇跡、精霊、護符>
講演は、ウター先生がドイツ語で話され、日本語の通訳が付きます。
ドイツ語→日本語→ドイツ語→日本語、の繰り返しです。
そして黒板には、ヨーロッパの昔の風刺画がたくさん映し出されていました。
残念ながら、わたしの耳が悪いのか、通訳の声が速くて、聞こえてはいるのですが語尾がよく聞こえなくて何を言っているのかよく分かりませんでした(´;ω;`)ウッ…
黒板の風刺画はとても面白く、だいたいわかる内容と合わせて見ていると、中世では医者という存在が〝あんまり信用するな〟という存在だったようです。
昔話に登場する医者は、無茶苦茶な治療をしているのにたまたま治ったとか、医者の処方を信じなかったからこそ治ったという落ちだったり、滑稽な話が多いです。
昔話では治療の過程ではなくて、摩訶不思議な治療に関心があり、薬草とかトラのミルクとかおおざっぱなこと、訳の分からないものを持ってきてうやむやのうちに治してしまう(笑)
医者が出てくる話にはそういう滑稽なものが多いですが、実際の医者がそうだったというよりは、そこには民意が反映しているようです。
中世の医者は法律家よりは低い位置にいましたが、それでもエリートとして社会的地位は高く、人々は言いたいことを昔話を借りて言っていたといえるでしょう。
……みたいなことを、ウター先生はお話ししてくださいました。

最初は70人定員だったけれども、問い合わせが多くて150人定員の教室に変更になっていました。
そりゃそうだろう、他の講演会は英語で通訳なしですから。
それなのに、その日本語が聞き取れなくてなんと残念な私のお耳…(´;ω;`)ウゥゥ
字幕を流してほしかった…わがままなお願いですいません。
でも、大方は分かりましたよ!
それにこれからも講演会を企画されるみたいです。
たぶん次は神話って書いてありました!
楽しみですねえ~、神話も~~
お願いします、待ってます~~

児童文学を読む会 3回目

大きな台風が過ぎ、木が倒れていたり折れていたり、屋根の一部が無くなっていたり無残にめくれていたり、自然の驚異に改めて呆然としています。
そして、北海道の大きな地震のニュース。
これ以上被害が大きくならないことを祈ります。

リリアン・H・スミスの『児童文学論』を読む勉強会がありました。
第8章絵本を読みました。
この日は半分まで進みました。(P230最終行まで)
いい絵本を見極めるには、「子どもの目で見、大人の目で味わう」のだそうです。
子どもの目で見るというのは、どういうことでしょうか?
面白くないと思ったにもかかわらず、子どもがとっても喜ぶなら、子どもの目では面白いということでしょう。
これが、いつまでたっても苦手な私でして、ついつい大人の目で面白いかどうかを見てしまいます”(-“”-)”

「画家が、独創的な想像力をもっているかを見分ける」
これも、難しいです( ;∀;)

お手本は、20年、30年と読み継がれている絵本ですね。
勉強会で、8章に出てくる順にみんなで絵本を確認していきました。
マザーグースの「バイ・ベイビー・バンティング」「ヘイ、ディドル・ディドル」(朗読と曲を聞きました)
『かしこいビル』ウィリアム・ニコルソン
『100まんびきのねこ』ワンダ・ガーグ
『アンガスとあひる』マージョリー・フラック
『長ぐつをはいたねこ』ウォルター・クレイン
『マドレーヌ』ベーメルマンス
『ハメルンの笛ふき』『窓の下で』ケイト・グリーナウェイ
『ジョン・ギルピンのゆかいなお話』ランドルフ・コールデコット
よいとお墨付きの絵本を次々に見ていくのは、何とも楽しい作業です。
特に、ウォルター・クレインやケイト・グリーナウェイの絵は好みですが、絵が素晴らしくても文章も素晴らしくないとよい絵本とは言えません。
同じ画家の書いた絵本でも、文章が釣り合うものではないとしたら、よい絵本とは言えないと著者は言っています。
美しく、深く、難しい絵本の世界です。
とっても楽しいのに、「よい絵本を見分ける自信がつきました」とは、いつまでたっても言えないもどかしさ(笑)
展覧会、画集でよい絵をたくさん見ましょう。
好きな画家だけ追っかけていてはいけません。
「はい、先生、分かりました」と、上手にお返事出来たところで、今日はおしまいです。
次回は11月2日、第8章の続きです。
本章に出てくる作品と同じ作者の他の作品を読んできましょう(^^)/

8月のおはなし中級クラス

こんにちは、ジミーです。
今週の火曜日に中級クラスの勉強会があり、はじめて参加させてもらいました。
急におじゃま虫(見学)させていただきましたが、ありがとうございました。
では、報告させていただきます(*^-^*)

「ねこ先生ととらのおでし」 『白いりゅう黒いりゅう』岩波書店
「黄金の鳥」 『語るためのグリム童話3』小峰書店
「三人兄弟」 『グリムのむかしばなしⅡ』のら書店
「三枚のお札」 『語りの森昔話集2ねむりねっこ』語りの森
ヤンさんの語り
「はんてんをなくしたヒョウ」 『大きいゾウと小さいゾウ』大日本図書

どのおはなしもそれぞれ楽しく聞かせていただき、見学者の気楽さで申し訳ない気持ちですがほんとによい時間を過ごさせていただきました。
今回の勉強会では、ヤンさんが「三人兄弟」のテキスト比較をしてくださり、それがいい勉強になりました。
「三人兄弟」はグリム童話です。
グリム童話は、1版から7版まで版がありますが、「三人兄弟」は1版から入っています。
(途中から入っている話もあります。)
版が進むにつれて、グリムさんが手を加えている話がありますので、読み比べてみる場合は1版・2版・7版を比較します。
「三人兄弟」は、2版と7版で変化はほぼないということがこの日の説明で分かりました。
ところで、中級クラスで語られた「三人兄弟」は、グリム童話を〝ワンダ・ガアグ編/絵 松岡享子/訳〟で出版された本をテキストにされました。
ヤンさんは資料として『語るためのグリム童話』(小峰書店)のテキストを用意されました。
みんなで、ふたつの「三人兄弟」のテキストを読み比べるという作業をしました。
それによって、面白いことが分かりました。
ワンダ・ガアグさんのテキストは、亡くなった父親から受け継ぐ家に対する愛着の描写が多く、いかに三人兄弟が家を大切に思っているかがテーマで、グリムさんのほうは家ではなくて兄弟愛をテーマにしている、と同じ話なのにテーマが違うように読めるのです。
わざわざ、ふたつを並べてみて初めて分かるのって、驚きでした。
でも、テーマって大事だと思うんです。
脈々と語り継がれてきた昔話のテーマが、同じ話なのによく読むと違うというのは、「…………、、、ええ!!」っていう気持ちでした。
再話を勉強中なのですが、再話では昔話に対して伝承された形に最高の敬意をはらいながら文章を整えていきます。
だから、今回の比較はほんとに驚きました。
おはなしを覚えるときに、複数のテキストを比べてみるといろいろ違うかもしれませんね。
それと類話も比較できたら「なお、よし!」です。
「三人兄弟」はATU654ですから、この番号と同じ話を見つけて読むこともいい比較になるし、おはなし選びのいい方法ですね。
類話の中に、思わぬ掘り出し物があることも( ´艸`)
どんな話に出会えるかと考えると楽しいのですが、なかなか時間がないのが悩みです。

なお、グリムさん・ガアグさん、と書きましたが、このおふたりに呼び捨てはどうかと思ったからで、別に知り合いではありません。(分かってる!)
ヤンさんは、知ってます。(もういい!!)