ジミー のすべての投稿

絵本読み聞かせ入門講座📗

昨日は暑くて暑くて、アイスを食べていたのに今日は大雨で寒いです。
体調がついてきません。
しかし、休みなく働くヤンさんは、昨日絵本の講座の第1回目でした。

いつものように最初はヤンさんの読み聞かせからはじまります。
読んでもらったのは以下の絵本~~
『おじいちゃん』ジョン・バーニンガム
温かいのに悲しい、悲しいけどやっぱり温かい、救いが満杯の読後感。さすがジョン・バーニンガム!
『アイドルベア』ロバート・イングペン
クマの絵が、「かわいい~~」
二匹が向かい合ってる構図が多いんですが、小首をかしげている角度と目が何とも言えません。

人形好きではないわたしですが、たまらないかわいさです。もちろん、文章もきれいです。
『ふしぎなナイフ』中村牧江・林健造
ご存知、アレです。知らない人のために中身は書きません(笑)
『まどのそとのそのまたむこう』モーリス・センダック
美しい絵です。中世のフレスコ画を思い出しました。
おとぎの国の不思議がただよいます。みているこっちも宙に浮きそうです(笑) 

これもファンタジーに分類されるんでしょうか?
『ねむれないひつじのよる』きたむらさとし
これ、ページがめくられるごとに数えるのが楽しいんですよねぇ~
キンドル本とかだと、この愉しさがかなり減ってしまうと思うんですよね。
キンドル版があるのかどうか知りませんけど(⇐無責任)
『なみにきをつけて、シャーリー』ジョン・バーニンガム
お腹の中で大爆笑しました。(みんながお行儀よく聞いているから…)
親としての自分を振り返ると辛いですが(笑)

きっと、子どもたちならワーワーいろんなことを言って大騒ぎになるんでしょうね~
やっぱりさすが、ジョン・バーニンガム!
『かいじゅうたちのいるところ』モーリス・センダック
何回読んでもらってもいいですねえ~
行くときも帰るときも1年かかる大冒険なのに、一人の世界でそれができてしまうなんてすごいです!

もっと読んでぇ~ (⇐読んでもらっている者のお気楽な発言)
『しろさんとちびねこ』エリシャ・クーパー
これもよかった!
かわいい、たのしい、そして命について、心に残りました。
最初と最後を「命」でまとめる、これはヤンさんの目論見ですか?!

リストをもらいまして、その中のいろいろな本も紹介してもらいました。
このリストがお宝物です~~(^o^)

今年初めてなんですが、この後受講者の自己紹介をしました。
ひとことのつもりが、みなさん少し受講の背景をしゃべりたくなるんでしょうね。
結構しゃべりましたね(笑)
でも、目的がお互い理解できてよかったし、「みんな、意識高いーーー」と思いました。
初級クラスのかたがお二人参加しておられました。
わたしと同じ小学校のメンバー(読み聞かせ担当)も、より勉強しようと2回目の参加でした。
みんな、意識高い系で良きかな!!

次回は来週です。
休みなく働くヤンさんには申し訳ない限りですが、楽しみです。
連続参加のわたしは、もうはや絵本選びを始めております(笑)

5月の日常語による語りクラス🐶🐈

今年度から、日常語クラスは奇数月の開催になりました。
5月のメニューを報告します。

語り
「師番の赤馬」 『日本の昔話2』福音館書店
まもなく行われる語りの森総会にこの話でエントリーされていますので、気合を入れて練習されてきたことと思います。
完成度が高いというか、総会が明日でも語れるような滑らかさでした。
おみごと!
ちょっと悲しい話ですが、語り手さんのやさしい暖かい語り口がその悲しさを和らげてくれているようです。
総会でもう一度聞けるのが楽しみです!(^^)!

「おんちょろちょろの穴のぞき」 『日本の昔話5』福音館書店
ステージ型の語りをされるかたですので、テキストもひと味もふた味も違うものになりました。
日常語にテキストを変えるというのは、どれも自分だけのテキストにするということですが、語り手によってこんなにも違うのだというのを実感しました。

「めし食わへんよめさん」 『語りの森昔話集1』語りの森

すでに、3年生に語っておられました。冒頭に出て来る木こりが分からない子どもがいたそうで説明を入れたそうです。
そして途中で出て来る5升のご飯の量も分からない子どもがいたので、これも説明したそうです。
日常語で語ると、説明とおはなしの境が分からないから、おはなしの世界にいる状態のままに説明も済ませてしまえるので、「ああ、便利で楽♪」なんですよね。
おはなしの世界が壊れるので説明は極力したくないですが、ほんとに自然に説明できますよね。

「犬と猫と金のえびすさんとだいこくさん」 『日本の昔話3』福音館書店
犬と猫が宝物を口にくわえながら川を渡っているところや猫が宝物を落とすところ、くっきり聞き手に分かるように語るのは難しい話だなあと思いました。
そこをよく分かるように語ってくださいました。
猫が木に登る→鶴を脅す→鶴が川の中の亀に頼む→亀が取って来て鶴に渡す→猫に宝物が戻ってきて犬に怒られずに済む
っていうのが、面白いです。

「まほうの鏡」 『語りの森昔話集1』語りの森

改めて、面白い話だなと思いました。
「本で読んで面白いって知ってましたけど」なのに、やっぱり面白いんですよね。
そして今回のお勉強は、<最初に単語を間違えると、まるでボタンの掛け違いのように他のことも次々に崩れてしまう>です。
教訓ですね。
そして、名言です。
みんなが覚えがありますよね。
ちょっと間違えてしまうとそれが気になるので、他の言葉や簡単な言葉が出てこなくなってしまう。
みんなで再確認いたしました。

ヤンさんの語りは「竹の子童」(『語りの森昔話集2』語りの森)でした。
ちょうど今竹の子が出回っていておいしいですね。
まさに生活に密着した語りを聞かせていただきました。

テキスト
「まんのええ猟師」 『日本の昔話4』福音館書店
“まのいい”という言葉、いまの子どもさんたちにはあんまり分からないようですので、語り手さんの日常語である“まんのええ”もポピュラーではありませんが、両方分からないのなら日常語のほうにしておいたらいいということでした。
両方分からないんならしかたないですね。
テキスト本文が日常語になおしてあるんなら、タイトルも日常語にしたほうが統一性があるということでしょうか。
それもそうだと思いました。

語るときの姿勢について話が出ました。
勉強会の部屋にあるイスはコマがついていて、座席の部分は360度回ります。
語っているときに、どうも無意識に左右にイスが回って、体が揺れているようです。
語っているときに自然に体が揺れるのは気にならないが、イスごと揺れると気になる聞き手もいるということで、今まで目が慣れてしまっていて気づかなかったことだと思いました。
ではまた、次回までみんながんばりましょう~(^o^)/

再話クラス✾

カラスがごみを荒らしているので、注意喚起の張り紙を作成した今年班長のジミーが、再話クラスの報告をいたします<(_ _)>
(班長と再話クラスに関係はありません)

語りによる再話確認
「地蔵浄土」 『全國昔話資料集成14芸備昔話集広島』岩崎美術社
テキストを見ないで耳だけで語りを聞いていると何の違和感もありませんでしたが、その後テキストを見ながらの勉強の時間になると、何か所か指摘するところが出てきました。
ということは、語り方でおかしいと思ったり思わなかったりの違いが出てくるということでしょうか?
それは恐ろしい。
わたしは、そんな技量はありませんのでテキスト通りに覚えるしかありません。
そんなことを勉強できたと思います。
再話検討
「人と動物の寿命」 『昔話研究と資料第四六号』日本昔話学会
話の前半は、神さまが人間と動物たちに寿命を決めるという内容で、それを受けて後半は人間の人生の苦労を妻子のあるサラリーマンを例に挙げておもしろおかしく聞かせる内容です。
出版年が2018年です。
後半は世間話になっています。
ということは、昔話がこうやって移り変わっていくのだということと、元の形が『日本昔話通観』には残っているだろうということを学びました。
世間話には世間話の面白さがありますが、再話をするときにまず原話を決めて、それを誰に語るかということが重要です
対象を誰にするかで、再話が全く変わってきますし、そもそも面白い原話でも語れないと判断しないといけないかもしれません。
〝誰に語るか〟
中級クラスで常に基本に戻らなくてはいけないという話が出ましたが、原話選びでもそうですね。
笑える原話なんですが、真剣にいろんなことを考えさせられました。
「しじみ兄弟の竜宮行き」 『日本昔話通観第15巻』同朋舎
太郎しじみ、次郎しじみ、三郎しじみが竜宮へ向かいますが、太郎と次郎は着けずに三郎だけが着けるというお話。
かわいいお話です。
最初タイトルが「しじみの兄弟」とされていたのですが、「しじみの三兄弟」がいいという意見が出て採用されました。
いっそ「しじみ三兄弟」はどうかという意見もありましたが、採用されませんでした。
むかし、だんごでそんなタイトルがあったからでしょうかね(笑)
原話に欠落している一文がありました。
欠落しているとはいっても、勝手に入れてはいけません。
でも、明らかに一文が必要なら、さて、どうするか?
もちろん、文章を作るのですが、原話から推測できる事実だけを表す一文を入れるのです。
決して、事実を作るのではありません。
ということは、記憶にとどめましたが、さあ、次に自分がトライするときに出来るかどうか…。
欠落しているのは分かるんですが、作らずに一文を入れることはほんとに難しいと思いました。

再話と語法は同じペースで勉強していかないと、再話力が上がらないと思ったんですが、それも基本でした。
常に基本を忘れるべからず!
というのを、忘れるべからず!!です(笑)

4月の中級クラス

今年度初めての、中級クラスの勉強会の報告です(^^♪

山の上の火 『山の上の火』クーランダー他/渡辺茂雄訳 岩波書店
まぬけなトッケビ 『おはなしおろうそく30』東京子ども図書館
おんちょろちょろあなのぞき 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
かしこいモリー 『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館
ヤンさんの語り
三びきのくま 『イギリス民話集1トム・ティット・トット』J・ジェイコブス再話/木村俊他訳 東洋文化社

『ノート式おはなし講座語りこの愉しき瞬間』
P18おはなしの選び方
どのおはなしを覚えるかというのは大抵の語り手には大問題ですね。
だから人から勧められたら、タイトルと同時に言われた言葉もうのみにしてしまいがちです。
でも、語り手にそれぞれ個性がありますから、低学年向きと言われる話を高学年のおまけで語って大うけする人もいますし、低学年には難しいと思われる話を小さい子どもに語れる人もいます。
聞き手も、おはなしを聞く機会が年に一度の聞き手、月に一度の聞き手、それぞれです。
聞き手と語り手との信頼関係がどの程度できているかということも関係してきて、一概に○○年生向けのおはなしという言い方は難しい、ということを教わりました。
自分の目の前にいる聞き手のニーズと言いますか、終わった後に満足してくれている状態になるのは、いったいどの話だろうと必死に考えて、かつ、自分が嫌いでない話で(好きならばなお良し!)覚えられそうな話をこれまた必死に覚える。
楽に覚えられる人がいたらごめんなさい<(_ _)>
でも、そんな人とは反対に必死と覚悟を決めておかないとわたしは覚えられません(笑)
おはなしの選び方は、聞き手が固定している場合は、おはなしも考えやすいですが、いろんな場所に行く場合ですと決め方が難しいですね。

今年度からメンバーが増えました。
HPから申し込んでくださっていたかたが1人おられて、今回から参加されました。
そして、見学のかたが2人こられていまして、参加を決めてくださいました。
わたしも今回からが正式な参加者ですので、4人増えたというわけです。
今年もみんなで、語りの勉強頑張りましょう!!

~おはなしをたのしむ~ がらがらどん創作モノ大会 

あたりでは、桜の見ごろは終わり、桜吹雪となっております。
久しぶりの、そして平成最後のがらがらどん〝創作モノ大会〟が行われました。

プログラム
あなのはなし 『おはなしのろうそく4』東京子ども図書館
ごぞんじ、あなが四人の仲間と旅をするおはなし。子どもさんが来てくれていたことと、急用で来られなくなったプログラム1番だった語り手さんの代わりに、急きょヤンさんが語ってくれました。短い話の中に冒険がある、安定のロードムービー的なおはなしです。
二ひきの蛙 『定本新美南吉全集』新美南吉/大日本図書
小学校のお話会で新美南吉がテーマになるとき用のおはなしだそうです。黄色と緑の二匹の蛙が突然お互いの色をけなしあい、喧嘩が始まります。しかし冬眠の時期で喧嘩は時間切れ、「目覚めたら決着をつけようぜ」的に終わります。そして目覚めたとき二匹はどうなるのでしょう?
初代のシュレミール 『ヤギと少年』アイザック・シンガー/岩波書店
シュレミールとはいわば〝おろかもの〟です。ですから、〝元祖おろかもの伝〟みたいなおはなしで、おもいだすとおかしさがこみ上げてきます。シュレミールが奥さんの留守の間、赤ちゃんとにわとりの面倒を見る…はずが失敗するという物語。シュレミールが歌う歌が何とも言えずおかしいのですが、なんと、語り手さんの作曲だそうです。短調のメロディーにのった歌詞が笑える内容で、もうたまりません。そして、持ってきてくださった出典本は、貴重な初版でした!
くしゃみくしゃみ天のめぐみ 『くしゃみくしゃみ天のめぐみ』松岡享子/福音館書店
ものすごいくしゃみをするおっかあがいて、その息子の名前が〝はくしょん〟といいます。はくしょんが立派な若者になったとき、おっかあのくしゃみの勢いで遠い村まで吹き飛ばしてもらいます。行きついた村ではくしょんを待つ出来事とは…。
語り手さんの笑わせ方があまりにも狙っているように思い、あとで少し聞いてみましたら、やっぱりものすごく練習したそうです。さすが!語りは一日にしてならず!! 面白かったです。
いつか、ずっと昔 『つめたいよるに』江國香織/新潮文庫
この短編集の中では、「デューク」が有名ですが、こんないい物語もあったんだなと教えてくれました。主人公のれいこが恋人のこういちとデートしています。ですがれいこは、人間にうまれるまえは蛇だったことに気が付いて、気づくと同時に蛇になっていました。そして蛇の恋人と一緒にいると、蛇になる前は……。これは生まれ変わりの物語、はたまた夢か? 語り手さんの個性と相まって、くすっとおかしくもあり、そしてやっぱり不思議な物語です。
銀貨 『本当に読みたかったアンデルセン童話』イェンス・アナセン編/NTT出版
あんまり知られていないアンデルセンの物語です。ジミーが一年間中学校で語らせてもらっていました。外国へ行った銀貨が、にせ金と間違われて苦難の日々を過ごすという物語です。アンデルセンというと小さな子ども向けの話がよく知られているのですが、大人向けの物語もたくさんあります。大きくなっているからこそ、面白くて理解もできるという話が埋もれているように思います。ジミーはアンデルセンの物語が大好きなので、たくさんの人に、いろんなアンデルセンを読んでほしいと思います。
おしゃべりはだいきらい 『放課後の時間割』岡田淳/偕成社
野原にいるのが野ネズミです。だから、学校にいるのは学校ネズミというのだそうです。学校ネズミもいろいろあり、学校のどの場所にいるかで、語る話も違うそうです。この物語は、運動場にいるネズミが語る、プラタナスの木がとても沈黙を好むという話です。学校ネズミがいるなんて、ほんとおもしろい発想ですね!
遠い野ばらの村 『遠い野ばらの村』安房直子/筑摩書房
小さな商店を営むひとり暮らしのおばあさんが、架空の息子夫婦や孫の話をまわりの人にしゃべります。本当のことを知らない人はふんふんと聞きますが、昔からおばあさんのことを知っている人は「またか…」と思って聞いています。ある日、お店に〝おばあさんの孫娘の千絵ちゃん〟が、石鹸を卸しにやって来ました。そして一週間後(正確には一週間の一日前)には兄弟を連れて3人でやって来ます。いったい、誰?! おばあさんの気持ち、孫たちの可愛さ、野ばらの石鹸、手縫いのゆかた、あったかさとやさしさがあふれかえった物語に感激しました。そして、長い話を語ってくださったヤンさんに感謝! 聞いていて長いとは思いませんが、でもこの長さだからこそ出る物語全体の包み込まれているような温かさの中の感動! 自分では決して覚えられない物語を聞かせていただきありがとうございました<(_ _)>

ちょっとあらすじを紹介しようと思ったのですが、やっぱり長くなってしまいました。
でも、いろんな種類の創作の物語を聞くことができ、充実した時間を過ごせたことにみなさん満足していただけたようで、この大会もやれてよかったと思いました。
そして、創作の物語を知り、同時に昔話の良さも改めて認識するという一挙両得感も感じることができました。
語り手のみなさん、聞きに来てくださったみなさん、お疲れさまでした。
ありがとうございました<(_ _)>