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8月の大人のためのおはなし会

まだ日中は暑いですが、ふとした時に秋の虫の鳴き声が聞こえたり、朝の涼しさがあったりと、すこーしずつですが、季節が進んでいるなと感じますね。そんな気付きに、にんまり嬉しいこの頃です。大人のためのおはなし会、テーマは〈猫〉大人10人、子ども1人、たくさんの方が来てくださいました。

おはなし 「いぬとねこと玉」 『朝鮮民譚集』 孫普秦/著 増尾伸一郎/解説 →語りの森HP

絵本 「サイモンはねこである。」ガリア・バーンスタイン/作 なかがわちひろ/訳 あすなろ書房

 〃 「おんぶねこ」殿本祐子 講談社

手遊び くーるぽん

絵本 「11ぴきのねこ ふくろのなか」馬場のぼる こぐま社

おはなし 「ついでにペロリ」『おはなしのろうそく6』東京子ども図書館

 〃   「ねこの踊り」『日本の昔話1』おざわとしお/再話 福音館書店

 〃   「ねこの怨念」出典不明

猫は身近な動物ですが、犬とは違ってそばに来るのは気が向いた時、しなやかな身体となめらかな毛並み、秘密を隠し持っているような妖艶な雰囲気に魅力を感じます。私は犬派ですが、友人宅にいる猫にはいつも癒されます〜。今回、色んな猫が登場しました。「いぬとねこと玉」では、いぬとねこが協力して盗人ばあさんから玉を取り返しますが、ねこの賢さや、ねこらしさのおかけで事がうまく進む展開となっています。「ついでにペロリ」は、ねこが次々と出会った人を丸飲みにしていくのですが、語り手でこんなにも違うのか!という驚き。ねこのお腹がどんどん膨らんでいく様子が見えました。「ねこの踊り」こちらは恐ろしいおはなし♡「ねこの怨念」は、ヤンさんが人から聞いた10秒もかからないもので、最後にみんなで笑って幕を閉じました。本の紹介机にみなさん集まって、しばし交流され、時間切れで読めなかった絵本「あばれネコ」「ねこまがたけ」も手にとって見てもらいました。夏休みということもあり、小学生の女の子もお母さんと立ち寄ってくれましたよ。そのお母さんが、ほんと楽しそうに聞いてくれていたのが印象でした。何年かしたら、子どもの頃おはなし会聞いてました〜みたいな大人の方もぞくぞくと現れるかも?

次回は9/25(木)テーマは〈狼〉です。

8月のあったかペーチカ

自分の夏休みに入ってしまったため、報告が遅くなりまして失礼しました。旅行も遊びもプチ同窓会も実家帰省も終えて、心も身体もすっきりしました!家に戻った日から息子の友達が泊まりに来ていたのですが、その日は徹夜で遊んで午前中に1人、また1人と寝床に入り、昼前には4人ともソファーやら布団やらで眠り込みました。高校1年生、楽しい時ですね〜。さてさて、ペーチカは10人の参加がありました。

「魔法使いのチョコレートケーキ」『魔法使いのチョコレートケーキ マーガレット・マヒーお話集』シャーリー・ヒューズ/画 石井桃子/訳 福音館書店

「美しいおとめ」『おはなしのろうそく28』東京子ども図書館

「地主のはなよめ」『太陽の東、月の西』アスビョルンセン/編 岩波書店

「つるの恩返し」『語りの森昔話集2』語りの森

「しおちゃんとこしょうちゃん」『おはなしのろうそく13』東京子ども図書館

「ねこむかし」語りの森HP

「ねこの踊り」『日本の昔話1』おざわとしお/再話 福音館書店

「猫の怨念」出典不明

「トロットリーナとおおかみ」『語りの森昔話集3』語りの森

「朝顔と朝寝坊」『こんにちは、昔話です』小澤俊夫/著 小澤昔ばなし研究所

Mさん絵本紹介

「ラクちゃんとおはなしのろうそく」まつながもえ 偕成社

「ねこのおうさま」ポール・ガルドン/再話と絵 石津ちひろ/訳 好学社

「すいかのたね」押本達希 ブロンズ新社

「メロンパンツ」しぶやこうき/作・絵 アルファポリス

「おらはうーたん」 たしろちさと 文研出版

「もっちーん」聞かせ屋。けいたろう/文 accototo/絵 GAKKEN

「くだものらららん」金内織恵 童心社

今回もたくさんのおはなしを聞きかせてもらいました。魔法使いのチョコレートケーキ、また泣いてしまいました。創作物は涙腺にきます(:_;)長いおはなしに取り組まれたり、テキスト整理を努力されたり、日常語にチャレンジされたり、初めて一人で担当されるおはなし会のために練習されたり、みなさんの語りへの姿勢がエネルギーにあふれていて、いつも元気をいただきます。そして、ベテランの先輩たちは、いつも通りまろやかなか語り、歌も入った恐ろしすぎるおはなしや、新しいおはなしを次々覚える姿勢が見られ、すっかり感心してしまいました。好きなおはなしの世界で過ごす時間、幸せです〜。Mさんに絵本を紹介してもらう事も恒例となり、これまでに私もおはなし会で子ども達に何冊か読みました。ここでみなさんから受け取る、生きた言葉、好きなことに取り組む頼もしい姿、お互いにいい循環を生んでいますね。こんなにこんなに素敵な地域のおばちゃん達の在り方は、子ども達にしっかり届くと思います\(^o^)/

次回は9/21(日)10:00頃〜です。

やだわ~そんなめんどうなこと~

7/19(土)の図書館のおはなし会、子ども7人、大人6人でした。いつもイラストが切れてしまうのですが、これはトロピカルな葉っぱですよ~

手遊び 蛙の夜まわり

おはなし 「なまくらトック」『おはなしのろうそく3』東京子ども図書館

絵本「なつといえば」新井洋行 アルファポリス

絵本「すいかのたび」高畠純 絵本館

絵本「すてきなステッキ」深見春夫 PHP研究所

絵本「パンパンぱたん」かとーゆーこ PHP研究所

始まりは少なめ子ども4人、3才以下くらいの小さな子どもたちの中に、常連の女の子1年生が一人。「なまくらトック」を上手に聞いてくれました。トックが何度も言います。「いやだわ~そんなめんどうなこと、あなた自分でできないの~?」聞き手を引き込むヤンさんの語り方に、女の子もトリコです。時々にやにや、「この先どうなるの?」という風に聞いていました。そして、ついに雲行きが怪しくなってきて、ありとあらゆる種類のかむもの、さすもの、ちくちくするもの、ぬるぬるするものが、トックの膝にあけられたとき、女の子はとってもいい表情で、私と顔を見合わせてくれました。おはなし会って、そうやってみんなと一緒に楽しみながら、自由に感情表現をしていける場ですね。で、隣で絵本を見ながらちょこんと座っている弟君も、耳は聞いています。時々顔を上げる瞬間が、なんとも微笑ましかったです。2組ほどの親子さんたちは、初めて聞くおはなしがトックとはステキ!毎回が一期一会の空間です。そして、最後の絵本は、リクエスト本でした。暑い日でもおはなしは楽しい~!また来週も来てね(^^)

7月の大人のためのおはなし会

数日前は、まとまった雨が降ってくれましたね。畑の野菜や木々たちも喜んだでしょうか。そして、夏本番!というきびしい日差しと夕立。あぁ、私のシーツはぬれてどぼどぼになりました。さてさて、今回のテーマは〈蛙〉、10名の参加がありました。

おはなし 「かえるの王さま」『子どもに語るグリムの昔話2』こぐま社

絵本 「よるのおと」たむらしげる 偕成社

絵本 「かようびのよる」デゥィッド・ウィーズナー/作・絵 当麻ゆか/訳 徳間書店

手遊び 蛙の夜まわり 

おはなし 「かえる女房」 語りの森HP

絵本 「かえるとカレーライス」長新太/作 福音館書店

絵本 「いろいろかえる」きくちちき 偕成社

おはなし 「にひきのかえる」『新美南吉童話集1ごん狐』大日本図書 →語りの森HPおはなし広場

市の広報にはっきりと告知されたおかげで、新しい方がたくさん来てくれました。常連さんも出来て、目指していたおはなし会の形が出来てきました。嬉しいです。蛙って、無表情で愛想はないのですが、それもかわいいというか、くりっとした目やのどの袋をぷくぷくやってるところをじっーと見ていても楽しい。「かえるの王さま」は、女の子のそのまんまの性格や態度が、蛙にかけられた魔法を解いてくれるというおはなし。ペタペタ湿っぽいかえるの様子が手に取るように感じられました。「かえる女房」は、法事でお経を唱える蛙たちの声が耳に残る楽しいおはなし。ぎゃーぐきゃーぐ。新美南吉「にひきのかえる」は最後の締めに、ほっこりしました。きいろのかえるとみどりのかえるが、自分達の体の色の事でケンカをしますが最後には仲直り、その黄色と緑が鮮やかにイメージされました。新美南吉の美しい言葉のおかげでしょうか。また、絵本でも色んな蛙を楽しみました。おはなし会が終わった後、今回の絵本や出典を手にとっているみなさんの様子が見られました。おはなし会を通して交流をして、なにか新しい巡りが生まれると素敵だなと思いました。語り手も誕生するかも。

次回は8/21(木)、テーマは〈猫〉です。お楽しみに!

7月のあったかペーチカと赤ずきんミニ講座

暑いですね~元気でいたいんですけど、連日のこの暑さはこたえます。うちの犬、毛がふさふさ長めの犬種なんですけどね、真夏に毛皮のコートを着ているようなもんで、さぞ暑かろう!と気にかけていますが、涼しい場所を知っているので、玄関かエアコンの風がくる所に寝そべっております。さてさて、今回は10人の参加でした~

「ひなどりとねこ」『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎/編 実業之日本社

「ほうび半分」『かたれやまんば藤田浩子の語り第5集』藤田浩子の語りを聞く会

「おおかみと七ひきの子やぎ」『子どもに語るグリムの昔話1』こぐま社

「びんぼうこびと」『おはなしのろうそく26』東京子ども図書館

「ヤギとライオン」『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎/編 実業之日本社

「くさった風」『こんにちは、昔話です』小澤俊夫/著 小澤昔ばなし研究所

「おおかみと七ひきの子やぎ」『語るためのグリム童話1』小峰書店

「赤ずきん」『おいしいおかゆ』子ども文庫の会

「暗~い、暗~い」『語りの森昔話集4』 語りの森

Mさん絵本紹介

「おにぎり ぱく!」 はらぺこめがね 白泉社

「あーん」下田昌克/え 谷川俊太郎/ぷん クレヨンハウス

「しずかなおきゃくさま」ヌリア・フィゲアス/文 アンナ・フォン/え 宇野和美/訳 光村教育図書

「1だけかぞえるえほん」カスパーサーモン/作 マット・ハント/絵 今井悟朗/訳 フレーベル館

いつも通り、語りと絵本でほっこりし、おはなし談議を楽しみました。それぞれのおはなしへの思いやエピソードを伺うと、自分もそれらのおはなしを身近に感じ、新たな感覚を得ました。「おおかみと七ひきの子やぎ」は出典が違う二つを聞き比べることになりました!大筋は同じですが、ちょこちょこ違います。おおかみが落ちる所も、井戸と泉とでイメージが変わりますので、へー!と驚きでした。ここまででも十分実りある時間でしたが、今回はさらに、ミニ講座をヤンさんにしていただきました。「赤ずきん」はおらふさんに語ってもらっていましたので、首尾よく始まりました。

話型はATU333「小さな赤ずきん」、グリム童話では、初版(1812年)からKHM26です。私たちがよく知っているのはこちらです。みなさんご存知フランスのシャルル・ペロー(1628-1703)の「赤ずきんちゃん」の方が時代は前です。なんと、グリムが聞き取りをした語り手は、16世紀にフランスから亡命してきたハッセンプフルーク家の姉妹なのです。ですので、ペローの話が元になっていると。ですが、ペロー童話の赤ずきんは、食べられてしまう所で終わります。猟師に助けられることはありません。グリム童話初版の注釈に、ティークの童話劇の影響がみられると書いてあり、そちら「赤頭巾ちゃんの生と死-ある悲劇」をみますと、赤ずきんは助かりませんが、猟師が狼をしとめて終わるのです。そして、赤ずきんとおばあさんが助かる場面、おおかみのお腹に石を詰め込む場面は、グリムが意図的に入れたのではないかということでした。「子どもと家庭のメルヒェン、グリム兄弟によって集められた」は、ペローを元に、近代国家を作るために規範として、グリムが再話したものということをヤンさんは話してくれました。対象と目的に向けての再話。ペローは、宮廷のお姫様に向けて再話し教訓を付けています。誰のために再話をするかが、テキストの違いからよく分かりました。では、ペローは誰から聞いたの?ということで、民間伝承の物を4つ紹介してくれました。主人公の女の子は頭巾を被っていません!そして、女の子が食べられて終わる話と、逃げ出して助かる話とあります。逃げ出す場面は、「おしっこがしたくなった」と言って足に紐や毛糸を結んで、外に出るのです。三枚のお札と同じですね~。こちらも古いモティーフだそうです。他にも色々おもしろいことがテキストからわかるのですが、長くなるのでこの辺にしておきます。今回参考にされた一冊は以下です。

『赤頭巾ちゃんは森を抜けて』ジャック・ザイプス  廉岡糸子・横河寿美子・吉田純子/訳 阿吽社

赤ずきんの変遷を通して、語り手が今の時代について考える事が大事だと、ヤンさんはまとめられました。講座を受けられた方、感想はコメントにどうぞよろしくお願いします。

次回ペーチカは、8/3(日)です。