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おきてばんばのつ〜らみろ

「おはなし会はじまりまーす」と呼びかけて回るのですが、1年生の女の子2人が一緒に回ってくれました。11/29(土)図書館のおはなし会は子ども9人、大人7人でした。

手遊び どんぐりころちゃん

おはなし「三枚のお札」『日本昔話百選』稲田浩二・和子/講談社

絵本「おやさいめしあがれ」視覚デザイン研究所/作 髙原美和/絵

絵本「ばばばあちゃんのやきいもたいかい」さとうわきこ/作 福音館書店

絵本「これは、わにです。」ヒース・マッケンジー/絵 岩崎書店

絵本「よくみると…」shimizu/作・絵  Gakken

手遊び さよならあんころもち

秋も終わりの頃ですね〜。みなさん栗やサツマイモはたくさん食べましたか〜?「三枚のお札」で栗拾いに行った小僧さんは、誘われるがまま、おにばばの家にあがってしまいました。雨だれの音が「おきてばんばのつ〜らみろ」と小僧さんに警告します。そこの緊張感がたまりません!走って逃げて、最終的に豆粒程に小さくなったおにばばを、和尚さんがお餅にはさんでパクッ、ガリッ。「はーこわかった」で子どもたちからは「ながいー!」の声。そうなんです、おはなし会時間は残り半分に差し掛かっていました。小さい子も少し大きい子もみんなよく聞けました。最後の2冊の絵本、見る事をばっちり楽しむ絵本ですね!子どもたちは、食い入るように見てました。あれこれ声もあがって楽しみました。最後、あんころもちを作って締めるのがお決まりですが、常連の女の子が「あきたー作らへん」となると小さな子も真似して同意(笑)そして、子どもは誰一人あんころもちを作らないという事態になり、ちょっと面白かったです😂明日から12月ですし、だんだん寒くなるけど、みんなおはなし会に遊びにきてね〜!

11月の大人のためのおはなし会

冬の寒さにやっと身体が慣れてきました。風邪も流行っているみたいですので、睡眠をしっかりとって、温かくして過ごしたいですね。大人のためのおはなし会は、3名の常連さんが来てくれました。

テーマ〈猿〉

絵本 「おさるがおふねをかきました」 まど・みちお/詩  東貞美/絵  国土社

おはなし 「猿婿」日本の昔話1 おざわとしお/再話  福音館書店

絵本「ぽっかぽかだいすきおさるさん」福田幸広/文・写真 ポプラ社

絵本「おさる日記」和田誠/文 村上康成/絵 偕成社

手遊び さるかにかきジャンケン

絵本 「さる・るるる」五味太郎/作 絵本館

おはなし「さるかに合戦」語りの森昔話集4/おもちホイコラショ  語りの森

絵本「さるさるおさる」乾栄里子/作 髙畠那生/絵 金の星社

おはなし「さるの海岸見物」語りの森昔話集2/ねむりねっこ 語りの森

猿のありのままの姿や性質、人間が感じてきたさるの本質が詰まったプログラムとなりました。「かわいいな〜」と「猿はやっぱり猿だな〜」という両面を堪能しました。自然に近い村里では、猿と人間は近しい関係であったことを昔話からも感じました。また、町中に出た猿と横断歩道を渡った事を思い出した参加者さんの話も飛び出しました。綺麗な毛並、穏やかな猿だったそうで、食べ物が豊富にあると動物も人間も争わずに暮らせるな〜と言われていたのが印象的でした。昔は、動物と人間とのほどよい関係が保たれ、親から子へ継承されていたからよかったのですが、村里が無くなったり、限界集落が増えることで、人間を知らないお腹を空かせた動物達が町へ出てきています。お互いに「大変だー!」とびっくりしている状況です。新しい関係を作ることができるだろうか?と思いを巡らせました。猿のことをもっと知りたくなりましたし、人間は本当に猿から進化したのだろうか?!と疑問も湧きました。姿は似てますが、中身が全然違います。でも、最近は(いや、ずっと)人間も凶暴化していて猿らしい一面を露出しているなとも思います。おはなしを純粋に楽しみつつ、テーマを決めたプログラムだからこそ、撒いた種が深く根付くんですね。充足した余韻を数日経っても味わうことが出来ています。子ども達にもこんなふうに手渡したいです。

さて来月は、12/19(金)テーマは〈音楽〉です。楽しみですね〜。みなさま、ぜひ遊びに来てくださいね☺️

ありがとうじゅうたんスペース

11/22土曜日の図書館おはなし会、久しぶりの当番でした。今日はなかなか大変な日でした!子ども14人、大人8人。

手遊び どんぐりころちゃん

おはなし「舌切りすずめ」『語りの森昔話集4/おもちホイコラショ』語りの森

絵本「くちばしだーれ?」穂高順也/作 サトウマサノリ/絵 今泉忠明/監修 岩崎書店

絵本「こんとあき」林明子/作 福音館書店

絵本「バンバンバンバンバンソウコウ」いとうひろし/作 ポプラ社

修行の修行、もー大変、どーしたらベストなの?!という私には困難な状況でしたし、先輩方のサポートのおかげでなんとかできました。おはなしを語りながら目から耳から色んな情報が入ってきますし、でも語りは続けながら、頭と口を切り離していた感じです。男の子は何かをしゃべり続け、その口を押さえるお父さん、赤ちゃんはかわいいハイハイで目の前を横切り、それを追いかけるおねえちゃん。それを見守る聞き手たち。今誰かおはなし聞いてるかしら(笑)?と思いながらも語り続ける。本来の囲炉裏端!?疲労困憊…というのが素直な言葉でもあり、テキストの言葉以外の事も、なんやかんや挟みながら、聞いてもらうために手を尽くしたところは勉強になりました。おはなしは雀が舌を切られてから、ぐっと惹きつけられて聴いてくれている時間をしっかり持てたので、よかった〜と安堵しました。すがりついていた常連の女の子が本を読み出した時にはとっさに「本読まんともうちょっとだし聞いて〜!」と言ってしまいましたが、常連さん2人にはほんと助けてもらいました。おじいさんとおばあさんの違いがとても興味深かったようです。絵本は読んでみたかった「こんとあき」、やっぱりよかったです。バンソウコウで締めて、結果的に楽しいおはなし会でした!私の遠州弁の語りは大丈夫だろうか?という心配も忘れるくらいの刺激的な時間でした。もうちょっと人間の器を大きくできたら、余裕を持って難なく面白がる事ができたらな〜と思うのですが、場数ですね。このオープンスペースには色んな可能性がありますし、私のような年数の浅い語り手には、貴重な時間です。ちょうど居合わせたみなさんにも感謝です。

語法クラス3回目

ちょっと報告が遅くなりましたが、10月に第三回語法クラスがありました。4カ月ぶりですので、記憶の引き出しをひっくり返して、がさごそ。奥の奥にあるものを思い出します。前回取り扱った昔話の「平面性」については、みなさんが提出された課題プリントを頂きましたので、非常に勉強になります。自分では到底気が付かない、考え及ばない部分がありますし、色んなおはなしがあげられていますので、そうなのかー!と感心するばかりです。

さて、今回は『昔話の語法』p220

「 抽象的様式」です。冒頭を少し言い換えました。

「平面性が決定的に一貫しておこなわれると、昔話は現実から離れた性質をおびてくる。昔話はそもそも昔から、私たちの現実世界を、そのさまざまな観点のまま、感情移入的に行動や振る舞いを真似しようとめざしているものではない。昔話は、現実世界をつくりかえ、その色々な要素に魔法をかけて別な形を与え、独自な特徴をもった世界を作り出す」

絵画でいうと、昔話は抽象画と似た描き方をします。

抽象画とは、人物、風景、静物などの具体的な対象をそのまま描かず、色、線、形といった要素を用いて、作者の内面や感情、あるいは抽象的な概念を表現する芸術です。具象画(現実の形を描く絵画)とは対照的で、観る人によって様々な解釈や感動が生まれるのが特徴です。

●小説は具象的

文学の場合で言えば、小説のほとんどは具象的です。主人公の生活を細かく描写したり、町のようす、あるいは列車の中のようすを具体的に描写していきます。

●昔話は抽象的

それに対して昔話は、具体的に語ることをやめ、独特の語り方でもって、いわば魔法をかけて、世界を抽象的な世界へと作り変えてしまいます。

【抽象的用様式】

世界を作り変えてしまう魔法のしかけ①〜⑥(今回は)

①名指すだけ (描写しない)

昔話は話のすじの展開を楽しむものなので、図形的登場人物を、ある点から次の点へ導いていくばかりで、描写のためにどこかに立ち止まることはしない。どのような人物か、どんな場所か、どのように事件が起きたかという説明はしない。単純な統一された言葉で事柄のみを述べる。耳で聞かれる昔話としてはこの方が分かりやすい。

②するどい輪郭、個体、柔らかいものも固く

一寸法師の針の刀、御椀の舟、桃太郎の、にぎりめしころころではおにぎりは鋭い輪郭線で転がってもばらばらになりません。「弥三郎婆」→HP、「炎の馬」大木→日本の昔話⑤おざわとしお再話(以下五巻本)

③小さな空間にとじこめる

登場人物は、堅固な家やお城、あるいは地下の宮殿などに住む。「馬方やまんば」山姥のすまい、「さけのおおすけ」一件の家→HP

昔話は、主人公を塔の中や、あるいは宮殿の中、トランクの中、あるいは箱の中にとじこめる

「ラプンツェル」、「ひひ神退治」お棺、長持「三枚のお札」「お月お星」木の箱

④固いものを好む

「へっぴりよめご」石の臼→HP、「仙人のおしえ」石の玉→五巻本⑤、「おしらさま」→HP、「天の庭」酒樽→五巻本③、「海行こう、川行こう」目玉→HP、「きじない太郎」目玉→HP、「山姥とくし」くし→HP

⑤高貴なものを好む

黄金や銀、銅など、めったにないもの、高価なものは周囲よりもひときわ目立って見える。孤立性が強調されている。

⑥原色を好む(灰色はある)

金、銀、赤、白、黒、(紺青)

「白雪姫」、「きもだめし娘」「ぼっこ喰いあねさま」→HP、白雪姫の白、赤、黒の極端な美は、一歩あやまればその極端のゆえに人を震え上がらせるような性質ではないでしょうか。また、馬は黒か白、あるいは赤です。「師番の馬」→五巻本②

*白と黒は、非個体的対照(色というのは中間色で微妙な差を持つ、連続的な違いがある。白と黒はそれがなく、二つにはっきり分ける)

⑦鋭く明確なすじの線

昔話のすじは遠方へひろがっていき、登場人物を長い道のりをこえた遠い国へ連れて行く。また、援助者が主人公に与える贈り物のなかでは、とくに移動手段となるものが多い。ふしぎな馬や車・靴・マントなどが主人公を遠くへ運び、指輪は主人公が望むところへ連れて行く。「かくれみの」→HP、「夢見小僧」千里車・万里車→五巻本①、「灰坊」→五巻本⑤、「イワンの夢」魔法のじゅうたん、いだてん靴→HP

今回はp230まで読みました。これは孤立性、あれは極端性と決めすぎずに、いくつかの性質を兼ねている場合もあることも教えて頂きました。

口頭伝承であった時代、語り手一人一人の中にテキストがありました。昔話は本来そういうもので、自分の中に素養があると語れるもの。時代は移り変わり、私達はテキストを覚えて語りますから、よく考えれば、本当の語りではないですもんね。ちょっと痛く刺さります。長い年月をかけて、何度も語り、子どもたちの反応から教えてもらって、テキストに手を入れることで、良く聞けるようになれば、それが自分のテキストであり、それは一人一人がする作業です。(そうすることで本来の語りに近付けると理解しました)語りクラスでヤンさんが私達に伝えてくれている事が、さらに深く根を下ろした学びとなりました。時間をかけて細かい所まで丁寧に勉強会の準備をして頂き、本当にありがとうございます。そして、こうしてブログを書かせてもらうことで数日かけて復習をしたら、勉強会の時とはまた違う感覚です。ちゃんと合っているかは不安な部分もありますので、皆様コメントにてご意見、ご感想、補足などよろしくお願いします!

宿題は、上記①〜⑥(⑦は昔話のほとんどがそう)を自分のレパートリーのテキストから探してA4一枚にまとめて、11/30までに提出です。

次回の語法クラスは12/24(火)です。

久しぶりだね

蒸し暑い。日が差すとめちゃ暑い。その上雨も降る。今日は変な天気でしたが、運動会や秋のお祭りなどがあったでしょうか。10/18 図書館のおはなし会は子ども10人、大人7人でした。

手遊び くーるポン

おはなし「かきねの戸」『語りの森昔話集1』語りの森

絵本「あきはいろいろ」五味太郎/作絵 小学館

絵本「おおきなおおきなおいも」市村 久子/原案 赤羽 末吉/作絵 福音館書店

絵本「いちごをたそう 1から5まで いちばんはじめのかずのほん3」赤木かん子/著 田村康二朗/監修 埼玉福祉会

絵本「ヤンティとバナナ」片平直樹/作 はたこうしろう/絵 ひかりのくに

絵本「つん こん ぱっ」こぺんなな /作 福音館書店

久しぶりの小さな男の子がきました。「ぼくお姉ちゃんいたよね」「うん、お姉ちゃん何歳だと思う?」「3年生!」「うん、何歳だと思う?」「えー、(計算中)9歳!」とかなんやかんや色々会話をしてくれました。最後に来た時は、お姉ちゃんについてきただけという感じでふわふわしてましたが、こんなにおしゃべりできるようになってるんだと、感心しました。もう一人の子もご無沙汰で、お互い「どーもー」とでもいうように目と目で通じ合いました。行きつけの場に知ってる人がいるって嬉しいですね。それでも、今日は小さな子たちが多めでしたかね。おはなしを自分の中で心静かに楽しむ子たちが来てくれてましたね。常連の小学生女の子は、自由に本を読みつつ自分のスタイルをいっていましたし。この子はおはなしも好きなのですが、すでに知ってるおはなしだったんでしょうね、生粋の本好きで、周りの子に影響なさそうだったので、声は掛けませんでした。そして、私は「おおきなおおきなおいも」の力を再び感じました。絵に描いていたお芋が本物として話が進む、疑うことなく子どもたちがストーリーに入り込んでいる姿が見られて、本の力に加え子どもたちの想像力もすばらしいなと思いました。そして、子どもの成長は早いですね。その時を逃さないように、そう思うとおはなし会のプログラムも慎重に吟味しようと心新たにしました。また来週も楽しみです!