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4月 初級講座報告

日差しは暖かく、風は強く冷たいこの頃ですね。色んな花々も嬉しそうに咲いています。この風でぶんぶん揺れてます!そうやって、風が夏をつれてくるのかな。「まだまだ~」と寝ぼける夏を風が引っ張る様子がイメージされます。こちらはこちらで、季節問わず年中シュッシュッと、みなさん慣れた手つきで会場準備です。

ヤンさん 手遊びとおはなし 

ぎおんの夜桜♪ ひとり、ふたり、さんにんのこども (おはなしのろうそく26)

1.ついでにペロリ『おはなしのろうそく6』東京子ども図書館

入門クラスで初めて覚えたおはなし。今回、テキストの細かい部分を見直すことができ、新たな発見があった。いけると思って臨んだが、緊張した。リラックスして語るにはどうしたらよいかが、課題だと感じた。第一歩目のおはなしとして、自分にとって大事なもの、我が子が飽き飽きしながらも(笑)練習に付き合ってくれた、とのことでした。

ヤンさん…入門クラスの時からまたよくなっていた。ある程度の緊張はあっていい。大人対象だと緊張するね。子供の前だとそこまで緊張しない。(みなさんの声)場数を踏んでいくことでほぐれてくる

2.ラ・レアールの修道院長『語りの森HP』語りの森

こちら私です。頭痛持ちの王様がのんきな太った修道院長に3つ問題をだしますが、その間を取り持つ修道院の料理人の姿があります。私のイメージ…料理人はヤジロベーの真ん中の存在です。死と再生もテーマの一つで(私の予想)、問題に答えていく料理人が、だぶだぶの修道院長の服をするりと脱ぐ時、このシーンは痛快です。練習期間中に語りのヒントはないかと、ふと落語のことを思い出し、YouTubeで聞いてみました。米朝さんの「持参金」、おもしろかったです。落語の雰囲気!を取り入れたような形で、楽しく語れました。

ヤンさん…テキスト冒頭、修道院長の性格を表している会話文「王様、それはあなたがいつも…」を気軽に答える。そうすることで、話の課題がはっきりする(王様が院長をこらしめたい)。会話文の後の地の文、区別が分かりにくいところがあり、分かるようにする(間、言い方)。最初に出てくる「銀貨」「金貨」、ん ん わかるように言葉を立てる。落語は’間‘がなにより大事なもの。

3.首の短い男の話『語りの森HP』語りの森

好きなおはなしで、エントリー前から時々テキストを読んでいた。アイヌの村長の語りで難しかった。練習を録音して聞くとのっぺりしている。初級クラスでこの難しいおはなしを選んでしまったが、とても好きな話。首の短い男となって人間界に現れた「首のもげたとっくり」は自分の素性がわからなかったがために悪さをしていた。素性・育ちのベースのような部分。語り手自身の子供の頃、身近におはなしを語る人はいなかったが、父がお酒を飲んだ時には「あの話して!」と、実体験話なんかをよく聞いていた。子どもは大人のおはなしを聞いて、安心して大きくなっていく、自分の能力に気付くような所があるように思う、とのことでした。

ヤンさん…アイヌの語りは「わたし」一人称で語るので、慣れていないから難しい。それと同時に、難しものに挑戦することによって、手に入るものは大きい。覚える、語る、人前で語る、その段階ごとに自分のものになる。テキストの語りについて、「小便飛ばしをしよう」と男がいうところが、子どもが言っているように聞こえたので、神的な存在であることを性格付けする。また、「御幣(ごへい)」アイヌではイナウといって、日本のものとは違って、木から削り出したもの。神への供物。岩波書店で、日本語もアイヌ語も堪能だった知里幸恵さんの本がある(アイヌ神揺集)。本を読むことで、アイヌについて自分の中に持っている世界が変わる

なぜ、アイヌの語り手は一人称で語るのか?…質問されたご本人Uさんの宿題となりました♪

4.ひなどりとねこ『子どもに聞かせる世界の民話』実業之日本社

小学校で朝学習に語る予定、ねこの気ままさ、平和なおはなしが気に入った。語っている時に、テキストと違うなと自覚しながら語っている部分もあった、とのことでした。

ヤンさん…ちょっと猫が恐かった。知らないおばちゃんの語りとなると、こちらが思ってる以上に怖さなどを聞き手は感じるもの。全体的に薄めて。ひなどりのくしゃみとお母さん鳥のやりとり面白かった。「だめよ」猫に見つからないように隠れているお母さん鳥の言葉、禁止のだめ?焦りのだめ?語り手によって解釈違うが、めんどうくさくなった最後の「いいわ」の言い方も考えてみて。ここで、子どもが「わー!あかん!」となるし、はっくしょん!で喜ぶ。世界に入り込んでいると子供が一緒にくしゃみをしてくれる。聞き手と楽しむおはなしであり、終盤が大事。

Tさん…皆さん初々しく、最初が硬いですが、いつかふわっと緩む時が来る。うまくなったやん私、と思う時が危ない、これは体験談。ヤンさん…過去を思い出し、自分を励ます!(笑)

5.クルミわりのケイト『おはなしのろうそく10』東京子ども図書館

ずっと練習していたがあいだが空いた。前に語ったものなので、大丈夫と思っていた。3回の繰り返しで言葉が変わるところが分からなくなった、練習不足。中学生に語る予定、とのことでした。

ヤンさん…年齢が上がるほど反応がおとなしくなるので、語りにくくはなる。また、本番と同じように練習する。座って語るのと、立って語るのと、お中に入る力が違う。立った方が声出る。また、3回の繰り返しの違い、言葉を完璧に覚える。ストーリーの展開があるので、場面転換で間をとると分かりやすくなる。

6.ほれ薬『語りつぎたい日本の昔話 吉四六さん』小澤昔ばなし大学再話研究会 小峰書店

おもしろい、楽しいおはなしを選んだ。テキストの言葉を自分のものにする難しさ、とんでもないことだと思いながら取り組んだ。覚えている期間の約一カ月に波がある。言葉がすっと覚えられて楽しい時もあれば、すじの運びが分からなくなる時もある。そして、それを超えるとまた楽しくなっていくような、色んな段階がある。語りつつおはなしの世界に入る難しさがあると実感がある。心の耕し方のような部分。いざ人前で語るとなると、あがってまっしろになる。決まった言葉をきっちり覚えて語りたい、とのことでした。

ヤンさん…私も真っ白になったことがある。語り10年目くらいの勉強会での創作話。練習した分すべてを、先生の前で聞いてもらいたいという自意識がでたから。子供の前では真っ白になったことはないなあ。聞き手と楽しむ、気持ちを持っていく。それと、真っ白にならないようにたくさん練習する。つまった時、子どもの情け深い目(笑)があるので、言葉を変えるなり、思い出すなりする。そんな状況も含め、楽しめたら良い。

Tさん…おばちゃんは媒体、イタコ。子ども達は‘おはなし‘を聞いているのだから、私が見えたらよくないと思うようになったら、落ち着くようになった。

ヤンさん…テキスト、ちりりん、ころろん…何の音かなと思ったら下駄の音だった。下駄の音と後で分かればよいが、聞き手を選ぶ。大人や中学生が楽しむおはなし。

みなさんの語りとそれを通しての対話、本当に楽しく充実した、おいしい食べ物を食べるような、栄養ドリンクを飲むような、あったかい言葉のシャワーを浴びるような、奥深い時でした!それぞれの表現でそれぞれ素敵なみなさんの語りが、子供たちに届けられるようにと心から思います。物語は人によって語られ、解放される必要があると、ある人が言っていました。私もおはなし会が終わった後の帰り道、おはなしが喜んでいるなと感じる時があります。聞き手も私も喜んでいるおはなし会ができた時です。自己満足の思い込みかもしれません。一瞬より少し長い時間で、語り手も聞き手もおはなしも、一つに重なる時を感じられると、なんかそんなことを感じます。充足感が体に刻まれるように残ります。そして、その喜びが次に繋がるので、何を覚えようかな、何のおはなしにしようかな、どんな顔するかな!とわくわくします。そうやって、5年、10年とみなさんおはなしの魅力にはまり込んでしまうんですね。ヤンさんが先日ブログで書いていたことを思います。そうやって、おはなしが人間の体を使って生きながらえている、言葉が私たちを使っている!やはり私たちは媒体ですね(笑)

来月はお休み、次回は6月8日(火)です。

3月初級講座報告

う~めにうぐいす たけのこすいせん おひさまかがやくさんじょのじょ♪   (ヤンさん)肌寒い日もありますが、あちらこちららで春の訪れを感じられますね。

1.貧乏神『日本の昔話2』こぐま社

覚えるのに必死でしたが、どうにかできた。練習量がもっといると感じた、普段使わない言葉が覚えにくかった、とのことでした。

ヤンさん…ストーリーが分かった、途中何かとあってもうまく切り抜けて、最後までおはなしを届けられていた。終盤が弱くなっていたのは、練習量に違いがあるから。終盤の練習量もそれ以前と同じにすると良い。おはなしの面白さは表現できていた。普段使わない言葉も自分の言葉にすることは大事。それは自分の言葉・語彙を増やすという事になる。また、思わず出ていた言葉「あ!」と言ってたところあったでしょ。おはなしの世界が自分で見えていると、テキストにない自分の生きた言葉がふと出てくることがあって、その時がとてもいいもの

2.竹の子童子『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』語りの森

自分の中でイメージが途切れる事があったが、なんとか語れた、早口になってしまった、練習量がもっといる、竹の子童子と三吉のかけあいのところを覚えるのに苦戦した、とのことでした。

ヤンさん…語りの場をもっと広げると良い。違う場で、違う子どもに、2回語る。そうすることで、はなしに奥行きがでる。イメージすることが慣れになる。覚えにくいところは、きちっと覚える努力はして、語る時はどんと語る。また、竹の子童子の人物像を考えてみると良い。手のひらに乗るような小さなこどもの姿だが、「世界の事は何でも知っている」「1234才だ」「願い事を叶えてやる」などといっていて、背伸びをしているような様子、男の子が偉そうにしている様子。性格付けをする。また、早口は良いけど、大事な言葉はちゃんと立てること。「さんちゃん」名前を呼んでいることが分かるように。「おれは天人だ」→「おれは 天人だ」 直前に一瞬の間をおく。声の出し方など、語り手の竹の子童子で良いと思う。

3.がちょうはくちょう『おはなしのろうそく27』東京子ども図書館

こちら私。HPを活用したり、ロシアの他の昔話を聞いたり、聞きなれない物・言葉の表情を知る事でイメージ作りをして、納得させた。調子よく早口になりつつ、大事な所は聞かせるようになんとか努力した。

ヤンさん…スピード感で語る話。子供に引っ張られて早くなる。それは聞き手に合わせていることになる。また、ペーチカが立っていました→ありました ペーチカを人の名前だと勘違いするのでかえる。何かと聞かれたらパンを焼くかまどだと分かればよい程度の説明をする。語る前に、ババ・ヤガーとがちょうはくちょうの説明をしておくとよい。

4.とんびになりたい『日本の昔話5 ねずみのもちつき』おざわとしお・再話

奇想天外でおもしろく、落語だと思い魅力を感じた。今回時間をかけて練習したが、自然におはなしの世界が動くような時間が心地よかった。一方で、おはなしの世界に入りきる難しさを感じる。目線が泳ぎ集中できない。楽しんで発語するのは難しい。

ヤンさん…集中しきれないのは、いつ、だれにするかという本番の場がないからかな。集中して、どれだけ言葉を自分のものにするか。このクラスを本番にすると決めたら、集中力が出てくる。(ここでは言い忘れたそうですが、おはなしを始めて5年は語ってはいけないというグループもある、この場はおはなしを提供する本番と考えて練習すること。@日常語クラス)やはり語る場がいる。私は3回繰り返し語るという練習をしている。(小学校での語りはだいたい3クラス)3回繰り返しても飽きない、3回繰り返す体力。本番の形を練習に取り入れる。

5.にんじんとごぼうとだいこん『語りの森昔話集4 おもちホイコラショ』語りの森

日常語入門クラスで語ったおはなし、日常語クラスは目から鱗だった。やりたいと感じていた納得する語りかもしれないと思っていたので、理想の語りに近づくと楽しみにしていた。しかし、言葉や語尾を変えていき、私の言葉になったと思いきや、見直すとまた変えたくなる。変えてみて、見直すとまた変えたくなる。ヤンさんには「変わってくるところを大事にしてみて」と言われた。日常語で語ることで、自分の言葉になってしっくりきた、とのことでした。言葉を立てるについて、意味が分からないかもしれない言葉を言うとき、例えばもらい湯はどんな風に言ったらよいか?

ヤンさん…重要な言葉でないときは立てずにさらっと言う。そのうち分かるだろうという事で流す。聞かれたら教える。また、日常語で語るという事は、よりリアルに表現できて、細かいところまでイメージできるということ。自分は普段どんな言葉を使っているかという事を考えることになる。決め手としては、自分が聞いていて快感があるかどうか。それは、聞き手が気持ちよくなる言葉でもある。

6.6ぴきのうさぎ『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』語りの森

繰り返し動物の名前がたくさん出てくる、少しずつ言葉も違う。教えがはっきりしているが、語るのは難しい。

ヤンさん…語るスピード感が大事になる。…かもしか→ぞう→くま→うま→とら、この逆の順番を間違えないように。間違えると子供たちが違う!と言ってくれる(笑)ライオンが「おまえたち、誰から聞いたんだね」と聞いて、「とらです」「うまです」「くまです」「ぞうです」「かもしかです」とみんなが口々に言う。ここも子供が笑うところ。最後の「ただのうわさで動くものではない」という教えはただの付足し。また、言葉がそろっていない所は意味がある。そう思って考えてみると覚えられる。

ヤンさん語り ギーギードア  おはなしはたのしい たなかやすこ

今回は受講料値上げについてのジミーさんからのお話があり、ババ・ヤガー立ち上げの頃のお話、ヤンさんの努力、ジミーさん自身の思いなどを聞かせてもらいました。語り手を増やす、再話して眠っているおはなしに光を当てる、子どもたちに語る、おはなしを広めるというみなさんの活動。おはなしに出会って、こうしてヤンさんという講師から学べることは、ヤンさんや関わるみなさんのおかげであり、本当に恵まれた環境なんだという事を改めて捉え直しました。自分はどうして語りをしたいのか、何のために語るのか、自分の中にあるその原動力は何かを見つめる機会を頂きました。おはなし という、先人・自然からの贈り物は、言葉による普遍的な永遠なるもの。時間・空間を飛び越える、想像による認識。人類が存在する限りなくならない恩送り、心と体の栄養だと思うのですが、おおげさでしょうかね~?!おはなしは聞くのも語るのも、本当に幸せな気持ちになるということです。さあさあ、求める者は見出すよ♪

次回は4月13日(火)です。

12月初級講座報告

1.白ばらとばら赤 『語りの森昔話集4 おもちホイコラショ』語りの森

覚えたい話ばかりなのですが、冬というこの季節を理由に選びました。前回の指導を受け、形容詞を強調しないように気を付けた。聞き手のイメージにおいて大事な所を考えて語った。また、自分の発する言葉に癖があるようで…

暮らしていました(テキスト) →住んでいました とついつい言ってしまう

出かけました(テキスト) →行きました     とついつい言ってしまう

お母さんと二人の女の子の暮らしがある、行くのではなく出かける。そういうテキストの言葉を味わっていきたいとのことでした。

ヤンさん…『森のまんなかに、小さな家がありました。そこに、まずしいお母さんと、ふたりの女の子が暮らしていました。』語法における孤立性の表れによって、聞き手にすっきりとイメージが見えてくる。登場人物たちの暮らしが描かれている。短いわりにドラマチックなので、語りに切り替えが必要。グリム童話にも〝白雪とばら紅〟ある。

また、小人の存在はどのようなものか?主人公をさらおうとする悪者らしさがある、不思議な事ができる、老人の顔をした小さい人…小人の存在を性格付けすると、奥行きが出て語りに表れるとのことでした。

小人に「白ばらちゃん」と呼ばれて白ばらが行きそうになると、ばら赤が「わたしたち、どんなことがあってもはなれないのよ」と白ばらを引き留める。名前を呼ばれると行きたくなるところを、くっと引き留める3回の繰り返しシーン。語り手さんも好きなところという事でしたが、私もイメージができ、大事さが伝わって引き付けられました。ヤンさんが「本当は一人の話で、二面性を表している」という深いことをポロっと言われました。

 

2.半分のにわとり 『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』語りの森

子どもは繰り返しの話が好きという事を意識して選んだ。つなぎの言葉(しばらくいくと、やがて、夜が明けると、朝になって、など)色んな表現が覚えられなかった。

ヤンさん…表現言葉の違いは、なぜそうなのか、なぜ…しばらくいくとなのか、なぜ…やがてなのか、なんでかなと考えると覚えられる。本番で間違ってもかまわない、後で反省すればよい。

にわとりを半分に分ける、鳥たちがにわとりのお尻からもぐりこむ。この出来事に聞き手の子供たちは笑う。軽くリズミカルに語ると良い。鳥たち→オオカミ→池…その場面をイメージすることで自然と語りの言葉が変わる(変えるのではない)。会話文より前の地の文からそのイメージをする。…とちゅうで鳥のむれに会いました。鳥たちが「半分のにわとりくん~」とききました。たくさんたくさん練習したらリズムが出てくるとの事でした。

3.大歳の火『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』語りの森

季節に合うかなと思って選んだ。後半死人が出てきてびっくりしたが、一般的に不穏な言葉も昔話には普通に出てくるのだなと思った。追い込みでやっていたところがあり、自分のモノにするにはいくつものステップがあると感じた。ボイスレコーダーで聞いて、文脈を抑えられるようにし、楽しむことを目標にした。また、お姑さんがどのように厳しいかの説明がなくても、その厳しさがお嫁さんの言動や行動に表れていると思った。そして、元旦の朝、みんなでお祝いをしていた時、お嫁さんが預かってきて隠していた死人(金の棒)に気づかれて「こんなものどうしたんだ」と、だんなさんが言う。その言い方に迷った。お嫁さんの視点で、咎められてるような言い方になる、とのことでした。

ヤンさん…だんなさんは誰に対して言ってますか?だれがどうやってあんなところにおいたのか?とみんなに聞いてますね。語り手が主人公に感情移入するのではなく、自分は主人公のそばで共感はしているけれど、聞き手の子供にあんたはどう感じるか~?という形で語る。深いところでどう感じるかは聞き手大歳の火の昔話は日本中にあり、火に対する信仰みたいなもの。火を消さないということが大事なこと。語り手の一生懸命さが伝わったので、もう少し手放してみて、とのことでした。

4.アナンシと五『子供に聞かせる世界の民話/実業之日本社』

初級クラスに入ってすぐの頃に語りを聞いてやりたかったもの。長い期間で準備していたが、途中面白くなくなった時があった。キャラ設定で演技に走りすぎて、お話の面白さが薄くなったと感じた。しばらく放っておいて、再び練習に向かい脱演技でした。自分が語りを聞いたときは面白かったのに…。また、普通のマスクをして練習し、途中で息苦しくなるのですが、今回使った〝歌えるマスク〟は、声もこもらず語りやすい。東京混声合唱団も使っているマスク。

ヤンさん…演じなくては面白くない話もある。なまくらトック、松岡享子さんの語りを聞いた時もとても面白かった。〝演じる〟というのは完全に登場人物になるのではなく、こんな風に語ったら面白いだろうなと思って語る

アヒルのおくさん、ウサギのおくさん…「一、二、三、四、五」はっ! って顔になり、盛り上げていく。3匹同じように言うが、ハトのおくさんは数えられなかった。

…「一、二、三、四、それから…(なんだった?ごまかして)私の乗ってるいるぶん」

ハトのおくさんは五が分かりたい、自分が数えたい。テキストにある…を考える

そして、イライラしてくるアナンシが数えてしまう。「一、二、三、四、五(あ“)」ばったり。というところに向けて語りを盛っていく。聞き手を巻き込む語り方や間が大事になる。幼い子に語ると五!といってしまうので、アナンシをやっつける事を一緒に楽しめる年齢がいい。ハトのおくさんの時に図らずもやっつける、その手があったか!と子供は喜ぶ。語り手は聞き手との駆け引きを楽しむとステップアップできる、まだ皆さんには難しいかな~?!とのことでした。

5.とらとほしがき『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』語りの森

以前語った話で、期間がだいぶ空いていたのですが、語れる気がしていた。前にやっていても期間が空くと同じくらいの練習量がいると思った。集中できなくて、次の言葉が出てこなかったり、言葉が抜けたりしてしまった、とのことでした。

ヤンさん…言葉のリズムがついてこないと、本番に抜ける。その場合は、うまいこと後で抜けた言葉を入れて、自然に語る。少し戻っての言い直しは好ましくないので、思わず出たらそのまま語る。そうなると、リズムが変わってしまい、また立て直すのが大変だが、子供たちには“テキストの抜け・表現違い”は分らない。基本テキストの言葉をしっかり覚える、練習に練習を!また、このはなしは朝鮮半島の有名な話。

6.かめのピクニック『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』語りの森

覚えきれてなかったので、語りがゆっくりになった。間が難しいと思った、とのことでした。

ヤンさん…高学年はそのまま語ってもいいが、演じないと面白くない話なので、語りで笑わせる、思いっきり楽しむ。18カ月(道のり半分)という期間が分かっていなさそうだったら、教える。分かる子がいたら「一年半やん!」と言ってくれる。また、缶詰のところで、他に何の缶詰を持っていくかという形で、子供たちに「みかんの缶詰!」など言わせて、やり取りを一緒に楽しむ。小さい子には“缶切り”の説明がいる。

~ノート式おはなし講座~

p32ステップアップ 一.おはなしの姿 (抜粋と聞き書き)

おもしろい話、ハラハラする話、心が温まる話、ロマンティックな話…     昔話をはじめ、おはなしの世界はなんと個性豊かに様々に彩られていることでしょう。つまり、文学は、人間のさまざまな生き方を語っています。

語り手は、一つのおはなしを文字の連なりとして覚えているのではなく、イメージとストーリーと、それらが訴えかけるテーマや感覚などすべてを受け止めて自分のものにしているはずです。だから、語り手の中には一つひとつが個性を持ったおはなしとして生きています

それならば、語り手がある一つのお話を表現する時、そのお話が他のお話とは異なる顔・形を持っているのが自然です。

おはなしの持つ、その自然な姿に敬意をもって語りましょう。その姿は、昔話ならば、語り継いできた人々の伝えたい思いの表れであり、創作文学ならば、作者の訴えたい心そのものだからです。

1.おはなしの周辺を手掛かりに

創作文学なら作者の略歴や社会背景を知ったり、また、同じ作者の他の作品を研究者による作家論や作品論を読みましょう。すると、作者の言いたかったことがわかります。私たちは、他の人に伝えるために語るのだから、努力をするのです。完璧にするのではなく、充たそうと努力をする。昔話なら類話(主要モティーフや構造が同じ話)を読み比べます。グリム童話の“幸せハンス”(持たざる者の幸せがテーマ)なら、類話を集めて読み比べてみれば、実はどんでん返しのある笑い話の結末が変化したものだと分かります。グリムはこれを宗教的倫理的な姿に再話しました。それを知ったうえで、どう語ればいいのかを考えるのです。

2.子供の受け止めを手掛かりに

自分がこうだと捉えた姿で自然に任せて語る一方で、語っている自分とは別の自分が、子供たちに、「これはどんな話なのか」と心の中で問い掛けます。子供は真実を捉える力が鋭いので、問いかけにはちゃんと返してくれます。子供に語って初めて、その話の真の姿やテーマを知ったという経験はよくあります。ここに、深い部分での語り手と聞き手の育ち合いが生まれるのです。

ヤンさんが5年生に“幸せハンスを”語った時「ハンスは本当に幸せだったか」という声があがったそうです。

ヤンさん 手遊び どんぐりころちゃん(リクエスト) クリスマスツリー  

     語り はらぺこピエトリン 『子どもに語るイタリアの昔話 /こぐま社』

 

こんなに長引いてしまいましたが許しを…。内容が深いのです。そして、みなさんが語るおはなしへの熱い思い、丁寧な向き合い方、その姿勢にいつも力をもらいます。語りを聞かせてもらう心地よい時間、みなさんに感謝です。個人的には井戸掘りをしているような気がしました。お話を深める事と語りを通して自分を知る事、一つの同じ水脈からじんわり水が湧き出るのかもしれない、と。

Try to do  充たそうと努力する ですね! ありがとうございました。

次回は3月9日(火)の予定です。

11月初級講座報告

窓を開けています。みなさん距離を取って座っています。心も体も冷えていきます…。人肌恋しいこの頃ですね!今日も元気に始まりました♪

1.この世の光 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森

宮殿の主、幽霊の老人が持っている「文字が縦に書いてある分厚い本」とは何なのか、引っかかっているとのことでした。

ヤンさん…調べたけれども、分からなかった。意味があるから消さなかった。この話は、スペインの話だけれど、地中海の島ごとにある話。地中海はシルクロードの端にある、色んな民族が出入りする中継点。 聖書ではない、聖者伝?!    過去のブログ→聖なる書物 文字が縦に書いてある書物

また、語り手が幽霊の存在をイメージすると、自然と語り方が変わる。どんな幽霊か、自由に考えてイメージすると幽霊の話し言葉が変わり、そのイメージが聞き手に伝わる。そして、ストーリーが止まってしまう説明部分(p169)も、そのイメージが伝わることで(そうなのか~)と聞き手は納得して聞ける、とのことでした。

2.まほうの鏡 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森

最初に覚えた、これからも語りたい好きな話。先月の初級講座の中で、テキストにおける3回の繰り返しについてのヤンさんの解説を聞いた。その時、まほうの鏡でもそれを自然と感じていた事が思い出され、今回選んだそうです。

助詞~に~へ、の使い分けがあると認識しているが、それでも語るときは迷ってしまう。~が~は、の違いも知りたい。

ヤンさん…                                ~に:その場所をピンポイントで示す ~へ:方向性ある、途中で何かがある

共通語で再話をするときには、意識してそうしている。小澤先生からは、大事なことです!と指導を受けた。関西人がしゃべる時には、特に使い分けていないようだとあとで分かったんだけどね。基本、テキストは正確に覚えましょう。

~が:各助詞 ~は:係助詞                        一人の狩人いました。 一人の狩人いました。(他にも誰かいたのか?)  狩人「いったい何をくれるんだい」ときくと、きつね(に関しては)いいました。                                   ※個人的検索 ~が:主語と述語などの文の関係を作る、           ~は:区別・強調の意味をそえる

また、言葉を立てているところが多い。大きな>魚と語っていたが、大事なのはの方。語法の勉強でも出てくるが、「昔話は物理学を無視している」ところからいうと大きさは大事ではない。…魚は、狩人を飲み込んでのどの中にかくすと、深い海の底へ潜っていきました。事柄の大きさをイメージさせる。子供はその手があったか!とびっくりする。

いすの<と語っていたが、大事なのはいすの方。おひめさまの一番近くに隠れた。その手があるか!とまた思う。どの言葉が大事かを考えると良い。

3.しおちゃんとこしょうちゃん 『おはなしのろうそく27』

繰り返し言う、「そう」の言い方が分からないとのことでした。

…二匹は、なにをやるのもいっしょでした。一匹が目をあけると、もう一匹も目をあけました。そう、二匹とも目をあけました。                一匹がお皿のミルクをなめられるようになると、もう一匹もお皿のミルクをなめられるようになりました。そう、二匹ともお皿のミルクをなめました。      一匹が自分のしっぽを追いかけはじめると、もう一匹も自分のしっぽを追いかけはじめました。そう、二匹とも自分のしっぽを追いかけました。

ヤンさん…「一匹が~、もう一匹も~」という説明によって事実を分からせて、「そう、~」は聞き手への確認になる。

繰り返し言う、「ニャー!ニャー!ニャー!」の言い方も。語り手さんの家に、猫が二匹迷い込んできたとのことで、その鳴き方に近付けたそうです。

「ニャー!×3」1回目、鳥に助けを求める。                「ニャー!×3」2回目、飛行機に助けを求める。              「ニャー!×3」お日さまが沈み3回目、夜の風に助けを求める。        ヤンさん…状況が少しずつ違い、猫たちの気持ちも少しずつ違うので、いい方も自然と変わる。その情景をイメージすると良い。

4.天福 地福『おはなしのろうそく14』

正直な爺さんとごうたれ爺さんの、シンプルな話で気に入った。家での練習は合間になってしまっていたので、いざ人前になると難しかったとのことでした。

ごうたれ爺さは「…」と、ききました。 「…」と、正直な爺さがいいました。「…」といって、ごうたれ爺さは~しました。

などの使い分け区別がつかないままで、自分に入りきらなかった。また、練習が進むうちに、2文字の言葉(くわ、いし、へび、いえ、など)のアクセントが普段の自分のアクセントと変わってきてしまって、自分の中で昔話口調が出来上がってきた。普段と違うアクセントでも良いのでしょうか。

ヤンさん…テキストが共通語でなく、土地言葉のようなものが混ざっているから、語り手の中で迷いが起きる。自分なりのアクセントを作っていって良い、聞いていて自然だったので良いと思う。みなさんそう、家でも大きな声を出して覚えましょう。テキストの問題は、また追々変えていけるようになるから大丈夫、とのことでした。

天福地福の意味が分からないかもしれないので、子供に語るときは少し大きな子に語るのがよいかもしれない。天福地福の説明はしないで済むなら、そうしたいね~

5.かしこいモリー『おはなしのろうそく1』

こちら私です。小学校の朝学習で語る予定。机を下げて前に集まる従来の形とは違い、子供たちがそのまま着席した状態で、開放的な空間で語るので、難しさを感じている。練習の仕方に工夫がいる。今まで以上の練習、人前でする練習などが必要と感じている。

ヤンさん…席が離れていて、子供たち同士の関係が取りにくいから、おもしろさ、理解が伝染しにくくなって、語り手の力がおよびにくい。かしこいモリー、お話自体に力があるから、子供の心を掴む、そのことにすがり付いて語る。それだけでやっても、半分の子供には伝わる、心に残る。自分が楽しんだら、子供たちも楽しむので、楽しんだら良い。語り手と集団、その子ら同士の関係性の大切さがあることを、この度思い知らされているね~。

また、テキスト:刀を手もとまでひきよせたとき、カチャッ(間)と~ ここの間を入れる。繰り返しにおける1回目の大事なシーンを子供たちに見せることは大事、とのことでした。

ヤンさん 手遊びとおはなし                        し~の~だ~のもりの~きつねがコンチキチン、コンコンチキチンコンチキチン (信太のきつね)                             さるかに合戦 (日常語)『語りの森昔話集4・おもちホイコラショ』語りの森

 

ノート式おはなし講座p31 おはなしの語りかた (抜粋と聞き書き)

そのお話を選んだときの思いや、覚えるために時間を費やして努力したことに自信をもって語る。語る時にいちばん大切なのは、聞き手と語り手が共にそのお話を楽しむことです。聞き手が、語り手の言葉を受け止めるというのは、言葉からイメージを作り出す、言葉から見える、瞬時に想像することです。聞き手が明確にイメージしてこそ、お話の面白さが伝わるのです。おはなしを語るというのは、聞き手にストーリーを手渡すことです。ストーリーを膨らませるのは聞き手です。たとえば、大げさにオオカミらしく語ったりすると、聞き手はむしろ現実に引き戻されて、ストーリーから離れてしまいます。(おばちゃんの面白さに気がいく!)語り手は媒体。子供たちは受け止めて感じたものを、瞬時に返してきます。それを語り手はまた瞬時に受け止めて、次の言葉を発するようにしましょう。子供たちの目が分かっていない~ということを発していたら、説明を入れます。短い説明を前もって準備しておき、語りの途中で挟む練習、その後、語りにすぐ戻る練習をしておきます。 語り手が笑うと子供も喜ぶ。物語を通じた心のキャッチボール、これが語りの良さです。

間違えないように語るということを突き抜けて、余裕を持って楽しむ。孤独な練習の日々、おはなし5分、10分のために語り手はどれだけの時間を費やし、努力している事でしょう!でも、その先には子供たちの笑顔と素敵な未来がありますもんね。俄然やる気が出ます。甘いお菓子を休憩に挟み、練習を重ねます。語り手が笑うと子供も喜ぶ、その言葉が心に響きました。おはなし会は心地よい時間ですね。しみじみ。それと同時に、当たり前な事を自分に問い直す時間、何が大切かを考え、捉え直す時間を与えられたのだと深く思い、感じます。逆境を成長に☆ありがとうございました。

次回は12月8日(火)です。 1月・2月はお休みです。

10月初級講座報告

初級講座の報告をさせてもらうことになりました、ウーカーです。

2月以来の会場での初級クラスでした。久しぶりやら、嬉しいやら、緊張するやら、会場設営の新しい様式やらで、個人的に不思議な感じでした。卒業&進級の節目の時期に自粛期間に入ってしまったので、今回は新メンバーを改めて迎え、また、中級クラスの先輩も参加があり、それぞれの思いがある中で静かに始まりました。なんせ、ソーシャル~ですからね、本気のおしゃべりは控えておりました(笑)

 

1.めしを食わないよめさん  『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森

子供に分かりにくいだろう言葉、「髪をざっくと分けました」の“髪”を“髪の毛”に変えられたそうです。

ヤンさん…聞き言葉としての“かみ”は、紙・髪と判断しにくいので、分かりやすいように変えて、自分の口にのりやすくすると良い。ただし、えてはいけない言葉もある事も分かっておくこと。

普段フェイスシールドを着けて語っているので、今回敢えてマスクで試してみたが、語る声が大きくなってしまった。聞き手はしんどいのでは?大きな声はお話を届ける事ではないと、聞き手の側で思ったそうです。

ヤンさん…自分の声が壁に当たって返ってきて、聞こえる大きさで語る。声の大きさに自分の意識がいくと、語りが一本調子になってしまう。          また、不織布のマスクで、子供たちに語ってみたが、活舌はマスクに邪魔されることはないようなので大丈夫ということが分かった。マスクをしていると顔の表情が見えないので、物語を十分に理解できるのかと思っていたら、思わず手が出て、体を使って大げさにやっていた。子供が体全身で聞いているから、体全身で反応が返ってくる。だからヤンさん自身もそれに応える形となったそうです。マスクを着けていることで、少しだけ言葉にも表情をつけるようにしたそうです。

 

2.鉄のハンス 『語りの森HP』

こちら私です。日常生活のあらゆる場面で本気でぶつぶつ語る練習しかしていなかったことに気づかされました。透明マスクを着けて、長いお話をするのは初めてだったのですが、中盤から口がうまく動かなくて、活舌が悪くなり、集中できず大変でした。テキストを覚えた後、しばらくして寝かして、また起こした形となりました。長い時間をかける事で、おはなしの本質的部分に触れる感覚があり、大事な部分が立ち上がってきたので、その感性だけでやっていたことを反省しました。

ヤンさん…いくつかに大きく分かれるので、全体の構成を考える。この場合だったら、森、城、戦争など。そして、それぞれの場面での、3回の繰り返しの語りで意識することが以下にある。1回目は丁寧に語る。2回目は短くさらっと語る。3回目は余裕を見せつつ、そこに付随している結末を大事に語る。この形をとることで、語りに緩急が生まれる。心の余裕と同時に、宝物を持っていてそれを今から見せるよ~という準備でもって、子供たちに手渡す。長い話は、この3回の繰り返しのリズムを上手に使うと良いとの事でした。手を抜くということも大事で、子供たちが笑うとのこと。ちょっと緩めた後に大事な結末が待っている。

テキストの基本である3回の繰り返しを、生かすも殺すも語り手次第ですね。肝に銘じました。

 

3.ロバの耳をした王子さま 『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』語りの森

家でも本番と同じ状況で練習する必要があると感じたとのこと。寝る前にお子さんに語ると、聞きながら眠り就くそうです。いつもお話しを聞いてくれるお子さんと考えて、「王子様の耳はロバの耳だよ」の、“だよ”を取ることにしたそうです。

ヤンさん…再話するにあたって“だよ”をつけるかどうするか考えた。散髪屋が穴に向かってヒミツを思いっきりしゃべるので、そうしたそうです。その後、葦笛が鳴るのは唱え言葉になるとのこと。

しゃべる、と、となえる。同じ言葉でも、その発語表情の違いは自然と語りで表れますね。

 

4.地獄に行った吉兵衛さん 『語りの森昔話集2ねむりねっこ』語りの森

不謹慎にも聞こえる首吊りを、おもしろい話にしている吉兵衛さん、そこを気に入って選んだそうです。言葉運びが必然的で、イメージするための言葉がそのまま語られていて、その言葉の重要さを感じた。声の大きさで届けようとしてしまうので、通る声を出せるようにしたい。家での練習は一人、マスク無しでしていた。初めてみんなの前で、マスクをして語ったら、マスクがずれることで集中を欠いてしまった。吉兵衛さんの面白さを語りたい、とのことでした。

ヤンさん…落語の話。それにしても、テキストに首吊りというワードが一回しか出てきてないから、まずいわ~(笑)語りについては、文節で言葉が切れてしまっている。大事な所なら切る必要があるが、そうでないなら、その場面が分かるように一文をさーっと切らずに語る方が、聞き手は分かりやすい。そのシーンが見えるように届けることが大事とのことでした。

 

5.なら梨取り  『日本の昔話4おざわとしお再話』 福音館書店

中級クラスの先輩の語りです。4年前に覚えた話で、その時はそんなに好きではなかったが、今回はお話を楽しめたそうです。自分の納得いく言葉に変えたり、取り除いたりして、その変更をして語ったとのこと。(語り・勉強歴が長い方は、変更の善し悪しが自分で分かるのですが、勉強歴浅い方は確認が必要ですよ~)

ヤンさん…後で好きになるって事は、やっぱり選ぶときに何かあるのかもね。テキストでの言葉の細かいところを言うと、梨の木を見つけるシーン、太郎・次郎の時と三郎の時とでは、言葉に違いがある。                   太郎・次郎「あれがなら梨だな」 三郎「これがなら梨だな」

あれ、と、これ、では距離が変わる。三郎には、なら梨の木が近くに見えている。(三兄弟の立つ位置が同じでも、三郎は気持ちが木に近い、と私は解釈しました)これは聞き手にとっても同じであり、三回目の繰り返しの大事な所、とのことでした。

大事な事が分かっていないと、変更は危ういということですし、語法の勉強が本当に大事になってきますね。

 

ヤンさん

手遊び   もどろうもどろう もものはもどろ

      かえろう かえろう かきのはかえろ

おはなし  三匹のくま 『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』語りの森

 

ノート式おはなし講座p29「おはなしの練習」

書かれてある事すべてが、そのまんま大事です(笑)。

練習に時間をかける事が子供への愛情、環境・声の大きさなど本番と同じ状態で練習をする、色んな姿・形のお話を語れるようにする…また、淡々と語る、演じないということに基準がないので、自分の中に基準をきっちり作る。

色々な語り方を試す

極端な練習をすることについてですが、この練習によって自分の語りに幅と厚みが出てきます。本番の語りの場で、子供たちが、語り手の語りの表情を自然と引き出してくれる、導いてくれるそうです。子供たちの反応に、語り手が応えることで、子供たちに語りを育ててもらうのだ、ということが私を貫きました!串刺し。  何度も聞かせてもらっている大事な事でしたが、捉え直す機会となりました。

語る場を工夫して作ることなら、自分でもできそうなので考えてみたいと思います。

書きたいことが多くて、聞き取り文、固い文章になってしまいました…。しかも長くて申し訳ないです。宝物がザックザクの講座でした!うまいこと書けるようになるまで、見守ってください~。

よろしくお願いします。