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3月中級勉強会

ぽんです。
3/11に中級勉強会を行いました。
今月取り上げたのは「おやゆびこぞう」(出典は『語る為のグリム童話2 灰か
ぶり』)
グリムのです。
このお話、日本の「小さいサイズの人間が、いろいろな冒険を経て、美しい娘に
救われて、元の人間のサイズに戻って幸せになる」という、一寸法師の ような
お話とは違い、小さいサイズの子は、いろいろな冒険を経て、小さいサイズのま
ま幸せになります。
そこのところが「いいなあ」と思って、覚えました(って担当は私だったのでね)
再話テキストの比較、類話との比較、このお話の持つ姿とは?、また、語り方な
ど、担当者のレポートを中心にヤン先生にご指導頂きました。
そして、2話目。
今回から2話目もやります。これは事前のレポート無し。担当者がヤン先生に事
前に題名・出典などを連絡しておいて、語ってご指導頂きます。
今回は「犬とねこと うろこ玉」(出典は『子どもに語る日本の昔話①』
ヤン先生には、類話として、『朝鮮民譚集』の中のお話を(ごめんなさい、題名
をメモするのを忘れました。なんたる不覚)紹介頂き、それと共に『関 敬吾著
作集4 日本昔話の比較研究(第2回配本)』の中の、『「犬と猫と指輪」説話比
較資料』のコピーを頂きました。この本自体は昭和55年に発行された物です
が、関敬 吾氏のこの論文は昭和10年5月に発表されたものだそうです。
すでに昭和の初めにこのような論文が発表され、比較検討されていたとは、びっ
くり・ぽん。今更ながら、私達は先達の諸先生方が引いて下さった道の 延長に
いるのだなあと、実感しました。私は単なるお話のおばちゃんですから、もちろ
ん諸先生方の足下にも及ばないんですが。それでも、こういう先 生方のお陰
で、昔話が消えずに今に残っているんだなあと思いました。
そして、その後は昔話の語法、小澤俊夫著『世界の民話 ひとと動物の婚姻譚』
中央公論社刊の中の「第三章昔話の語り口の秘密」から、「ガラスの山」の語法
の分析をやりました。今回で3回目。なかなか進みませ ん。3回もやってるの
に、まだ終わりません。語法って難しい。でもこの語法が昔話を語るのにとても
大切なんですよね。
お昼からはもう1時間、再話もやり、たいへん有意義な・・・そして、たいへん
疲れる一日を過ごしました。
私達よりもっとお疲れになられた、ヤン先生、ありがとうございました。
次の中級は5月です。
取り上げるのはレポートありのお話が「三本の金髪をもった悪魔」(出典は『語
る為のグリム童話2 灰かぶり』)
レポートなしのお話が「かえるの王さま」(出典は『語る為のグリム童話1 ヘ
ンゼルとグレーテル』)です。
担当者の方、よろしくお願いします。
楽しみだなあ。           byぽん

水曜日の「めざまし」に・・・

ぽんです。
大変ご無沙汰しています。
以下の事、先ほど連絡がありました。
このブログをお読みの方にも、お知らせしたくて、書かせて頂きます。
3/16(水)・・・つまり、明日の水曜日、
フジテレビ系の朝の情報番組「めざましテレビ」に小澤先生が出られることにな
りました。
時間は7時半ごろ。
『昔話が穏やか路線にかわってきている』ことそれから、『昔話が残酷だ』とい
うこと、この2点についてどう思うかを質問されたそうです。
かちかち山や、桃太郎を例に、お答えされたそうですが、果たしてどれだけ先生
のお考えに沿って放送されるか、それはちょっと疑問なんですが、とに かく
「めざましテレビ」に出られるそうです。
2・3分程度かもしれません。もしかしたら曲解されて放送されるかもしれません。
でも、もしお時間がある方は、是非、見て頂けたらと思います。
ついでに。
公文教育研究会のHPの中の「KUMONnow」というコーナーに小澤先生の
インタビュー記事が載っています。
「スペシャルインタビュー 夢をかなえる力 Vol.029」
『子どもには自ら育つ力がある 昔話に込められたメッセージに耳を傾けてみよう』
無許可でURLを載せて良いかどうかがわからないので、KUMONで検索して公
文研究会のオフィシャルページを出して下さい。
トップページの真ん中辺に、それほど大きくではありませんが、先生のお顔の写
真入りで記事が囲ってあるところがあります。
良かったらこちらも読んでみて下さい。
では。
近々、先週の中級勉強会の報告も書きまーす。    byぽん

2月日常語勉強会

ぽんです。
暖かくなったり、寒くなったり。
エルニューニョのピークが終わって、これからラニーニョに向かうんですって。
今日テレビで言ってました。
詳しいことは、わかりませんが、暖冬→荒れた春→猛暑らしいです。
そろそろ、花粉も・・・。
心安らかには暮らせません。
さて、先週の金曜日は日常語勉強会でした。
テキスト
「あずきとぎの化けもん」
語り
「にせ八卦」
「笠地蔵」
「くじら大王」
今月はこの五話。
いつも、語りはお話会の形式でやっています。
それぞれの個性もあって、面白いお話会でした。
出典は「あずきとぎの化けもん」「にせ八卦」「笠地蔵」が福音館書店の『日本
の昔話①〜⑤』小澤俊夫/再話
「くじら大王」が『子どもと家庭のための奈良の民話二』村上郁/再話 京阪奈
情報教育出版刊
この「くじら大王」がとっても変わったお話。
だいたいのっけから「むかし、南極の海に、くじら大王がすんでたんやて」
(『子ども家庭のための奈良の民話二』「くじら大王」より)で始まるんで す
よ。こんなお話聞いたことあります?私は初めて。ええっー!?って。びっく
り・ぽん。
このお話、出典の本の中では《柳生の市窪ざる》として、三話載ってるうちの一
話。ヤンさんによると、再話した当時、ヤンさんも変わったお話やなあ と思っ
て依頼者の某大学のせんせーにお尋ねしたところ、「市窪ざるのお話は沢山ある
よ」とのことだったので、他の類話を探したおされたとか。で も、この某先生
に見せて頂いたもの以外からは、一話の類話も見つからなかったんですって。
あっ、今紹介した本は再話者の日常語で書かれていますけど、一応《日常語勉強
会》ですので、これを今月語られた方は、共通語で書かれたものから、 ご自分の
日常語にされています。
今年度も日常語勉強会も、残すところ、あと一回となりました。
来年度からは日程を変えて、偶数月の第1火曜日にすることになっています。
では。              byぽん

第3回再話勉強会

ぽんです。
お久しぶりです。ドタバタドタバタと毎日暮らしております。
今、外は大雨。久しぶりのどしゃぶりです。
雨は嫌いなんですけどね、たまには雨もふらなきゃね。
昨日は第3回再話勉強会でした。
第1回の再話勉強会が昨年の4/23。もう、かれこれ10ヶ月がたってしまい
ました。
昨年の10/9が第2回再話勉強会。
やっと3回目にして、勉強会の体裁が整ってきたように思います。
今回やったことは2つ。
1つ目。前回再話してきてヤンさんに見ていただき、みんなで検討し合ったお話
を語って貰い、実際に耳で聞いて確認する。
2つ目。新しいお話を再話してくる。
1つ目。耳で聞いて確認したお話(語り)
〇「だんまりくらべ」 (原題「だんまりくらべ」、出典『貴志の谷昔話集』)
〇「きつねに化かされた若者」 (原題「きつねに化かされた若い衆」、出典
『新装日本の民話6東海・北陸』)
〇「かめの恩返し」 (原題「ぐうずの恩返し」、出典『新装日本の民話11九州
(1)』)
〇「こんな顔」 (原題{こんな顔」、出典『日本の昔話13 紀伊半島の昔話』)
〇「馬盗人」 (原題「源頼信朝臣男頼義射殺馬盗人語第十二」、出典『今昔物
語集』)
2つ目。今回再話してきたお話
〇「はしごそうめん」 (原題「梯子素麺」 出典『丹後伊根の昔話』)
〇「味噌とくそ」 (原題「納豆汁と糞」 出典『丹後伊根の昔話』)
〇「そんなことない」 (原題「そんなことない」 出典『日本の昔話13 紀伊
半島の昔話』)
〇「寝とって食われる」 (原題「寝とって食われる」 出典『日本の昔話13 
紀伊半島の昔話』)
〇「毒きのこ」 (原題「金峰山別当食毒茸不酔語第十八」 出典『今昔物語集』)
〇「久米の仙人」 (原題「久米仙人、始造久米寺語第二十四」 出典『今昔物
語集』)
ねえ、バラエティにとんでるでしょ。落語になってるお話から今昔まで。
古文に全く素養のない私にとって今昔は???まるでうん十年前の古文の授業の
ようでした。古語辞典持ってくれば良かった・・・、と密かに後悔。
これをスラスラ読めるなんて、ホントに尊敬しちゃいます。
今回、再話してもらって、「へえ、今昔物語ってこんなにおもしろいんやあ」と
始めて認識しました。
再話勉強会のメンバーはみなさん語っておられる方ばっかり。ですので、基本的
に再話してきたお話は「人に語る」ことを目的にしています。
実際に聞き手を前に語ってみると、また違ったものが見えてくるかも・・・。
「再話は、語る事によって何度も検討するんよ。これですっかり完成では ない
よ」とはヤン先生のお言葉。本当にそうだと思います。まだまだ、再話経験の少
ない私ですが、それでも、自分(自分たち)で再話したお話を語る 度にどこかし
ら「こうした方が良いのでは」と思うところが出てきます。
再話勉強会の皆さん。再話したお話。どんどん語っていきましょうね。
次回は7月。
今回それぞれが再話してきた6話は、次回”耳で聞いて確認”となります。つま
り、『語り』
そして、また、それぞれが新しく1話ずつ再話してきます。
これからが、楽しみだにゃあ。     byぽん

私達は伝承の途中にいる

ぽんです。
このところずっと寒いですが、今日は一段と寒いですね。
その寒い中、我が家は防水工事が入っています。家に何とも言えない化学臭が
入ってくるので、換気のために窓を開けています。この寒空に・・・。家 で
ジャンバー(ジャンパーが正しいそうな。今パソコンさんに怒られました。でも
関西ではジャンバーよねえ)着てます。
さて、本当に嬉しいことがありました。
ふふふっ。
12月におはなし会に行った私が住んでる地元の小学校3年生の子ども達から、感
想文が届きました。
その中にね・・・、とっても嬉しいことが書いてあったんです。
その部分だけ書き写しますね。
『一番おもしろかったのは、「カーカーモーモー」です。おぼうさんをよんでと
言ったら、からすで、つぎがうしだったので、とてもわらいました。そ のお話
しを、おとうと・おかあさん・おとうさんに話すと、すごいみんなもわらってた
のしかったです。』
ブラボー!!
私は語りをやっていて、これを言われるのが一番嬉しい。だって、だって、その
子ちゃあーんと家族に口伝えしたんですよ。語り手としてこれ程嬉しい ことっ
てあります?私みたいな未熟な語り手でも、こうして、次世代に昔話が繋がった
んですよ。もう本当に踊り出したいほど嬉しかったです。
語りを始めて、12年目になりました。今までにも何回かこの喜びを得ることが出
来ました。本当に嬉しいです。
もっと言えば、このお話が自分たちで再話したお話だったこと、そして、その原
話の出典が『とろし』だったこと、さらにさらに、嬉しい。
(『とろし』については昨年の12/25のブログの中で「かあかあ、もうもう」の
出典を説明している箇所を参考にして下さいね)
「私達は、昔話の伝承の途中にいる」
小澤先生のこの言葉を忘れずに。
今年も頑張るぞー。
                              byぽん