「日常語の語り」カテゴリーアーカイブ

5月の大人のためのお話会

最近、急に暑くなって、5月だというのに昨日はなんと気温30度に!Σ(・□・;)
朝から天気予報を見て驚いていましたが、やっぱり予報通り暑い日でした。
そんな中、大人のためのお話会に来てくださったのは8人。
この日のテーマは〝鳥〟でした。

絵本 『ことり』新宮晋/作 文化出版局
おはなし 「七羽のからす」『おはなしのろうそく10』東京子ども図書館
絵本 『ひとあしひとあし』レオ=レオニ/作 好学社
おはなし 「鳥のみじい」『日本の昔話3』おざわとしお/再話 福音館書店
絵本 『あきちゃった』アントワネット ポーティス/作 あすなろ書房
手遊び ころころたまご
絵本 『くちばしだーれ?』穂高順也/作 サトウマサノリ/絵 岩崎書店
おはなし 「舌切りすずめ」『日本の昔話2』おざわとしお/再話 福音館書店

担当は、前半がウーカーさん、後半はNさんでした。
「鳥のみじい」はウーカーさんが、ご出身の遠州弁で、「舌切りすずめ」はNさんが関西弁で、それぞれ日常語で語られました。
今回は、絵本とおはなしのサンドイッチに、ヒヨコがニワトリになる手遊びまで、いろいろな〝鳥〟をあつめたお話会になりました。
おはなしは、どれも何度も何度も聞いているよく知っている話ですが、おはなしは何度聞いてもいいものだと感じます。
飽きないんですね。
絵本の『あきちゃった』は、鳥が自分の鳴き声に飽きて思いもよらない鳴き方をするのが面白い、音を楽しむ絵本ですが、おはなしは何度同じものを聞いても飽きません。
「舌切りすずめ」は、それこそ子どものころから知っている話なのに、日常語の心地よいリズムもあり、楽しい世界に連れて行ってくれました。

常連になってくださっている方が、絵本を借りて帰られました。
気に入ってくださってうれしいです。
絵の美しい絵本、面白い絵本、もう一度じっくり見たくなる気持ち、よくわかります!

次回の大人のためのお話会は、6月17日、テーマは〝へび〟です。
いろいろなへびを集めて、みなさんのおいでをお待ちしております~~(^O^)/

2月のプライベートレッスン

ここ近畿のまん中あたりの地域では、月曜日まではすごく寒かったのですが、その後一週間ほどは暖かくなるようです。
予想では一気に春の陽気になるような日も!
寒暖差があるのもつらいんですけど、文句ばっかり言ってても仕方がありませんね。

2月のプライベートレッスンは3話でした。
語り(日常語)「貧乏神と福の神」『日本昔話記録7香川県佐柳島・志々島昔話集』柳田國男/編 武田明/採録 三省堂
1月の再話クラスでテキストが完成したのでおぼえて語られました。
完成したテキストでしたが、プライベートレッスンではほぼ一対一で詳しく話をしますので、もっとテキストを突き詰められます。
この日もテキストの検討をしまして、よりイメージしやすいテキストになりました。

具体的に言いますと、貧乏神とおじいさんの位置関係をスムーズにイメージできるようにしました。
再話する作業はきりがないのかもしれませんが、テキストに取り組み、語りを耳で聞き、そしてまた検討と修正をする。
そしてよりテキストを磨いていくという過程を見せていただいて勉強になりました。

語り「美しいユーラリ」『語りの森昔話集5ももたろう』語りの森
残念ながら参加できませんでした。
ききたかったなあ~

整理「高野谷の狐」『遠州伝説集』御手洗清/著 遠州タイムス社
この話は、かなり再話して分かりやすくなっていますが、やはり読み物であるので耳で聞いて分かりやすいテキストにする作業をされました。
語るためにイメージを追って話を細かく見ていくと、イメージしにくいところが出てきて、それをどういう状態なのか確認しながら文章を整理していきました。
ご自分の地元の伝説集なので、生まれ育ったところの話は愛着があると思います。
そして伝えたいと思うだろうから、ずっと残ってきたんでしょうね。
きつねに騙される話なのに、きつねは全く登場しない、おもしろい話でした。

日本全国できつねに騙される人がいて、「おれはだまされない」と言い張る人がいる(笑)
「自分は、オレオレ詐欺には引っかからない」と思うのはやめにしたほうがよさそうです。

12月プライベートレッスン

もうすぐクリスマスです。🎄
いよいよ今年もあともう少しとなりました。
わたしは、光る君へロスになっておりまして、忠臣蔵の再放送で何とか持ち直そうと努力しているところです。
他にすることいっぱいあるやろというご意見も当然でございますけれど、そこはスルーということで(笑)

12月のプライベートレッスンは2話、どちらも日常語による語りです。
「眠り虫の次郎」『語りの森昔話集3しんぺいとうざ』村上郁再話 語りの森
沖縄の昔話です。
わたしは、『語りの森昔話』の3巻が好きでいくつか覚えましたが、「眠り虫の次郎」は忘れておりました_| ̄|○
今回、改めて聞かせていただくと、とても面白い話だと思いました。
日常語になおして語られたのも、イメージしやすく入りやすかったと思います。
身もふたもない言い方をすると、天帝のお使いのふりしてだます悪い奴になるんですが、成長して知恵を働かせて成功したまじめな人と思えるのが不思議というか昔話のいいところだなと思います。
またどこかで、もう一度聞かせてほしいです。
「笠地蔵」『日本の昔話5』おざわとしお再話 福音館書店
これ、わたしなんですが、1月の大人のためのお話会で語るのでチェックしていただきました。
日常語にテキストを直すのは久しぶりでしたし、いきなり本番というのは語り手として謙虚さに欠ける(あくまで自分の場合)と思ったのです。
自信がなかったということですが、プライベートレッスンで指摘してもらって、自分がここまで来たということと、これはまだ気づけていなかったというのがわかってよかったです。
もちろんどこまで行っても満点はないので、次々と出てくる疑問にド~ンと体当たりする気合で勉強会に臨みます。
声に出して言わないと気力が出てこなくなっているお年頃なので(笑)、この機会に申し上げました<m(__)m>

このあと、ウーカーさんの大人のためのお話会の報告ブログがありますが、ジミーの担当はこれが今年最後です。
今年も勉強会、あったかペーチカ、大人のためのお話会など、いろいろ参加して楽しく語りを聞かせてもらい、時には限界まで集中力を使って勉強させていただきました。
ヤンさん、みなさん、ありがとうございました。
来年も、みんなで元気に続けられますように。
みなさま、どうぞよいお年をお迎えくださいね。

11月のプライベートレッスン

暖かい日と寒い日が交互にきて、気温差がとてもつらい今日この頃。
今日は冷たい風がぴゅうぴゅう吹いていて、寒いほうの番ですっかり着ぶくれしています。

11月のプライベートレッスンは、日常語の語りでした。
「うばすて山」 『日本の昔話2したきりすずめ』おざわとしお再話 福音館書店
60才になった母親を山に捨てに行かなくてはならないのだけれども、できずに隠しておいた母親が、国難を救うというよく知られているお話です。
つまりわたしも昔なら捨てられているのね。
そういう厳しい食糧事情と社会だったんだなと、この話を聞くと思います。

受講者さんは、大人のためのお話会で語るためにテキストを日常語に変えて語られました。
親を山に捨てるというショッキングな内容で始まりますが、日常語になって親しみやすくなっている分、内容はしっかり押さえながらもショック度は緩められて、続く本編の謎解きのほうにすっと心が向かえると思いました。
五寸角の杉の角材、五尺の長さ、が話の中に出で来るのですが、実際に何センチなのかを分かっておいて語ったほうがいいということでした。
語り手がふんわりとしかつかんでいなかったら、イメージが弱いから聞き手にもはっきり伝わるはずがないからですね。
実際に聞き手に示して教えるというのではなくて、語り手のイメージをはっきり確かなものにしておくということでしょう。
なるほどです。
「うばすて山」、最後はたくさんの褒美をもらって、母親と一緒に暮らせることになって、ハッピーエンドで言うことなしのいい話でした(*^_^*)

7月のプライベートレッスン

ほぼ毎日猛暑続きなので、ZOOMで行うプライベートレッスンのありがたさを改めて実感します。
次々に開発される技術についていけないけれど、ヒイヒイ言いながらついていく苦しさも少しは報われたと思う瞬間です(笑)

7月のプライベートレッスンは2話でした。
語り
「黄色いリボン」『語られると怖い話』岡村綺堂、半藤一利他/著 赤木かん子/編 ポプラ社
アメリカ民話です。出典本に解説がありまして、〝語ってもらわないと面白くない話の典型です。朗読するだけでも面白くならないのです。〟とのこと。
ご存じない方のために、どういう結末かは書きませんが、怖い話特集のお話会にぴったりなおはなしです。
どういう風に怖く語るのがいいのかということをみんなで考えました。
怖い話を怖く語るのは当たり前で、声を低くするとか簡単に思いつくと思いますが、いざ一つの話に向き合うとそう簡単ではないというのがよくわかりました。
怖い話といっても、怖さがそれぞれ違います。
そして、始めから全部怖いのか、最後が落ちになっていてそこでド~ンと怖いのか、後半から怖くなっていくのか。
そして、語り手さんの声とかにじみ出る雰囲気がどんな効果をもたらすのか。
「はぁ~~、笑い話は難しいというけれど、笑い話のほうが楽なんじゃないの?」
と思うほど、どうしたらいいんだろうかと頭を使いました。
でも、語り手さんが練習の方向をつかんでくださる結果となりましたし、少人数のプライベートレッスンは、まさに頭を突き合わせて一緒に考えられるからこそできたことかもしれません。

テキストを日常語にする
「ちょうふく山のやまんば」『日本の昔話3ももたろう』おざわとしお/再話 福音館書店
この話、いいやまんばの話でわたしも好きなんでうれしかったです。
お月見が出てくるので秋に語るのにぴったりです。
ヤンさんから、「これからは、テキストを自分で日常語に変えて、覚えて、勉強会には語りから出してみてはどうか…」と語り手さんに提案がありました。
回を重ねられて自分で日常語テキストをつくる力がついてこられたということで、ヤンさんが提案された瞬間に立ち会えたことになぜかわたしが「おおっ、出ました通行手形!」と、感動したのでした。
やり続けることで進んでいけるというのを横で見られるということは、自分も頑張ろうと思えて元気をいただきました。

季節柄、セミの抜け殻とセミの死骸をよく見ますが、人によって平気か平気でないかが違うようで、両方絶対気持ち悪いとか抜け殻は大丈夫だけど死骸は無理とか…
わたしは両方平気なんで、死骸でも指でつまんでポイッと捨てますが、抜け殻か死骸かの会話に「ああ、夏やなぁ~」と思った次第です(笑)
ではまた、次回のプライベートレッスンで~(^O^)/