「日常語の語り」カテゴリーアーカイブ

1月のプライベートレッスン

早いもので、今年ももう一か月が過ぎました。
今日から2月です!
通常の勉強会はお休み中ですが、コロナ感染の心配のないオンラインのプライベートレッスンは、1月・2月も行います。
1月のレッスンの内容を報告します(^o^)

1日目
語り「魚がくれた子ども」 語りの森HP外国の昔話 → こちら
さらっと語らないで、しっかり語る箇所の指摘がありました。
それと、感情を示している台詞なのでそのように感情をこめて語ってしまいそうだけれども、この台詞の意味は聞き手が「誤解が解けたんだ!」と分かるところなので、感情を込める台詞ではないという指摘がありました。
教えてもらって、なるほどなと納得しました。
語り「六ぴきのうさぎ」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
ひとりで続けて2話語られました。
すごい~!
1年生に、「三びきの子ぶた」と組み合わせて語るそうです。

2日目
日常語のテキストに変える
「佐渡の白つばき」『語りの森昔話集5ももたろう』語りの森
この話は「夢のはち」の類話で、「夢のはち」は全国に類話が分布しているそうです。
テキストを日常語に変えるときには、いろんな場面で主語のいらないことが多いです。
〝ふたり〟や〝みんな〟も消せることが多いです。
しかし、だからといってそれらが出てきたら消したらいいのかというとそうではないので、言葉では限定できないそうです。

3日目
語り「首の短い男の話」 語りの森HP日本の昔話 → こちら
アイヌの昔話です。
中学生に語られるそうです。
アイヌの昔話は独特ですし、風習も違いますから聞き手に分かってもらうように語るのは難しいです。
一度中級クラスで発表され、プライベートレッスンで再チャレンジされました。
語る前に、「アイヌの昔話は主人公の一人称ですすめる」と、さらっと言っておいたらいいということでした。
アイヌの昔話は、ちょうど昨日アップされていますのであわせて読んでみてくださいね。 → 「さきぼそがらすの神」
日常語の語り「きつねの茶釜」『日本の昔話2したきりすずめ』福音館書店
おもしろかったです~~
笑い話なのでおもしろくて当たり前なんですが、台詞が身近な普段使っている言葉になるとなんでこんなに面白く感じるんでしょうかね?
でも、語るほうとしては、やっぱり語尾が定まらないという難しさがあったようです。
オンライン日常語の語り入門講座でも同じでしたね。
これは、根気よく何べんも何べんも繰り返して練習し、自分の声を自分の耳で聞いて確かめる。
言いやすい方に流れるのではなく、自分の感性でもって、心地よい着地点を探し当てる。
こうやって言葉を決める・固めるしかないということですね。

コロナのために学校のお話会も中止の所が多いようです。
お話会も勉強会もなしという状況でも、残っているお話会を大事にして、そして勉強の機会をのがさずにプライベートレッスンを受けてくださるかたたちの姿を見せてもらって、元気をいただきました。
ありがとうございました<(_ _)>(^o^)/

日常語の語り入門講座

オンラインで開催された2021年度の日常語の語り入門講座の最終回の報告をします!(^^)!
最終回は、いよいよみなさんが覚えた話を発表する日です。
時間の関係で2回に分けて行われました。
今年度の受講者さんは5人。
お一人お一人が違った言葉を持っておられるわけですから、それぞれ味のある日常語の語りが5話できました。

「だんだん飲み」『日本の昔話5ねずみのもちつき』福音館書店
「千人力」 語りの森HP日本の昔話 → こちら
「ねずみのすもう」『日本の昔話5ねずみのもちつき』福音館書店
「しんぺいとうざ」『語りの森昔話集3しんぺいとうざ』語りの森
「仙人のおしえ」『日本の昔話5ネズミのもちつき』福音館書店

みなさん、しっかり覚えておられ、聞いているわたしとしてはとっても楽しかったし面白かったです。
しかしながら、語った側のみなさんにとってはいろいろ苦労があったようです。
日常語にしたテキストを覚える段階で「やはりこっちじゃないかな」と思って修正し、その修正がしっくりこずにまた修正する。
修正に修正を繰り返していくと、いったいどれが自分の言葉なのか分からなくなります。
そして、ひとつの言葉を言うときに、自分は複数の言い方をする。
両方使うときにどっちにするの?問題が浮上してきます。
練習しながら、覚えながら、これらの疑問が同時に頭を駆け巡り、いろいろ苦しまれたようです。
ヤンさんのアドヴァイスは、大事なのは自分の耳で聞くこと。
この場合は、録音して聞くのではなくて、語っている自分の言葉を耳で聞いて確かめる。
助詞をどうするか迷っているときには、耳で確認していたら分かる。
あとは、これは日常語による語りに限らないけれども、聞き手からどんな反応が返って来てもぶれないように、すぐ元に戻れるように寝ていても語れるようにひたすら練習すること。
子どもの反応があれば、その間に合わせること。
これは、その場にならないと分からないことなので、そのためにもしっかり覚えてどんな風にも(早いとか遅いとか、間の取り方の長短とか)語れるようにしておく必要がある。
それと、日常語のテキストを作るときに再話力も必要になってきますので、そのためには昔話の語法の勉強が重要だということです。
語法の勉強は、おはなしを語るときにはすべてにおいて関係してくると思いますが、日常語の語りを勉強するときにはぴったりとくっついてくる感じですね。

みなさんの感想を聞いて、わたしも同じだったので、戸惑いや迷いが分かります。
とにかくテキストが定まらない。
どこに定めたらいいのか分からない。
わたしは、だいたい定着点を決めるのに、語ってから2~3年かかったかなあと思います。
だからね、みなさん大丈夫!
語っていくうちに何回か蛇行していきながらも、「この辺かなぁ~」というところが見つかります。
マイルールや、あきらめも加わって、「ここでいい!」というところが見つかると思います。
だから、記念すべき第1話を大事にしながらも話数を増やして行って、語ってみて子どもたちの反応を見て修正するを繰り返し、これからも日常語の語りを続けていってほしいと思います(^o^)

日常語入門講座第4回🚀

オンラインの勉強会です。

日常語の語りでは、選んだ話を日常語のテキストに置き替えて、それを覚えるわけですが、今回は、置き替えたテキストの見せ合いっこです。

「だんだん飲み」『日本の昔話』おざわとしお再話/福音館書店
「千人力」語りの森HP《日本の昔話》
「ねずみのすもう」『日本の昔話』おざわとしお再話/福音館書店
「しんぺいというざ」『語りの森昔話集3しんぺいとうざ』
「仙人のおしえ」『日本の昔話』おざわとしお再話/福音館書店

短いのから長いのまで、怖いのからかわいいのからまじめなのまで、いろんな話が並びました。

言葉も、たとえば同じ京都府でも、市内と府下ではずいぶん違うし、そこに大阪とか近辺での生活が反映されると、また違ってくるし。
個性豊かで、聞いていて心地よかったです。

話し言葉は、住んでいる所の人たちとのコミュニケーションのためにある訳なので、たいていの人は、できるだけ自分の言葉とその土地の人の言葉をすり合わせようとします。それで、何弁だといいきれない土地言葉になるのですね。それは、当然のことだし、また、価値あることだと思うのです。
混じることを楽しむといいなと思います。決してコンプレックスは抱かないで。

もうひとつ、まるまる自分の普段使いの言葉ではなくて、記憶にあるおばあちゃんなんかが使っていた言葉を使うというのもいいもんですね。
伝承の語り手のようにお話を伝えてもらってはいなくても、言葉は伝えてもらっていると思うのです。それを、声とともに思い出すことは、なつかしいだけでなく心の安定にもなると思います。

物語を声に出して語ることの意味を、日常語の語りは教えてくれると、思っています。

年が明けたら、語りの形で発表です。
語りは同じ空気の中でこそ良さが分かるんだけど、オンラインでやります。
おかげで遠い所の人とも語りあえます。
京都と愛媛がつながります。

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きょうは、この冬一番の寒さです
あったかくして、おいしいもん食べて、寝よˋ( ° ▽、° )

 

 

 

オンライン日常語入門講座🐤

昨日、オンラインによる日常語の語りの入門講座が行われました。

前回までは、日常語で語ることの思いや意義、どういう効果があるかなどをお勉強しましたが、今回はいよいよ共通語テキストを自分の日常語のテキストになおすやり方のお勉強です。
資料を元に、テキストにどうやって書き入れていくかを一行ずつ実際にやってもらいました。
『ノート式おはなし講座語りこの愉しき瞬間』ですと、P56の〝日常語のテキストの作りかた〟のところです。
P58に、「三人のどろぼう」の話で、具体的に書き入れ方を示しています。
今回は、ヤンさんが日常語で「とりのみじいさん」を語られ、元の共通語テキストにその通りに書き込むという作業を一緒にやりました。
そして、次回までに各自が1話選び、同じ形式で自分の日常語に変えて提出します。

今まで特に自分の言葉遣いを意識せずに使っていたところが、日常語のテキストを作るということになると改めて意識しなければなりません。
みなさん気になるのはアクセントでしょうか?
自分のアクセントは、いったいどこのもの?と迷うのは、○○弁と呼ばれるざっくりした区別にはっきり分けられないアクセントで各自が言葉を使っているからでしょうね。
それに気づいたときに、じゃあ日常語のテキスト作りでいったいどの言葉で作ればいいのかと分からなくなる、みたいな(笑)
アクセントは、近畿圏(昔の都のあった圏内)と、その東のほうと西のほうで、ふたつに分かれるのだそうです。
全国的に見ると、○○弁としてそれぞれがまた違いますよね。
そして、人は年代に連れて移動することがありますし、そのたびに違う言葉使いを上書きしていくので、言葉が混ざり独自の言葉使いになっていきます。
みんなが、違う楽譜を持っているような感じでしょうか?
わたしは、それぞれが自分だけの楽譜を持っているような感じがしっくりきます。
ですから、○○弁と✖✖弁が混ざっていてアクセントもちゃんぽんでもそれはその人の言葉ですから、そこは迷わないでいいそうです。
どうしても迷ったときは、自分の家で使っている言葉、分の子どもにしゃべるときの言葉を思い出して、初めての日常語テキストを作ってみましょう。
次回はみなさんの日常語テキストがそろいますので、どんな話をどんなふうに日常語に変えてこられるのか、とっても楽しみです(*^▽^*)

オンライン日常語入門講座

9月から全5回でオンラインで「日常語による語り入門講座」が始まりました。
5回のカリキュラムは以下の通りです。

第1回目は、初めて顔を合わせる方もおられるので簡単な自己紹介から始まりました。
今回の参加者は5人で、まず伝承の語りについて勉強しました。
事前にヤンさんから送ってもらって伝承の語りを宿題でみんな聞いていました
いろいろな地方の言葉で語られる昔話を聞いたうえで、現在わたしたちが昔話を語るという行為をするのに至った歴史を勉強しました
その二つのあいだで何が起こって何が違うのか、言葉が違う以外に何がどう違うのかを勉強し、そのうえでこれからやろうとしている日常語による語りとは何か、日常語とはどう定義したらいいのかを勉強しました。

宿題は、『ノート式おはなし講座』の語りノートの☆13自分のことばの履歴をやってくること。
次回はその発表をみなさんにやってもらいます。
最初の関門と言いますか結構悩むところですね。
ふだんなにげなく言葉をしゃべっているから、宿題だからと「あなたはいつ誰に影響を受けて今のことばになったのか?」と聞かれましても、そんなこと考えていませんからね、普通は(笑)
そして、その今しゃべっている言葉を自分が昔話を語るときの言葉と決めるのか、それとは違う思い入れのある言葉(例えば親が使っていた言葉とか)に決めるのか、日常語のテキストを作るために決めないといけません。
一か月のあいだにみなさんどんなふうに考えてこられるのかなあ。
どうかがんばってください。
楽しみにしています(^_^)