主人公の幸せ  byヤン

昔話は、主人公の幸せに向かって、ストーリーが一直線に進む、と昔ばなし大学
で学びました。
主人公の幸せとは何か。
身の安全・富の獲得・結婚。
この三つが単独であったり、複数が組み合わさったりします。
「かしこいモリ―」は身の安全と結婚。
「三枚のお札」は身の安全。
「はなさかじい」は富の獲得。
さてさて。
自分の生命をおびやかすのもと戦ったり逃げたりして、ぜったいの安心を得る。
生き物として究極の欲望でしょうね。あ、本能かもしれない。
「こぶたはずっと幸せに暮らしましたとさ」
若者が戦争に行きたくないと訴える。
…これって利己的?
食べるものもないような貧しい生活から、大金持ちになる。
社会で生きていく中での切実な欲求ですね。
「おじいさんとおばあさんは何の不自由もなく幸せに暮らしましたとさ」
仕事が欲しい。老後の保障が欲しい。
……これって利己的?
人生を共に生きる仲間、愛を手に入れる。
人は一人では生きられない。
「ふたりはいつまでも平和に幸せに暮らしましたとさ」
愛する人を戦場に送りたくない。
……これって利己的?
某・若手国会議員が、若者の反戦デモを見て、「自分中心、極端な利己的考えに
基づく」とし、「利己的個人主義」だと批判しました。
戦後の教育が間違ってるって。
ブログで政治的なことは書きたくないんだけれど、おはなしのおばちゃんとし
て、思わず反応してしまいました〜
思想は自由。でも、言葉は正しく理解して使いましょ。
「個人主義」を辞書で調べました。
・・・社会・国家などの集団より個人の意義と価値を尊重し、その自由と権利を
重視しようとする立場。封建制度の崩壊と資本主義の発達にともなって 普及し
た。(『明鏡国語辞典』大修館)
「個人主義」の反対語として「全体主義」があると書かれていました。
で、「全体主義」とは。
……個人は国家・社会・民族などを構成する部分であるとし、個人の自由や権利よ
り国家全体の利益が優先するとする思想。また、その体制。第二次世 界大戦中
のナチズム・ファシズムなどに代表される。(同)
ほう。個人主義がダメだということは、全体主義に賛成ということだな。いやはや。
子どもは主人公になりきってお話を聞きます。
私は、ただの語り手で媒体にすぎないけれど、心を持った媒体。
子どもの心に共鳴しながら、子どもの幸せに向かって一直線にストーリーを進め
ます。
がんばれ、主人公!
  ヤン

2 thoughts on “主人公の幸せ  byヤン

  1. 利己的個人主義、万歳。
    若者よ、おおいに利己的個人主義に走れ。
    それで、平和を保てるなら、その過程など、どうでも良い。

  2. 言葉の意味をよく考えて使いたい、と、私も思います。
    “利己的”
    この言葉のマイナスイメージをただ利用しようとしている?
    ヤンさんの日記でそう思いました。
    若者が危機を感じて反戦運動。
    子供のころ、戦争経験者から生々しい体験を聞いた世代の私としては、考えるまでもなく戦争反対!
    なんでそれが”利己的”なのか(-_-メ)
    間違ってるゾ!

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