きょうは、5年生の授業のおはなし会
一クラスずつ2回 各45分
プログラム
おはなし「三本の金髪のある悪魔」 『語るためのグリム童話2』小澤俊夫監訳/小峰書店
手遊び 「ちいちゃん ぱあちゃん」
おはなし「かもとりごんべえ」 『日本の昔話2』小澤俊夫再話/福音館書店 (日常語で)
おはなし「ちいちゃい ちいちゃい」 『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子訳/福音館書店
ミニブックトーク 日本の古典文学
小規模校ということもあって、子どもたち、のんびりしていて気立てがいい。
斜に構えてる子はいないし、へんに照れくさがる子もいない。
手遊びだってほんとにうれしそうにつきあってくれるのです。
♪ じーちゃん ばーちゃん ♪
「三本の金髪のある悪魔」
主人公の若者は、最後の場面で王さまにうそをつきますね。そのせいで、王さまはかえってこられない、いつまでも船をこがねばならなくなる。
グリムは、「自分のしたことの罰として」とテキスト内で説明をしています。もちろん、王さまから見ると、「罰として」です。
でも、若者の立場からすると、これで自分の幸せがゆるぎないものになったのです。自分を脅かす王さまに二度と会うことはありません。若者はうそをつくことで自分の幸せを勝ちとったのです。
冒頭からずっと、若者は、運命に従って自分に与えられた仕事をするという、誠実だけど受け身で生きていました。ところが、最後の最後になって、知恵を使いました。彼は旅をして成長したのです。
大人は、若者がうそをつくことに、違和感を覚えるかもしれません。
でも、子どもは、少なくともきょう聞いていた子どもたちは、どうだったでしょう。
「ある川のほとりで拾ってきました。まだいくらでもありますよ」
子どもたち、いっきに集中します。うそだからです。
「その川に渡し守がいるから、その人に川をわたしてもらうんです。黄金は、川の向こう岸にあります」
子どもたちは、「ああ!」と破顔一笑。
「王さまは今でも船をこぎつづけているそうですよ」
子どもたち、本当にうれしそうに満足していました。
昔話は子どもの成長する姿を語る。ほんとにそうですね。
で、聞いている子どもも、主人公といっしょに成長する。
話のはじめのほうで、主人公は、「かしこい元気な子になった」「かしこそうな男の子」と、二回「かしこい」と形容されています。でも、ストーリーが進んでも、いったいどこがかしこいのかわかりません。最後の最後でそのかしこさを発揮するんですね。
それとね、昔話の語法(笑)
三回の繰り返し。えっと、帰り道ね、渡し守→門番→門番。
門番からお礼の黄金をもらってるでしょ。=富の獲得
渡し守からは?やっぱりちゃんと何かをもらわなくては、バランスが悪い。
ね、身の安全。
どちらのクラスも、子どもたちの反応がとっても楽しかったので、その雰囲気を知ってもらいたくて、音声をアップしました。
右上三行です(笑)
でもね、聞いてみたら・・・エアコンの音で子どもたちの声が消えてしまってるのですよ。残念!
しかも、ちいちゃいちいちゃいおばあさん、帽子かぶるの忘れてるし~笑
あ、三回目の「おれの骨を返してくれ~~~」のエコーは、子どもたちですよ~笑
ヤン