日別アーカイブ: 2016年7月14日

子は育つ

その一

なぜかその生まれ年の子は個性的な子が多くて、クラスがなかなか一つにまとまらないってこと、よくありますよね。学年の特徴っていうようなことですけどね。
いまお話に行っている五歳児がそうなのです。
で、わたし、昔からなぜかそういうクラスが好きなのですよ。
わああって、みんながあっちこっち向いてるんだけど、ある瞬間にすううっとこちらに集中する。その快感!
そして、一致団結するとものすごい底力がある。

だが、それにしても、この子たちは手ごわかった(笑)

きょうのプログラム。
「ヤギとライオン」『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業之日本社
「半分のにわとり」村上郁再話/語りの森ホームページ

なんか変でしょ?
もともと「ヤギとライオン」だけのつもりだったんですけどね。
子ども「みじか~~~~い」
わたし「もひとつしようか?」
子ども「どんぶらこっこはあかんで~」
子ども「おじいさんとおばあさんは、あかんで~」
わたし(心の中で)くそっ。このくそ暑いのになんも浮かんできいひんやん。
今思えば、「長い話」とか「きゅうくつ」とかすればよかったんだけど、ほんんんっとになにも浮かんでこなかった。そこで、
わたし「ちょっと難しいかもわからんけど聞けるかな?」
子ども「きけるう~~~」
はい、聞きましたよ、「半分のにわとり」
理解できなかったらぜったい聞かない子らやからね。

終わってから教頭先生とおしゃべりしてて、このことを話して、聞けるようになりましたね~!っていったら、すごく喜んでくださいました。担任にいっときますって。
先生がたも、心を砕いてられるのです。園をあげて子ども一人ひとりを育てているのですね。
そして、ちゃんと、子どもは成長するのです。

こういうことがあると、ああ、人間っていいなあって思える。

その二

図書館のおはなし会で。
男の子三人、6年生ひとりと1年生ふたりが楽しそうに一緒にやってきました。ちょっと変わった組み合わせ。
わたし「あんたら、どういう関係?」
6年生「ともだち」
わたし「へえ。ねえ、6年生と友達って、めっちゃいいなあ」
1年生「うん!」

この6年生、1年生たちに、ちゃんとクツはそろえるようにとか、世話を焼くんですよ。そして、1年生たちは、とっても嬉しそうに6年生にくっついてお話を聞くんです。
ほほえましくって気持ちの良い三人ぐみ。
「ギーギードア」も「どんぶらこっこ」も、ちいさい子向きの絵本も、楽しそうに聞いてくれました。

さて、プレゼントカードにシールを張る段になって、6年生が、1年生のころに来てたっていうので、それならカード保存してあるから探すね、お名前は?ってきいたら、
6年生「@@@」
わたし「えええ~っ!ちゃん!?」

かつて、常連さんの3姉弟がいて、Hちゃんは2歳ぐらいからお姉ちゃんたちにくっついてきていたのです。
それでね、プレゼントカードは10回来たらプレゼントがもらえるしくみ。プレゼントは昔話1話をコピーして色画用紙の表紙をつけてホッチキスで留めたもの。ひとりひとり違う話をプレゼントするのです。
Hちゃんのお姉ちゃんのAちゃんは17冊持っていて今までの最多で、TちゃんもHちゃんも10冊以上。そして、プレゼントの本は全部残してあるって!!!
涙が出そうになった。
Aちゃんは高校生、Tちゃんは中学生だって。
みそっかすだったHちゃん、とってもすてきなお兄ちゃんになっていました。
わたし「また来てね」
Hちゃん「(にっと笑って)もう来ないと思う」
わたし「(1年生たちに)またつれてきてほしいやんね?」
1年生「うん!!!」

あたりまえですが、子は育つ。
Hちゃんはとってもいい子にそだっていました。
ああ、うれしい。

子は育つ。
かみさま、ありがとう。

ヤン