中学校では、この一年、一年生と二年生で「酋長カイレ」を聞いてもらいました。
合計10回語ったことになるかな。
この話の力は、以前の井戸端会議にも書いたし、キリリさんも書いてくださってるので、いまさらくりかえしません(笑)
で、きょうは、語りのあとの本の紹介(ミニブックトーク)で何を話したかを、ご紹介します。
語り口調で~😊
今聞いてもらった「酋長カイレ」は、南米のコロンビアに伝わってる昔話ね。
今までみんなが聞いたり読んだりしてきた昔話は、日本やヨーロッパの話が多かったと思うの。
「酋長カイレ」、ちょっと雰囲気が違うかったでしょ。
こんな話もあるんやね。
わたしが、中学生の頃好きだったのは、シャーロック・ホームズとか、アルセーヌ・ルパンとか。
あ、ちょうど「赤毛のアン」が次々翻訳されてた頃やったから、次の巻が出るのをめっちゃ楽しみにしてたな。
でね、昔話はきらいやったの。
だって、みんなおんなじやん?
けどね、大人になってから、昔話って、すごいなって思うようになったの。
なんでかって言ったらね・・・
世界じゅうのどの民族もみんな昔話を伝えてきてるのね。
何百年も、千年も、二千年も。
でもね、いまわたしが語った話、もうみんなの前から消えてるでしょ?
声やもんね。形がないもの。
本とか形があったら伝えられるけど。形がないものを伝えるって、すごくない?
でね、いまみんなの目の前から「酋長カイレ」は消えたけど、心の中にイメージが残ってない?
残っててほしいなと思うんやけどね(笑)
それを今度はみんながだれかに話す、するとその人の心の中に何かが残る。するとその人が・・・ってぐあいに。
そうやって、心から心へ、伝えてきたのね。
どの民族も、そうやって、魂とか目に見えない文化とかを伝えてきたのね。
人間って、すごいなあ。
しかも、その人たちって、特別の偉い人じゃなくって、みんなわたしたちと同じ普通の人なのよ。
すごいでしょ。
だから、昔話ってすごいと思うの。
それでね、たくさん残ってる資料の中から、わたしが「いいなあ」って思った昔話を、いまみんなが読める形に再話して、30話集めて本にしたの。
「酋長カイレ」は、この『ねむりねっこ』の中に入っています。
ここの図書館にあるから、他の話も読んでみてね。
これからみんな、いろんなジャンルの本を読んでほしいなと思います。
そうやって、自分の好みを広げていってね。
一年間、つき合ってくださって、どうもありがとう。
ほな、終わります。
今回もやっぱりちょっとウルウルしてる男の子や、しゃきっと顔をあげて聞いている女の子たちが、わたしのおしゃべりにしきりにうなずいてくれていました。
こういうおしゃべりができるのは、やっぱり中学生だからでしょうね。
小学生では、こうはいかない。
さて、来年度、この人たちに何を語ろうかと、ちょっとわくわくしています。