先週の火曜日に第2回目のおはなし入門講座がありました。
2回目のテーマは、おはなしの選び方です。
いつものように、最初はおはなし会のようにいすを並べてヤンさんの語りを聞かせてもらいました。
➀「かめのピクニック」『語りの森昔話集2ねむりねっこ』語りの森
➁「がちょうはくちょう」『おはなしのろうそく27』東京子ども図書館
➀は、大きい子ども向けのおはなしです。
簡単な内容なのになぜ大きい子向けかというと、18か月という数字が出てきます。
これは一年半だとすぐわかる必要があります。
そして、この話が面白いと分かるには、ナンセンスがわかる年齢というか、聞いたことをそのままに理解する小さい子には「それ、ほんと?!」となりますと、笑えないことになるわけです。
だから、あるていど大きな子どもといっしょに遊ぶおはなしです。
➁は、長い話ですが、小さい子ども向きです。
登場人物が幼い姉弟ですし、弟がさらわれて姉が救出するという単純な筋です。
最初にババヤガーとがちょうはくちょうの説明をしたら、小さい子どもにもじゅうぶんついていけます。
このようにタイプの違う話があるということをまず勉強しました。
今回は、たくさんあるおはなしの中からどれを覚えるか、〝おはなしの選び方〟でございます。
選び方は次の三つの立場から考え、それを自分の場合におきかえて考えてみます。
1.語り手の立場から
語り手とは自分のことですね。
好きな話を選びましょう。
好きな話は、覚えるという単純作業を乗り切るのに絶対条件です。
短い話だから、他の人が語るのを聞いて感激したから、というのは好きな話には入りません(笑)
2.聞き手の立場から
聞き手の子どもたちは、おもしろい、楽しい、と思えなければ聞いてくれません。
じっと、おとなしくしているから聞いてくれているとは限りませんよね。
怒られるからじっとしているだけ(笑)
子どもたちが満足してくれる話とは、子どもたちがいま求めている話です。
それは、年齢や、場所や、子どもたちの雰囲気によって違いますからそれを知る努力をしましょう。
学校の場合は学年が決まっていますから、同じ学校に行くのならば子どもたちの成長が見られますからとらえやすいです。
図書館などの異年齢・不特定の聞き手の場合は、子どもたちと話をして探りましょう。
そして、常連さんを作りましょう。
そうして、自分の聞き手の成長段階、好み、雰囲気などから、どんなおはなしがいいか頭をフル回転させて考えましょう。
3.話について(内容と文章)
➀結末が満足できること。
ハッピーエンドでなければいけないということではなく、最後に聞き手が納得できるもの。
悲しい話を美しいと感じられるのは高学年以上になるので、それ以下の年齢には、悲しい結末や、考えさせる結末はさけます。
➁聞いて分かりやすい文章を選ぶ。
本のなかには、登場人物紹介とか、この物語のあった場所の地図とか、元々ページをもどって見られるようにしてあるのがあります。
もちろん、なくても分からないことがあれば後ろにもどって読み直せます。
でも、おはなしは戻れませんので、耳で聞いて一回で分からないといけません。
耳で聞いた話が何世代にもわたって語りつがれてきた昔話は、登場人物は少なく、複雑な展開はありません。
主人公が過去を振り返って長々とエピソードを突っ込むなんてことはありませんね。
アラビアンナイト形式の話もありますが、ひとつひとつが独立していて、同時進行ではありません。
聞いて分かりやすい文章というのは、昔話の文体であるといえます。
具体的には、つぎの5つのことに注意して、たくさん本を読みましょう。
・話の筋が単純であること。
・幸せな結末に向かって、早いスピードで一直線に進むこと。
・登場人物が少ない。
・情景描写が少ない。
・心理描写がほとんどない。
昔話の文体の特徴は、HPの昔話の語法に詳しくあります → こちら
そして、これという話があれば、しっかり声に出して読んで、自分の口に合うか確かめてみましょう。
たくさんお勉強しましたね(*^_^*)
講座が終わって疲れておられるかなと思ったら、意欲の強さというか、熱心さというか、「ああ、分かりました、バッチリやってきます~~」的な頼もしさを感じられて、どんなおはなしを選んでこられるのか楽しみにしております。
いままでは、「まだ覚えないで下さいよ」と、出走したいお馬さんを引き留めている状態に近かったので(笑)、次回はいよいよ覚え方のお勉強です。
みんなで頑張りましょう(^o^)/