日別アーカイブ: 2019年10月16日

10月度 初級クラス

日に日に気温が下がり、日中と朝晩の寒暖差が大きくなってきましたね(>_<)先日三男が体調を崩し休日診療所に行ってきたのですが、息子の前の患者さんはインフルエンザでした・・・今年の流行は早そうですね。予防注射を受けにいかねば、と思っている今日この頃です。

さて、10月度初級クラスの報告です。今回もまずは手遊び「どんぐりころちゃん♬」をしてからの発表でした。

①古屋のもる  『子どもに語る日本の昔話1』/こぐま社

初級クラスでの初・語りでした!こぐま社の方言の強いテキストですが、Oさんは長崎出身で、このおはなしの熊本の方言に近いそうです。聞いていて違和感なく、自分の言葉として語っているように感じました。高学年のおまけにいいそうです。

②森の王  『語りの森3 しんぺいとうざ』/語りの森

発表まで時間があったそうで、「練習しすぎて疲れた」とのコメントがありました。私は毎回ギリギリですので、こんな風に言ってみたいと思いました。きっちり覚えられていると心に余裕があったかでしょうか、落ち着いた素敵な語りでした。

3人兄弟の末っ子が成功するおはなしです。魔法をかけられ、高い塔に閉じ込められていたぎょろめ目のおじいちゃん(森の王)をジャックが助けます。ジャックは森の王にかけられていた魔法を解き、自由の身にしてくれたお礼に願い事の叶う指輪をもらいます。森の近くにお城があり、王様はお城のそばの深い洞穴から黄金の袋を取ってきたものを、末の娘と結婚させるというおふれを出します。3人の息子が挑戦し、ジャックだけが指輪の力で成功します。しかし、ジャックは自分が成功した若者だとは言わず、家に帰ってしまいます。王さまは家来に若者を探させ、ジャックを見つけ出し、お姫様と結婚するというおはなしです。

それから、以前初級クラスで発表してくれた「ホットケーキ」を子ども達の前で語った報告もしてくれました。オジサンポジサンやメンドリペンドリなどの言葉遊びは楽しんでくれたそうですが、最後のホットケーキがブタに食べられてしまった場面、一部の子どもは残念そうだったと感じたそうです。

この点について、ブタが出てきて鼻の上にホットケーキをのせたところからの語り方に注意するといいそうです。今までとは違うぞ、と聞き手に意識させる語り方が必要で、そうすると、最後は笑って、子ども達も結末に満足するそうです。

③三びきの子ぶた  『イギリスとアイルランドの昔話』/福音館書店

以前から語りたいと思っていたそうですが、難しいイメージがあり避けていたそうです。その気持ち、よく分かります!「三びきの子ぶた」は小さい子ども達に一番語られているおはなしの一つではないでしょうか?何度聞いても楽しいですし、私も覚えたいと思いますが・・・未だ挑戦できていません。

練習中は子どもがいないので、間の取り方が分からなかったそうです。言葉を十分に覚えれば、本番では子どもに任せておはなしを進めればいいそうです。    タイトルを言った時点で子ども達は「知ってるー!」と言ってくるでしょう。しかし、絵本やアニメで知っていることが多く、後半の3番目の子ぶたとおおかみとのやり取りを知らないことが多いので、気にせず語ればいいそうです。

前半の1回目(1人目)=失敗(おおかみに食べられる)、2回目=失敗、3回目=成功、後半は3回ともおおかみをだますことに成功しますね。上手くだましてやったぞ!と子ども達に感じてもらえることを意識して語りましょう。そうすると、最後におおかみを食べてしまった場面では「やったー!」と大いに喜ぶそうです。

①「めぶた →お母さんブタ」②「はりえにしだ →はりえにしだと言う木の枝」③「3時 →お昼の3時」と言い換えたほうがいいでしょう。③は子ども達が朝の3時と勘違いすることがあるからです。

④屋根がチーズでできた家  『子どもに語る北欧の昔話』/こぐま社

ジェニィが語ったのですが、接続詞がとても多く、覚えにくかったです。無くてもストーリーが分かる接続詞は、語るときに省いてもいいそうです。接続詞の代わりに「間」をとればいいときもあります。

昔話はその場面に2人の登場人物しかいないことが多い、よって、耳で聞いて分かりやすい。しかし、このおはなしは ①兄さん②妹③トロル女 と3人の登場人物がいて、しかも、2人とも子どもです。テキストでは、「〇〇」と妹が言いました。と書かれていますが、妹が「〇〇」と言いました。と変えると誰が言っているかすぐに分かります。聞き手に分かりやすくするために、演じるのではなく、テキストを変更したほうがよいとアドバイスをもらいました。

⑤三枚のお札  『おはなしのろうそく5』/東京子ども図書館

こわくて面白いおはなしの代表格ですね。途中でストーリーが止まることのないよう、一気に語れるよう心がけたそうです。

1年生に語る予定で、説明したほうがよい言葉として             「つうら →顔」「かなひばし →そのものの説明ではなく、長さを理解してもらうことが重要であり、手で30㎝ぐらいをジェスチャーするとよい」そうです。

このおはなしも子どもに語って初めて完成するおはなしです。また報告をお待ちしています。

⑥まほう使いの弟子  『語りの森3 しんぺいとうざ』/語りの森

練習しているうちに、自分の言葉に変わってしまったのが反省点だそうです。

後半の息子とまほう使いとの変身ごっこ、馬(馬喰)→鯉(かます)→つばめ(のすり)→指輪(手回し琴ひき)→麻の実(めんどり)→きつね、と次から次へと変身するのが楽しいですね~アドバイスとして、早くなりすぎず、きっちりとイメージできるように語りましょう。

このおはなしは中学生用に再話されたそうです。ヤンさんが中学1年から3年に語られているそうですが、中学生になると仮にその言葉の意味が分からなくても、ストーリーでおおよその意味を理解するので、説明は不要だそうです。以前「馬喰」の意味を説明したら、嫌がられたエピソードを話してくれました。

≪ヤンさんの語り≫ いばら姫  『語るためのグリム童話3』/小峰書店

このおはなしは、姫が15歳にときにつむに刺され、100年の眠りにつきますが、つむの先がとがっていることを理解しなければなりません。つむの説明の仕方を絵(イラスト)ありバージョンと、絵なしバージョンでレクチャーしてくれました。ヤンさんが語る前に絵を見せるのは、このおはなしだけだそうです。

今回のクラスで、Uさんが「ホットケーキ」の報告をしてくれましたが、とても勉強になりました。子どもに語るときが本番であり、今後も皆さんの報告が聞きたいと強く思いました。