今月は入門講座を終わられた方も見学に来てくれた中での初級クラスでした。
まずは、手遊び「メリークリスマス」をヤンさんが教えてくれたのですが、上手くできない大人続出・・・親指を上にあげて、人差し指あげてを左右で繰り返す単純なことなのに、途中で「あれれ・・・?!」子どものほうができるかもしれませんね(笑)
さて、今月もバラエティ豊かな発表でした。
(語り)
①がまんの石と刀 『子どもに語るトルコの昔話』/こぐま社
初めて20分超えのおはなしにチャレンジされました。気になる言葉もあり、練習しているうちに納得のいかない言葉は自分で変えられたそうです。また、語るときに問題のない接続語も省かれました。どこまで手を入れていいのか不安だったそうですが、ヤンさんがチェックしてくれ、ほぼ問題ありませんでした。
長いおはなしは子どもの集中力が続かないので、ストーリーが理解できるなら、無駄な言葉は省いて、ストレートな文にしたほうがいいそうです。
このおはなしは、子どものいない夫婦のもとに、神の使いである老人が現れ、子どもが欲しいという願いをかなえてくれます。しかし、せっかく授かった娘は7年の間、眠っている若者の見張り番をしなければならない、と言われます。7年が過ぎ、若者は目を覚ましますが、このおはなしはそれだけでは終わりません。
後半になって、深い悩み事を打ち明けるたびに膨れ上がり、しまいに粉々に砕けてしまう「がまんの石」ができています。娘がお風呂に入っている間に旅芸人の娘が衣装をうばい、娘になりすますのです。若者に娘は「がまんの石と刀」を買ってきてほしいと依頼します。そして、今までの出来事を「がまんの石」に打ち明け、刀でつきさして死んでしまうところを若者が助けます。その瞬間、魔法がとけ、若者は王子にもどり、結婚するという幸せな結末で終わります。魔法にかけられて眠り続ける王子を待つおはなしで「いばら姫」を思い起こさせますね。
②馬方やまんば 『日本の昔話5』/福音館書店
タイトルを言った時点で「馬方」の説明をしましょう。馬方にとって馬が生活の一部であり、いかに大切であるかを理解させると、最後の「だいじな馬まで食われたかたきうちだ」の意味を深く理解できます。
前半の馬の足をぶったぎり、やまんばから逃げる場面は低学年の子どもでも楽しめますが、後半の火の神さんやかたきうちは高学年にしか理解できないそうです。
語り方のアドバイスとして、やまんばの繰り返しのセリフ「おかざあ、おまえをとってくうぞ」の「おかざあ」が分かりにくいと指摘を受けました。「うまかたやまんば」(おざわとしを再話/福音館書店)の絵本では、「おかなきゃ」と書き換えており、語るときに変えてもいいそうです。
③桃太郎 『子どもに語る日本の昔話3』/こぐま社
このおはなしを知らない子どもはいないのではないでしょうか。しかし、桃太郎には松居直さん(福音館書店)の絵本に代表されるような優等生バージョンと、このおはなしのように、毎日ごろごろして寝ているばかりの劣等生があります。子どもたちは優等生バージョンを知っていることが多いと思いますので、違いを楽しめる小学3、4年までのおまけとして語れるそうです。
細かな点としては、となりにいる若い男が桃太郎を山に誘う場面「今日は、山へいきましょうやあ」では「今日は」を立てて語るようにしましょう。
④だんごころころ 『語りの森昔話集1』/語りの森
句読点で切れないことを意識されて語られました。
お地蔵さまとおじいさんのやりとりは、誰が言っている言葉なのかをしっかりイメージして、助詞「が」と「は」も間違えないよう確実に覚えましょう。
⑤お経を忘れた和尚さん 『語りの森HP』語りの森
和尚さんと小僧さんの笑い話です。お葬式に行く途中、和尚さんはかえるを踏んづけたと思いました。後ろを歩いている小僧さんはかえるではなく、なすびだったことに気づきます。お経を読むときになって、和尚さんは忘れてしまったので、かわりに「かえるを踏んだら、キュウと鳴いた」、小僧さんはそれに続けて「よく見ればなすだった」と読み上げます。
短い笑い話は難しいですが、Nさんは上手に語られ、爆笑した人が数名いました。ぜひ、子どもに語って下さいね!なお、このおはなしは「語りの森昔話集4」に掲載予定だそうです。
⑥いうことをきかないうなぎ 『おはなしのろうそく7』/東京子ども図書館
イタリアの昔話ですが、チョギアという町は実際に存在するそうです。ベニスが水の町であることや運河、ゴンドラなどの言葉も理解する必要があり、高学年のおまけのおはなしです。
⑦ミアッカどん 『イギリスとアイルランドの昔話』/福音館書店
他人に助けられたのではなく、自分で自分の危機を乗り越えたトミー。すでに小学1年生に語られたそうですが、終わってから「トミーは賢いな~」と言った子がいたそうです。
≪ヤンさんの語り≫
こびとのおくりもの 『語りの森昔話集1』/語りの森
次回の初級クラスは2月4日(通常の第2ではなく、第1火曜)になります。1月はありませんので、間違えないようお気をつけください。
クリスマスまであと1週間、早くクリスマスプレゼントの準備をしなければと焦っているジェニィでした。では、少し早しですが、皆様よいお年を!
ジェニィさん、今年最後の報告、ありがとうございました。
とっても丁寧で、みなさん、役に立ちましたね~
来年もよろしく~
初級クラスのみなさん、それぞれの課題をクリアできましたかあ~
来年もぼちぼち歩いていきましょね。
新しいタイプのお話に挑戦するのもいいね~
今年最後の初級クラスも、ほんとにいろんなおはなしが聞けて楽しかったです。
長いおはなしが増えてきた感じがします…。
いつも勢いのあるみなさんの語りに、エネルギーをもらっています。
役得ですね。
来年も同席させていただくのでよろしくお願いします(*^▽^*)
ヤンさん、ジミーさん
コメントありがとうございます。
うーん、課題…(>.<)
ジミーさんの中級クラスの報告にも書かれていましたが、自分のイメージ、感情を聞き手に押し付けてしまうことでしょうか。
聞き手が自分のイメージでおはなしを楽しむことが大切。自分の好きな場面になると、楽しくて興奮気味に語ってしまっているな…一歩引いて、冷静になって語らなければ、と思います。
また、自分のレパートリーにグリムが1話もありません。それで、今年はグリムに挑戦すると言いながら、まだ達成できていません。次回「三枚の鳥の羽」頑張ります!
来年もご指導のほど、よろしくお願いします。