マックス・リュティ『昔話の本質』報告
第8章謎かけ姫ー策略、諧謔、才智 つづき
トーランドット姫の出す三つの謎々は、内容的に宇宙の領域が関わっています。
前回のブログを見ていただくとわかるように、謎の答えが、太陽、海、年ですね。
謎といえば有名なのがスフィンクスの伝説。
スフィンクスは、顔が女性で体がライオンで翼がある怪物で、エジプトのテーベの近くに住んでいて、通り過ぎる人に謎をかけては、解けない者を殺していました。
そのなぞというのは、
「朝は四つ足、昼は二本足、夜は三本足で歩く動物は何か」
というもので、だれも答えられない。
あるとき、ギリシャのオイディプスが通りかかって、そのなぞを解き、スフィンクスをやっつけます。
え?
答え?
そう、人間。
赤ちゃんの時はハイハイで、大きくなると二足歩行で、年を取ると、つえをついて歩くから。
リュティさんは、伝説に対して、昔話は宇宙を相手にしているというのです。
例として、「賢い百姓娘」の類話をあげています。
二人の百姓が、畑とか牛とかを取り合っている。裁判官は、謎を解いたものを勝ちとする。
たとえば、こんな謎。
謎1、いちばん肥えているものは何か。
金持ちの答え:ベーコン
賢い娘の答え:大地
謎2、いちばん甘いものは何か。
金持ちの答え:はちみつ
賢い娘の答え:眠り
謎3、いちばん白いものは何か
金持ちの答え:牛乳
賢い娘の答え:太陽
謎4、いちばん高いものは何か
金持ちの答え:教会の塔
賢い娘の答え:星
でね、金持ちは自分の環境と所有するものの範囲を出ないんですね。
でも、賢い百姓娘は、宇宙全体を考えています。
これは笑い話ですが、笑い話ですら宇宙を語るのが昔話です。
「トーランドット」は個性のあるひとりの人間としてトーランドット姫を描いているけれど、昔話は役柄に過ぎないということを前回説明しました。
ここでも、リュティさんは、言います。
賢い百姓娘を実際の人間とばかり考える必要はない。貧しい百姓の魂と見なすこともできる。
さて、ここで、宿題です。
賢い百姓娘のオーストリアの類話にこんな謎があります。
答えを当ててください~q(≧▽≦q)
1、いちばん太っているものは何か?
2、いちばん美しいものは何か?
3、いちばん豊かなものは何か?
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暑いですねえ
雨が降っても、まるで梅雨時みたいにむしむしします。
熱中症に気をつけようね~
昨日のおはなしひろばは、「お姫さまとはらぺここびと」。
飛行機が出てきたり、とっても現代的なの。
グリムの「金のがちょう」のスイス版ですo(*^@^*)o