昨夕、久しぶりに雷雨があって、ちょっと涼しい夜と夜明けを過ごしました。
今朝は、初めてのツクツクホーシを聞きました。
初秋
午後からはやっぱり暑いけど、希望をとりもどしたよ~
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マックス・リュティ『昔話の本質』報告
第8章謎かけ姫ー策略、諧謔、才智
ヨーロッパの昔話の基本的なテーマに、「戦い」があります。
主人公は、竜とか、怪物、悪い魔法使い、魔女、盗賊をやっつけなければなりません。
そのとき、主人公は、策略を使います。
例えばこんな話。
↓
この戦いで、主人公の王子は一度死にます。
が、生き返った王子は、王女の策略で、怪物ドンタの弱点を知り、やっつけます。
その策略を見てください。
↓
これって、「心臓がからだの中にない巨人」にもあるモティーフですね。
お姫さまがベッドの中で巨人に心臓のありかをたずねる。
「だって、あなたのことをとっても愛しているんですもの」
それから、「魔法使いと弟子」の類話。
あのラストも策略ですね。
魔法使いと弟子が、次から次へといろいろな動物などに変身する。最後に弟子が一握りの穀物の粒に変身すると、魔法使いはにわとりになって、ついばむ。最後の一粒が、とつぜんキツネや鷹に変身して、にわとりを食ってしまう。
《おはなしひろば》に「まほう使いの弟子」を紹介しているので、どうぞ。(こちら⇒)『語りの森昔話集3しんぺいとうざ』にのせてますよ~
「ヘンゼルとグレーテル」
ヘンゼルは、指の代わりに小さな骨を差し出して、まだ太っていないと魔女に思わせる。グレーテルは、パン焼き窯に、どうやって入るかわからないと言って、魔女に入らせる。
策略で、魔女をやっつけます。
ところで、昔話がなぜ戦いをテーマにするのかということについて、リュティさんは、ふたつ書いています。
1、戦いというものは、人間存在一般の基本的な要素だから。確かにそうですね。私たちは、子どもの時から誰かと、または何かと戦っているし、ゲームや遊びも戦いのひとつですね。自分との戦いもある。
昔話は、人間の基本的なテーマを取り上げるものだから、当然戦いもテーマになる。
2、昔話は叙事的文学、つまり外的事件の描写だから。昔話は、心理的なこと、内面は描写しませんが、かわりに事件や目に見える事柄や行動で表します。私たちは、現実には、ある出来事に対して、自分の精神的な部分で対処しようとします。それを主人公と巨人の戦いという出来事で述べる、というわけです。
はい、今日はここまで。
今日は夕立はないのかなあ。