今月も様々なジャンルのおはなしで、感動あり、笑いあり、歌あり、方言あり・・・楽しい勉強会になりました。では、報告です。
♬手遊び メリークリスマス🎄♬
(語り)
①マローンおばさん 『マローンおばさん』/こぐま社
エリナー・ファージョンの詩で、図書館でのクリスマスおはなし会に語られるそうです。雪が深く降り積もった冬のある日、一人貧しく暮らしているマローンおばさんの家に月曜から順にスズメ、ネコ、母子キツネ、ロバ、クマがやってきます。マローンおばさんは食べ物を分けてやり、「あんたの居場所くらい ここには あるよ。」と言うのです。土曜におばさんが起きてこなくなり、日曜に動物たちがおばさんを天国に連れていくのです。最後は聖ペテロ様に「あなたの居場所が ここにはありますよ、マローンおばさん」と言われます。
天国の景色を見てマローンおばさんが言った「ここは わたしの来るところじゃないよ」という言葉はイメージより、聞き手に考えさせる場面ですので、語り方に気を付けましょう、とのアドバイスでした。
詩の語りを聞いたのは初めてでしたが、最後は(大げさではなく)涙が込み上げてくるような気持ちになる心温まる語りでした。子ども達ならどんな風に感じるのかと気になります。
②ヘレーおじさん 『語りの森昔話集3』/語りの森
ブータンの昔話です。わらしべ長者の逆バージョン、高価なものを順に低いものと交換していく内容です。最後はおんどりと歌を交換し、ブータンでは、だれが見てもばかげた取り引きをする人を、「ヘレーじいさんのようだ」ということです。この手のおちを理解できるのは、中学年以上になります。笑い話ですので、子ども達の前で語ってしか、本当の間は取れませんが、経験からここで笑いがあるかと想像しながら語られました。
繰り返しの品物を交換する場面、「おまえさん、その〇〇と△△を取りかえないか」の前は少し間をとり、考えているように語るといいそうです。
③お月お星 『日本の昔話2』/福音館書店
実子とまま子の話の場合、「ホレばあさん」や「ネコの家に行った女の子」のように良い子と悪い子であることが多いですが、このおはなしは二人とも良い子であるところが気に入ったそうです。なお、まま子に関しては、ヤンさんがブログ(昔話の解釈ー白雪姫)で解説してくれていますので、ぜひ参照ください。そうです!私もまま母になることがしばしばです(苦笑)→https://blog.katarinomori13.com/2020/11/11/%e6%98%94%e8%a9%b1%e3%81%ae%e8%a7%a3%e9%87%88%e3%83%bc%e7%99%bd%e9%9b%aa%e5%a7%ab%ef%bc%93%f0%9f%91%b8%f0%9f%91%b8%f0%9f%91%b8/
最後は母親が謝罪し、目も見えるようになり、家族みんなでハッピーエンドのおはなしです。三人息子がいる私は、どうしても女の子が主人公より男の子のおはなしを選んでしまうのですが、双子の女の子のいるYさんは母の愛が感じられる素敵な語りでした。
④ソーディサルレイタス 『英語と日本語で語る フランと浩子の昔話1』/一声社
子どもに語られたのを聞いて、自分も覚えたくなったそうです。子どもとリズムを作っていくおはなしです。♪ソーディ ソディ ソーディサルレイタス♪と一緒に口ずさみたくなりますね。低学年のおはなしですので、ふくらし粉の説明ができるようにしておきましょう。
⑤びんぼう神と福の神 『子どもに聞かせる日本の民話』/実業之日本社
先月に入会してくれたHさんの初めての発表でした。山形弁の方言が残ったままのテキストですが、方言を大切にしたいと手を入れずに語られました。東北で語りを聞いた経験もあるそうで、違和感なく語られ、大いに笑いがおこりました。
☆ふくろからふたり出てこい 『ロシアの民話集(下)』/岩波書店(ヤンさん)
おはなしひろばにupしてくれていますので、聞いてみてください。→https://katarinomori.xsrv.jp/oh/2020/12/18/%e3%81%b5%e3%81%8f%e3%82%8d%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%b5%e3%81%9f%e3%82%8a%e5%87%ba%e3%81%a6%e3%81%93%e3%81%84/
今回はテキストに手を入れることが少なく、個人的な感想が多い報告ですみません・・・中級クラスは初級クラスのテキスト縛りがないため、一気におはなしの世界が広がった気分です。中級クラスもやる気十分、次回3月16日にお会いしましょう。来年はどんなおはなしに出会えるか、楽しみです(^^♪