日別アーカイブ: 2021年11月8日

11月のおはなし会🎑

11月7日(日)

あったかペーチカ 大人9名

今日は、あったかペーチカの出発の日、初めての会合だったので、ヤンも行ってきましたよ。
初級クラスと中級クラスの人がいっしょになって語りを楽しむ会です。
ほんと、あったか~い語りの会でした。

「おだんごぱん」同名絵本/瀬田貞二訳/福音館書店
「お経を忘れた和尚さん」『語りの森昔話集4』
「しんぺいとうざ」『語りの森昔話集3』
「なぞの歌」『日本の昔話』小澤俊夫再話/福音館書店
「お経を忘れた和尚さん」『語りの森昔話集4』
「メケー・ドマ」『語りの森昔話集1』
「まほうの馬」『まほうの馬』トルストイ文・ブラートフ文/高杉一郎・田中泰子訳/岩波書店
「いばら姫」『語るためのグリム童話集3』小澤俊夫編訳/小峰書店
合唱「ペチカ」

9名参加で8名語り。すごい!
おもしろかった~
講評もなく、みなさん気楽~に語られました。
練習にという人もいれば、復習をという人もいました。

感想を言い合う会もおもしろかったです。
コロナがなければ、お茶しながらおしゃべりできるのにね。
会場の人数制限があるので、いまは初級中級メンバーだけです。
メンバーさんたち、ぜひ参加してくださいね。

お世話くださったみなさま、ありがと~~~(✿◕‿◕✿)

11月8日(月)

幼稚園4歳児

ろうそくぱっ
おはなし「ひなどりとねこ」『子どもに聞かせる世界の民話』岩崎源九郎/実業之日本社
ろうそくぱっ

おりこうさんのクラスです(笑)
きょうは、思いきり羽目を外して笑ってもらおうと、おばあちゃんはがんばりましたよ~
おはなしが終わってからも、子どもたちの声をひろいながらしばらくおしゃべりしました。
意外な言葉は出てきませんでしたね・・・
常識派がそろってるんですね。
でも、それはそれでいいんですけどね。
まあ、これからもカラを破る努力を続けます(笑)

幼稚園5歳

ろうそくぱっ
おはなし「アナンシと五」『子どもに聞かせる世界の民話』
ろうそくぱっ

はじけるクラスです。
が、今日は、めっちゃまとまってましたね。先月からぐんと成長していました。
劇遊びが始まったからのようです。
めっちゃまとまってはじけてくれましたよ。
あひるのおくさん⇒うさぎのおくさん⇒はとのおくさんと、ハラハラがクレッシェンドしていきます。
はとのおくさん「それから、・・・」
子ども「あかん!」
はとのおくさん「わたしののっているぶん!」
子ども「はあああ(ため息)」
おもしろかった~

子どもたちに語ると、ほんとに元気になります。
精気を吸い取っても吸い取っても(笑)、無限のエネルギーを持ってますねლ(╹◡╹ლ)

 

 

第2回おはなし入門講座

秋も深まり、あちらこちらで柿がたわわに実って、軒先に干し柿が並んでいるお家を見かけるようになりました。

11月2日(火)に開かれた第2回おはなし入門講座の様子をお伝えします。手を引いたりベビーカーに乗せたり、お子さんと一緒に来場される受講生の姿もあり、今回も和やかな雰囲気の中で始まりました。

はじめに、ヤンさんの語りで「さるの海岸見物」と「かめのピクニック」を聴きました。「さるの海岸見物」は岡山県あたりに伝わる話で、猿が呟く「ものいうても返事するもんがおらなんだらあかんなあ」という言葉が心の深いところに響きます。話の筋は低学年でもわかりますが、子どもなりにいろいろ経験している、高学年のおまけによい話だそうです。(←詳しくは語りの森HPの日本の昔話へ)
「かめのピクニック」は、イギリスのジョセフ・ジェイコブズが集めたイギリスの民話集の中の一篇。「3びきのこぶた」や「ジャックと豆の木」が有名ですが、この話を初めて聴いたわたしはまさかの結末にえ〜っ!?と驚きました。新鮮というか斬新というか、きっと一度聴いたら忘れられないおはなしです。昔話にもいろいろありますね。

では、数あるおはなしの中から、自分が語るおはなしをどのように選べばよいのでしょう?

わたしたち現代の語り手は、耳で聴いて自然におはなしを覚えた伝承の語り手とは違います。けれども口で物語を伝えるという点では同じです。そこで、おはなしを選ぶときも語るときも、伝承の語り手から学べることがあるとのこと。
語りには語り手・聴き手・話のテキストの3つの要素が不可欠だということで、それぞれの要素ごとにおはなしの選び方を見ていきました。

一つ目に、語り手である自分の好きな話を選ぶこと
伝承の語り手は耳で聴いた全ての話を覚えているわけではなく、好きな話を覚えています。現代の語り手であるわたしたちも、自分の好きな話を選ぶことが大事だそうです。覚えるまで何回も自分の口に載せるお話です。たくさんの話を自分で一から読んで、何回読んでも何回口に載せても好きだなと思える話を選びましょう。好きな話は人に聴かせたいものですよね。つまり、語り手にとっての選ぶ基準は、自分が好きで人にも聴かせたいおはなしということでしょうか。

二つ目に、聴き手である子どもが求めている話を選ぶこと。おはなしを聴いて育った伝承の語り手も、子どもの頃「あの話して〜!」と大人におはなしをせがんで囲炉裏端で聴いていたのでしょうか。子どもの興味や成長段階に合った、子どもが聴きたいおはなしを選びましょう……とは言いつつ、我が子ならまだしも、聞き手が我が子でない場合、何に興味を持っているのかわからない。ヤンさんは、おはなしの時間が終わった後などに、子どもに話しかけて興味をリサーチするそうです。おはなしを聴かない子がいた場合も、その子を知ることでその子の好きそうな話を選ぶこともできます。語り手であるわたしたちと聴き手である子どもたちが、こうしてつながることは、せっかくのおはなしの場を活かすためにも必要なことだなと思いました。子どもと話すの面白いですし^^

ここで、子どもの成長と大人の関わり方について、ヤンさんのお考えをうかがうことができました。
ヤンさんの言葉をお借りすれば、精神的な発達がはやい子もいればゆっくりな子もいるが、「自分なりにすくすく成長」していればそれでよい。「子どもは好きなことについていく」ものだから、「子どもを引き上げようとしない」で「親はそれについていく」だけでよい。子どもは「親のこうあってほしいという気持ちを忖度」しているので、せめておはなしは子どもの「成長段階に合ったもの」を選んであげたい。

お子さんと一緒に参加の受講生さんが、頷きながら熱心に聴いていらっしゃるのが印象的でした。
つい引き上げようとしてしまうんですよね(^^;;
反抗期真っ只中の我が子。まだ遅くないかな?

三つ目に、語りに向いたテキストを選ぶこと。
内容が子どもにとって結末が満足できるもので、ハッピーエンドがいいそうです。子どもはお話を聴いているとき、主人公になって聴いています。「子どもは物語を生きるんです。………(だからこそ)最後は幸せにならならなければいけない。」というヤンさんの言葉に胸打たれました。本当にそうですね。
おはなしはさまざまで、ハッピーエンドではないものも多くあります。例に挙げられた、鶴女房や猿婿などの異類との結婚話はたいてい破綻するそうで、思春期を過ぎて(より繊細な)美しさや悲しさを感じとる力がついてくれば、こういったおはなしも楽しめるようになるそうです。
思春期に、今まで気づかなかったものの魅力に気づいたりした覚えがあります。身体だけでなく感受性もより豊かに成熟していくのでしょうね。

文章は耳で聴いてわかりやすいことが大事だそうです。情報は音声だけなので、耳に入ると次々に消えていきます。音だけでおはなしの世界を想像するので、聴いてサッとわかる文章でなければ伝わり損ねます。伝承の語り手が伝えてきた昔話は、聴いてわかりやすいから残り、少しずつ変化しながら他民族にも伝わってきたとのこと。「聴いてわかりやすい」ためには?
筋が単純であること。幸せな結末に向かって速いスピードで一直線に進む。
登場人物が少ないこと。例)サルとカニ、カメ大中小
情景描写と心理描写が最低限であること。その方が異なる美意識を持った人にも伝わりやすいし、その人の思いで解釈できるので抵抗が少なく、広がり奥行きがある。例)ガラスの山 どんなガラスの山かはその人の感性で!

つまりは「何が言いたいかわかることが大事」なので、「ストーリーを前に進めるためにも必要なものだけ表現」してある方がいいということでした。ヤンさんが「説明しなければ、おもしろい捉え方もできる。」とおっしゃったんですが、これは芸術にも通じることだなあと思いました。

最後に実際におはなしを選ぶときの手順について説明がありました。
テキストを読んでいて、いいなと思うおはなしを見つけたら付箋を貼っておきます。次にその中から厳選したおはなしをコピーします。このとき作者、再話者、出版社、出版年月日などの奥付を記録しておくこと。
こうして選んだおはなしを、声に出して読んで自分の耳に聴かせてみる。これで、口に載りやすいか耳で聴いて心地よいかがわかるそうです。

また長〜い報告になってしまいました。お読みくださりありがとうございます。

次回は12月7日(火)です。
宿題は、今日学んだことを踏まえて自分でおはなしをひとつ選んでくることです。いよいよですね〜!!