ラフィク・シャミ作/松永美穂訳/たなか鮎子絵 2020年刊
ラフィク・シャミは、1946年、シリアのダマスカス生まれの作家。
人形使いのマリオは、若いころから、あちこち旅をして公演します。
操り人形たちはマリオとマリオの作り出すストーリーが大好きでした。
ところが、マリオは、公演が次々と成功を収めるようになると、もういつも同じ出し物ばかりを繰り返すようになります。
人形たちは、それが不満で、もっと違う役柄を演じたいと考えます。
そして、マリオの糸を離れて、各自自分で演じ始めるのです。
作者シャミは、あとがきで、この本で三つのことをいいたかったといっています。
1つは、成功することでだめになった芸術家。
これって、芸術家だけではないですよね。
2つめは、友情。
友情というのは感じやすい植物のようなもので、きちんと世話をすれば成長して花を咲かせ、すばらしい実をつけますが、そまつにすると、枯れて死んでしまいます。と、シャミは言います。
これは、マリオと人形たちの友情を語っています。
3つ目は、自由。
糸を切った人形たちは、自由になって何を手に入れたのか。
自由へのあこがれとか、自分で自分の進む道を決めることの大切さとか、その責任を引き受ける勇気とか、そんなことを考えさせてくれます。
うちにあったシャミの本は、2冊。
『空飛ぶ木』池上弘子訳/西村書店1999年
『夜と朝のあいだの旅』池上弘子訳/西村書店2002年
じつは、これ、娘が中高生の時に読んでたのね。わたしは未読。読んでみようと思う。
これらは長編です。「人形つかい~」は短編ね。
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えらい雨が降ったかと思えば、また暑い日々です。
停電するし。
コロナ感染者も増えに増えて・・・
ほんと、いいことばっかりじゃないですね。
テレビつけたら、過去の戦争と現在の戦争と、ばかばかしいバラエティとが入り混じってるし。
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昔話の日々の更新ですが、ちょっと季節外れになってます。
というのも、秋と冬の話を紹介してるのね。
今から選んで覚えるのに間に合うようにって思ってるの~
物語も面白そうですが、絵が素敵ですね。
マリオネットとか人形って、わたしは時々「こわっ!」って思うんですが、この絵はとっても素敵です~~
絵が素敵だと読む気になる、単純なわたし(笑)